№2754 JTB時刻表2024年2月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2024年2月号」、先月25日に発売になりました。

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 表紙は、北陸本線・湯尾~南条間の681系〔サンダーバード〕。北陸新幹線が敦賀に延伸すると、この区間はハピラインふくいに転換され、JRの特急列車は走らなくなる。681系の去就はどうなる。相当な余剰が発生するはずだが、北陸新幹線延伸時には、683系が直流専用289系に転用改造された事で延命したけれど、今回は、少なくともJR西日本内部には転用先がない。量産車もデビューから間もなく30年だから、相当な淘汰が発生するとも考えられるが、どう展開するか。

「のりもの情報局」、10・11・12・1月号と、4ヶ月連続して掲載がなかったからもう終わったのかと思ってしまったが、5か月ぶりに掲載がありました。「津軽鉄道『開運入場券(たつ)』発売中」「広島電鉄『広島ドラゴンフライズ電車』『サンフレッチェ広島レジーナ電車』ラッピング車両運行中」「カンゼン『近鉄とファン大研究読本』好評発売中」。
 広島ではテキストにあるように、紙屋町の近くにサッカーの新スタジアム「エディオンピースウィング広島」がオープン(今月23日のJ1開幕戦・サンフレッチェvsレッズ戦がこけら落とし)する事になっていて、記念でまた新しいラッピング電車が走る事になるだろう。

北陸新幹線金沢-敦賀間開業! 新駅&沿線旅ガイド
 去年敦賀に泊まって、外側からだけだが敦賀の新幹線の駅も見たが、ここでは、新規開業区間の全ての駅のガイドが掲載になりました。

 まず、敦賀での乗り継ぎがあっても、大阪・名古屋~金沢・富山間の所要時間が短縮されるのは結構。だが、問題になりそうだと思うのは、改正と同時に、新幹線⇔在来線特急・急行の乗り継ぎ割引が全面的に廃止になり、料金が単純に合算になる事。現在、大阪~金沢間の特急料金は2,950円だが、3月16日以降は、大阪~敦賀間2,390円+敦賀~金沢間2,400円、合計4,790円となって、1,840円(62.37%)の大幅な上昇になってしまう。また 名古屋~金沢間で名古屋~米原間東海道新幹線利用の場合、現行では名古屋~米原間2,290円+米原~金沢間1,650円(割引適用)で合計3,650円だが、これが名古屋~米原間2,290円+米原~敦賀間1,290円+敦賀~金沢間2,400円、合計5,980円となり、2,330円(63.83%)の上昇(ここでの金額は全て通常期・指定席)。JR西日本では、WEB限定の割引商品の発売も行うようだが、利用者にはどう受け止められるだろうか。

 本題の新規開業各駅だが、まず福井は、やはり島式1面2線になる。内覧会のニュースも見たけれど、スペースの確保の問題もあったろうが、新規開業駅では一番乗降が多くなるはずと思われる福井で、このレイアウトが採用されるとは思わなかった。
 越前たけふは高速道のICや国道に近くにあり、「交通の要衝になると期待される」と記されているが(既に先行して、名古屋~福井間の高速バスが停車している。道の駅で乗車券も発売)、肝心の武生駅・たけふ新駅を中心とした、越前市中心部への二次アクセスは、どうなるのだろうか。地元の報道では、シャトルバスが運行される事になるようだが。
 今回、新たに加賀温泉・芦原温泉と、「温泉」の2文字が入る駅が入るのが特徴的で、既存区間の黒部宇奈月温泉(「温泉」が入る新幹線の駅は初めてだった)と合わせて、3か所になる(他に西九州新幹線の武雄温泉・嬉野温泉)。加賀温泉は、能登半島地震の影響は軽微で旅館は通常通り営業しているが、キャンセルが相次いでいて、先日温泉の関係者が都内でPRを行ったとニュースもあったが、新幹線が走るようになれば、流れも変わるのではないだろうか。№2522でも書いたが、この駅は昔は作見という普通列車しか停車しない小駅で、周辺の大聖寺や動橋に特急・急行が停車していたが、これらを統合する形で、加賀温泉駅になりました。五十数年で大出世です。加賀温泉・小松両駅のホームのメロディは、なぜユーミン夫婦なのだろう?共に、出身地とかではないのだが。
 なお、能登半島地震については反映されていないが、欄外にお悔やみとお見舞いのメッセージが加えられていました(「編集長だより」にもあり)。
 新規開業区間は今日2月3日、一般向けの試乗会が行われたそう。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、この改正で定期運用から離脱する255系。房総のリゾート特急として期待されたが、高速道路(特にアクアライン)の開業・延伸もあって、房総の各特急が思った以上に早く衰退したのは、誤算だったろう。今後の事は分からない。そのまま引退かも知れないし、波動用で残る185系を置き換えるのかも知れない。6連に短縮して〔富士回遊〕に転用するというのは、どうだろう?需要が回復して、輸送力不足気味であるようだから。〔あずさ〕〔かいじ〕の所要時分短縮にも良いだろう。

 グラビアが北陸新幹線新駅特集になったので、3月16日ダイヤ改正の概要は、特集のページに掲載されています。基本的には昨年12月のJR各社からのリリースをそのままなぞっているので、新たに記す事はない。ただ、例の京葉線は「通勤快速・快速は各駅停車に変更される列車があります」という、やや曖昧な表現になっている。JR東日本のリリースでは、当初は「朝夕はすべて各駅停車に変更します」みたいな文言になっていたはずだから(今月16日の一部修正発表と同時に、12月のリリースの該当部分の文言は削除されている)、その後の修正を見て、急いで書き替えたのかも知れない(今2月号の締め切りは12月22日だった)。

 今号では新幹線・特急の時刻が掲載になっているが、東海道・山陽新幹線は、現行の新横浜始発臨時〔のぞみ491号〕は、新ダイヤでは〔のぞみ97号〕として、さらに博多まで運転される日がある(新大阪止まりの運転日は〔のぞみ497号〕)。この場合の新大阪から先の時刻は、現状では〔さくら545号〕〔さくら575号〕(臨時)と被る事になるが、新ダイヤでは、〔545号〕は鹿児島中央までの全区間を4分繰り上げ。〔575号〕は新大阪・新神戸は3分早発になるが、西明石で〔のぞみ97号〕の通過待ちになる(鹿児島中央終着時刻は変わらない)。

 上越・北陸新幹線は、現状は下りと上りを上下に並べる形態で掲載されているが、新ダイヤからは下りと上りで別ページになりました。上越と北陸を分離してもいいかなと思うが、東京~高崎間が共用で、この区間のみの利用者・列車も多いのでできないかも。
 上越新幹線は最終列車の繰り上げが発表されていたが、新ダイヤで東京発新潟行の最終は、21時20分発〔とき347号〕となり、現行の〔とき351号〕からは20分の繰り上げ。また高崎行は22時40分発〔たにがわ477号〕で、やはり20分の繰り上げ。対上毛高原・越後湯沢は現行の〔たにがわ417号〕で変わらず、この結果、上越新幹線で一番終着が遅いのは、〔たにがわ417号〕の越後湯沢着23時52分になります。
 なお、新ダイヤの〔とき347号〕は、本庄早稲田は通過。このため、(利用者はあまりいないだろうが)本庄早稲田から新潟への最終は、21時39分発〔とき345号〕となり、50分の繰り上げになる(対浦佐・燕三条はさらに高崎あたりで後続の〔とき347号〕に乗り換える必要がある)。

 在来線特急は、〔しおさい〕は、銚子発着の全列車がE259系で運転。現行の255系をほぼそのまま置き換える形にはなるが、下り5本・上り4本に削減。東京発最終は19時45分発(〔しおさい9号〕)に繰り上がる上、土休日は運休。
 米原発着の〔しらさぎ〕は、米原~敦賀間45.9㎞の短距離列車となり、JR西日本では最短の定期特急になります。通勤ライナー特急の〔らくラクやまと〕でさえ、新大阪~奈良間52.3㎞(実際の走行ルートの営業キロ。運賃計算上は50.6㎞)なのに。

 同時に春の臨時列車も発表になっているが、目を惹くのは、(平日おさんぽ号)の副称がある、吉川美南~鎌倉間の特急〔鎌倉〕。6月の毎週金曜日に運行されるが、全て普通の平日。時刻は3月~6月の土休日運行の〔鎌倉〕とは異なる。E653系使用は同じ。6月は紫陽花のシーズンになるが、利用を分散させて混雑を緩和しよう、という意図だろうか。
〔WEST EXPRESS銀河〕は、改正日以降6月いっぱいは、京都~出雲市間(伯備線経由)で運転。

 会社線は、1月20日に運行を開始した、高速バス加須・行田・熊谷~伊香保・草津線(ここには記載がないが〔ゆめぐり埼玉号〕の愛称がある)が掲載。最近首都圏から伊香保・草津を目指す路線が相次いで開業しているが、この路線は「ジェイアールバス関東と秩父鉄道観光バスのアライアンスによって運行される」とされていて、運行は秩父鉄道観光バスだが、JRバス色で運行される。秩父鉄道観光バスは久しぶりの路線バスで(熊谷市のコミュニティバスは、現在は担当していない)、高速バスは初めて。

本文
 長崎本線の江北→肥前鹿島間で、夜間に普通列車1本増発。江北22時03分→22時17分肥前鹿島。江北では〔リレーかもめ61号〕から乗り換えができる。列車番号9895Mと臨時列車の扱いだが、特に注釈はなく、毎日運転(ダイヤ改正時より定期列車として運行)。
 JR線に関してはもうダイヤ改正直前なので、特段新しい動きはないように見えました。

 会社線は、南海高野線・泉北高速鉄道が1月20日にダイヤ改正を実施済み。紙面では分からないが、高野下~極楽橋間の運行本数の変更(平日は増・土休日は減)、極楽橋駅でのケーブルカー乗り換え時間の拡大(平均5分→8分)、土休日の下り3本・上り1本の九度山停車時間の延長(駅構内のおむすびスタンドでの購入時間を確保するため)など。4月6日~11月30日の、土休日の〔こうや〕増発も予告されています。

 昨年12月に廃業した金剛自動車の富田林駅~千早ロープウェイ線は当然抹消。南海バスの河内長野駅~金剛山ロープウェイ(金剛の千早ロープウェイと同じ場所)は、時刻は掲載されている。ただ、なぜか巻頭の索引地図からは、南海バス路線まで抹消されている。

 さて、裏表紙の裏を見るとなんと、「JTB私鉄時刻表 関西 東海2024」の予告があります。JTBでは以前、私鉄のみの時刻表(東西で分割)を年1回程度刊行していたが、15年ほど前に終わってしまって、残念と思っていたものです。今回は関西・東海のみで、西日本でも中国・四国・九州は掲載がないよう。だが、特に阪急・阪神は自社の全線時刻表の刊行をかなり前に取りやめていて、ダイヤの全体像が見えなくなっているので、この刊行は大いに期待です。2,200円とややお高くなりそうだが、それだけの価値はあるはず。いずれ関東地方、そして他地域の私鉄についても刊行があると思われるし、そうなるようこちらも期待です。

 次号3月号では、JR全線や、ハピライン・IRのダイヤが掲載になるはずなので、できるだけ数多く分析してみたい。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《What's New》
 1日 豊洲市場隣接 新商業施設 「豊洲千客万来」オープン
 2日 新潟 三幸製菓工場火災 代表取締役ら4人書類送検
 3日 ラグビーリーグワン 「スーパーラグビー」チームと初の交流戦

 関東地方は5~6日にかけて、ひょっとしたら平地でも大雪かも、という予報が出ています。JR東日本や東武などではすでに、注意喚起のメッセージが掲載されています。明後日以降の事だが、どうなるのか。通勤に影響が出ないといいけれどねえ。
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)時刻表

№2739 JTB時刻表から見る日本の乗り物 2023年

 GW明け直後の「5類」移行で、まだ完全に終わってはおらず、ここにきて新変異ウィルスの拡大の懸念もあるが、それでもどうやら峠は越えたのかな?の感があるコロナ禍。しかしこの3年あまりの禍は、交通の世界にあまりにも深刻なダメージを与え、しかもこの先もかなりの期間、尾を引きそうな予感です。ともあれ、もうそろそろ新しい段階に前進したい、日本の交通業界のこの1年を鉄道を中心として、JTB時刻表に現れた事項を中心に回顧していきたいと思います。
 関東では大手私鉄の大型新線が開業、相互直通ネットワークがさらに拡大しました。日本初の、本格的LRT新線も開業しています。西日本ではターミナル地下新駅開業に、地下鉄の延伸もありました。第3セクター鉄道の7年ぶりの運転再開もあったが、ローカル鉄道は引き続き、苦境に置かれています。運賃・料金の値上げは今年も相次いだが、新たな試みも見られました。 

《2023年の十大ニュース》
 例年通り、この「十大」はあくまで、私個人の主観に基づいています。「こっちの方が大事やろ」のご意見も多々あろうかと思うが、どうかご了承くださいませ。

◆ 東急・相鉄新横浜線開業 相互直通運転開始

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 東急・相鉄の新横浜線、日吉~新横浜~羽沢横浜国大間合計10.0㎞が3月18日に開業、同時に両社の相互直通運転が始まった。
 東急は日吉~新横浜間5.8㎞で、途中に新綱島駅を設置。相鉄は、2019(R元)年11月30日に開業済みの羽沢横浜国大~西谷間を延伸する4.2㎞で、合計6.9㎞となった。日吉・西谷駅付近を除くほぼ全線が地下線となっている。
 東急・相鉄の境界となる新横浜は、両社による共同管理体制が取られた。

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 東急側は、目黒線(~東京メトロ南北線・埼玉高速及び都営三田線)を中心に東横線(~東京メトロ副都心線・東武東上線)の急行も新横浜線に乗り入れ、さらに大半の列車が相鉄線に直通する。主に目黒線は相鉄本線(海老名方面)、東横線は相鉄いずみ野線(湘南台方面)へ直通を行う。相鉄は既に新横浜線一次開業時よりJR線との相互直通運転を行っており、さらに東急との直通で、神奈川県東部から東京都を経て埼玉県南部にかけての、広範囲な相互直通ネットワークが完成する事となった。
 日常の通勤・通学等の利用の他、新横浜では新幹線への乗り換えの需要が期待されており、JR東海では新横浜線開業と同時に、新横浜始発の臨時〔のぞみ〕の設定が行われている。新横浜はJR横浜線・市営地下鉄ブルーラインも含めた、横浜市北部の鉄道ネットワークのハブに発展した。

◆ 大阪駅「うめきたエリア」開業 おおさか東線延伸

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 大阪駅北側を走る梅田貨物線の地下化を機に、旅客列車用の新地下ホームの整備が行われ、ダイヤ改正時の3月18日、通称「うめきたエリア」として開業した。
 同駅は21~24番線の2面4線で、21番線のみ、フルスクリーン方式のホームドアが整備されている。将来の扉位置が異なる列車の発着を想定し、新開発の、戸袋部も同時に可動するタイプが導入された。
 梅田貨物線は従来より特急〔はるか〕〔くろしお〕が通過しており、うめきたエリア開業時より全列車が新規に停車している。また、新大阪を発着していたおおさか東線も全列車が延伸、大阪環状線など、他JR在来線との接続の改善も図られている。臨時特急〔まほろば〕も、うめきたエリア発着となった。
 同時に大阪駅西口も開設、顔認証方式の改札機など、新技術も取り入れられている。
 今後、関西空港アクセス鉄道となる「なにわ筋線」の乗り入れが想定され、さらに阪急によるなにわ筋連絡線・新大阪連絡線構想もあり、同駅を巡る列車の顔触れは更に多彩なものになる事が予想される。

◆ 宇都宮ライトレール開業 日本初本格的LRT新線

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 8月26日に宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間が全線開業した宇都宮ライトレール・宇都宮芳賀ライトレール線は、日本では初の、完全新線のLRT鉄道となった。
 平成の初期から、宇都宮の東に位置する芳賀町の高根沢工業団地へのアクセスとして検討が続けられていたもので、コロナ禍などによる工事の遅れもあり、当初の想定より1年半遅い開業となった。「ライトライン」の愛称がある。開業時は各駅停車のみ5~12分毎の運行、全区間の所要時間48分だが、今後快速運転や、最高速度の引き上げによる所要時間の短縮が想定されている。当初から全国相互利用のICカードが利用可能で、ICカードでは直接の運賃収受を行わない、全ドアで乗降可能なセルフ乗降方式を採用し、停車時間の短縮を狙っている。
 将来的には宇都宮駅より西側への路線延伸構想があり、JR・東武への直通運転の可能性もある。今後の動向が注目される。
 同時に沿線のバス路線網が大幅に再編成され、特にJRバス関東はJRのバスでありながら、JRの駅(宇都宮駅)を発着する便が、ほとんどなくなった。

◆ 福岡市営地下鉄七隈線 博多~天神南間延伸開業

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 福岡市営地下鉄七隈線は、3月27日、博多~天神南間1.6㎞が開業し、計画区間が全通した。当初は2020(R2)年度の開業が予定されていたが、2016(H28)年に発生した博多駅工事現場の道路陥没事故の影響により、2年延期になっていた。新規開業区間には、祇園山笠のクライマックスで知られる櫛田神社に隣接した、櫛田神社前駅が設けられている。博多駅は空港線ホームと連絡通路で結ばれた。
 全線開通により、七隈線は博多~橋本間13.6㎞となり、所要時間28分で結ばれる。これまで天神南を発着していた列車が全て、博多まで乗り入れた。
 この開業で、天神南駅⇔空港線天神駅間の乗り換えの特例が廃止になり、地下鉄同士の乗り換えは、博多駅で行う事となった。

◆ 南阿蘇鉄道 全線運転再開 JRへ直通運転開始

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 2016(H18)年4月に発生した熊本地震により長らく不通が続いていた南阿蘇鉄道は、7月15日に立野~中松間が再開し、7年ぶりに全線の運行が再開した。これで熊本地震によって不通となっていた鉄道は、全て運転を再開した。
 再開と同時に、新車両MT-4000形による、JR豊肥本線・肥後大津~立野間への直通運転も開始された。朝方の2往復が、肥後大津に乗り入れる。豊肥本線への直通は、1986(S61)年の転換開業以降では、初めてとなる。

◆ 日田彦山線 BRT「ひこぼしライン」運行開始

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 一方、翌2017(H29)年7月の豪雨災害で不通となっていた日田彦山線・添田~夜明間は、鉄道による復旧が断念され、8月28日よりBRT「ひこぼしライン」の運行開始という形で再開した。
 実際には被災前の鉄道と同様、日田までの運行になる。全区間通しの便は10往復、鉄道時代より1往復の増便となった(他に区間運転あり)。専用道は山間部の長大トンネル(釈迦岳トンネル)を挟む彦山~宝珠山間のみ、その前後の区間では、一般道上に大幅に停留所を追加している。
 車両は小型EVが中心となり、JR九州バスが運行を行う(一部は更に日田バスに委託)。11月より、水素燃料電池バスも、週に3日程度の試験営業運行を行っている。

◆ 東武 新特急車「スペーシアX」デビュー

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 東武鉄道・浅草~日光・鬼怒川間の次世代フラッグシップ特急車「スペーシアX」が、7月15日にデビューを果たした。
 編成全体で大幅にグレードが上がり、グループ利用を想定した「コックピットスイート」「コンパートメント」「ボックスシート」と、「プレミアムシート」「スタンダードシート」が設定され、多様なニーズに応えている。また、カフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X」があり、オリジナルのスィーツやクラフトビールなどを提供する(キャッシュレス)。
 料金は在来の特急より高めで、浅草~東武日光間ではスタンダードでも1,940円となり、「スペーシア」「リバティ」より300円高い設定になっている。
 今年は2編成が運行を開始、週末中心に4往復・その他が2往復での運行になっているが、来年3月18日より2編成が追加され、毎日6往復の運行になる(同時に一部座席の料金が値上げになる)。

◆ 留萌本線 石狩沼田~留萌間廃止

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 留萌本線・石狩沼田~留萌間35.7㎞は、3月31日の運行を持って廃線となった。同区間は近年のJR北海道各線区の中でも利用の落ち込みが特に著しく、JR北海道により、「単独の運営は困難」な路線の一つに挙げられていた。
 4月1日以降も、この区間を往来するバスはなく、地域内を運行する乗合タクシーなどの設定に留まっており、深川~留萌間の、石狩沼田での乗り継ぎの移動は実質的にできない。一方で沿岸バスでは、旭川~留萌~羽幌間の長距離バス〔特急あさひかわ号〕の運行を開始した。

◆ JR東日本「オフピーク定期券」発売開始

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 今年も全国の各社で、運賃・料金の値上げが相次いだ(一部は「バリアフリー料金」徴収を名目としている)。その中、JR東日本では3月18日の電車特定区間内運賃改定に合わせ、新たに「オフピーク定期券」の発売を開始した。平日のラッシュピーク時間帯(駅により異なる。東京メトロ・相鉄など一部他社でも設定)以外に利用できる定期券で、一般の通勤定期券より10%程度値下げになるが、ピーク時間帯の乗車にはIC普通運賃が必要になる。営業キロ30㎞のオフピーク定期券は、6ヶ月62,600円(一般70,350円)。
 また、新幹線・特急の料金のカレンダーの見直しが、JRグループ全体に拡大した。「最繁忙期」を設定する一方で「閑散期」の対象日を拡大し、利用の分散を図っている(設定日は東西で一部異なる。また一部例外あり)。グリーン車・寝台車利用時の特急料金も、シーズン別となる。各期間の設定は、曜日配列等も踏まえ、毎年見直しが行われる見込み。

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 10月1日に運賃を改定した京急は、41㎞以上は逆に値下げとしたほか、ICのみ小児運賃を75円均一とした。 

◆ 各地で災害 美祢線・山陰本線など被災 磐越西線・花輪線は全線再開
 今年もまた、日本の鉄道は豪雨災害から逃れる事は出来なかった。特に6月の豪雨で多大な被害を受けたJR西日本の2路線は、合計が100㎞近くにのぼり、両線区とも輸送人員が大幅に減少し、単独での経営が困難な線区に上げられている事もあって、特に美祢線では、廃線の可能性への不安も高まっている(JR西日本は、まず治水対策の強化を求めている)。
 一方、豪雨災害で休止していた、JR東日本・磐越西線の喜多方~山都間(9.9㎞)は4月1日、花輪線の鹿角花輪~大館間(37.2㎞)は、5月14日に運行を再開した。大井川鐵道大井川本線・家山~川根温泉笹間渡間(2.9㎞)は、10月1日に運行を再開している。

 災害を理由に不通になっている路線をまとめてみた。

JR北海道  根室本線:東鹿越~新得間 41.5㎞※
JR東日本  米坂線:坂町~今泉間 67.7㎞
       津軽線:蟹田~三厩間 28.8㎞
JR西日本  山陰本線:長門市~小串間 50.6㎞
       美祢線:厚狭~長門市間 46.0㎞     
JR九州   日田彦山線:添田~夜明間 29.2㎞(BRT運行開始)
       肥薩線:八代~吉松間 86.8㎞
大井川鐵道  大井川本線:川根温泉笹間渡~千頭間 19.5㎞
くま川鉄道  人吉温泉~肥後西村間 5.8㎞
※ 実際は東鹿越~上落合(信)間17.4㎞ 2024(R6)年3月31日を持って廃止

◆ その他

● 東海道・山陽新幹線〔のぞみ〕 ハイシーズンは全車指定席運行
 
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 第1回目は今日から1月4日まで。今後、年末年始・GW・夏のお盆のシーズンは、普通車も全車指定席になる。
(〔ひかり〕〔こだま〕〔みずほ〕〔さくら〕は変わらない)

● 東海道・山陽新幹線 「S Work」サービス拡大
〔のぞみ〕の7号車を試験的に「S Work車両」として運用してきたが、10月20日より本格的なサービスを開始している。3人掛けの中央席(B席)にパーテーションを設置し、両側(A・C席)を「S Work Pシート」として設定。またN700S系では、「ビジネスブース」の本格的な整備が始まっている。〔ひかり〕〔こだま〕でも同サービスを展開する。

● 東海道新幹線 ワゴン車内販売終了
 一方、東海道新幹線では、普通車のワゴンスタイルの車内販売が、10月をもって終了した。「カチンコチンアイス」が名物だったが、売り上げの減少と、販売員の不足が、終了の理由となった。11月以降、グリーン車のみシートサービスを行うとともに、〔のぞみ〕停車駅では、車内販売で販売していた商品を販売する自動販売機を順次整備する。山陽新幹線は引き続き営業。

● JR北海道〔オホーツク〕〔大雪〕 283系再登板
 283系は去年のダイヤ改正まで〔おおぞら〕で使用されていて、1年のブランクを経てカムバックした。グリーン車は廃止。JR北海道の183系DCは、「ノースレインボー」も前後して引退、全車両が引退した。残るはJR九州〔あそぼーい!〕のみ。

● JR北海道 737系電車導入 室蘭本線ダイヤ形態変更
 5月20日より室蘭~苫小牧間に導入され、普通列車の所要時間の短縮が図られた。また千歳線では先行して、エスコンフィールド北広島オープンに対応した輸送形態の策定が行われた。737系は3月より、函館本線・岩見沢~旭川にも導入される。

● 〔SL銀河〕〔奥出雲おろち〕運行終了
 両列車とも、車両の老朽化のため。〔奥出雲おろち〕の終了は、木次線自体への影響も懸念される。

● JR東日本 「ひなび(陽旅)」デビュー
「リゾートあすなろ」の改造で、盛岡~花巻~釜石間で今月デビューした。来年には同様の改造で「SATONO」がデビュー予定。

● 京葉線幕張豊砂駅・田沢湖線前潟駅開業
 どちらも、イオンモールの最寄り駅。

● 日高本線浜田浦駅・山田線平津戸駅廃止
 平津戸駅は廃止より前、2022(R4)年3月改正時より、全列車通過になっていた。

● 札幌駅バスターミナル廃止
 北海道新幹線札幌延伸事業に伴う再開発のため。9月いっぱいで廃止になり、各バス乗り場は10月1日より札幌駅周辺に乗り場が分散した。

 この他、コロナ禍や運転士・ドライバー不足などを理由に、全国的に運休や運行本数の削減、高速バスでは路線そのものの廃止が相次いだ。一方でインバウンド需要回復などにより、空港アクセス鉄道・バス等の復便の動きも見られる。


《表紙の写真・グラビア 及び特別付録》

 1月号 JR東海 大井車両基地(内で、新幹線車内と「なにわ男子」大西流星)
● なにわ男子 大西流星さんと 大井車両基地に潜入!

 2月号 高山本線 中川辺~下麻生(HC85系)
● JRグループ ダイヤ改正のあらまし

 3月号 東海道新幹線 品川~新横浜(N700S系)
● JRダイヤ改正でこう変わる!編集部注目トピック

 4月号 東急電鉄 元住吉検車区 鉄道ネットワーク7社局の車両(埼玉高速・東京都・東京メトロ・東急・相鉄・東武・西武)
● 2023年春 私鉄ダイヤ改正 注目ニュース
特別付録:JTB時刻表オリジナル しおりセット

 5月号 伯備線 黒坂~根雨(381系「スーパーやくも」色)
● 2023年 注目したい列車

 6月号 小海線 野辺山~信濃川上(HIGH RAIL 1375)
● 読者・達人セレクト 今すぐ食べたい「駅そば」

 7月号 五能線 深浦~広戸(リゾートしらかみ・橅)
● 全国のおトクなきっぷ 大集合!

 8月号 指宿枕崎線(キハ40系)
● 保存版 九州の鉄道16社カタログ

 9月号 東武日光線 下小代~明神(スペーシアX)
● 「スペーシアX」ができるまで

10月号 高山本線 飛騨小坂~渚(HC85系)
● 絶景!紅葉列車と 湯めぐり紀行

11月号 岳南電車 吉原~ジャトコ前(8000系)
特別付録:絶景カレンダー2024

12月号 石勝線 新夕張~占冠(DF200形牽引フレートライナー)
● 貨物鉄道ウォッチング超入門


《定価》
1~5月号 1,205円(本体1,095円)
6~12月号 1,375円(本体1,250円)

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◆ その他 交通以外 今年の主なトピックス
 今年もジャンルに関係なく、月毎に5つずつ記しました。全部は網羅できていない事は、ご承知おきください。ウクライナ戦争に加えてイスラエルの戦闘も勃発、本当にイヤになってしまうが、共に現在進行形でもあり、コロナ禍(「5類」に移行したが)共々、ここでは敢えて、基本的には除いてあります。

 1月
● 旧統一教会関連 「新法」施行
● 鳥インフルエンザ 被害拡大 卵価格に影響
● 森本学園事件 被告夫婦実刑確定
● 福島第一原発事故 強制起訴東電旧経営陣に2審無罪判決
● 東急百貨店本店 閉店

 2月
● トルコ・シリア大地震
● 米上空に「気球」飛来 中国と軋轢
● 「長周期地震動」予報運用開始
● 首相秘書官 LGBTQ「差別」発言で更迭
● 「銀河鉄道999」作者 松本 零士氏死去

 3月
● WBC 日本代表3大会ぶり3度目優勝
● 「袴田事件」 再審決定
● 春闘 平均賃上げ率 30年ぶり高水準
● 保津川下り 転覆事故
● 車いすテニス国枝 慎吾氏 国民栄誉賞受賞決定

 4月
● スーダンで軍事衝突
● 統一地方選挙 首長選は40%強が無投票決着
● 自動運転 「レベル4」解禁
● 「こども家庭庁」 業務開始
● 改正地域交通活性化再生法 成立

 5月
● G7広島サミット開催 ウクライナ ゼレンスキー大統領参加
● 英チャールズ新国王 戴冠式
● ゲームプレー動画配信のユーチューバー 著作権法違反で逮捕
● 銀座 高級時計店 強盗事件
● 卓球 石川 香純 引退発表

 6月
● 「マイナンバーカード」トラブル続出
● タイタニック号見物潜水艇 遭難
● 歌舞伎俳優市川 猿之助 両親殺害で逮捕
● 千葉県長生村議会議長 パワハラで2度目の辞職勧告・辞任
● 軽井沢スキーバス事故 一審判決 社長らに実刑

 7月
● 世界各地で記録的熱波 国連事務総長「地球沸騰」発言
● ビッグモーター 保険不正請求・街路樹破壊発覚
● ツイッター 「X」に改称
● 中野サンプラザ 閉館
● 宮崎 駿監督新作「君たちはどう生きるか」公開

 8月
● 福島第一原発 処理水放出開始
● ガソリン小売価格 一時1ℓ≒185.64円 過去最高値更新
● 西武百貨店池袋店 ストライキ決行
● ヒグマ「OSO18」 駆除発表
● 夏の全国高校野球 慶応高校 107年ぶり優勝

 9月
● ジャニーズ事務所 前会長性加害事件で記者会見・謝罪
● 東京の真夏日 年間90日 最高記録更新
● 渋谷「109」 配電盤火災で一週間休業
● Jリーグ・浦和レッズ サポーター暴動で来季天皇杯出場権はく奪
● 知床半島観光船沈没事故 事故調査報告書 公表

10月
● アフガニスタンで大地震 2000人以上死亡
● 「ステルスマーケティング」 規制開始
● 札幌冬季五輪招致 JOC・札幌市 正式に断念
● 藤井 聡太 史上初「八冠」達成
● プロ野球2軍 新潟・静岡の球団 来季新規参戦決定

11月
● 日本大学アメフト部問題 副学長「パワハラ」訴訟に発展
● 「Chat GPT」開発オープンAI CEO去就めぐり混乱
● 宝塚歌劇 劇団員死亡で調査結果公表
● 阪神タイガース 38年ぶり日本一
● 日本最高層330m 森JPタワー開業

12月
● 自民党派閥資金問題 東京地検特捜部が任意聴取
● 旧統一教会被害者救済法 国会で可決・成立
● ダイハツ 全工場の稼働停止
● 米軍オスプレイ 全世界で飛行停止
● 大谷 翔平 全世界プロスポーツ史上最高額契約でドジャース移籍

********************

● 来年の乗り物はどうなる
 北陸新幹線・金沢~敦賀間の延伸開業が最大の目玉になるのは、間違いない。新幹線が福井県に到達、福井から対東京は最速で2時間30分程度となり、現在の米原経由よりも早くなります。これが、他県や航空・バス等他交通機関とかも含めて、旅客の流動にどのような影響を与えるか。一方で敦賀以西の延伸のメドが今のところ経っていない状況であり、敦賀駅は当分の間、新在の乗り継ぎの重要な拠点として機能する事になります。
 また、新幹線の開業により、並行在来線となる北陸本線は第3セクター鉄道、ハピラインふくい・IRいしかわ鉄道に移管されます。これで北陸本線は、米原~敦賀間45.9㎞のみとなり、旅客輸送では、日本海沿岸の大動脈としての機能がなくなり、3セクによる地域密着の足に性格が変わる事になります。各社の営業政策も合わせて、今後の行方が注目されます。
 この他では、山形新幹線E8系・〔やくも〕の273系デビュー、北大阪急行線箕面萱野延伸があります。一方で根室本線・富良野~新得間は3月いっぱいで廃止、根室本線は2区間に分断される事になります。また、広島県のスカイレールサービスは、EVバス転換により4月いっぱいで廃止の見込み。今のところ、これら以外で廃止が正式に表明されている鉄道路線はないが、地方路線はどこも経営状態がかなり悪化しており、再来年以降の行方が懸念されます。また、「2024年問題」もあり、鉄道・バスとも運行の確保が心配されます(地方鉄道ではすでにいくつか影響が出ている所がある)。何とか良い方向に向かって欲しいし、そのためには関係する人々が皆、立場を越えて知恵を出し合って欲しい。 
 鉄道・バス以外では、1月31日予定と発表があったトキエア、2月9日のバンコク線からスタートする(LCCとしての)エアージャパンの就航、1月24日のJAL・A350-1000のデビュー、14年ぶりの大分空港ホバークラフト就航、などがあげられると思います。
 ともかく、様々な困難が交通業界に待ち受ける2024年、それでも、北陸新幹線を先頭に「乗り物のちから」で立ち向かって、日本を明るくしてほしいと願います。

当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 北海道美瑛町で、道北バスが乗用車と衝突する事故が発生しました。詳しい事がまだ解らないのでどうこうは言えないが、乗客が57人も乗っていたのか。けが人が出たが、皆程度が軽いというのは、まずは何より。もう少し情報が欲しい所です。
 リニア中央新幹線は、開業時期を「2027年」→「2027年以降」に変更するJR東海の計画が、国土交通省より認可されました。とにかく静岡県の方針次第になるが、実際にリニア新幹線に乗れる日は、いつになるのか。

《What's New》
27日 柏崎刈羽原発 運転禁止命令解除 原子力規制委員会決定
28日 東京外国為替市場 1$≒140円80~82銭 7月以来の円高水準
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表

№2738 JTB時刻表2024年1月号(JTBパブリッシング)

「2024年」の第1号、JTB時刻表2024年1月号が、先週発行になりました。
 表紙はグラビア特集連動で、箱根登山鉄道の上大平台信号所。進入する3連の先頭の106号は旧塗装復刻の青+黄色のツートンカラーになっているが、これは11月で終わっていて、来年1月に「標準塗装」(オレンジ+グレー+白帯)になる、との事。

線路鉄 ダーリンハニー吉川さんが選ぶ 魅惑のレール
 この頃のJTB時刻表のグラビアはタレントの起用が多いが(前12月号はタレントのマネージャー)、(本当に申し訳ないが)「ダーリンハニー」は知りませんでした。プロフィールを見ると、スカパーの「鉄道チャンネル」に出ているそうだが、そういえば、少し前のJTB時刻表では、「鉄道チャンネル」のページがあったよね?いきなり終わってしまったけれど。なるほど、吉川氏自らが撮影した写真が多い。

箱根登山鉄道大平台駅.jpg
 本題の箱根登山鉄道だけれど、表紙にもなっている上大平台信号所は、当然信号所だから一般の旅客は立ち入れない。3か所のスイッチバックの内の唯一の旅客駅、大平台の「スイッチバック」を撮ってみたけれど、キチンとスイッチバック、とは解らなかったかも知れない。やはり実際に乗って、車窓共々実感するのが一番だろう。アナウンスにもなっているから、この特殊な線形(急カーブ・急勾配)自体が、箱根登山鉄道の「経営資源」になっていると言える。保守管理が相当大変なはずだが。
「三線軌条」は、なぜ3線なのか、という説明がもう少し突っ込んで書かれれば良かったかも(昔は小田原まで3線だった)。箱根登山(標準軌)は、今は検車区への回送出入庫だけなので、ここには記されていない電圧の違い共々、本当はもうムダな機能なのだが、検車区自体を動かせない以上は、なくしようがないか。
(現在「三線軌条」の狭軌・標準軌の両方を旅客列車が走るのは、奥羽本線・山形~羽前千歳間のみ)
 スイッチバックは、箱根登山鉄道以外だと、豊肥本線の立野が有名だが、いっそのこと全部リストにして書き出してみても、面白かったのではないか?しかし、箱根や立野のように、絶対になくせない構造のスイッチバックは少なくて、近年では車両の性能の向上や短編成化、列車そのものの削減などを理由に、急こう配があっても本線に直接ホームを設置する事で、スイッチバックを廃止する例が多い。ヘタすると、後に駅そのものが廃止になる事も(奥羽本線の赤岩など)。肥薩線・人吉~吉松間など、スイッチバックとループ線両方があるので本当はここで大いに取り上げられて良い所のはずだが、果たして再開はいつになるのか。というか、再開する日は、来てくれるのか?
 今回はプレゼントキャンペーンがあり、防寒用のパーカーやグッズが、合計25人にプレゼントされる。ピクトグラムになったJTB時刻表表紙風のロゴマーク入り。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、先日デビューした新観光列車「ひなび(陽旅)」と、その元となった「リゾートあすなろ」。

「ひと目でわかる! JR線 電化区間と複線区間」は、最新の事項は日田彦山線・添田~夜明(日田)間のBRT化、だが、鉄道としてはまだ廃線になっていないので、鉄道(非電化単線)としたままの方が、良かったのではないか。
 逆に、これは去年も書いて、その前からしつこく書かせてもらっているが、札沼線・北海道医療大学前~新十津川間の廃止は、2020(R2)年5月7日が正当。確かにこの年の4月17日を持って、急な列車の運行の終了を余儀なくされたが(新型コロナ禍のため)、それ以降も列車運休のまま、路線自体は存続しており、JR北海道のWEBでも、「廃止は5月7日」とはっきり記されている。国土交通省鉄道局監修の鉄道要覧にも、廃止の実施は「令和2年5月7日」とある。早いうちに修正が必要ではないか?
 それら以外の最新事項は、留萌本線・石狩沼田~留萌間の廃止(今年3月いっぱいを持って廃線)。
 次回の最新事項は、北陸新幹線延伸による、北陸本線・敦賀~金沢間の第3セクター(ハピラインふくい・IRいしかわ鉄道)移管になるはず。

「大みそか終夜運転」の案内があり、JRの記載があるが、前12月号でも書いた通り、西だけでなく、東もだいぶ寂しくなってしまった。西のアーバンネットワークは終夜運転(といっても3時前後まで)列車の時刻が全て記されているが、東の首都圏は、青梅線と横須賀線のみ。東ももう、実施路線の全列車の時刻を掲載して欲しい。万葉まほろば線(桜井線)・和歌山線(高田~王子間)は、三が日+4・5日の日中が変ダイヤ。奈良線も三が日は、日中の快速が稲荷に停車する変ダイヤ。
 京葉線は終夜運転はないが、「COUNTDOWN JAPAN」(12月28日~1月1日5時)開催のため、1月1日早朝に東京→蘇我間2本・海浜幕張→東京間3本の臨時列車を運転。12月28日は、21時台に海浜幕張→西船橋間2本の運行が予定されている。

 前述の「NEWS」の背景イラストになっている「ひなび(陽旅)」は12月30日より、盛岡~花巻~釜石間の臨時快速〔ひなび 釜石〕で運転される。
(車両そのものは、23日の団体列車でデビューしている)
〔ひなび 釜石〕はダイヤが2パターンあり、土曜日・日曜日以外の休日と、日曜日・連休最終日では時刻が異なる。

12月30日~ 主に土曜日
下り 9592D~9623D 盛岡10:40 → 13:26釜石
上り 9622D~9593D 釜石16:28 → 19:39盛岡

12月31日~ 主に日曜日
下り 9590D~9621D 盛岡9:45 → 13:26釜石
(遠野→釜石間は9623Dと同時刻)
上り 9620D~9591D 釜石14:48 → 17:45盛岡

 全て途中花巻・新花巻・土沢・宮守・遠野・上有住・陸中大橋に停車。
 グリーン車と普通車各1両(共に指定席)。普通車の指定席料金は乗車日に関わらず、JR東日本の他の、「乗って楽しい列車」と同額の840円(小児420円)が必要。

 会社線は、伊豆箱根鉄道大雄山線の終夜運転の時刻を掲載。36分間隔。また、小田急〔ニューイヤーエクスプレス〕の時刻もあります。新宿~片瀬江ノ島間1往復。EXE10連。
 また、南越後観光バス(越後交通の子会社)の、スキー場へ行く路線の時刻がいくつか掲載になっています。どこもこの数年は雪不足に悩まされていたと思うが、今年は先週の大雪もあって、充分な雪があるようです。ルーデンススキー場への路線は土休日・年末年始運休では、行楽では利用できないのではないか。しかもスキー場は、今シーズンはホテル共々休業だそうで、掲載の意味がなさそうだ。
 なお、「本文の訂正」という形で、1月20日からの高野線(+泉北高速鉄道も)の時刻修正が予告されています。橋本~高野下・極楽橋間の区間運転列車の運行区間の一部変更、極楽橋駅でのケーブルカー乗り換え時間の延長(5→8分)、土休日日中の九度山停車時間を5分以上に延長(駅構内での「おむすびスタンド」でのおむすび購入を可能にするため)、泉北高速直通列車の一部区間延長・夕方の増結などを実施、との事。
 12月25日改正のJRバス関東・多古本線は、平日ダイヤを土休日ダイヤと統一(=減便)。

本文
 来年3月16日改正のリリースの中で、JR九州・長崎本線では江北22時03分発肥前鹿島行を、20日から臨時列車(毎日運転)として運行(ダイヤ改正時より定期化)、とあったが、比較的急に決まった事なのか、今月号では掲載がない(JR版にもない)。
 今年は運行がなかった、仙台→水戸・偕楽園間の観梅用の臨時〔ひたち〕は、来年は2月23日に〔ひたち92号(水戸偕楽園号)〕として運行(前12月号で掲載済み)。時刻は2年前と、ほぼ変更がない(水戸→(赤塚)→偕楽園→水戸間は快速扱い)。今年から偕楽園駅に営業キロが設定されたので、赤塚折返し偕楽園下車の場合、乗車券は偕楽園までの購入で良い(2年前は赤塚まで必要だった)。

 会社線は、高松琴平電鉄が12月16日に一部ダイヤ変更。平日のみ、高松16時15分発一宮行を滝宮に延長。
(この他、有人駅を滝宮から、綾川(イオンモール最寄り駅)に変更)
 伊予鉄バスの松山観光港リムジンバス(松山観光港~松山駅・道後温泉)は、11月1日(他の電車・バスと同じ日)より、観光港発3便(5時15分・21時55分・22時35分)のみ運行している。
 今号では「当分の間全便運休」と記されている山形~仙台空港路線は、12月16日より2往復で運行を再開。時刻は全く異なり、山形駅発6時30分と13時30分、仙台空港発10時00分発と17時30分発(3月16日まで)。

 次号は例年通りなら、3月16日改正の、まずは新幹線・特急列車の時刻が掲載になるはず。

当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 前回書いたその、来年3月16日JRダイヤ改正だが、特に京葉線(朝夕は全列車各駅停車で運行)はかなり衝撃的だったようで、沿線の自治体からはブーイングも起きているようです。確かに前回少し書いたが、いろいろ事情はあるにしろ、やや安易ではないか。京葉線は快速運転のダイヤ編成(特に停車駅の選定)が確かに難しい所もあるけれど、やはり他線区・他社も含め、乗客が減ったからと言って安易に快速運転を取りやめたりせず、緩急のバランスが取れたダイヤ編成が、必要なのではないか。

《What's New》
24日 有馬記念 ドウデュース優勝 武 豊騎手 GI最多勝・最年長勝利記録更新
25日 無人探査機「SLIM」 月周回軌道 投入成功発表
26日 東京都内税務署勤務職員3人 無許可風俗店勤務で停職処分
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表

№2727 JTB時刻表2023年12月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2023年12月号」、先週発売になりました。
 表紙が何と、石勝線・新夕張~占冠間を行く、DF200形牽引のコンテナ列車。貨物列車が旅客列車の時刻表の表紙を飾るとは、前代未聞?撮影時期が冬で、撮影場所にたどり着く(むろんクルマだろう)、また撮影そのものが、大変なんだろうなあ。クマは…冬眠している(はずだ)から、大丈夫…?

「のりもの情報局」は、もうやめてしまったのかなあ?今月号の裏表紙は、過去の時刻表の復刻版のPR。今のところの最新は、東北新幹線が大宮~盛岡間で暫定開業した、1982(S57)年6月号。次はいつを取り上げるのだろう。山陽新幹線博多全線開業の1975(S50)年3月、あるいは「国鉄最後のダイヤ改正」の1986(S61)年11月、あたりだろうか?

貨物鉄道輸送150年! 南田マネージャーに学ぶ 貨物鉄道ウォッチング超入門

JR貨物.jpg
 って、お客さんを乗せる列車が対象のJTB時刻表で、お客さんを乗せない貨物列車を扱うとは驚いた。この所鉄道模型など、旅客列車とはほとんど関係なさそうなものを取り上げる事が多くなった近年のグラビアだが、これも国鉄・JRのしばりがなくなって30年以上経つJTB版ならでは、という事だろうか。しかしJR貨物の紹介が簡単に書かれているが、同じJRながら、JR版時刻表でさえ出てこない(だろう)のではないか?
 ところで、ナビゲーターの南田 祐介マネージャーは、JTB時刻表にもこれまでにも何度か出てきているが、ホリプロでも「スポーツ文化部」の部長なのだそう。改めて調べてみたけれど、ホリプロというと何となくアイドルやタレント(特に女性。和田 アキ子・榊原 郁恵・堀 ちえみなど)のイメージが強い(私の世代だと、特にそうだろう)のだが、「スポーツ文化部」はそうではなくて、名の通り、元プロ野球選手やJリーガー、その他アスリートや、中央競馬の福永 祐一調教師や藤田 菜七子騎手など、さらには作家の鴻上 尚史氏や漫画家の江川 達也氏(「まじかる★タルるート君」とか)、元NHK解説委員・元朝日新聞記者などもいたりして、これは相当幅広い。そういう部署のマネージングとは、どのようなものなのであろうか?

 本題に移って、機関車はここでは、JRになってからの新形式のみ掲載されているが、やはり国鉄時代からあるEF65やEF81、DD51などがあっても良かったし、旅客列車つながりで、EF510の500番台(元東日本で〔カシオペア〕〔北斗星〕牽引の経験あり)も欲しかったかな。青函トンネル専用で、北海道新幹線との供用区間を走るEH800型の存在も挙げられるだろう(青函トンネルそのものはあるが)。
 隅田川駅はコンテナの取扱量が東京貨物ターミナル(T)・札幌貨物T・福岡貨物Tに次いで4番目だそうだが、大阪が入っていないのが意外。大阪も吹田Tや百済T、M250系が発着する安治川口駅などがあるが、それらはどのくらいの位置になるのだろうか。
 環境問題やトラックドライバー確保など様々な面から、鉄道貨物輸送が見直されつつあり、政府も国策として鉄道貨物輸送に力を入れる方向にあるようだが、そのためにはやはり、鉄道側の運行体制が、荷主=客の信頼に足るものでなければならない。国鉄時代末期に貨物輸送が大幅に減って、ヤード輸送が廃止に追い込まれた(新鶴見や武蔵野(新三郷駅は、開業当初はヤードを挟むように、上下に大きく離れてホームが設けられていた)などに名残が残る)のは、1975(S50)年暮れの「スト権スト」を頂点とした労使紛争の過激化で安定した輸送が行えなくなり、荷主の信頼を失った事が、今でも大きな理由とされている(ちょうど高速道路の整備が進んでいた時期だったし)。この点、輸送の担い手であるJR貨物自身、労も使も真剣に考えなければなるまい。まあ線路は旅客会社の所有がほとんどだからその動向にも左右される事になるが、その点では、北海道新幹線延伸時の函館本線が、長万部より南側も廃線になってしまうのではないか、という懸念もチラホラ聞こえてきます。札幌Tが取扱量全国2位につけているほどだからこのルートも極めて重要な地位にあるはず、第3セクター転換ができず、JR貨物も保有できない、のであれば、国策というからには、国自身が線路を保有し、貨物輸送ルートを維持する事も、考えられなければならないのではないか。

 そういえばグラビア特集は、今年は宇都宮ライトレールの開業があったから、どこかで路面電車・LRTの特集があると思ったのに、結局やらなかった。来年あるだろうか?それに、先月11月号の付録のカレンダーに見る通り、JTBの時刻表はもうJRを中心とした、一般的な2本の鉄製レールの鉄道にはこだわらなくなってきている。だから今後は、航空や船の特集とかも、あったりするかも。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、12月10日をもって完全引退する、小田急50000形「VSE」。実働が20年に満たず、歴代ロマンスカーでは最短という事になりました。今後の事は聞いていないが、先頭車両はロマンスカーミュージアムでの保存展示、という事になるのではないか。

 JRの「大みそか終夜運転のご案内」の路線図は、前年度(2023年1月号が終夜運転初掲載)は掲載がなく、2019~2020年シーズン以来になります。首都圏は、JR東日本のリリースがまだ出ていないが、運行区間は前年度と同じ。コロナ禍前と比べると、大幅に縮小されている。運行させる人手の問題もあるし、大規模な参拝場所が沿線にないと、もう終夜運行は行われないと考えて良いのだろうか。関西圏は、JR西日本は既にリリースを出している。こちらも運行区間は前年度と同じ。3時前後で終了するのも前年度同様。こちらは全列車の時刻が掲載になっています。
 初詣用の臨時列車は、首都圏は全部が特急になった(全て全車指定席)。〔開運高尾山初詣群馬号〕(高崎~高尾)は、今年はE653系で運行、グリーン車も設定される(去年は〔高尾山初詣ぐんま号〕として、全車普通車のE257系で運行)。〔犬吠初日の出〕は、今シーズンの銚子行は3本の設定がある。大宮→銚子間の3号が185系、というのが注目ではないだろうか。〔開運初詣号〕(新宿・秋葉原~鹿島神宮)も185系。

 会社線は、本日ダイヤ改正を行った京急の、明後日27日からの〔モーニングウイング〕〔イブニングウイング〕の時刻を掲載している。〔イブニングウイング〕の14・16号は、一般の快特の後部に連結(1890番台「La Ciel」使用)に連結される、品川→金沢文庫間の設定に変更(編成の図説あり)。〔イブニングウイング〕は、コロナ禍以降急速に規模を縮小する傾向にあります。
 また、宇都宮ライトレールは、11月23日に臨時列車を運行していた。下り3本(1本は平石止まり)・上り1本運行。3日にも運行されていたが、行楽ではなく、通勤対策ではなかったか(宇都宮に限らず、祝日は操業する企業も多いので)。
 高速バスは、関東バス・関越交通の吉祥寺駅~草津温泉間の高速バスが、20日より運行されています(「伊香保」の文字があるが、伊香保温泉は経由しない)。1日2往復。所要3時間40分。
 なお、「本文の訂正」という形で、弘南鉄道弘南線の11月7日からの時刻が掲載されている。レール不具合で一部区間運休になっていたものが、全線での運行を再開している。弘前発・黒石発とも、最終電車が10分繰り下げ。なお同様にレール不具合で全線が運休になっていた大鰐線は、20日より津軽大沢~中央弘前間で再開したとの事(大鰐~津軽大沢間は引き続きバス代行)。

本文
 米坂線は、来年1・2月の金曜日は、一部の列車・代行バスで時刻の変更が行われるが、今号ではまだ掲載されていない。前シーズンも行われていたが、米沢での車両点検に加えて、除雪作業を行うため、としています。
 いすみ鐵道は9月の大雨で、小湊鐵道同様、大多喜~上総中野間が不通になっているが、今月号になっても、注釈すらない(バス代行が行われているが、便数は少なく、平日は下り2本・上り3本、土休日は下り4本・上り3本のみ)。

 高速バスは相変わらず、夜行を中心に運休が多い。9月にダイヤ改正を行ったばかりの、東京・池袋~八戸・十和田・七戸線〔シリウス〕は、12月1日に再度改正を実施。ここには名前が出てこないが、軽米の乗降場所が軽米インター→かるまい文化交流センターに変更。十和田市中央は廃止(十和田市まちなか交通広場で乗降)。
 また、羽後交通の東京~田沢湖線〔レイク&ポート〕は、11月17日より関東バスとの共同運行になり、新宿駅西口に延伸(バスタ新宿ではなく、駅前の⑭番乗り場発着)。この路線、最初は横浜発着だったから「ポート」(港)の名があるが、横浜に行く事がもうないなら、名前を変えた方が良いのでは?

 会社線は、11月になって、あちこちでダイヤ改正が行われています。JTB時刻表に現れない部分が多いが、全体的に減便が目立つ。
 伊予鉄グループは11月1日に鉄道・バスともダイヤ改正を実施。「坊っちゃん列車」運休だけでは済まず、郊外線は、(ここでは記述がないが)郡中線は土休日の日中が15→20分間隔に削減。市内線は、本町線(松山市駅~本町6丁目)は朝4往復・日中3往復にまで削減(全便土休日運休)、道後温泉発着系統も運行間隔を拡大。バスは、松山~三崎間の長距離路線が2往復に削減(内1往復は八幡浜~三崎間に短縮・他に伊予鉄南予バスの八幡浜~三崎間ローカル便が1往復運行)。
 また、とさでん交通の電車も、11月1日にダイヤ改正。桟橋線は、日中は10分間隔に削減。
 さらに、11日には筑豊電鉄もダイヤ改正を実施済み。ここでは分からないが、平日・土曜日も日中は土休日と同じく、黒崎駅前~筑豊直方間全区間通しを20分間隔で運行。
 京急・京成・北総・都営地下鉄浅草線は、本日11月25日にダイヤ改正を実施。京成は〔スカイライナー〕が成田空港発22時40分発を増発し、22時台から23時00発は20分間隔で出発。
 島原鉄道は運転士不足のため、諫早~島原港間2往復・諫早~本諫早間1往復が、平日のみ運休(12月15日までの予定)。
 金剛自動車の富田林駅~千早ロープウェイ路線は、12月20日限りでの廃止が予告されました(翌日からは南海バスと村営の自家用有償運行により、途中で系統を分割の上、富田林駅~金剛登山口間のみ運行)。
 9月いっぱいを持って廃止となった根室交通・厚床~中標津路線が、今月号も掲載されたまま(「10月25日現在」となっている…)。

 これで、今年2023(R5)年のJTB時刻表の発売が終わりました。来月には2024(R6)年1月号の刊行があるが、例年通り、今年の更新最終日’(今年は今のところ未定)の一回前に、JTB時刻表を中心にした、鉄道を中心とした日本の交通の総まとめを行う予定です。
 今年は都市部での新線の開業がいくつかあり、中でも東急・相鉄の新横浜線開業と、両社の相互直通開始によるネットワーク拡大が、新幹線へのアクセス整備と合わせて、一般にも大きなトピックスとなりました。また宇都宮ライトレールや大阪駅「うめきたエリア」開業、福岡市営地下鉄七隈線博多延伸、東武「スペーシアX」デビュー、南阿蘇鉄道全線再開といった出来事もありました。日田彦山線不通区間はBRT「ひこぼしライン」で再開しています。一方で留萌本線が一部区間廃止となったほか、また今年も災害で、山陰本線・美祢線・小湊鐵道・いすみ鉄道が長期間の不通に追い込まれています(全て今日現在、再開の見込み立たず)。この他、〔SL銀河〕〔奥出雲おろち号〕の運行が終了しています。東海道新幹線はビジネスパーソン向けのサービス拡充の一方で、車内ワゴン販売が廃止になり、サービスがさらにビジネスユース中心に向いてきているようです。運賃・料金改定が各社で相次ぎ、JR東日本は「オフピーク定期券」を新発売。コロナ禍「5類」移行で需要は確実に戻りつつあるのに、今度はドライバー不足の問題が、特にバスで深刻になってきていて、それは時刻表上にもはっきり表れるようになってきました。

 来年はやはり、3月16日と発表になっている、北陸新幹線・金沢~敦賀間の延伸開業が最大のトピックスになります。同時に北陸本線がハピラインふくい・IRいしかわ鉄道に転換されます(大聖寺が境界)。特に福井県の交通全体に、大きな影響を与える事になりそう。また、〔やくも〕の273系デビュー、北大阪急行の箕面萱野延伸もあります。一方で根室本線・富良野~新得(正確には上落合(信))間廃止で、同線は2つに分かれてしまう事になる。北陸本線もそうだが、理由は異なるけれど、JR在来線は「本線」と言えども安泰ではない、という事になるのでしょう。それと、ドライバーを始めとする輸送の担い手の人材不足の深刻化、いわゆる「2024年問題」が、各交通の運行に、深刻な影響を与えてしまう事になるのではないか(上越新幹線の最終繰り上げの発表も、これが影響していそうだ)。ひょっとしたら、新幹線開業と同時になるはずの、JR各社を中心とした各社の来春ダイヤ改正で、さっそく見えてくる事になるのかも。12月15日と予想される、ダイヤ改正のリリースは注視したいです。JRではこの他、新幹線~在来線特急・急行の乗り継ぎ割引が全面的に廃止になります(九州は既に廃止)。広島のスカイレールサービスは、EVバス転換で4月末に廃止になります(本当は今年いっぱいだったが、バス運行の準備が遅れているため延期)。鉄道以外では、今年の就航が見送りとなりそうなトキエアにJALのA350-1000、大分空港で復活するホバークラフト、といったあたりが、注目ポイントとなるでしょうか。去年も書いた事だが、とにかく一つでも二つでも、明るい話題が数多く欲しいです。

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《What's New》
23日 ロシア主導 CSTO首脳会議開催 アルメニア首相欠席
24日 大相撲 ウクライナ出身安青錦(あおにしき) 九州場所序ノ口全勝優勝
25日 上川外相 中国・王毅外相と会談 戦略的互恵関係推進を確認
 サッカーJリーグは、ヴィッセル神戸が初優勝を達成しました。おめでとうございます。今年は阪神タイガース日本一・オリックス・バファローズのパ・リーグ3連覇があり、プロスポーツは関西の年だったか。
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表

№2720 JTB時刻表2023年11月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2023年11月号」、先月末に発売になりました。
 今年もカレンダーが特別付録として封入されていて、このためグラビア特集はナシ。

「のりもの情報局」もなく、今月号の裏表紙は、岳南電車の「『富士のほうじ茶 のっぽパン号』出発進行!」。富士市でほうじ茶+「のっぽパン」が、地元の高校生も参加して開発された事を記念した、岳南電車のコラボ列車が、本日11月4日より運行を開始、という事。パンは既に発売が始まっていて、約3ヶ月の間(だから来年1月いっぱいくらいだろうか)、新富士駅(構内にある薬局)や静岡県内のコンビニなど、それに新宿の「るるぶキッチン」(JTBパブリッシングが運営する、食のマーケティングを行う店舗)でも販売するそう。また、岳南電車では1日フリー乗車券も発売する(750円。11月11日から、「岳南電車まつり」と同日の発売)。
 表紙もその関連で、コラボ記念ヘッドマークを付けた8000系2連が、富士山をバックに走る姿(試運転らしい)。8000系は、以前はダークグリーンベースだったが、ちょうど1年前に、今の色になったそう。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、381系〔やくも〕。最近、国鉄色や「スーパーやくも」色が復刻されているが、ここでは、1997(H9)年~2010(H22)年の間という、グレー地+緑と黄色帯の頃のカラー(モノクロではピンとこないが)になっています。これも明日5日から運行を始めるそう。
 冬の臨時列車が発表になったが、JR東日本で、首都圏の有料の臨時列車は、ほぼ全て特急となった。例外はB.B.BASEの臨時快速くらいか。
 バルーン佐賀駅臨時停車(11月1~5日)は、今年の特急の臨時停車は、下りは〔リレーかもめ1号〕が新規停車の一方、〔みどり15号・ハウステンボス15号〕は取りやめ。上りは特急の臨時停車がなくなった。普通列車〔バルーンフェスタ号〕は、土日が下り22→25本・上り20→26本と増加。下りの早朝2本は鹿児島本線からの直通で、鹿児島本線内は快速運転。

 会社線は、前10月号で減量改正ダイヤが掲載された、福井鉄道の臨時急行の時刻が掲載されています。日中に2往復だが、運転士の手配の都合もあるのか、運休日も多い。今月はこのあと合計13日で運休、運行する日・しない日がほぼ半々。たけふ新→福井間が43~45分・福井→たけふ新間が44分。神明と福井城址大名町のみ停車。
 また小湊鐵道は豪雨災害のため月崎~上総中野間が不通になっていて、代行バスが運行されています。本数は鉄道より少ない。平日上りの上総中野始発2本は、月崎での乗り換えの時間が長い(養老渓谷からだと、後続でも同じ)。
 この他、「富士のほうじ茶のっぽパン号」運転という事で連動しているのか、岳南電車の全線全列車の時刻表も掲載されています。全列車、吉原~岳南江尾間通しの運転で、1時間に2本は確保されています。

本文
 東海道・山陽新幹線〔のぞみ〕は、12月28日~1月4日は、全車指定席で運行。今後「3大ピーク期」(GW・お盆・年末年始)は、全〔のぞみ〕が指定席となる。自由席特急券は、普通車のデッキで立っていくなら利用できるが、着席した場合は指定席料金が必要。なお〔みずほ〕〔さくら〕〔ひかり〕〔こだま〕は、引き続き自由席を設定。
 修善寺編成を連結しない〔踊り子9・14号〕が12月28・29日に運転されるが、29日はE257系でも5000番台で運行される模様。
〔「185」〕は、12月22日と1月19日は、川崎~伊東間で運転(途中横浜のみ停車)。

 高速バスは、夜行便が廃止になった、札幌~函館間〔高速はこだて号〕が、昼行便のページに移動しました。

 会社線では、10月になって、特に北海道で路線の廃止が目立ちます。
 神威岬への路線は、美国ターミナル~神威岬間が「積丹町生活交通バス」に移行。神威岬へは3往復設定されるが、美国ターミナル発11時30分のみ、火・金曜日は予約なしで利用可。他は全て前日17時までに予約が必要。なお、運行会社に大新東が名を連ねているが、自家用有償運行。
(時刻表上では積丹余別始終着に見える2往復も含めた5往復全便が、美国~積丹余別~神岬間通し運行で、内3往復が神威岬に寄り道する形態)
 夕張鉄道バスは、新さっぽろ~夕張間の路線が廃止になり、かつては鉄道で結ばれていた夕張と江別(野幌)の間で、路線が繋がらなくなってしまいました(中央バスの札幌~夕張間高速バスが、停車場所を一部追加する形で救済しているようだ)。夕張側は枝線もほぼ廃止、新夕張駅~石炭博物館間路線は、毎日運行の10往復のみ(2往復増発。他に通学対応便1本を運行)。江別側も、土休日の運行は新さっぽろ~江別~南幌間を中心に、11往復のみ(札幌大通乗り入れは維持)。
 旧天北線の代替路線だった、宗谷バスの稚内~浜頓別~音威子府路線は、浜頓別~音威子府間が廃止となり、代替として、浜頓別町・中頓別町共同のデマンドバスを運行。音威子府発3本・浜頓別発1本のみの設定で、前の日の18時までに予約が必要。音威子府16時10分発は「JRからの乗り継ぎ利用者しかいない場合は予約者乗車後すぐの発車」と記されているが若干舌っ足らずで、浜頓別町公式WEBに拠ると、〔サロベツ1号〕(音威子府15時24分着)からの乗り継ぎの予約者しかいない場合は、所定16時10分(名寄からの普通4327Dからの接続)を待たずに出発する、としている。宗谷バスの長距離便〔天北号〕(旭川~音威子府・中頓別・浜頓別・鬼志別)は運行を継続しているが、特に中頓別町は、公共交通での外部からのアプローチが、かなり難しくなってきました。また、稚内~浜頓別間も、鬼志別で分断。
 なお、厚床~中標津間の再編成については、今号では改定されていない(別海~中標津間を阿寒バスが運行)。

 猪苗代エリアの路線は磐梯東都バスの撤退により、10月1日より会津乗合自動車(会津バス)に転換。基本的には、転換前とダイヤの違いは発生していない(猪苗代駅を発着しない区間運転の一部が取りやめ)。このエリアは11年前の2012(H24)年に一度会津バスが撤退、東都観光グループが代替していたという経緯があり、会津バスは復活という事になります。最近では珍しいケースだが、会津バスはこの11年の間にみちのりHD入りしていて、今後は同じみちのりHD傘下となっている福島交通などと連携するなどして、新しい展開が見られるかもしれない。

 前10月号のところで、「国際線航空の現状をチェックする」とか書いてしまったが、時間がなくなってしまいました。
 全体的には再開・復便が進んでいるが、欧州路線はウクライナ情勢の影響でロシア上空を飛べなくなっているため、全体的に、すごく時間がかかっている。コロナ禍直前に乗ったJALのヘルシンキ線は、現在は羽田発着にシフトしているが、運航が週3便のみ、加えて羽田→ヘルシンキは所要13時間15分、逆は14時間05分。私が搭乗した時のスケジュールでは、成田→ヘルシンキが10時間30分、逆が9時間40分だったので、3時間前後も余計にかかっている(ヘルシンキ発の方が時間がかかる)。夏スケジュールでは、羽田発は深夜出発の夜行便(週5便)だったが、今冬スケジュールで昼間のフライトに戻っています。
 この他の欧州路線も日本発は13~14時間以上。また、欧州側での接続を確保するためか、日本発は深夜出発の夜行便が多くなっています。
 羽田~ソウル金浦路線は、4社が各3往復と、コロナ禍前の水準に復便している。ただし、KEの1往復はA220、JALの1往復はB737-800とナロー機材になっていて、需要が完全には戻りきっていないようだ。

営業案内
 東海道新幹線の車内販売が先月を持って基本的に廃止になっているが、今号ではまだ反映されていない。なお、山陽新幹線の車内販売は維持されていて、今月はICOCA20周年記念キャンペーンとして、交通系ICカードでの支払いでは、割引のサービスを行っているらしい。
 編成表では、年末年始期の〔のぞみ〕全車指定席運行は記載されていない。

特別付録 絶景カレンダー2024
 今回はガラリと趣旨が変わり、鉄のレール2本の一般的な「鉄道」が、ほとんど使われていない(再来年・2025(R7)年のカレンダー部の、岳南電車9000系のみ)。表紙がJ-AIRのE190、バスも奈良交通(ボンネットバス)と沖縄バスが起用されている。11・12月号はフェリー。
 3・4月は空撮で、東京モノレールと、羽田空港にアプローチするJALのA350-900。羽田の新ルート運用スタートで見られるようになった光景だが、両者のタイミングが合わないと、撮影は難しそう。
 国鉄・JRのしばりがなくなって久しいJTB版ならではの構成と言え、これは来年以降も同じような傾向が見られるかもしれない。
 日付で言うと、来年は土・日・月の3連休が多い。GWは4月29日と5月3日の間に3日間普通の平日があり、その後は4連休。この3日間で休みを取れるなら9連休となる。コロナ「5類」移行後初のGWとなるが、果たして。

 さて次号12月号は…そろそろ年末年始輸送、という事になるが、いろいろあるので、特に終夜運転はどの程度の規模になるのか。ところで、ドライバー不足を始めとする様々な理由で、各地で廃止・運休・減便の動きが相次いでいます。伊予鉄グループは「坊っちゃん列車」運休だけでは済まず、郊外電車・路面電車・バスのいずれも大幅な減便を行ったほか、島原鉄道も乗務員不足で合計3往復の運休が発生しています。京福バス・福井鉄道の福井~東京間夜行バスは、運行を再開しないでそのまま廃止が決定しています。これらの事項はどこまで、次の12月号で反映されるか。来年、2024(H6)年4月に向けて、鉄道もバスも、地方も都会も、「未曾有の危機」が待ち構えているように思えてなりません。ひょっとしたら、来春(北陸新幹線敦賀延伸開業の3月16日と思われる)の、JRを始めとする各社のダイヤ改正にも、影響が出てくるのかも。

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《What's New》
 3日 ウルトラセブンの像 祖師ヶ谷大蔵の商店街に設置 除幕式
 4日 Jリーグ・ルヴァンカップ アビスパ福岡優勝 クラブ初タイトル
 日本シリーズはオリックスが勝利し、3勝3敗のタイとなりました。山本 由伸がシリーズ新記録の14奪三振。これで流れはオリックスに傾くのか。さあ、明日は!!
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)時刻表

№2710 「よん・さん・とお」復刻版 読んでみた 5.東京⇔他道府県県庁所在地間

「よん・さん・とお」の時刻表(交通公社の時刻表1968年10月号復刻版)を読み進める不定期シリーズ、今回は若干趣向を変えてみました。連絡時刻表を基にして、東京と、他の道府県代表駅との間の所要時間が、「よん・さん・とお」でどのくらい縮まったのか(あるいはそうでないのか)、検証してみます。

時刻表.jpg
 今回は「よん・さん・とお」と、その一年前の1967(S42)年10月号の復刻版を比較し、どの程度所要時間の短縮が図られたのかを見ます。また参考までに、「よん・さん・とお」の35年後となる、今年2023(R5)年3月ダイヤ改正における最短所要時間も調べて、並べて記しました。

● 対象は、沖縄と、関東地方を除く各道府県の代表駅。ただし一部は、隣接する新幹線駅などを対象とした。
● 東京駅からの下りで統一(上りでもっと早いパターンがあるかも知れないが、今回は調べなかった)。ただし東京駅からの列車がない場合は、隣接するターミナル(新宿・上野)からの所要時間とした。1本でも東京発があったら、東京駅発の列車の所要時間で比較。
● 列車は全て、定期列車とした(一部休日運休あり)。特に現代だと、臨時列車(特に新幹線)を利用出来たらもっと早いパターンもある。
● 同じ所要時間のパターンが複数あった場合、東京駅を一番早く出発する列車からのパターンを記した。

1.北海道・東北

1北海道・東北.jpg
「東北本線近代化」(全線電化・複線化)が「よん・さん・とお」の目玉であるだけに、特に東北本線上の各駅、そして北海道への所要時間の短縮が目覚ましい。
 特急〔はつかり〕は、上野~仙台間が東北本線経由となり、常磐線経由のDC特急時代と比較して、上野~青森間で一気に2時間近くも短縮されている。
 東北本線だけでなく、奥羽本線も福島~山形間が電化され、電車特急〔やまばと〕は、上野~山形間で40分以上の短縮を見た。一方でまだ電化の恩恵を受けない秋田への〔つばさ〕はDCで、東北本線近代化恩恵は薄かった(下り〔つばさ1号〕は「よん・さん・とお」から東京発着になった)。
 現代は、東北各県の代表駅は、新在直通も含めれば全て新幹線の恩恵があり、秋田以外は1~2時間台、秋田も3時間台となった。札幌は、札幌から東京だと、〔おおぞら〕+〔はやぶさ〕で、日帰りしようと思えばできるようになった。東京滞在時間16分だが(東京から札幌は、現在は不可)。

2.北陸・東海

2北陸・東海.jpg
 対福井はもちろん、当時は対富山・金沢も、東海道新幹線経由の方が早かった。「よん・さん・とお」で前年より逆に遅くなったのは、米原で〔しらさぎ〕に接続する〔こだま〕の〔ひかり〕退避がなくなったため。前年は〔ひかり〕で追い抜いた〔こだま〕に名古屋で乗り換えれば、早く着いた。
 信越本線経由だと、上野~金沢間DC特急〔はくたか〕があったが、乗り換えなしではあるが、上野から富山まで6時間19分・金沢まで7時間07分かかっていた。
 来年の北陸新幹線敦賀延伸では、東京~福井間の最速は2時間51分になるとアナウンスされており、福井まで北陸新幹線の方が早くなって、東海道との関係が逆転する。
 岐阜は岐阜羽島駅があるものの停車は〔こだま〕だけ、当時は名鉄羽島線もなかったし、名古屋乗り換えの方が早いのは、昔も今も変わらない。津は、「よん・さん・とお」での〔ひかり7号〕(※)は、休日運休。〔くろしお〕は伊勢線(→伊勢鉄道)開業前だったから、亀山でスイッチバックしていた。
 現代の快速〔みえ〕は、〔南紀〕と同等か、より早い。

3.近畿

3近畿.jpg
 東海道新幹線は、前年には〔ひかり〕の東京~新大阪間3時間10分運転が確立しており、これが国鉄時代末期まで変わらなかったため、「よん・さん・とお」でも、他の方面ほど劇的な短縮はなかった。
 対大津は、〔こだま〕からの米原乗り換えより、〔ひかり〕で京都まで行って、東海道本線で逆行した方が早かった。これは現代でも変わらず、〔ひかり〕米原乗り継ぎより、〔のぞみ〕京都乗り換えの方が早い。
 対奈良は、奈良線がまだ非電化のローカル線で、快速のフリークエントサービスもなかった(急行〔しらはま〕はあったが、〔ひかり〕からの接続は良くなかった)から遅かった。むしろ近鉄特急乗り継ぎにすれば、東京~近鉄奈良間は3時間36分だった。
 対和歌山は、当時の新大阪~天王寺間の詳細なダイヤが不明(◆)で、「のりかえ必要時間」にも、天王寺始発の列車への乗り換えに必要な時間の記載がないため、1時間の余裕を見て計算した。なお和歌山は、「よん・さん・とお」までは東和歌山で、現在の紀和を和歌山と称していた(1967(S42)年は対東和歌山で計算)。

4.中国

4中国.jpg
 この方面も、「よん・さん・とお」では、劇的な所要時間の短縮は見られなかった。次の大きな改善は、3年半後・1972(S47)年3月の、山陽新幹線岡山開業時。
 対鳥取・松江の〔やくも〕は、当時は新大阪~浜田間(福知山線経由)のDC特急で、新大阪での乗り換えになった。
 現代の対鳥取は、姫路で〔スーパーはくと〕乗り換えが最速。

5.四国

5四国.jpg
 新大阪~宇野間の特急と宇高連絡船の利用で、松山・高知・徳島へは途中3回乗り換えを必要としていたので、どうしても遅くなってしまう。まして当時の四国の国鉄は全路線非電化(電化区間が生まれるのは、国鉄時代も最末期)で、特急もなかった。各都市間の足は急行、という時代。
 新大阪~宇野間の特急は、前年は〔うずしお〕と〔ゆうなぎ〕が各1往復で、「よん・さん・とお」で〔うずしお〕に統一になった。もちろん、今の〔うずしお〕とは違う。
 現代の〔うずしお〕が走る高徳本線(今は高徳線)の優等列車は、「よん・さん・とお」までは、高松~牟岐間の急行〔むろと〕と、高松~徳島間の準急〔阿波〕の二本立てだった(徳島までの料金面での違いはなかった)。「よん・さん・とお」で〔阿波〕も急行に統一される。「よん・さん・とお」の〔むろと5号〕は、高松~徳島間ノンストップだった。

6.九州

6九州.jpg
 近代化(電化・複線化など)はまだ北部に留まっていた。南九州は北海道よりも遠く、対宮崎・鹿児島(西鹿児島)は、対札幌より時間がかかった。
 とはいえ宮崎は、「よん・さん・とお」で寝台特急〔彗星〕がデビューして、約2時間40分の大幅な短縮が実現した。
 長崎本線は特急〔かもめ〕が走っていたものの、京都発が朝8時00分で東京からの新幹線の接続がなく、鉄道で行くなら寝台特急〔あかつき〕利用が最速になった。距離的には対熊本・大分とそんなに差はないが、長崎本線の近代化が遅かった、という事だろう。
 なお、ここでは全て鉄道(国鉄・JR)のみとしたが、現代の対宮崎は、九州新幹線・新八代から高速バス〔B&Sみやざき〕利用が一番早い。
(〔のぞみ63号〕→〔さくら553号〕→〔B&Sみやざき〕で8時間25分)

 とこんな感じで、最速の乗り継ぎパターンを調べてみました。特に現代のJTB時刻表は連絡時刻表がなくなったので、検索は結構大変でした。ひょっとしたらもっと早いパターンを見落としているかもしれません。
「画期的」だったかも知れない「よん・さん・とお」だったが、こうして比較してみると、もちろん全国レベルでの総合的な改善もあったが、やはり東北本線の近代化が「目玉商品」であるゆえ、東北・北海道方面への所要時間の短縮が劇的でした。一方で、西日本方面は、それほどでもなかった(宮崎は〔彗星〕デビューで短縮効果が大きく出たが)。しかしいずれの方面も、新幹線が九州南部や、ついには北海道まで到達した五十数年後の現代と比べると、正直色褪せて見えてしまうのは、もちろん致し方ない事です。
(思えば、終戦から「よん・さん・とお」より、「よん・さん・とお」から現代の方が、期間がはるかに長い)
 ただ一方で、当然時間がかかるが、新幹線や在来線特急(夜行も多かった)、場所によってはローカル列車や、連絡船の乗り継ぎがあり、バラエティに富んでいるとも言えました。あくまで趣味的な目線でしかないが、こういう乗り継ぎの旅、できるならやってみたかったなあ、という印象も持ちました。個人的には、583系の〔はつかり〕なんて、もう一度上野から青森まで乗り通してみたいです。たとえボックスシートでも。青函連絡船も、また乗りたいよなあ。キハ80系は、乗った事なかったです…(キハ181系はかろうじてあるが)。大半の人々にとっては、もはや忘却の彼方のできごとでしかないのは、承知のうえで。

 次回からは、在来線の各路線のダイヤを、当時と今で比較します。最初は、東海道本線です。

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 イギリスの高速鉄道「HS2」は、建設費高騰を理由として、計画の縮小が発表されました。本来ならマンチェスターやリーズまで、日本風に言えば「フル規格」で造られる所だったが、これがバーミンガムのちょっと先までで中止となり、浮いたコストは他に振り向けられるという事です。これも、高速鉄道と在来線が同じレール幅だから可能な選択と言えるが、個人的には、マンチェスターまでは「フル規格」でないと、効果は十分に出ないのではないかなあ、と思います。この発表は、政権を担う保守党の大会の中でスナク首相が行いました。日本で言えば「整備新幹線」に相当する計画だと思うので、政党の大会で発表というのは、日本の感覚では、少々違和感を感じる所。自民党の大会で整備新幹線計画云々が取り沙汰されたら、問題になるでしょう?それにしても高速鉄道の整備は、(少なくとも西側では)どこも簡単ではないなあ。

《What's New》
 4日 米医療保険グループ「カイザー・パーマネンテ」労組 7万5000人以上ストライキ突入
 5日 連合定期大会 岸田首相出席 自公政権首相出席は16年ぶり
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№2707 JTB時刻表2023年10月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2023年10月号」、先週発売になりました。
 表紙は、高山本線・飛騨小坂~渚間のHC85系。

 今月の「のりもの情報局」は、なし。時刻表復刻版各号の宣伝になっています。
 最新は山陽新幹線・新大阪~岡山間が開業した、1972(S47)年3月号です。50周年となる去年、刊行になるかと思っていたが。
「復刻版シリーズ」は、これで10号目になりました(それ以前に、国鉄分割・民営化前後の1987(S62)年3・4月号が復刻されているが、ここではカウントされていない)。次は、「国鉄最後のダイヤ改正」の、1986(S61)年11月号だろうか。

絶景!紅葉列車と 湯めぐり紀行

JR東海 HC85系.jpg
 日本各地の、紅葉を楽しめる鉄道路線と、近場の温泉。
 紅葉って、実は本格的に見に行った事がありません。鉄道に限らず。行ってみたい見てみたい、という気持ちはあるが、やはりどこも混雑しそう。私はウィルスの存在とは関係なく、人混みが苦手なので…。ご近所にも1・2本程度ならあって、休み時間程度でも楽しむ事ができる春の桜と違って(ただし短期間)、当然のごとく山奥の方になるので、まずアクセスが大変、また温泉旅館のガイドもあるが、予約も大変そう。料金も相当高くなりそうだし。
 長野電鉄はこれ、紅葉じゃないよね?
 ここで取り上げられた路線を眺めると、上越線は大幹線でもあるが、その他の路線は皆ローカル線で、しかも近年、大規模な豪雨災害で、長期間不通になった路線・区間が多い。只見線なんて再開まで10年以上かかっているし、磐越西線も去年再開したばかり。久大本線も、この数年、何度も長期間不通になる事態が起きている。車窓が風光明媚な路線は、一方で災害リスクが高いと言って、間違いはなかろう。加えて昨今の気候変動の影響で、紅葉の発色が良くなくなっているという話も聞いていて、鉄道そのものも、紅葉も、この先は気候変動の影響を心配しなければならなくなるのだろうか。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、京阪3000系。「E」の字はプレミアムカー。本来は全特急への連結を目指しての導入だったはずで、鉄道友の会ローレル賞も受賞したが、その直後のコロナ禍で当てが外れてしまった感があります。系列自体は中之島線開業時の快速急行運用を想定したものだったが、プレミアムカーはそうではなかったはず。意外にも叡山電鉄が巻頭グラビア特集になかったが、ともあれそのアクセスとしては、大いに期待されます。

 10月14日「鉄道の日」のイベント、ここではJR各社主催のイベントア記されているが、やはりメインは日比谷、になるのでは?

 会社線では、10月14日からの福井鉄道(福鉄)の主要駅の時刻、福鉄~えちぜん鉄道直通の時刻を掲載。福鉄は、日中の急行が全てなくなってしまいました…。各駅停車のみ30分間隔。えちぜん鉄道直通も各駅停車となり、日中はたけふ新発9~17時台毎時15分(9時台のみ13分)・鷲塚針原発9~17時台毎時59分の9往復。朝方の福大前西福井折返し2往復は、時刻変更のみ。えちぜん鉄道線内列車は変更なし。

 また、「会社線」の前のページ、花火大会・マラソン大会の臨時と共に、京福電鉄(嵐電)の、8月26日改正ダイヤが掲載されています。と言っても掲載は初電・終電付近のみだが、嵐山本線は2連運転時間帯の拡大と、朝夕ラッシュ時の運転間隔が見直し(朝は単行・2連混在の5分間隔→2連の8分間隔、夕は単行8分間隔→2連の10分間隔)、北野線は朝方8時台前後を8分間隔で運行。トータルでは輸送力が増強される。

本文
 表紙に「2022年10月7日 土 JR西日本ダイヤ改正」と仰々しく記されていて、あれ、JR西日本で大型ダイヤ改正の予定あったっけ?と思った。JR西日本の9月11日のリリースでは、「ダイヤ修正」とあって、山陽本線・岡山~三原間と、岩徳線(櫛ケ浜~徳山間の山陽本線区間)の一部列車の時刻修正のみ。増発も減便もない。なおリリースにはないが、おおさか東線の直通快速1本・奈良6時42分発2103Mも10月7日より修正があり、放出→大阪間が1分繰り下げ。
 先月9月号で既に記載があるが、10月23日より、平日朝方の大和路線(関西本線)・加茂→大阪環状線方面区間快速2本を〔Q区間快速〕、おおさか東線・奈良→大阪間直通快速2本を〔F直通快速〕と称して、指定席を設定して運行。11月30日までとあるので、まずは1ヶ月間お試しでやってみるという事だろう。
〔まほろば〕は、今秋シーズンは法隆寺に停車。

 サザンオールスターズ(今年で45周年)のライブが、今日9月27日~10月1日(9月29日除く)、茅ヶ崎で行われます。これに合わせて東海道本線・東京~茅ヶ崎間に、臨時特急〔えぼし〕を運行。

下り
えぼし1号 東京13:54 → 14:43茅ヶ崎
えぼし3号 東京14:53 → 15:22茅ヶ崎(9月30日・10月1日のみ)

上り
えぼし2号 茅ヶ崎22:10 → 22:58東京(9月30日・10月1日のみ)
えぼし4号 茅ヶ崎22:25 → 23:19東京(9月27・28日のみ)

停車駅:品川・川崎・横浜 全列車E257系 全車指定席(グリーン車あり)
 なお、普通列車の臨時は、時刻表には掲載がない。
(終了後、茅ヶ崎発及び平塚発横浜行各1本を運行)

 また、185系の臨時特急〔「185」〕が11月も運転されるが、時刻は変わる。

下り
 横浜8:50 → 10:16伊東

上り
 伊東13:35 → 14:59横浜

途中ノンストップ 全車指定席(グリーン車なし)

 会社線では、京王・京急・新京成で運賃改定があります。早い話値上げだが、京急は、長距離は逆に値下げになります。

◆主な区間の運賃
京王 新宿~京王八王子 370円→410円
   新宿~橋本 390円→410円(相模原線の加算運賃は廃止)
   渋谷~吉祥寺 200円→230円
京急 品川~羽田空港第1・第2ターミナル 250円→280円
   品川~横浜 310円→320円
   品川~三崎口 950円→740円
新京成 松戸~京成津田沼 270円→280円

 なお、南海も10月1日に運賃改定があるが、特集のページの「本文の訂正」欄に新運賃の記載があります。難波~関西空港間930円→970円・難波~和歌山市間930円→970円・難波~極楽橋間890円→930円など。

 長距離バスは相変わらず運休・減便が多いが、北海道では加えて札幌駅前ターミナルが9月30日を持って閉鎖になり、10月1日より、近辺の路上に分散して出発になります。現行ターミナル発着路線は、10月1日からの出発のバス停の番号が付記されています。
釧路・函館・余市・ニセコ・小樽→① 旭川・富良野→② 網走・名寄→③ 紋別・遠軽・帯広→④ 留萌・滝川→(中央)⑤(沿岸・増毛経由)㉜ 岩見沢・夕張→⑥ 苫小牧→(中央)⑦(道南)㉚ 室蘭→⑦ 広尾・えりも→⑮ 豊平峡温泉→㉗ 登別・浦河→㉚ 幌延→㉜ 
〔高速はこだて号〕は10月1日より、1日4往復に削減。夜行は廃止(ただしまだ「夜行便」欄に掲載)。道南バスが撤退(ここでは社名が残ってしまっている)。

 東京~八戸・十和田線〔シリウス号〕は、9月8日にダイヤ改正を実施。八戸駅は東口→西口に変更。ここには時刻の記載がないが、六戸→三沢駅経由に変更している。今のところ、土休日中心の運行のまま。
 高速バスはまだ全国的に運休・減便の路線が多い。需要は回復傾向のはずだが、やはりドライバー不足が影響しているのだろうか。

 バス路線はこの他にも10月1日に各地で様々変更があり、特に北海道の旧国鉄特定地方交通線転換路線の一部で廃止が行われるが、今号では記載がなかった。猪苗代地域は10月1日より磐梯東都バス→会津バスになるが、これも今号では記載なし。

 次号は久しぶりに、冬スケジュールに移行する、国際線航空の現状をチェックしてみようかと思っています。〔のぞみ〕が年末年始は全列車全席指定席になると発表があり、これに関するお知らせ、も載るでしょう。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


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 西武鉄道が、「サステナ車両」と称して、東急9000系・小田急8000形を導入し、支線区で運用させると発表しました。既にそういう話は聞いていたが、「サステナ」なんて言葉にはものすごく新しいイメージもするのだが、中古車両が「サステナ」、とはね…。まず2024(R6)年度に小田急8000形が、2025(R7)年度以降に東急9000系が順次導入され、2030(R12)年度前に全車両のVVVF化を達成する計画、としています。
 東急9000系(たぶん9020系も含むと思う)は現在5連18編成が大井町線に集結しているが、1両減らし、4連にする事になるはず。西武の投入予定線区(西武秩父線は当然、池袋線・飯能~吾野間を含むはず)を見ても、101系4000系を置き換える事になるのは間違いない。現在101系は7編成(牽引車兼用含む)、4000系は11編成(「52席の至福」除く)、合計18編成なので、ちょうど合う。西所沢または飯能で東横線編成と顔を合わせる可能性もあるが、4000系を置き換えるのなら、セミクロスシートにはして欲しいかなあ。
 小田急は、1000形ならまだしも8000形とは。国分寺線専用になるみたいだから、6連が欲しかったのか(今の西武で6両編成は国分寺線のみ)。1000形は既に6連がもうないそうで、タイミングが合えばあるいは1000形の可能性も、あったのではないだろうか。
 両者で合計100両程度導入としているが、9000系が4連×18編成=72両、8000形が6連×5編成=30両、合計102両となるのではないか。
 大手私鉄同士の車両譲渡は、遠い昔に東急の旧型電車が名鉄に大挙移籍した事があり、また京急の初代1000形が京成に移った事もあるが、前者は6000系デビューまでのラッシュ輸送の助っ人だったし、後者は比較的短期間のリースだった。今回は完全に西武の電車として、相当な期間使用する事になるはずだが、かつては(鉄道の外で)ライバル、というか敵?だった小田急と東急から中古車両を購入する事になるとは、時代も変わったものだと思った。今後も他社で同じようなケースが見られる事に、なるのだろうか。

 弘南鉄道は弘南線・大鰐線とも、線路の著しい摩耗が発見されたとの事で、25日から全線の運行が止まっています。再開の見込みも立たないとの事(一部区間は来週中に再開を目指すとの事)。バスの代行輸送は、来月3日からになるそう。大鰐線では8月6日に脱線事故があり、2週間程度全線で運転を見合わせ、23日に再開したばかりでした。現地の近況は分からないから迂闊な事は言えないが、今の状況はちょっとばかし、まずいのではないか?

《What's New》
25日 バスケWリーグシャンソン 選手一斉退団でけん責処分
26日 バスケ日本代表馬場 雄大 Bリーグ長崎ヴェルカ入団 記者会見
27日 サッカー元日本代表小野 伸二 引退発表
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)時刻表

№2699 JTB時刻表2023年9月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表9月号」、先週発売になりました。
 表紙は東武日光線・下小代~明神間の東武「スペーシアX」。

「のりもの情報局」は、「弘南鉄道『ナゾトキクエストin弘南鉄道』開催中」「岡山市 交通政策課『運賃無料DAY』&イベント実施中」「広島電鉄 G72023広島サミット記念乗車券『広島たびパス』発売」。
 岡山の運賃無料DAYは、11月までの日曜日1日+11月3日(文化の日)に実施、次回は明日9月3日。事業者を見ると、岡山市内の一般路線バスを運行する全事業者が入っています。岡山市のバス業界内部の対立はこれまでも何度か書いてきたし、公のニュースにもなったりしているが、6月には再編協議が再開(コロナ禍後初)し、これまでとは一転して協調姿勢が見られたそうで、風向きが変わってきたようです。
 弘南鉄道は先月、大鰐線で脱線があって、2週間全線が不通(バスで代行)になったりして、先行きが少々不安。

「スペーシアX」ができるまで

スペーシアX広告.jpg
 また、特集の予想が外れてしまいましたねえ…。
 最初の2ページの、企画から設計、製造、そして運行開始まで、の流れは、時刻表でやるものではない気も、しないではない。
 デザインスケッチを見ると、先頭部はパノラマカー的で(遠い昔、欧州のどこかにこんな感じの電車があった気がする。ドイツだったっけ?)、運転台を2階に上げた、運転席越しではない、完全な展望サービスの提供も考えられていたのだろうか。ただ、この窓配置では、強度を確保できなさそうだ。
 手許にある、スペーシアX記念乗車券の付録のカタログを読むと、コックピットラウンジのソファーやテーブルは、床面には固定されていないそう(急停車しても動く事はない)。
 33年前の100系スペーシアもかなり奢った仕様だと感じさせたが、さすがにDRCから続く、日光・鬼怒川方面行東武特急の「伝統」の意気込みを感じさせる中身、だとは思いました。ただ今回は、やや敷居が高くなっちゃったかな、という気もしました。全体的に在来の特急よりも料金が高く、浅草~東武日光・鬼怒川温泉間では、一番レギュラーなスタンダードシートでも、300円高い(1,940円)。今後の日光・鬼怒川特急はどういう方向に行くのか。スペーシアXとリバティの2本立て、という事になるのか。

特集のページ
「NEWS」の4文字が、宇都宮ライトレール。3車体連接なので、「E」と「W」は中間の車体に並んでいます。

 その宇都宮ライトレール「宇都宮芳賀ライトレール線」の、全列車の時刻が掲載されています。快速運転も想定されているそうだが、まずは各駅停車のみ。平日は朝方7~8分毎・日中12分毎・夕方6~10分毎、土休日は12分毎(平日とは時刻が異なる)。全区間通しの他、車両基地がある平石と、グリーンスタジアム前を発着する区間運転あり。
 全区間通しで乗ると、所要時間48分と、結構かかる。14.5㎞と長距離、という事もあるだろう。表定速度は18.13㎞/h。阪堺電軌の天王寺駅前~我孫子道間は13.8㎞(途中27駅)を約47分で17.62㎞/h、都電荒川線は12.2㎞(途中28駅)を55分で13.31㎞/hだから、「路面電車」としては早い方だろうが、途中17駅しかないので、ややまだるっこしい気がする。今後運行状況を精査し、それを踏まえた上で来年早々にはまたダイヤ改正を行うとも聞いているので、その時点ではもう少し早く走れるようになるのではないだろうか。

 F1の鈴鹿グランプリ(今年は9月22~24日)は、今号では快速・普通・近鉄特急の時刻も発表になりました。4年前、2019(R元)年と比較すると、9月23日(予選)・24日(決勝)の名古屋~鈴鹿サーキット稲生・鈴鹿サーキット稲生間の快速がかなり増加している。伊勢鉄道の臨時普通列車は9月22日(フリー走行のみ)のみの運行。近鉄特急も、22日に名古屋~白子間1往復の運行があります。

 会社線は、東急東横線の「Q SEAT」サービス実施列車の時刻が掲載になりました。実車が編成に組み込まれてからだいぶ経っていて、最初はメトロ副都心線からの営業になるのではないかと思っていたが、結局渋谷始発の東横線・みなとみらい線内の急行5本になりました。19時35分~21時35分の間の30分間隔。お盆休み直前の8月10日スタートとは、ずいぶん中途半端という気がする。

本文
 8月28日にスタートした、日田彦山線のBRT「ひこぼしライン」の時刻が発表になりました。
 添田~日田間全区間通しが10往復。それに添田~彦山間と筑前岩屋~日田間の区間運転が加わっている。が、豪雨被災前(もう6年前…)の添田~夜明(~日田)間が9往復、それに添田側で彦山折返しが1往復だったから、確かに便数は増えたが、大幅に、というわけでもない。しかも中・小型車だから、輸送量はやはり、多くないのだろう。福岡県と大分県の県境は宝珠山~吉竹間にあるが、彦山と筑前岩屋の間が、利用の分水嶺という事になるのか。東峰村は、日田の方に利用が向いているのだろうか。なお、専用道は彦山~宝珠山間で、一番利用が少ないだろう区間になるが、今後は専用道の延長も行われるのだろうか?
 開業に合わせて駅、というかバス停がかなり増えたが、基本的には全て営業キロ・擬制キロが降られている(一部便のみ経由する林工西口・昭和学園前・日田市役所前にはない)。なお10月7日の朝方は、添田~彦山間で運休が発生する(「ツール・ド・九州2023」開催のため)
 添田町では、彦山駅~豊前坊間の町営バスを運行していて、平日のみ添田駅発着で運行されていたが、今号には掲載がないが、BRT開業と同時に時刻を改正している。添田駅発は下りの7時台1本のみになった一方、平日1往復を除いた全便が、豊前坊まで運行されます。

 中央線・八王子~高尾間は、中央線快速グリーン車連結に対応した高尾駅構内線路切り替え工事のため、10月21日の八王子~高尾間は、19時20分頃から終電まで、全列車が運休する。
 特急は、下りは新宿19時00分発〔あずさ49号〕から、上りは松本17時20分発〔あずさ50号〕から、全列車が運休する。ただし一部列車は、高尾発着の臨時列車に変更して運行。

下り
 あずさ55号 → あずさ65号(高尾発21時28分)
 かいじ57号 → かいじ67号(高尾発22時37分)
 かいじ59号 → かいじ69号(高尾発23時27分)

上り
 かいじ56号 → かいじ64号(高尾着21時13分)
 かいじ58号 → かいじ66号(高尾着21時42分)
 あずさ60号 → あずさ68号(高尾着22時21分)

 なお、高尾発着の臨時〔あずさ〕〔かいじ〕も、全車指定席。
 この他、豊田~八王子間・高尾~相模湖間も、一時的に全列車が運休になる時間帯がある。

 会社線は、ライトレール開業に伴う宇都宮地域のバスの時刻変更が、今号はJRバス関東のみ掲載。路線網がライトレールのフィーダーサービスにシフトする格好で、宇都宮駅へ行く(東武宇都宮駅経由作新学園発着)便は平日2往復・土休日3往復のみになる。JRのバスなのに、JRの駅へ行く便がほとんどなくなる事になる。一方で、清原地区市民センター(ライトレール乗り換え)~真岡鐵道市塙駅間の路線が新設になるが、運行は平日のみ。また、モビリティリゾートもてぎへの乗り入れがなくなる。

 航空では、トキエアの新潟~札幌(丘珠)路線の時刻が初掲載になりました。当面は月・金・土・日の週4日、新潟発は9時50分と14時20分で所要1時間40分、丘珠発は12時00分と16時30分で所要1時間45分。運賃は24,000円~29,000円と記されていて、新千歳発着のJAL・ANAより1万円程度安い設定になっています。
 ただし、「8月下旬就航予定」と記されているが、9月に入った今になっても、まだ就航していない。トキエア公式HPにも一切理由が記載されていない。
(台風7号の影響で国の審査が中断された事が理由らしい)

 次号10月号は、会社線でやや気がかりな動きがいくつかあるようです。京王・京急で運賃改定(値上げ)が行われる他、北海道では、旧国鉄特定地方交通線転換のバス路線の廃止がいくつかアナウンスされています。

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 北陸新幹線敦賀延伸の来年3月16日は、やはり日本全体で、鉄道に関わる動きがかなり起きそうです。昨日は名鉄からまとめて発表がありました。運賃改定(初乗り170円→180円・名鉄名古屋~名鉄岐阜間570円→630円など)と精神障害者割引の導入、加木屋中ノ池(公立西知多総合病院前)駅の開業、三河知立駅の移転を実施。

《What's New》
 1日 「豪雨災害伝承館」 広島県安佐南区に開館
 2日 大相撲横綱審議委員会稽古総見 4年ぶりに一般公開
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表

№2684 JTB時刻表2023年8月号(JTBパブリッシング)

「夏をさがしに…九州へ」と表紙に書かれたJTB時刻表2023年8月号、私は北海道へのお供として、使わせて頂きました…。
 表紙は、「指宿枕崎線」としか書かれていない。たぶん山川~枕崎間のどこかだろう、とは思う(地元の方ならすぐお解りなのだろうが)。

「のりもの情報局」は、「津軽鉄道 風鈴列車運行中」「えちごトキめき鉄道 『急行券Tシャツ』発売」「JTBパブリッシング 『るるぶ旅のスタンプ帳』発売中」。
「急行券Tシャツ」とは、これを着れば急行乗り放題だそうで、結構太っ腹(別に乗車券が必要)。

保存版 九州の鉄道16社カタログ

2022_1025-24.jpg
「旅名人の九州満喫きっぷ」発売中、という事もあるのか、九州の鉄道全16社が掲載されています。
 九州の鉄道は、平成の30年間では九州新幹線の開業が一番大きい。令和になってからは西九州新幹線も開業。ほかでは福岡市営地下鉄七隈線と、門司港レトロ観光線の開業がありました。
 全線が廃線になったのは高千穂鉄道、あとは島原鉄道の島原外港(現島原港)~加津佐間が廃線になった。平成が始まった頃は特定地方交通線の廃止や転換もあったが、今のところはどうにか、全九州レベルでは路線網が維持されていると言っても良いと思うy。ただこの数年、今頃の時期は決まって豪雨になって、運行不能に陥る路線が多数発生しています。JR九州は、日田彦山線の不通区間がBRT「ひこぼしライン」に転換される事になったし、肥薩線(八代~吉松間)も復旧のめどがまるで立たない。豊肥本線や久大本線も、この数年は被災と復旧の繰り返しになっている感があります。
 そんな中で、南阿蘇鉄道の全線再開は、明るい話題になりました。JR九州など、関係する事業者や自治体などが一体となって盛り上げる事が、是非望まれます。私も今年中には乗りに行くと、宣言しておきます(年末になるかな…?)。
 JR九州の影響がやはり大なのか、九州の各社では、ドーンデザイン(水戸岡 鋭治氏)デザインの車両が極めて多い。グラビアに写真として挙がっているだけでも、6者あります。以前も書いたが、九州に限った事ではないけれど、これって良い方向なのか、少々疑問を感じます。むろんそれはデザイナーのせいではなく、発注する側の発想の問題であり、もうちょっと違う、オリジナルの発想で列車をアレジメントする事も、考えられるべきではないでしょうか(「しまてつカフェトレイン」などはそうなのかと思う)。
 個人的には、肥薩おれんじ鉄道と松浦鉄道は、第3セクター転換後は乗っていない。早いうちに、とは思うけれどねえ。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、15日にデビューした、「スペーシアX」。

 夏の臨時列車が多数掲載されています。この3年間のうっぷんを晴らすかのごとく。
 鈴鹿グランプリ(9月22~24日)の臨時列車が発表になりました。今回は特急〔鈴鹿グランプリ〕(名古屋~鈴鹿サーキット稲生間)だけ。HC85系が初めて迎えるF1になります。2往復運行されるが、1・4号は、9月22日は運行しない。両列車とも途中桑名・四日市のみ停車。全車指定席(1号のみグリーン車連結)。
「長岡まつり大花火大会」の臨時列車は、前号では掲載がなかった、えちごトキめき鉄道・妙高はねうまラインの臨時列車が発表になっています。直江津は、通常の最終列車の後に出発。23時02分発と0時02分発の、共に新井行。4年前と比較すると、時刻は変わっているが、規模は同じ。日本海ひすいラインは臨時は運行なし。
「熊野大花火大会」(8月17日)は、これもHC85系は初めて迎える事になる。全体として、臨時列車の本数は4年前より増えている。特急は、4年前は〔(ワイドビュー)南紀〕の臨時として運行されていたが、今回は、花火当日に運行される列車は〔熊野大花火〕の愛称で運行される。1往復増。翌日の熊野市→名古屋間は〔南紀98号〕として運行。全車指定席(〔熊野大花火3・4・5・8号〕はグリーン車連結)だが、指定席特急券等は全て、花火大会当日の7時より発売。

 グラビア特集(「巻頭カラーページ」と記載)連動企画として、島原鉄道と熊本電気鉄道の全線・全列車の時刻が掲載になっています。

島原鉄道2500形.jpg
 島原鉄道はついに、急行がなくなってしまった…。島原港(当時は島原外港)~加津佐間廃止の時に、1時間位の間隔で設定されていたのに、ダイヤ改正の度に減っていきました。現在は基本的に、日中は諫早発毎時29分本諫早行・48分島原港行のパターンダイヤで運行されている。諫早~島原港間は森山・神代・島原船津で交換するダイヤ。西九州新幹線との乗り継ぎの便は、本諫早折返しはまだ良いが、島原方面となると、基本的にはあまり良くない。対武雄温泉(博多)方面だと30分前後の乗り継ぎ時間があり、10分程度ですぐ、というのは少ない。下り最終島原船津行の諫早発は21時53分発だが、接続する〔かもめ57号〕は、21時25分着になる(武雄温泉21時06分発・博多20時00分)。上り初発島原船津5時44分発は諫早に6時58分に到着、この列車は8分で〔かもめ4号〕への乗り換えが可能と思われる。武雄温泉7時27分着・博多8時36分着(「新幹線との乗り換えに必要な標準時分」には、島原鉄道の記載はない)。

熊本電気鉄道 6000形.jpg
 熊本電鉄は、基本的な運行形態はずっと変わりがない。金・土曜のみ運転の藤崎宮前発23時30分発は、折り返しも藤崎宮前0時01分発北熊本行として営業がある。回送電車でもいいんじゃないの?と思うが、始発駅を日付が変わってからの出発とは、中小私鉄としては破格のダイヤ。

 会社線は、ゆいレールの8月13日改正ダイヤを掲載しています(平日ダイヤの朝夜のみ)。てだこ浦西→那覇空港の初発を繰り上げ。てだこ浦西発が5時20分、那覇空港着は5時58分(現行は6時16分着)となって、7時過ぎに出発する航空便の利用に、余裕が生まれる事になります。
(現行の航空ダイヤは、東京(羽田)行は7時15分(SKY・JAL)、成田行は6時40分(APJ)、大阪(伊丹)行は7時05分(JTA)、関空行は7時05分(JTA)、福岡行は7時10分(JTA)の出発)
 この他3両編成を導入するが、平日の輸送力の見直しも行うとしています(詳細はゆいレール公式WEBでもまだ発表になっていない)。
 また上田電鉄の臨時ダイヤ(7月29日「うえだわっしょい」・8月5日「信州上田大花火祭」)も掲載。20時台以降が臨時ダイヤとなるほか、通常は土休日運休となる3往復を運行。

本文
 花咲線(根室本線)は8月1日~9月30日の2か月間、座席指定車両を連結した列車を運行。
 下りは普通列車5627D(釧路8時21分発)を9627D〔地球探索鉄道号〕として運行。
 上り快速〔はなさき〕(3628D・根室11時03分発)を、〔快速はなさき〕(9628D)として運行。
 上下とも時刻の変更はないが、定期列車を運休、その時刻で臨時列車を運行する形態になる。
 なおJR北海道のリリースに拠れば、対象列車は2両編成で運行される(キハ40「森の恵み」+キハ54)が、1両がまるまる指定席車、ではなく、キハ40形の内の、海側のボックス席を指定席として発売する形態になる。指定券は「みどりの窓口」での事前の購入が必要で、車内では指定券は発売しない。「花咲線」区間では「みどりの窓口」があるのは釧路・厚岸・根室のみだが、その他の駅から利用したい場合は、あらかじめ発売場所で購入しておくように、としている。

 今号では、山陰本線(長門市~小串間)と美祢線の不通については、一切掲載がない。越美北線は今日全線で運行を再開したとの事で、何より。

 会社線では、3年前から予告されていた、三島~横浜・羽田(エアポートガーデンズ)・新木場間の高速バスが、21日よりついに運行を開始しました。東海バス・伊豆箱根バスと、ウィラーエクスプレスの3社共同運行で、1日3往復。
(起点の三島大場とは、伊豆箱根鉄道大場駅・本社に隣接する伊豆箱根バス三島営業所だが、乗り場は駅からやや離れた大場川沿いになるようなので注意か)
 西武は、7月1日より特急料金・拝島ライナーの料金を改定(値上げ)。特急料金は池袋~西武秩父間710円→900円・西武新宿~本川越間500円→600円など。拝島ライナー料金は300円→400円(S-TRAINは変更しない)。

 前号のところで「今号のグラビアに掲載か?」と書いてしまった宇都宮ライトレールが、8月26日に開業します。だから前日25日発売予定の、次号9月号、かな?それと、「ひこぼしライン」の時刻も掲載になるはずです。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《What's New》
27日 欧州中央銀行 金利0.25%引き上げ 去年7月から9回連続
28日 最低賃金 全国平均41円引き上げ 初の1000円超え
29日 林外務大臣 スリランカ外相と会談 債務問題解決のプロセス支援を表明

posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表

№2676 JTB時刻表2023年7月号(JTBパブリッシング)

 前回の最後で「鉄道の被害がないように」と書いたのに、また、大規模な鉄道の豪雨による被災が起きてしまいました。美祢線は鉄橋が完全に崩落、山陰本線も鉄橋が変形してしまって、不通は長期間に渡りそうです(美祢線は少なくとも、今年中の再開はないだろう)。どちらも、JR西日本が「単独での維持は困難」としている区間だけに、地元では早速「廃線」への不安が高まっています。山口県の他、九州北部も「記録的豪雨」になっていて、久大本線は、豊後森~由布院間が不通になっています(こちらは今月下旬には再開できそうだが)。どうもこの数年、6~7月になると決まって全国的に大雨となり、人的な被害も多数発生するとともに、ローカル鉄道線も毎年必ず、どこかの路線が長期間の不通を余儀なくされる被害が起きています。復旧する路線もあるが、ローカル線に関しては、「1歩進んで3歩下がる」という状況に陥っているように思えてなりません。災害以外の要素も多数あり、憂慮すべき状況にあると思う。

「JTB時刻表2023年7月号」、先月発売になっていたが、PCが一週間ほど使えない状態になったため、遅くなってしまいました。
 表紙は五能線・深浦~広戸間を行く「リゾートあすなろ」の「ブナ編成」。

「のりもの情報局」は、「鉄道・運輸機構『第24回 鉄道のある風景写真コンテスト』作品募集」「三岐鉄道 全駅入場券セット発売」「『鉄道の日』関東実行委員会 第8回『鉄道の日』記念フォトコンテスト開催中」。

全国のおトクなきっぷ 大集合!
 7月15日に南阿蘇鉄道が全線の運行を再開するので、合わせて熊本の鉄道の特集でもやるのかなと思っていたが、大外れでしたね…。

 今月はJR・私鉄各社から発売されているフリーきっぷの特集だが、もちろん、これが全てではない。比較的通用範囲が広いものが中心、だろうか。
「青春18きっぷ」の他、四国・北海道・九州の「三島会社」では、それぞれ自社全線の「フリーきっぷ」を発売している。どれも通年。
 JR四国の「四国フリーきっぷ」は、JR四国バスも乗れる(と言ってももう2路線しかないが)。北海道や九州も、分社したJRバスに乗れるようにしても、良いのではないか?(北海道は、札幌付近は無理だろうが)。
 JR東海の「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」は、JR東海の全線と、関連する私鉄が利用できて、全部堪能するには、2日では足りなさそうだ。ただ、四日市あすなろう鉄道と、三岐鉄道の三岐線は利用できない。JR線と直接接続していないからか?
 この他、最近は私鉄やバス各社で様々なスタイルのフリーきっぷが発売になっている。当然全部は載せられないだろうが、少なくとも、自社の鉄道全線が利用できるタイプ(ここにないものでは「名鉄電車全線2DAYフリーきっぷ」など)を、どこかで一覧にして頂けると、ありがたい。特にローカル私鉄。支援も兼ねて。
 JRグループでお願いしたいのは、以前も書いたが、新しいタイプの「周遊券」の復活。特定の(できれば旧「ワイド周遊券」位の)範囲のJR線が数日間乗り放題で、それが全国のJRの駅で買えるようにする(東日本の駅で九州の「周遊券」を買える、とか)。特にローカル線の集客はどこも課題のはずで、利用促進のためにも是非。また、毎日発売の上、シーズン別の料金の設定により、オフシーズンの平日への誘導を図る事も、考えられるべきではないか。とにかく、近年はJRで周遊する旅が何かやりにくい、割高だなあという気がするので、何とか復活をお願いしたい。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、大阪メトロの400系。

 今月号は、花火大会の臨時列車が多数掲載されています。「4年ぶり」という所も、多いだろうと思う(ここにはないが、隅田川の花火大会とか)。「長岡まつり大花火大会」(今年は8月2・3日)は去年は開催されていて、去年は8月号に臨時列車の記載があった。比較すると、上越新幹線は、去年は下りで越後湯沢始発・浦佐始発があったが、今年は長岡始発に統一。下りは3本・上りの新潟→長岡間は2本、去年より増えている。当然全列車E7系となったが、全車自由席は変わらない。在来線は、東三条→長岡は1本増。一方で去年運行があったトキめき・妙高はねうまラインは、今月号では掲載がない。運行されるなら8月号か(公式WEBもまだ記載がない)。
 また、去年は3年ぶりの開催はあったが臨時列車の運行がなかったような(少なくとも時刻表の掲載はなかった)、「博多祇園山笠追い山」(7月15日早朝)の臨時列車が掲載になっています。しかし2019(R元)年以前も掲載がなく、ひょっとして今年が初設定?(JR九州のWEBをチェックしているわけではないから正確には分からない)門司港3時01分発博多行〔きらめき91号〕(787系・DX含むグリーン車・指定席設定あり)の他、門司港・荒木・直方→博多及び筑前前原~博多空港間の普通列車の設定があります。

 会社線は、上高地・乗鞍・立山(室堂)等への直行バスが中心。

本文
 JR九州は7月1日より、一部列車の時刻を変更している。
● 〔ソニック1・3・44・48号〕〔にちりんシーガイア5号〕〔きらめき5号〕が福間に新規停車。関連して一部の快速・普通の時刻を修正。
● 長崎本線・佐世保線の長崎~諫早~湯江・新大村間で、朝方の一部の快速〔シーサイドライナー〕・普通の時刻を、最大3分繰り下げ。

 JR四国はお盆の8月11~20日に〔しおかぜ〕と〔いしづち〕、〔南風〕と〔しまんと〕の分離運転が行われるが、12~15日の〔しまんと4・7号〕は、8600系で運行される。電車の〔しまんと〕がまた見られる(逆にDCで運行される〔いしづち〕もある)。なお〔いしづち〕は、3連休の初日となる7月15日・9月16日と、最終日の7月17日・9月18日も、一部で分離運転になり、9月16日の〔いしづち8号〕は185系で運行される。

 南阿蘇鉄道は全線運転再開と同時に、朝方の2往復が、豊肥本線・肥後大津まで直通運転を行う。豊肥本線への直通は、第3セクター鉄道転換後は初。

下り
8451D~5 (熊本6:39→)肥後大津7:28 → 8:17高森
8453D~7 (熊本8:48→)肥後大津9:26 → 10:14高森

上り
4~8450D 高森6:29 → 7:12肥後大津(→7:57熊本)
6~8452D 高森8:26 → 9:09肥後大津(→10:06熊本)

 トロッコ列車〔ゆうすげ〕は、7月15日再開初日は運行しない。南阿蘇鉄道直通運転以外の豊肥本線の列車には、変更がない。

 秋田内陸縦貫鉄道は、7月15日にダイヤ改正を実施。角館15時33分発快速116Dを普通列車に変更。列車統合により、鷹巣~阿仁合間は1往復、阿仁合→比立内間は1本減。現行の18D(阿仁合17時30分発鷹巣行きは取りやめ。現行の419Dと421Dを、新421Dに統合する。鷹巣~阿仁合間は上下とも最終列車が繰り下げになり、鷹巣発阿仁合行新23Dは鷹巣21時20分発。秋田方面からの接続は、秋田19時23分発快速3627Mからになる(36分待つ事になる)。秋田18時35分発普通1683Mからは、鷹巣での直接の接続がなくなる。

 高速バス・空港バスは相変わらず運休便が多い。コロナ禍の影響を引きずっているだけでなく、乗務員不足の面も大きいだろう。
 その中でも、少しずつ再開の動きも見られる。現在全便運休中の新宿~那須・塩原線は、7月21日より関東自動車便のみ2往復(時刻表では斜字で記載されている便)で再開。
 また、「運転状況要確認」となっている、大宮~成田空港間〔ONライナー〕(現在は全便運休中)は、7月14日より5往復で運行を再開する(国際興業は入らない)。当面はさいたま新都心は通過。また運賃は2,850円→3,200円となる(なお、大宮側の起終点は西武バスの大宮営業所)。
 全然知らなくて申し訳なかったが、大阪~福岡間は現在、大阪バスによる夜行バスが、3往復設定されているます(2往復は運休中)。大阪~福岡間ノンストップで9時間30分。福岡の発着地点のHEARTバスステーション博多は、博多駅の南の「HERATSカプセルホテル&スパ」に併設されているらしい。JRの高架のすぐ西側。
 会社線では、仙台市営地下鉄が南北線・東西線とも7月1日にダイヤ改正を行った。両路線とも、平日の日中と、土休日の日中以降は10分間隔に削減。
 また、流鉄も同日ダイヤ改正を実施。減便を実施。日中の20分間隔は変わらないが、夕方の15分間隔の時間帯の一部が20分間隔になる。

 次号は、宇都宮ライトレールが8月26日開業と発表になったので、路面電車・LRTが特集、かな?

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 前回から予告なく、5日も空いてしまって申し訳ありません。前にも少し書いたが、やる事・やりたい事が多数あって、ブログ製作に若干手が回らなくなっている所があります。当面、先月同様、3日毎おきくらいの更新になるかと思うが、できるだけ回数を増やそうとも思っています。「お茶濁し」的な記事が多くなるかも、知れないです。
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)時刻表