表紙は京王バスのハイブリッド車とエアロエース高速車のほか、大阪シティバスのエルガEV。24台だそうだから、今のところはエルガEVの最大ユーザーか。
2025 春のオムニバス
関西万博もあるが、とにかく今年は、エルガEVが全国的に席捲したのではないだろうか。それにしても、相鉄バス(相模鉄道)が去年度(2024年度)の事業計画で、国産EVを3台導入すると書いていたから、ここがエルガEV市販第一号になるかと思っていたのだが、どうも今のところ、導入される気配がない。車両ではなく、充電設備の整備の問題なのかもしれない。今年度も3台導入、と記されているから(他にレトロフィット改造1台が入るらしい)、今年こそは、だろうか。
(相鉄バスは、海老名市内での自動運転レベル2実証実験の記事があり、BYD J6がベースになっている)
BYD、EVM、アルファなどと共にエルガEVの導入もスタートした事で、大手クラスの事業者だと、複数メーカーのEVが入るところも少なくなくなってきた。いよいよEV同士の競争が本格化してきた事になるが、そうなると導入の決め手は、何になるのだろうか?
立山トンネルのEVはアニメとのコラボだが、あそこは営業区間全線が完全にトンネルになるので、明るい場所での撮影がかなわないのが残念。
なお、京成グループの再編成は、別に記事が仕立てられている(京成バス東京では、今月になって新デザイン車両の運用が始まったらしい)。今回は再編劇の第1弾で、来年に今の京成バスが加わる第2弾で改めて、なのかもしれないが、次号あたりでもう少し詳しく、再編の狙いとかに着いて記載があれば、と思う。
バス事業者訪問262 京王電鉄バスグループ

前回は2000(H12)年7月の№60だったから、ほぼ四半世紀ぶりになります。京王電鉄バスは、まだ京王電鉄の直営のバス部門だった頃でした。
基本的なエリアは電鉄バス・バス合わせると四半世紀であまり変わっていないとは思うが、細かく見ると、廃止になった路線が少なくない。特に去年から今年にかけて、共同運行系統(特に調布付近で、小田急バスとの)の見直しが強力に進められ、この結果、吉祥寺への乗り入れがなくなっている。この辺の事情が、少々説明不足だったような気がした。また今年になって、神奈中バスとの共同運行だった聖蹟桜ヶ丘駅~南大沢~相模原駅路線も廃止になった。元々両社合計で6往復しかなかった系統だったけれど、この結果、神奈川県への一般路線の乗り入れは、南大沢からの橋本駅のみとなった。一方で、JR中央線より南側(つまり京王電鉄の駅を発着しない)の系統が現在でも維持されているのは、面白い。
輸送人員は、1990(H2)年度は113,233千人だったそうだが、2023(R5)年度は2社計で95,605千人だったそうだから、33年間でで15%以上減少している。一般路線の利用動向はあまり記されていないが、もちろん沿線人口の減少とかもあるだろうし、加えて多摩都市モノレールの南側区間(多摩センター~立川北間)の開業も、かなり影響しているのではないか?
現在は京王電鉄バスと京王バス、共に電鉄バス部門からの分社が並び立つ格好になっているが、昨今の業界他社の動向から見ると、この体制はいつまでも続けられるのだろうか。この両社の合併、さらには西東京バスまで巻き込んだ大再編成劇も、今後はありうるのかも知れない。
(一覧表にも記されているが、京王の高速バスの一部便を西東京バスに委託、という事例が発生している)。
バスターミナル東京八重洲は、今のところは自社の高速路線の発着が全くないが、今後もないのだろうか。
車両アルバムは、版権の問題もあるかもしれないが、空港バスで使用される、サンリオのラッピング車は出せなかったろうか?アストロメガは現在2台らしいが、需要のひっ迫…特に富士五湖線は、インバウンドの利用が多いんだよね…と、ドライバーの確保という点からは、もう少し台数があっても良いかもしれない(メーカーサイドの問題があるようだが)。
アーカイブスを見ると、高速兼用車とか、独自開発のUD小型車とか、他事業者では見られないような、特徴的な車両が少なくなかったようだ。コストとか、需要の変かとかで姿を消す事になった、のだろうか。
「ピンポン・パンポン」があっても、良かったんじゃ…!?
高知駅前観光の「寝台バス」「ソメイユプロフォン」の試乗ルポの記事があるが、これは、同業他社にも展開しうるものだろうか。それとも、高知駅前観光の独占的なものになるのだろうか。完全に横になって眠れるというのはメリットがあるというのは、他交通機関を利用しても感じる。列車の〔サンライズ〕もそう。先日は個室ベッドの「ソロ」だったけれど、たとえカーペット敷きの「ノビノビ座席」でも、フルフラットだと、座席とは違うと思っている。
「国内ニュース」欄には、士別軌道の路線(士別~朝日間)の一部をデマンド化、とあり、平日の最終1往復をデマンド化(前日までに予約が必要)の他、休日は全便運休と記されているが(土曜日は日中の3往復のみ運行)、そもそも士別軌道は、この区間(士別~奥士別間)を走る軌道が始まりだった。旅客営業は70年前に廃止になっている(その後4年間は貨物専用鉄道として運行)が、70年の歳月が経っているとはいえ、鉄道転換のバス路線がここまで落ち込むというのは、正直ため息も出る(休日は一人も乗客がいない日もあるそうだ)。
次号の事業者訪問は、三岐鉄道だそうで少々楽しみもあります。基本は山城~四日市間の一般路線バスだが、連節バスを導入するくらいだから通勤・通学の需要は多いはずだし、東員駅~イオン~山城駅を結ぶ買い物路線の利用状況も注目できると思う。また、道南バスは旧JR日高本線の代替路線の運行を開始した一方で、旧国鉄飯降線代替路線の一部が廃止になっていて、特にローカル輸送はコロナ禍もあり(高速も影響を受けている)、現状はどうだろうか。
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京王・小田急・京急が、今年度の設備投資計画を発表しました。
京王 … 車両面では、昨年リリースを出していた2000系を2編成新造。2000系は、5号車に大型フリースペース(西武40000系の「パートナーゾーン」と同様なもので、京王では名称公募中)を設置。9000系は2編成をリニューアルする(事前のリリースでは10連(だから30番台)を対象とするとしていた)。8000系1編成で、VVVFインバータ制御装置を更新する。笹塚~仙川間の連続立体交差工事を推進し、京王多摩川駅は、周辺の再開発事業に合わせて、駅の改良工事を実施する(来年供用開始予定)。新宿駅のB2Fホームを延伸し、丸ノ内線への乗り換えが可能な動線を整備する。渋谷駅は、バリアフリールート2ルート目の整備完了を目指す。京王線・井の頭線とも、自動運転を活用したワンマン運転を目指し(井の頭線は2020年代後半、京王線は2030年代中頃目標)、今年度は井の頭線の車両・地上設備の導入・改修を進める。ホームドアは、今年度は駒場東大前・池ノ上・東松原・永福町(1・3番線)・浜田山・高井戸・富士見ヶ丘・京王多摩川の各駅に整備。この他、AIアバターや遠隔による導入に向けた検討を進める。投資総額434億円。
また、同時に発表された、今年度から5年間の中期経営計画「HIRAKU2030」の中には、リニア開業を見据え、橋本駅の移設計画が盛り込まれている。現在より若干北東側に振れて、JR東日本の駅とリニア新駅の中間に近くなる感じ。この他、啓文堂書店を運営する京王書籍販売の株式すべてを、今年6月30日付で紀伊國屋書店に譲渡するとも記されている。
小田急 … 安全対策として、世田谷代田~登戸間の高架橋、海老名~厚木間の「JR跨線橋」、相模大野~東林間間の「小田原線跨線橋」などで耐震補強工事を、読売ランド前・相武台前・座間・長後の各駅でホーム上屋の耐震補強を行う。また、去年の豪雨で盛土のり面が崩壊した東海大学前~秦野間の当該箇所で補強工事を行う。ホームドアは、今年度中には豪徳寺(既に稼働開始)・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵・喜多見・狛江で整備する。車両面では5000形1編成を増備し、3000形6連2本をリニューアルする。車内防犯カメラは、今年度中に計画全車両への設置を完了する。投資総額436億円。
京急 … 引き続き、品川・北品川駅を中心とした、泉岳寺~新馬場間の連続立体交差事業を推進する(写真もあるが、新八ツ山橋の大きなトラスが、以前の山手線の留置線の跡地に組みあがっている。また、両側の土台も一部できている)。1000形8連2本を代替新造し(イラストを見ると、また無塗装に戻るのか)、地上側でリアルタイムに映像の確認ができる防犯カメラを、2026年年末までに全車両に導入する。在来の1000形24両は多目的スペースを設置し、固定窓の一部が開閉できるように改良する。ホームドアは、今年度以降2028年度までに、新馬場・鮫洲・立会川など24駅に整備する。神奈川新町駅は大規模改良工事に着手し、花月総持寺駅は駅舎の耐震補強やリニューアルを行う。羽田空港第1・第2ターミナル駅は引き上げ線新設工事、東京都と連携した泉岳寺駅の改良工事も、引き続き推進する。この他「スマートサポートシステム」(今年度は5駅の予定)、駅の信号取り扱い業務の自動化を拡大し、ICT技術を活用したシステムの導入を進める。クレジットカードのタッチ決済は、今年度中に全駅で可能となる見込み。投資総額約370億円。
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