№2850 バスマガジンvol.126 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.126」、今月20日に発売になりました。
 先走るが、次のvol.127の刊行は12月20日と予告されていて、やはり3か月おきの刊行(3・6・9・12月の20日)に変更になったようだ。前号の時も書いたが、それ自体はともかく、刊行体制が大幅に変わったわけだから、やはり事前(この場合は前号vol.125刊行の時点)で、明確に告知を行っておくべきではなかったか。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.126 東急バス

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 東急バスは今年の4月に東急トランセを吸収合併し、1社体制に戻った。脱線するが、神奈中バスも現在の神奈中本体の分社の神奈川中央交通東と神奈川中央交通西が来年4月に本体に吸収合併される事が発表になっていて、バス部門のさらに分社、という形態は、よほど広域(西鉄バスくらいの規模)でなければ、終焉と考えて良いだろう。

東急バス 青葉台連節車.jpg
 青葉台の連節車の運行開始が今春の目玉で、7305号車は大井町線6000系電車のデザインだが、付記すると、後部の車体は「Qシート」車(夕刻に運用される座席指定車両)のデザインになっている。ただ今のところ、東急の連節バスで営業運行している所を公式側から型式写真として撮影するのは、ほぼ無理。一度青葉台駅から日体大まで延々歩いてみたのだが、道路自体がそれほど広くはないうえ、公式側で広く開いている場所が皆無だった。運行日・ダイヤが限られている現状では、走行写真的に割り切って撮るのが、いちバスファンとしては正解、だろう。現状では。
 オープントップのエアロキングは、現在は「ハイキュー!!」とタイアップしたデザインになっているそうだが、三浦半島の京急バスのように、新車両に置き換わるという話はないだろうか。EVは小型に続いて大型も入ったが、今のところは全部東京都内。
「あゆみ」では、東名急行バスの写真が割と多め(3枚)なのが目についた。もう少し頑張って走れれば、あるいは高速バスブームに乗れたかも知れないが、当時としては、国鉄とのダブルトラックは供給過剰、だったのだろう。
 ところで「保有車両一覧表」は、それ自体は便利だと思うが、どうも各号の事業者によって並べ方が違っていて混乱するところがある。今回は社番の昇順だが、今年の新車が300番台から始まっている(コミュニティ等は除く)ので先頭に来て、それから最経年の2004(H16)年式となり、一般路線車(途中2007(H19)年式は8700番台なので一番後ろ)が終わるとコミュニティ・高速車・特定車と、あっち行ったりこっち行ったり、の感がある。社番は各事業者で付与方法が違う(付けないところもある)ので、年式順で古→新に統一すべきではないだろうか。

バス作りの新勢力から
 埼玉の丸健つばさ交通(旧丸健自動車)がオノエンスターのEV7.0を導入、これはイーグルバス(ときがわ町)に次いで2例目、という事で良いのだろうか。「太陽光発電で走るのは初だそうだが、その割には、公式HPには、ニュースリリース的なお知らせは、確認できなかった(まだ営業運行についていない事もあろうが)。以前の丸健自動車は確か経営危機が伝えられた事があったはずで、その事もあるのか、路線網が以前とは違ってきているような。今は大宮駅からの循環路線もあるが、休日は運休という路線がほとんど。全国交通系ICカードを導入しているとは、正直知らなかった(一部路線だけのようだが)。

鈴木文彦が斬る!バスのいま
「観光輸送に特化したバス」、というお題だろうか。先に京都市営の特急バスだが、運行開始前に行われた京都市長選挙でも、「オーバーツーリズム」になりつつある京都の観光輸送が争点の一つになっていたようだが、ダイヤを見ると、2つの系統がそれぞれ京都駅前を15分間隔で出発するダイヤ、となっていて、利便性はよさそうだ。ただ、前にも書いたが、料金が一般路線の倍以上する路線だったら、やはり座席定員制が望ましい。場所によっては30分以上かかるところもあるので。利用実績がまだ見えてこないが、客足がついて定着の兆しが見えるなら、特急バスに特化した仕様の専用車両の導入も、必要ではないだろうか。
 北陸新幹線開業後の高速バスは、名古屋・大阪方面への利用は増えているそうだが(新幹線は敦賀での乗り換えが必要なので)、阪急観光バスと富山地方鉄道の大阪~富山線は、いまだに夜行バスのみ運行で、昼行3往復は運休のまま。新幹線+特急の料金が割高でもあり(乗り継ぎ割引が廃止になったし)、時間がかかっても低廉な足を求める需要は多いはずなのだが、やはりドライバー不足が影響しているのだろうか。京都の市バスとか、あるいは福井の「XRバス」もだが、ドライバー事情がなかなか好転しない現状では、需要が高まっても、それに応えられる供給量を十分に確保できないだろう。事業者サイドだけでは限界もあり、関係する行政がバックアップ(カネだけではない)も、必要ではないだろうか(京都市は市長が言い出しっぺなので、行政が何とかするだろうが)。

終点の情景を求めて
 西東京バスの数馬。ここは行った事がある、というか、奥多摩(三頭山)の登山の帰りに、ここからの武蔵五日市駅行バスに乗った、という事だったが。同様の登山者でいっぱいだった。この登山は、往路は奥多摩駅からのバス利用だったが、10月1日のダイヤ改正で、特に奥多摩側は減便が行われる(奥多摩~小菅路線は、平日は運行がなくなる)。数馬は便数は維持されそうだが、昨今の登山のアクセスも、なかなか大変だ。

平成初期のバスを振り返る
 十和田観光電鉄で、今回は電車の写真もある。いすゞBU10(青22か1878)は、私が本体の十鉄のページのトップで出している車両だ。この頃もバス事業は大変だったはずだが、現状は特に土休日の運行が極端に少なくなって、十和田市~八戸路線でさえ、土休日は4往復しかない。電車代替路線(三沢~十和田市)はさすがに1時間間隔運行が確保されているものの、全線時刻表を見ると、真っ赤(土休日運休が多い)っかという感じ。十和田湖にも行かなくなって久しいし。全国相互利用が可能なICカード導入、という話題もあるが、ここに並ぶ旧カラーが全盛期だった頃のような状況は、もう望み薄、なのだろうか。十和田市や七戸は、近いうちに久しぶりに行ってみるつもり。電車廃止後は初になるが、特に十和田市付近の状況はどう変わっているのか。

 カルサンe-JESTの営業デビューは、やはりJRバス関東になった。社番はL130型で、伊那市と那須塩原市で連番になっている。「イーナちゃん」の試乗のバスは、ギュウ詰め、という感じに見えるのだが、日常も(ギュウ詰めも逆に困るが)利用が定着してほしい。サイズからして比較的短距離のコミュニティ向け、となろうが、一般のJRバスカラーは登場するだろうか?JRバス関東のEVは、古河市コミュニティ(EVMジャパン)に次いで2・3例目、という事で良いだろうか。

 さて、そろそろエルガEVデビューの話は、出てこないのだろうか?(今のところ、いすゞからもバス事業者からもアナウンスはないが)。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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《What's New》
26日 掘削工事中の道路陥没 建築物8棟被害 広島市西区
27日 シカゴ・ホワイトソックス 今シーズン121敗目 MLBワースト記録更新
28日 海上自衛隊護衛艦 南シナ海の共同訓練に参加

№2846 バスラマインターナショナル205(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル205」、先月末には発売になっていたが、少々遅くなりました。

各地の電気バスの新車から
 もはやEVは一般のディーゼル・ハイブリッドの新車から分離して、独立したページにまとめられて掲載されるほどになった。小型はBYD・J6とEVMジャパン・F8ー4が拮抗しているような印象がある。ところで、公営バスで本格的なEVを導入したところって、どの程度あるだろう?北九州市営が再度小型を導入したが、大型は、まだない?(いや、伊丹市や鹿児島市で走っている)今は複数社あるので、選定方法が影響しているのかも。

ヒュンデエレクシティタウン デビュー
 試乗インプレッションだが、ここではEVである事より、「9mサイズ」(準大型)である事が強調されているように読める。日本のメーカーが造らなくなって久しいが、潜在的な需要は多いはずで、ヒョンデはそこを狙った、という事だろう。
(広島で走り出したオノエンスター車も9m車だが、やや狭い)
 横浜市営のベイサイドブルーと比べると、だいぶ背高。
「韓国は電気バス先進国」だそうで、5年間で8,000台以上の登録であればすごいなと思うが、道のりは平たんではなかったはず。別メーカーのEVが北九州市営や南国交通で走った事があったが、どちらも短命に終わっていたので。200号の時にも記した事の繰り返しになるが、韓国の路線バスのシステムそのものはどうなっているのか、それは利用者にとって利用しやすいシステムになっているのか、EV大量導入には政治や行政等のバックアップが欠かせないはずだが、政治家や行政関係者、そして利用者の意識はどうなのか、EVが大量に導入されるなら、電力そのものはどのように確保されているのか、そのあたりもどこかで、ページを割いて記してもらえると、ありがたいです。
 いわさきの公式WEBでは今のところ、屋久島のEV運行については告知を確認できていない。

バス事業者訪問255 北アルプス交通事業部
 今回の事業者訪問は3社だが、海と山、北海道と本州と沖縄という、かなり対象的な3社になりました。
 北アルプス交通(今は関電アメニックスのバス部門に位置付けられているようだが)というと、信濃大町~扇沢路線を専門に営業しているという印象があったのだが、今はコミュニティバスもやっているのか。インバウンドの来訪が相当多くなっていると思われるが、実際の旅客対応はどのように行われているのだろうか。
 貸切部門でEVが入ったが、一般路線やコミュニティへの展開はあるのだろうか(その辺は記されていない)。一般路線は一路線のみ、たぶんJR大糸線の動向にも左右されそうだが、近年は〔あずさ〕の直通が減少傾向にあるのと、そのためか新宿から扇沢への直通高速バスの運行が行われている(ただし今季は運行なし)ので、先細りになったりする心配は、ないだろうか?
(信濃大町駅5時35分発の初便は、高速バス新宿~白馬路線からの接続になるが、今季運行されている臨時特急〔アルプス〕からは接続しない)

バス事業者訪問256 東陽バス
 沖縄県の主要4社の中では一番規模が小さい。本文には路線図の掲載がない。公式WEBの路線図が略図で少々分かりづらいが、うるま市・沖縄市・北谷町と、南城市に挟まれたあたりが主要なエリアとなるのだろうか。
 輸送人員は、やはりコロナ禍の2020(R2)年の落ち込みがきつい。2022(R4)年には年間200万人台を回復しているが、去年はまた落ち込んでしまっている。これはどうしてなのだろう。
 今年になって沖縄バスの傘下になったが、これで沖縄本島は基本的に、第一交通傘下の那覇バス交通・琉球バスと、沖縄バス・東陽バスの2グループ体制になった。那覇・琉球はデザインが統一されつつあるが、東陽と沖縄の関係はどうなるのだろうか。当面は去年までと同じ形態で行くようだが、いずれは再編成もありうるだろう。何度も書いているが、沖縄のバスは、実は案外、ちょっとしたことで良い方向に行く可能性を秘めていると思うので、他社もだけれど、ぜひぜひ健闘を期待したい。沖縄は来年、再訪を予定しています。「730」はたぶん乗れないと思うが。
 車両は中古導入が多いが、ひところよりだいぶ近代的になってきたようだ。

バス事業者訪問257 宗谷バス
 一転して最北の事業者になるが、今回はインタビューはなしで、定期観光バスを中心に、現地の実情をレポートする形態になっている。むろん事情は分かるが、やはり宗谷バスという会社の現状、バスの運行形態や、ドライバーは確保できているのか、近年は鉄道代替バス(特に天北線)の縮小が目立つが、どのような利用傾向なのか、極寒で海沿いの地の車両管理はどうなっているのか、やはりいずれは知りたいところ。それにしても写真を見ると、一般路線車はほとんどが元東急バスそのまんまで、東急がそのまま稚内の地を地盤にしているかのような錯覚も覚える。田園都市線沿線で走っていた長尺車両が目立つが、道路条件の良さがあるだろう。
 礼文島の定期観光バスのルポがあるが、現在礼文島は空路がなく(隣の利尻島はジェット化されているが)、船の欠航が少なくないなら、まず島に渡る事自体が大変だ…。礼文に限らないが、離島のバスも魅力的だが、行く機会を作れない…。
「アーカイブス」の写真には、宗谷バスの他、宗谷本線の稚内駅のモノクロ写真もあるが、構内の広い事…。1970(S45)年の撮影だそうだが、「よん・さん・とお」の時点では、宗谷本線は急行3本(〔宗谷〕は函館行)・普通7本(うち客車列車1本は小樽行)、天北線は急行1本・普通7本の出発があった。古き良き時代…だったのかな?
(宗谷岬方面へのバスの時刻は、「よん・さん・とお」時刻表には掲載がなかった)

短期連載 カタログで偲ぶ“平成初期”のバスたち⑦

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 日産ディーゼルUAシリーズ。シャーシ以上に、富士重工のボディが目を惹いたシリーズだと思う。基本的に、富士重工の車体生産終了まで続いた、息の長いデザインだったと思う。ところで、このカタログが出る前に、先代のP-UA系の発売開始に先行して都営バスの都市新バス用にこの車体が架装されてデビューし注目されたが、その点については記載がなかった。

 ミャンマーの高速バスのページがあるけれど、クーデター後の軍政下で、バスの撮影をやって、大丈夫だったの?(テキストには軍政下の町の様子などの記載がない)

 次号206号は、発売が5日早まり、10月20日となるそうです(「バステクin首都圏」開催のため)。ところで、はとバスのエクリプス ジェミニ3が増備されたニュースがあったが、京浜急行バスも、今月から三浦半島のオープントップバスがエクリプス ジェミニ3に代替された模様です(同時に運転形態を再編し、三浦海岸駅発着に変更)。次号で記事が出るのではないか。

臨港バスEV.jpg
 ところで、前号204号の事業者訪問・臨港バスで、「エルガミオのEV改造車は社有地で保管している」と談話があったが、これはJR鶴見駅近く、鶴見線の高架下の「鶴見駅前車庫」の事で、公道から高架下に格納されているEVを見る事が出来ます。この車庫、昔は一般路線バスの出入りもあったが、現在は特別支援学校のスクールバスの置き場所になっています。事務所も高架下にあります。

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 小田急が、新型ロマンスカーの開発に着手する、と発表しました。と言ってもデビューは2028(R10)年度というから、4年も先。「EXEの代替で、VSEの後継と位置付ける」という趣旨のようだが、既に引退済みの車両の後継、なのか。という事は展望室付きとなろうが、一方でEXEの代替とは、どういう姿になるのだろうか?2028(R10)年は、EXEデビューから32年。「α」化されていないEXEは、退役という事になるのだろう。

《What's New》
 7日 ベネズエラ大統領選野党側候補 亡命先スペインに向け出国
(翌日到着)
 8日 東京「将棋会館」移転 対局室などお披露目
 9日 アップル 新型スマホ「iPhone16」発表 生成AI搭載
10日 オリックス T-岡田 引退記者会見

№2827 バスラマインターナショナル204(ぽると出版)

 今日は世界中でおかしな事が多数起きていて、日本ではジェットスター・ジャパンの搭乗手続きが使えなくなるとか、JALのネットのトラブルで国際線航空機やマイレージサービスの特典航空券の申し込みができなくなっているとか、JR西日本やUSJ、セブンイレブンやマクドナルドでもトラブルが続出しているそう。アメリカの企業のクラウドが原因のようで、サイバー攻撃ではないようだが、大変な事になってしまった。早い収束が求められます。こんな広範囲に影響が出るとはね。

「バスラマインターナショナル204」も、先月末に発売になっています。

 表紙は臨港バスの他、「バステクフォーラム」の集合写真だが、太陽の塔の裏側を背景にしている(「編集後記」に詳細が記されている)。

各地の新車から
 もはやEVは別稿で、ここは全部ディーゼルバス。奥出雲交通は耳慣れなかった事業者だが、JR木次線の出雲三成・出雲横田両駅をベースとしている事業者。同社の公式HPはないが、奥出雲町のHPには路線図と時刻表があり、広島県庄原市(旧高野町)・鳥取県日南町への乗り入れ、奥出雲おろちループを経由して三井野原に至る路線もある。路線によって程度の差はあるが、全路線、毎日最低1便は運行が確保されている。JR木次線の今後にも、影響を与える可能性があるかも。

バス事業者訪問254 川崎鶴見臨港バス

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 川崎鶴見臨港バス(臨港バス)は、私の地元神奈川の事業者で、前回は2008(H16)年1月(2007(H15)年12月)刊行の105号で取り上げられていました。16年ぶりという事になりました。
 路線概要を見ると、16年前と比較して、基本的には東急東横線より東側の川崎・横浜市内、という構図は変わらない。西側では武蔵中原への路線も残っているが、現在では朝2往復・夕1往復のみにとどまってしまっている(ただし一時は土曜ダイヤのみ運行だったが、平日・休日の運行が復活はしている)。
 輸送実績の推移を見ると、16年前の時点では、乗合は当時存在した分社の臨港グリーンバスも含めて、一時は(高速含め)年間4千万人台を割っていた時期もあったのが、その後V時回復傾向にあって、コロナ禍直前の2019(H31~R元)年度では、(一般乗合のみで)約5680万人まで上昇していた。それが翌2020(R2)年度では、2割以上も減少している。回復傾向にはあるが、5千万人台というレベルにはもう戻らない、と見ているのか。高速も一時87万人台に達したが、コロナ化後は路線数削減もあり、40万人台前後で落ち着いてしまう事になるのだろうか。
「川崎BRT」は、いすゞ車が追加導入されているとは知らなかったが(日野・いすゞの両連節ハイブリッド車が同じ路線で走るのは、初のケースではないか)、今日現在では、具体的なBRT運行の拡充策は示されていない。ドライバー不足への対応もあり、日中や土休日の運行、また水江町路線以外(エリーパワーなど)の運行の可能性が、あるのだろうか。
 多摩川スカイブリッジを渡っての東京都内(天空橋駅)への乗り入れは話題になったが、キングスカイフロントからは、航空への需要もあるのではないかと思われる。ドライバー確保の課題はあるが、客足がつくようなら、川崎駅~キングスカイフロント~羽田エアポートガーデン~羽田空港第1・2ターミナル間の路線の開設は、考えられないだろうか?
 大師橋(旧産業道路)駅からの路線が拡充しているのは、京急大師線の地下化の恩恵もあるだろうが、JR南武支線・鶴見線との接続強化は、まだ具体的な形にはなっていないように見える。そもそも両路線とも便数が少ないし、一方で南武支線は近年小田栄駅の開業があって、競合関係にもあるように見えるが、JRの方も、増発などの対応をしてくれるのだろうか。
 一方で鶴見区の京浜東北線より西側は、住宅地や古い団地群があるが、近年は特に、鶴見駅起点の循環系統が大幅に縮小されている(他系統に振り替え)のが心配。新綱島駅移転は記されているが、この付近の需要はどうなっているのかは知りたかった。
 今号の記事の中で多少?だったのは、高速バス部門。現況は記されているものの、近年になって空港路線から完全に撤退し、規模を縮小しているのに、その辺の経緯は記されていなかった。コロナ禍が影響しているに違いはないだろうが。車両面でも、エアロエースが臨港バスから離れ、他事業者への移籍もあるのに(旭川電気軌道に加え、横浜市営にも移籍しているらしい)、その辺の記載は一切見られなかった。
 武蔵小杉のタワマンの中を走る臨港バスは、付近の開発が進むまでは、臨港バスではほとんど見られなかった、新鮮な光景だと思う。川崎市営バスや東急バスもあるが、今後は武蔵小杉を中心とした路線の再編成も、ありうるかもしれない。再編成といえば、京急グループ全体でバス営業所の統合・再編成が計画され、臨港バスもその一環に含まれていたはずだ。今はどうなっているのだろうか。
 川崎市はまだ、CO2排出量が全政令指定都市でワースト、なのか。「音楽のまち」とか、フロンターレの活躍などで違った面を見せたいと、市では考えているのだろうが、工業地帯ゆえそう簡単でもないのだろう。それは臨港バスのせいではないはずだが。
「臨港バス アーカイブス」の中では、大型9m(準大型)の一例として、いすゞLTの写真があったが、三菱ふそうのMMの方が、全国的にも少数派だったはずなので、こちらを出してもらえると良かったかも。「川崎駅ー元住吉」の幕を出した富士のいすゞ車は、川崎駅西口の再開発の前なので、東口の発着になっていた。この辺の経緯も記してもらえれば良かった。
 トロリーバスの復元に関しては、これはやはり川崎市がやる事だろう。桜本公園には市電の静態保存車があるので、セットでやってもらえると良いのだが。

2024バステクフォーラム
 車両面では完全にEVが主役になった、というのは置くとして、周辺機器やドライバーのサポート、という点では、対インバウンドで適切な案内・誘導ができる装置を、早急に開発してほしい。京都市営バス(西日本JRバスに委託)で、間違って回送車両に乗ってきた外国人を乗せたまま車庫まで走ろうとして大騒ぎになった、という一件を以前少し書いたが、ドライバーだけに責めを負わせてはいけないはず。実際、私も先日鎌倉→藤沢の江ノ電バスに乗ったら、途中から鎌倉駅へ行こうとする外国人が乗ってきて、バス停で立ち往生する事態になった(私は多少英語を話せるので何とか収まったが、向こうは英語が母国語ではなかったかも知れない)。ドライバーも運転だけで大変(しかも鎌倉は慢性的に渋滞気味)なのに、これもまた、バス業界を敬遠させる要素に、十分なりえてしまうだろう。バス以外もだが、これこそAIを活用した案内・誘導システムなんて、できないものか、と考えてしまう。車両や、場所によってはバス停にも、十分な案内ができるシステムが、今後間違いなく必要になってくるだろう。

電気バスのバッテリー
 前後してしまうが、近年のEV等に用いられる、リチウムイオン電池に関して。技術的な事はわからないからほとんどパスせざるを得ないが、「燃えやすいのか?」という点に関しては、やはり11年前に発生した、B787型旅客機の緊急着陸、を思い出すことになる。この前後にも同型機で空港駐機中に発火するという事態があって、長期間運航停止、という事態になった。いずれも低温時に発火していて、ここでは「最適な温度は15~25℃くらい」と記されているから、特に極寒地でEV導入、となると、注意しなければならない点かもしれない。むろん旅客機とバスでは使われ方が多少違うだろうから、単純な比較はできないと思うが。最近、一般のリチウムイオン電池も発火する、というニュースを聞くようになった。狭い袋の中で充電したりしていると、起こりやすいそうだ。注意。

欧州・パンタグラフ充電の導入都市を視察しました!
 私は、実際の街中でのパンタグラフ充電のシーンは見た事がないが、4年前の欧州旅行の時、ヘルシンキの市内バスの車庫でパンタグラフ充電を、列車の車内から見たことがあります。ヘルシンキはプラグイン方式と併用しているようだった。
 パンタグラフ式のメリットは「省スペース・安全・自動化」だそうで、確かにプラグイン方式だと、接続・取り外しの時に感電の危険があるかもしれない。またケーブルが重くて、特に女性ドライバーは大変、という意見もあったそう。労働条件の向上、という点でも、パンタグラフ式はメリットがありそう(外で雨が降っていても、中からのパンタ操作で充電ができる)。課題として考えられるのは、軽量化しているとはいえ、重量物が屋根上に載る事になるので、車体の強度を考える必要が出てくる、というところではないだろうか。日本では国産ディーゼルバスをEV改造したアルペンルートで見られるのみで(トロリーバスからの転換なので、設備をある程度転用できると判断されたのだろう)、中国製EVではパンタ搭載に対応できるのだろうか(本国ではどうなんだろう?)。

短期連載 カタログで偲ぶ“平成初期”のバスたち⑥
 テレホンカードがあったはずだが、ちょっと見当たらなかった…。乗った事はないし、高速バスへ転用した事業者もないようだが、バブリーな平成初期を象徴する車両ではなかったろうか。

「国内ニュース」欄の関鉄パープルバス/グリーンバス両社の、関東鉄道への吸収合併は、7月16日に行われました。グリーンバスは関東鉄道の石岡営業所と鉾田車庫、パープルバスは下妻車庫となっているようです。関東鉄道グループでは、すでに関鉄観光バスの一般路線も関東鉄道に移管されているので、グループの一般路線はすべて、関東鉄道の運行に集約された事になります。

 宗谷バスは、近年はシーズンが逆になる沖縄から、夏場は車両やドライバーを確保しているそうで、次号ではその辺のレポートが載るのだろうか。
(利尻・礼文島では、夏場でもストーブが必要になるそうだ)

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 JR九州は今日、来年4月1日の運賃・料金の改定(値上げ)を発表しました。平均15%、初乗り170→200円、博多~熊本間2,170円→2,420円など。九州新幹線の特急料金も、平均12.4%値上げ。西九州新幹線・在来線特急の特急料金等は据え置き。

《What's New》
17日 岸田首相 旧優生保護法裁判原告らに謝罪 補償策検討
18日 欧州議会 フォンデアライエン委員長再任を承認
19日 三菱UFJフィナンシャル・グループ 顧客情報無断共有問題で役員21人の報酬減額発表

№2826 バスマガジンvol.125 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.125」、先月20日に発売になっています。
 ところで、前号までバスマガジン誌は隔月刊・奇数月25日頃の発売になっていたが、今号は3か月後の発売となり、次号vol.126は9月20日発売と予告されている。3か月おき(3・6・9・12月の20日?)の刊行という体制で行くのだろうか。それ自体はともかく、前号でそれに関する告知が全くなかったのは、やや遺憾。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.125 旭川電気軌道・ふらのバス

旭川電気軌道.JPG
 今回は、富良野の分社のふらのバスとの連名。ふらのバスは、分社して去年で、ちょうど40年。もうそんなに経ったのか、という印象。親会社の関連、ではあるが、取り上げてもらえるのはうれしい。 
 旭川電気軌道は、同じく旭川を中心とする道北バスや、北海道中央バスの存在もあって、旭川市内の一般路線が中心の、多少地味な事業者かなという印象もあったが、それこそMR430のような特大車や、一時は連節バスも運行していたほどなので、日常的に需要は多いはずだと思う。今でも路線車は長尺が主力なので(道路事情が良いこともあるだろうが)。「たいせつライナー」は、JRの特急の新千歳空港直通運転が取りやめになった事で、運行開始になったのだろう。旭川空港への空港バスの運行もあるが、やはり新千歳空港の影響力は、旭川においても大きいという事か(現在は旭川電気軌道単独の2往復)。ただ、終点を南千歳駅に設定しているが、空港アクセスのみではやはり集客が多少不安で、アウトレットモール「Rera」隣接の南千歳駅までの運行とする事で、買い物客の利用も期待しているのではないだろうか。
 一般路線では、旭川市の交通の要衝はやはりJR旭川駅だろうと思うのだが、路線図を見ると、旭川駅はスルーしたり、最初から旭川駅から遠く離れた地点を結ぶ路線もみられる(スクールバス的な系統のようだ)。
 現役保有車両の中であれ?と思うものが数台あって、2DG-LV290N2は遠州鉄道から来たらしいが、2019(H31~R元)年式らしいから、まだ5年しか経っていない。何があったのだろうか?また、高速車の2TG-MS06GPはさらに若く、2020(R2)年式。「令和顔」でエレベーター付きだが、これは臨港バスの高速・空港路線が大幅に縮小された影響だろう。
 神奈中バスからの中古車両は「たいせつライナー」のラッピングが施されているが、これは生で見て撮影・公開もしているのだが、ラッピングの下の神奈中時代の社名と社番が記載されているのがはっきりわかる。ラッピングを剥がせば、神奈中バス時代そのまんまのカラーが現れるはずだ。元グローバル交通車もそうだろう。

ふらのバス.jpg
 ふらのバスは先日、正式廃止前のJR根室本線の代行バスで乗った事があるが、一般の路線はない。路線数は多くないし、もう少し小規模な事業者かと思っていたが、西達布線がセレガとは少々驚いた。幾寅延伸までは普通のローカル路線だと思っていたし、今でも高速道路を使用しているわけでもない。リフト付きとはいえ、地元住民の利用が中心のローカル路線としては、多少ヘビーな気がするが、あるいは〔ラベンダー号〕と共用したりする事もあるのか。「高速バスブーム」の頃あたりに、札幌方面への高速バスをやりたいとかは、考えなかったのだろうか(現在、北海道中央バスが単独運行)。
 旭川電気軌道が以前、富良野地域に路線網を持っていたのはやや不思議な感もあったが、「あゆみ」を読むと、戦前のバス事業開始時に、すでに富良野への路線があったらしい。「電気軌道」と今でも称しているくらいだから、昔は電車の路線があり、保存車両もあるそうだが、特に旭山公園への路線は頑張って残っていれば、通勤通学だけでなく、旭山動物園へのアクセスとしても注目されたのではないか、と思ってしまう。連節バスは最初から5年間の期間限定だったそうだが、道路事情は良いので、今後再導入の可能性はないのか。なお、「村山団地の様子」とキャプションがある写真は、〔ラベンダー号〕になってしまっている(この写真自体は貴重ではあるが)。

バス作りの新勢力から

みどり坂タウンバス.jpg
「みどり坂タウンバス」は前号発売の直後に実際に乗ってきたから、運行そのものは改めて記すことはないが、スカイレールサービスが運営主体(で芸陽バスに委託)、というのは正直初めて知った(だから「スカイレールサービス」という組織自体は存続している事になる)。マンホールは、運行終了を記念して作られたばかり、だったのか。もっと前からあるものと思ってしまっていたのだが、そういえば、かなり真新しかった。今後、バスの利便性が評価されて利用者が増えてくれば(マイカーから転移してくれるとよいのだが)、オノエンスターでは今のところ導入実績がない、大型車両の導入もあり得るだろうか。車両自体はもうちょっと、日本の風土に合うようにデザインやインテリアがこなれてくれるとよいと思った。特に窓ガラスの茶色がやや濃すぎる。

移籍バスの行方を追跡
 第16回は東京都交通局編で、2006(H18)~2008(H20)年度のR・P・S代が中心。この頃の都営バスは三菱ふそうの導入がなく、道南バス以外はみないすゞ・日野のJBUS系。ブルーリボンシティ・ハイブリッドの移籍もチラホラ見かけるが、三岐鉄道にもあったのか!4月に行った時は見なかったけれどなあ(便数多くないし)。

鈴木文彦が斬る!バスのいま
 最近各地で増えてきている、オンデマンドバス。だいぶ前からチラホラ走り始めているのは知っていたが、田舎はまだしも、最近は東京23区でも走り出しているとは、それほど需要が減ってきているのか、と思ってしまった。ただ、単なる需要の減少への対応のみならず、路地裏にも入っていける事で、潜在需要の掘り起こしも図っているのかもしれない。
 最近はバス会社自体がデマンド交通に関わっているとしているが、ここで名前が挙がった以外では、静鉄バス(しずてつジャストライン)が積極的なようだ。配布されている路線図にも記載されている。いずれも、比較的固定した需要が多い朝夕は一般の路線バス、日中は(デマンド以外も含めて)ワゴンスタイルにすみ分ける、というスタイルが多い。これからは特に、「盲腸線」的な支線区でこのスタイルが増えてくるのかもしれない。ヨソ者には利用し辛さそうだが、そもそもヨソ者が乗りに来る機会があまりなさそうな路線ばかりだから、地元重視と割り切れればOK、というところだろう。
 課題としては、利用者サイドからすると、とにかく呼び出し方をできるだけ簡素にする事、在来の路線バスに乗り換えて遠方に行くことになるのなら、運賃・料金面で不利にならないようにする事、だろうか。ドライバーサイドだと、運行の度に経路が変わるので、フォローする体制を整える事(これはドライバー確保のためにも大事)、だろうか。ともかく一度は乗ってみないと、実情はわからない。今のところ自宅から一番近いのは世田谷区の東急バスなので、今年中には何とかお試しで利用してみようか、と考えている。特にヨソ者目線では、利便性はどう映ることになるのだろうか。

バス業界の働き方改革
 まず、第二部の覆面座談会はともかく、「ボタンの掛け違い」と題した第一部は、誰が書いているのだろうか?刺激的とも思える文言が並んでいるが、国や自治体の制度・政策面に関するアピールなら、文責をきちんと記しておくべき。あるいはこれが、バスマガジン誌(ひいては講談社ビーシー)全体の主張、と考えて良いのだろうか?
 全体的には、確かにそうだよねえ、と思う部分も多い一方、「何を今さら」と感じてしまう部分も少なくない。例えば「公営バスドライバーの賃金」にしても、ドライバー不足がここまで問題になるまでは(最近ではわが横浜市営もそうなってしまった)、賃金カットを問題視する人は、一般の世論にはほとんどいなかった。だから賃金カットのみならず、平成の世になる前後あたりから、形態の違いはあれ民営化が急速に進んだのだから。その頂点が大阪市で、バスのみならず地下鉄まで民営化される事になった(その後は民営側も体力がないから、少なくとも面的な民営化は行われていない)。それと、「賃金が高すぎる」事が問題視されるようになったのは、いつ、どのあたりから口にされだされたのか、他の事象も含めて、歴史的な背景も検証されるべきだろう(私はそれは、37年前の国鉄分割・民営化と、そこに至るまでの経緯が決定的だった、と思っている)。
「運転士誌上座談会」を読むと、もう少し賃金面の不満が最前面に出てくるのかと思っていたが、意外とそうでもない(もちろんそれも大きいだろう)。「カスハラ」対策と、ドライバー席の改善をメインに訴えているように読めた。裏を返すと、賃金だけどばーっと上げれば(もちろんそうなれば良いが)ドライバー志望者がわんさか集まってくると考えているとしたら、大甘、という事も言えるだろう。他の業界の賃金も並行して上がるのなら、結局は少ない人手の奪い合いという構図は変わらず、現状のバス業界では負けてしまう、のも事実だろう。私は、道路交通におけるバスの地位そのものが低下している事が、業界が抱える問題の根本にあるように思えてならない(ドライバーのみならず、利用者の目線で見ても)。その辺をバス事業者のみならず、国や自治体、そして利用者などなどを含めた社会全体で考えてほしい、というところに落ち着くなら、このテキストには同感する、と言えると思っています。
 
終点の情景を求めて 
 ウイング神姫の草山温泉。この終点にあり、宿泊地となった「西紀荘」は、正式には「タノシックリゾート西紀荘」と称して、結構近代的でハイカラな宿泊施設らしい。ただし、公式HPの「アクセス」は、マイカーしか記されていない…(ここにも、バス業界の社会的地位の低下が現れているのではないか?)。

平成初期のバスを振り返る

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 旧日立電鉄。日立製作所の公式HPを見ると、グループ会社一覧に「日立電鉄」と記されていて、面白いと思ったものだ。電車は昭和の終わりくらいに乗った事があったが、その1回限り。これ以降のバス部門の変遷はなかなか複雑で、少々理解が追い付かない部分もあった。最近は日立に行く機会もないが、前述の「移籍バスの行方を追跡」には日立電鉄時代のカラーのエルガの写真もあるし、デザインは今でも日立電鉄時代を踏襲しているようだ。カラーは違うが、今はICカードも在来の茨城交通本体と共通になって、「一社二制度」は解消されつつあるようだ。

 刊行が三か月おきになるからか(正式なアナウンスはないが)、「ニュース&トピックス」はなくなった。
 それと、「路線バス全方位レポート」もないが、全47都道府県終わったんだっけ?チェックしてみると、第2シリーズ(そういえばいつの間にか「帰ってきた」の文字がなくなっていた)以降も、確かに全部終わっていた。ただそれなら、前号で「これで終わり」みたいな事も記して欲しかった。今後はどのような連載企画が考えられているのだろうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


「バスマガジン」誌でも問題視されたバスドライバーの賃金だが、日本の賃金レベルの低さは何もバス業界に限った事ではなく、今春闘でも大いに議論されたところでした。ではなぜこうなってしまったのか。「消費者(交通なら「利用者」と読み替えてもよい)の値上げに対する抵抗感が甚だしく、企業の収益が労働者の賃金に反映される状況にならなかった」旨記されている、このブログ記事の分析が99%以上当たっている、腑に落ちると感じました。読んでみてください。

「労務屋ブログ」2024年2月20日付
https://roumuya.hatenablog.com/entry/2024/02/20/162121

《What's New》
13日 防衛省 218人処分 特定秘密情報取り扱い違反58件確認
14日 京都アニメーション放火事件 慰霊碑 宇治市に完成・式典
15日 リニア中央新幹線「南アルプストンネル山梨工区」 国の有識者会議が視察
16日 福島第一原発処理水 7回目の放出完了

№2810 バスジャパン・ハンドブックシリーズV114 しずてつジャストライン

しずてつジャストライン 赤バス色.jpg
「バスジャパン・ハンドブックシリーズV114 しずてつジャストライン」、また刊行から日がかなり経ってしまいました。
 今回は、データ整理・分析は割と早くできていました。しかし、4~5月は個人的にゴタゴタしてしまって、書くヒマがなかった、というのが正直なイイワケ。

 しずてつジャストライン(長いので以下原則「JL」)は、2003(H15)年刊行のNEW39以来、21年ぶりになります。同社は静岡鉄道のバス部門が2002(H14)年に分社・独立したもので、「NEW36 京成電鉄」までは、静岡鉄道として予告されていました。その次の「NEW37 ジェイアールバス関東」から、現在の社名になっています。
 表紙デザインは、NEW39では、当時普及し始めていたノンステップ新色があしらわれていて、これがJLの標準のカラーとして定着してきたのだろう、と思っていました。しかし2022(R4)年の新車からは「赤バス」が復刻、最初は他の旧塗装復刻色と同じ扱いだろうと思っていたのが、その後新車の大半はこのデザインに回帰しています。だからなのか、今号ではこの「赤バス」色が表紙にあしらわれています。
 ただ、このカラーは前後扉が標準だった頃のデザインで、赤の部分の縦になっている所は、後部もドアがありました。だから、今の前中ドアデザインでは、中ドアが目立たなくなっている。特にしずてつでは乗車が中ドアなので、後部の縦の赤の部分を中ドア部に配置し直すか、あるいは若干アレンジをする事を考えても、良いのかも知れない。
 写真は小鹿〔営〕のエアロスターだが、左にEV・右にFV、狙って配置したのか!?

◆ 静鉄バスの車両たち
「しずてつジャストライン」という社名は文字にすると長いからか、以降の記事のほとんどで、「静鉄バス」と表記している(同社のWEBもそうなっている)。
 NEW39の時点では静鉄小型バスがあり、貸切専業は「しずてつジョイステップ」とひらがなだった。この両社が合併した現在の静鉄ジョイステップ(以下JS)は、焼津・掛川の両営業所に再編されている。逆に乗合は焼津〔営〕が廃止になり、JL8営業所+掛川(以下KB)・秋葉(以下AB)両バスサービスという体制になっています。

1. グループ4社全体で605台は、21年前は759台だったそうだから、約1/5の大幅な減少。
 特に貸切は、21年前の215台(うち廃止代替20台)→88台だから、かなり減少している。JLの貸切車は、うち7台は型式から見て、乗合型式の貸切登録と思われる。KB・ABには貸切車はいない。
 一方で高速車(県内の高速道を経由する特急車は高速車に含める)は、21年前の26台→56台と倍以上に増えている。東京など、静岡県外に出ていく路線が増えたからだろうか。
 今回、初めて「教習用」という用途が別に計上された。これまでのシリーズでも、貸切オンリーと思われる事業所に乗合登録が1台ポツンと在籍している事業者があって、何に使っているのだろうと思っていたのだが、他社もやはり教習用だろう(お客さんを乗せないなら白ナンバーでも良さそうなもので、緑ナンバーとしているのはなぜだろう)。
 グループ全体の用途別割合は、乗合75.74%・高速9.24%・定観0.33%・貸切14.33%・教習0.33%。そうは言っても、貸切車の方が高速車よりまだ多い。貸切がグループのバス事業の屋台骨となっている部分は、まだ高そうだ。

2. 乗合車の割合は、JL92.16%、KB2.40%、AB5.45%で、当然ながら本体の割合が圧倒的に高い。
 JLの事業所別では、鳥坂が18.68%、西久保が15.13%。この両営業所は清水区、「平成の大合併」前の清水市域に存在する。また、藤枝市にある岡部〔営〕は13.48%で、鳥坂、西久保、丸子(静岡市駿河区 13.95%)に次いで高く、旧静岡市域の外の営業所が、JLの乗合事業のかなりの部分を支えているのが面白い。実際、静岡駅から比較的遠方に向かう路線が、少なくない。
 最少は浜岡〔営〕の6.62%で、静岡市から離れたローカル路線が大半だから当然だが、一方で掛川に入って、KBと並ぶ場面も見られる。
 高速車は、相良〔営〕が19台と最も多い。営業所内では33.93%で、1/3を占める。静岡駅と相良・浜岡を結ぶ(特急)静岡相良線が中心なのだろう。静岡駅・新静岡発着路線も、特定の営業所が集中して運行を受け持つ、のではないようだ。
 JSの貸切車は、焼津〔営〕が8割近くを占めている。JSの営業所は、21年前は静岡と清水に営業所があったものが、現在は2か所とも静岡市外に置かれている。静岡市からの「観光バス」需要は、案外少ない?

3. 平均車齢は、2023(R5)年を0年として計算しました。
 乗合車は、グループ全体で14.90年と、相当経年化が進んでいる。JS14.78年・KB15.73年・AB16.52年で、やはりエリア西部の分社が高い。
 JSも全事業所で平均10年を超えていて、一番若いのは小鹿〔営〕の10.04年。最も経年化しているのは浜岡〔営〕の22.07年。中古導入の存在もあるが、年式は結構バラつきがあって、2005(H17)年式が73台、未だに乗合全体の15.90%を占めている。その前の2004(H16)年式が32台(6.97%)、2002(H14)年式は37台(8.06%)で、2002~2005年の4年間の合計が165台、乗合車全体の35.94%になる。一方、その直後の2006(H18)年はわずか3台。2010(H22)年式は28台とまとまって存在するが、次の2011(H23)年式は5台のみ。20世紀の車両が46台残存し、全体の10.02%と1割以上。特に1995(H7)年式が18台とまとまって残っている。さらにそのうちの半分は浜岡〔営〕に所属している。「静岡22き」「浜松22か」が合計16台ある。逆に、2021(R3)年以降は、鳥坂・小鹿・唐瀬各営業所とAB以外には新製配置がない。コロナ禍の影響と思われるが、ABのエルガ新製配置は注目できる。
 最古参はABに残る1992(H4)年式3台で、元神戸市営のキュービックが含まれているので、今後ファンの注目を集める事になるだろう。
 高速車は8.54年とさすがに若い。岡部〔営〕が3台しかないが4.07年と最も若い。西久保〔営〕が10.63年と意外に経年化している。最古参は丸子・相良・浜岡各営業所に1台ずつ在籍する、2005(H17)年式。
 貸切車は13.83年だが、JSに限ると11.63年。焼津〔営〕10.41年に対して掛川〔営〕は15.92年と偏りがある。JLは18.61年で、小鹿〔営〕は28.00年と相当経年化しているが、3台とも乗合から転用の、1995(H7)年式ブルーリボン。純粋な「観光バス」となると、旧静鉄小型バスから移籍した、1999(H11)年式のセレガFC。JSの最古参は、焼津〔営〕の2002(H14)年式セレガ。

4. 乗合車のノンステップ率は、グループ全体では71.02%。JLでは、唐瀬〔営〕91.11%・西久保〔営〕89.06%・小鹿〔営〕80.39%で、この3所が80%を超えている。逆に浜岡〔営〕が35.71%・相良〔営〕は50.00%で、やはり地方部が低く、KB(63.64%)・AB(56.00%)より低い。もっともKB・ABは台数自体が少ないし、大半が中古導入。

5. グループ内の移動を除いた中古導入は22台あるが、うち6台は学校からの移籍で、スクールバスを引き受けた、という事だろう。それ以外は10の事業者からの移籍があるが、神奈中と臨港が3台ずつ、川崎市営と京成が2台ずつ、あとは1台ずつのみで、割合としては高くはない。21年前は割と多かった旧神戸市営バスは、現在は前述のASのキュービック1台のみ。
 低公害車は、CNG車はなくなった。ハイブリッドも1台のみ。近年になってFCが2台、EVが1台入っている。
 21年前は「ノンステップ車の投入で日産ディーゼル車が急増した」と記されていて、この時点では乗合31台・貸切8台という勢力だったが、現在は高速車も交えて64台。かつてドレクメーラのダブルデッカーがありながら、21年前は存在しなかった外国車は、EVでアルファバスが導入された。

6. 「近年の導入は『赤バス』に回帰している」と書いたが、それ以外の旧塗装復刻車も、6種類・41台も存在する。これは、日本の全バス事業者でも最多、ではないだろうか?ほとんどが静岡市内に路線を持つ営業所の配置だし、高速車も近距離の特急路線だから、静岡駅前で1~2時間も見ていれば、全部見られるのではないか?と思えるほどだ。

しずてつジャストライン 最新車.jpg
 なお、刊行後の新車導入を確認しています。一番上のエアロスターもそうだし、この高速車もです。

◆ 静鉄バスのあゆみ
 それにしてもこの「銀バス」、神奈川県に住む者からすると、臨港バスの旧塗装も連想させる(臨港バスの帯色はもっと紺色していた)。
 この21年間で見ると、やはり「新静岡セノバ」の開業が、グループ全体としても最も大きかった出来事になったのは、間違いない(その写真があれば良かったかな。この後の「紀行」で乗り場だけ写真があるが)。
 鉄道にも少々テキストが割かれているが、現在も残る静岡清水線以外は、見た事も乗った事もない。どの路線ももう少し頑張って、近代化で来ていればあるいは…、という感もあります。静岡市内線以外は、東海道新幹線開通の頃はまだ残っていたけれど、遠州鉄道もそうだが、軽便鉄道規格では存続も、近代化も難しかったのかも知れない。

◆ 静鉄バスのいる風景
 ローカル支線は、この数年で急速にデマンド運行が増えているようだ。日中だけ、という路線もあり、最近は東京でも見られるようになったが、あるいはその先鞭なのかもしれない。

◆ 天女と家康と次郎長と
 21年前の紀行は、種村 直樹氏による、清水(三保の松原)→御前崎という旅程で、1泊2日だったが、バスの乗り継ぎは1日で終わっていました。当時運行されていた特急〔東海1号〕で清水入り、種村氏は「軽特急」と評していた(では、現代の〔湘南〕や〔らくラクはりま〕あたりは何と評するのだろう)。途中旅程が狂ってタクシー代行になり、いちご狩りは10分弱で終わってしまったとか、割とドタバタしてしまったようです。翌日の御前崎はじっくり散策できたようだが。最後に「『日本列島外周気まぐれ列車』の旅で、2010(H22)年頃に必ず訪れる」と締めくくっていたが、残念ながら種村氏によって実現する事は、ありませんでした。
 今回の谷口 礼子さんの紀行は、種村氏とは逆に西→東となり、藤枝から始まって、やはり三保が終点になる紀行でした。距離が短めだし、ずいぶんゆったりした乗り継ぎで、2日目の昼過ぎには終点の三保水族館に着いていました(その後観光船に乗船)。やはり大河ドラマの真っただ中(紀行は、ドラマでは関ヶ原の戦いが決着した直後だった)、静岡は徳川 家康で盛り上がっていた時期だったか。終点近くの御穂神社は、種村氏も訪れていました。
 清水の次郎長は明治を生きた実業家、とは意外に感じた人、他にも多いはず。渋沢 栄一と生きていた時期が被っているし(両者が会った事はなさそうだが)、ひょっとしたらこの人も、いずれは大河ドラマの主人公に?
 紀行と直接は関係ないが、「アイドリングストップ中は音楽がかかるのが静鉄バスのサービス」、というのは初めて知った。そうだったっけ?6年前に美和大谷線を乗り通した事があるが、気づかなかった。ディーゼルエンジン車以上に停車中が静かなEVだったら、もっと有効になるかも。

◆ 終点の構図 登呂遺跡
 21年前は、先に「いる風景」で走行写真があった、安倍線の有東木でした。梅ヶ島温泉への路線から分岐する支線の終点で、初発と、静岡発最終は、地元在住のドライバーが専属で乗務すると記されていました。現在は、平日は5本(朝の2本以外は途中が終点)・土休日は2本のみになっています(単純な折返しのみで、駐泊はしていない模様)。
 登呂遺跡への路線は、有東木とは打って変わって、日中も24分間に便があります(静岡駅東口から12分間隔で出発する石田街道線で、東大谷行と交互に運行される11系統)。本線から分岐して1区間だけの短い支線の終点で、すぐ近くには駿河区役所や地元紙の本社とか、「登呂コープタウン」を名乗る住宅地もあるから、遥か昔の古代のロマンだけを期待していくと、少々期待はずれ、となるのかも知れない。テキストに出てくる小学生のように、歴史の勉強をするために訪れる場所、というのが今の「登呂遺跡」なのだろう。

◆ 静鉄バスの路線エリア
 基本的なエリアには変わりはない。おおざっぱに言えば、静岡市を中心とした、薩埵峠と天竜川にはさまれたエリア、という所だろうか。磐田が、遠州鉄道との境となっている。「自主運行バス」の路線も含まれている。
 しかし、山間部への路線が相当少なくなってしまった。大井川鉄道の井川駅を経由して畑薙第1ダムへ行く路線も、横沢から先が廃止になっている(現在は予約制・直行の「南アルプス登山バス」として、今年は7月13日~8月18日運行)。また、菊川市内も相当路線が減ってしまっている。一方で島田から大井川の左岸を行く路線(島田市自主運行バス)が、大井川鉄道の家山駅に路線を延ばしているのが目に付く(一方で2路線が他事業者に移管)。
 遠州灘に近い路線を乗り継ぐ事で、エリアの東から西へ、静鉄グループのバスだけで乗り継いで行く事が可能。なお、静岡県の外へ出ていく一般路線はない。
 高速路線は、名古屋へ行く路線が最初から存在しないのは、少々意外かも知れない。が、新幹線がある上に、東名高速を走る国鉄→JRの高速バスが頻発、静岡ICにも停車するので、新規に路線を作るほどの需要は見込めない、という判断だろうか。

 静鉄バス、というか鉄道も含めた静鉄グループは、静岡駅・静岡市中心部を中心とした駿河エリアでは、公共交通はほぼ独占と言えるので、今後も静岡県、というより東海地方を引っ張っていく公共交通のリーダーとして、発展して頂きたいと思う。当然ここもドライバー不足というのは大変なはずで(休止路線も出ているくらいだから)、静鉄はかなり早くから、ドライバーの募集は積極的にやってきた所(一般のニュースでも取り上げられた事がある)だが、なんとか実を結んで、運行の維持につながって欲しい。
 中心部の幹線的路線はまだしも、地方のローカル路線の維持はやはり厳しく、近年はデマンド形態に移行する路線もチラホラ見られるようになってきた。中心部へ行くには乗り換えが必要になるのがどう評価されるかだが、これが路線の維持につながればと思う。また、路線図を見ると「サイクル&ライド」の駐輪場が結構あって、大半は営業所だったり、バスの終点だったりだが、中間のバス停付近に整備されている所もある(登呂遺跡終点の近くの登呂南バス停にもある)。バス利用を繋ぎ止める有効な手段として、機能してくれるだろうか。
 カードシステムは、ハウスカードのLulucaと、関西のPiTaPa(これは意外だった)を導入しているが、静鉄バスに限った事ではないが、PiTaPaは今後、どうなるんだろうなあ?入手にはクレジットカードの紐づけが必要で、今後他地域でタッチ決済が本格的に普及すると、立場が微妙になりそう(事業者毎に設定しているプレミアで生き残りを図るのか)。
 高速バスは、コロナ禍はやはり痛かったか。京都・大阪線は現在特定日のみの運行だし、前述のように、藤枝渋谷線も運行規模が縮小されている。ドライバーの確保の問題もあるし、当面は静岡・清水~首都圏の路線に資源を集中する事になるのだろうか。静岡~甲府路線は現在土休日のみ運行だが、中部横断道が延伸してスピードアップができているので、あるいは増発・平日運行の目もあるのか。
 あとは、車両ではかなり経年化している部分があるので、特に20世紀の車両は、安全運行の面からも、早急な置き換えが求められるのではないか。低公害車は、今後はどの方向に向かうのか。EVか、FCか。ハイブリッド車の再導入もあるのか。
 いろいろな面で大変な状況に置かれている静鉄バスではあるが、繰り返しになってしまうけれど、東海地方最大手のバス事業者の一つであるだけに、先頭を切って頑張って頂きたいと思います。

 ところで、次の刊行は、未だに具体的な事業者の発表がありません。前号・西武バスの時点では今月の刊行が予告されていたV115(北海道または九州の予定だった)は10月下旬に延期になり、関東または九州の事業者になる予定との事。どの事業者もいろいろ大変なので、取材先選定も難しいのだろうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《What's New》
 3日 欧州3位旅行会社 FTIツーリスティック 経営破綻
 4日 大リーグ・パドレス トゥクピタ・マルカーノ 野球賭博関与で永久追放処分
 5日 春闘 4900社 平均賃上げ率 5.08% 前回調査から0.09%低下
 6日 沖縄県うるま市津堅島 太平洋戦争末期の不発弾爆破処理

№2796 バスラマインターナショナル203(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル203」、先月末に刊行になりました。

2024 春のオムニバス
 この所のバス業界は「2024年問題」と並んで、EV導入が話題の中心になっている感があって、事業者からのEV導入のリリースがない日がないと思えるほど、全国各地でEVの導入が相次いでいます。これを反映してか、毎年恒例の「春のオムニバス」も、今号では21ページ中8ページがEV関連に費やされている(これとは別に、各地のEV・FC車をまとめた記事もある)。

エキまちループ.jpg
 広島電鉄のBYDは、先月広島を訪問した時に見ました。予備知識がなかったのでビックリした。広島電鉄の公式WEBにも、少なくとも直前のリリースは見なかったもので。広島バスのEVM-Jは聞いた事があったような気がしたが(見かけたが、撮影はできなかった)。「エキまちループ」は2社でメーカーが異なり、広島バスの方は広島電鉄との比較も行ったそうで、今後はEV同士の競争が本格的に始まる事になって、導入の決め手は何になるか、メーカーサイドも問われる事になる。隣の東急バスの「さんまバス」はBYDだが、既に「ハチ公バス」でEVM-Jを使用していて(コミュニティバスだから自治体サイドの判断もあったかも知れない)、別記事で、既にBYDを導入していた西武バスが新規にアルファバスのEVを導入したそうだから、今後はこのようなケースが相当増えると思われます。

みどり坂タウンバス.jpg
「みどり坂タウンバス」は、実際に乗車までしました(それについては後日)。スカイレールサービスはみどり坂中央までで、その先、ニュータウンの奥の方までは路線が延びていなかったので、確かに駅まで行かなければならなかったから不便、という層は多かったかも知れない。オノエンスター9m車は初で、キャプションでは「道路条件と需要でちょうどいいサイズ」と記されていたが、オノエンスターには大型のラインナップもあるのに、このサイズで間に合ってしまうというのは、結局ニュータウンの規模そのものがこの程度で、軌道系交通は合わなかった、という事に落ち着くのだろうか。今回はバスそのものは空白区で、まっさらな新路線でもあったから、最初からEVで揃える事ができたと思うが、今後は在来路線でも特定の系統で、予備車両まで含めても全車両をEVで揃えるところまで行くのが、EVバスの次の段階ではないだろうか。

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 №2763でも書いた国際興業のBU04の、レストアに関する記事もありました。飯能地域での乗合運行を計画しているとは意外だった。運賃箱も旧式で当然ICには対応していないから、ダミーなのかなと思ってしまったのだが。「ICは使えない」との断りを入れた上で、定期便とは別のダイヤで運行させるのだろう。冷房装置は、故障しているから使用できないのか。後付けだよね(ここには書かれていないが)。真ん中右側の後部から公式側を見る写真は、隣に「ヤマノススメ」ラッピング車がいるので、バスまつりの会場での、開始前の撮影だろう。
 エアロキングのスクールバスはやや特殊な事情もあるが(碓氷峠を越える通学があるとは知らなかった)、もう少し通勤・通学輸送でダブルデッカーが活用されても良いのではないか。
 岐阜市内の自動運転バスは、実物は見なかったが、JR岐阜駅前は幟が大々的に並んでいた。

 その別稿のEVバス・FVバスはこれでもほんの一部で、別表にEV導入事業者名が並べられている。北アルプス交通はEVM-Jのハイデッカーで、公式WEBには記載がなく、新聞社のWEBに記されていた。特殊なラッピングをされた車両が大半だが、そろそろ一般路線車の標準色をまとった車両が増え始めている。
 いすゞエルガEVは、モビリティショーで見た感じではもう少し時間がかかるかと思っていたが、公表されていた通り、今年度中には市販がされそうだ。相鉄の今年度の事業計画にEVバスの導入が記されているが、「国産」と付記されているので、相鉄バスが市販第一号となるのではないか。
 カルサンe-JESTは、今のところはまだ導入を発表している所はないようだ。発表が待たれる。

バス事業者訪問252 防長交通・防長観光バス

防長交通バス.jpg
 防長交通は、山口県では西部のサンデン交通と並ぶ大手だが、取り上げられるのは初めて。
 路線の概要を見ると、山口県の東部全体に路線網が広がっているが、やはり徳山・防府を中心とした瀬戸内側がメインと言える。岩国が徳山からの1路線しかない(しかも1日5往復のみ)のが意外とも映るが、いわくにバス(旧市営バス)のエリアだからだろうか。青海島は、今は島そのものへは乗り入れていない(サンデン交通は下関からはるばる乗り入れが残っている)。
 輸送人員の推移を見ると、乗合に関しては、コロナ禍前はやや波があって、2018(H30)年度は前年度比で約16万人の増加も見られた。何とか年間500万人台の利用をキープしていたのに、コロナ禍の2020(R2)年度は、一気に1/4近くが失われてしまった。もう500万人台には戻れないのだろうか。
 写真には3月いっぱいで廃止になった周南市のローカル路線があるが、廃止自体はやむなしとしても、防長交通の公式WEBに具体的なお知らせみたいなものがなかったのは、ややどうかなあ?と思った。周南市のWEBも見てみたが、どうも代替交通は確保されていないようだ(少なくとも私は確認できなかった)。
 観光輸送はどうなのだろう。企画乗車券以外に具体的な言及はなかった。萩・津和野・秋吉台等に加え、山口市がニューヨーク・タイムズ誌の「2024年に行くべき52か所」で3番目に選出されていて、防長交通のWEBでもPRしている。インバウンド対策はどうなっているのか(選ばれた理由の一つが、まだ「オーバーツーリズム」になっていないから、だそうで、この先河口湖のような騒ぎにならなければ良いが)。
 高速バスは、東京線は堅調、と言っても、相当な長距離路線だし、ドライバー不足の中でドライバー2名を2泊3日で拘束する形態では、維持するのは大変ではないか?
(検索した限りでは、現在東京~山口県内を直行する高速バスは、防長交通のみ)
 あとは近隣の事業者との関係。防石鉄道や山口市営バス、中国JRバス周防線の後を継いだが、エリアを二分するサンデン交通・ブルーライン交通に、宇部市営バス(新山口駅前で長距離車と並んでいる)やいわくにバス、津和野で接続がある石見交通があり、山口県自体は少々地味なイメージもないではないので、連携して盛り上げていく方向に行って欲しい(山口県内は、主要事業者では船木鉄道・ブルーライン交通を除いて、全国交通系ICカードが利用できる)。
 周南近鉄タクシーの名前が何度か出てきているだけに、写真が1枚くらいは欲しかった。なお、防長交通の歴史に関連して、防石鉄道と山口市営バスの写真はあった。新山口(旧小郡)駅は以前は小郡町という独立した町にあったが、宇部市に加えて、山口市営の乗り入れもあった。山陽新幹線への接続のためか。

短期連載 カタログで偲ぶ“平成初期”のバスたち⑤

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 日野ブルーリボンのHU・HTは、シャーシ・エンジンのモデルチェンジもあるが、やはり旧日野車体のスケルトンボディとセットで記憶されている部分が、多いのではないだろうか。スケルトン自体は先代RT・RUから始まってはいるが。記載はなかったが、富士重工のボディの架装も見られた。ツーステップでも「優れた乗降性」か…。確かに、旧型のモノコック車よりは低く感じられた。

「海外バスニュース」の中には、バンホールが経営破綻の危機(結局破産)の記事があった。日本でも導入の実績があり、はとバスではハローキティのラッピング車も見られたもので、次号あたりで詳細が見られると良いのだが。
 その次号の事業者訪問は、地元神奈川の臨港バスで、16年前の105号で取り上げられていた。当時は臨港グリーンバスという分社があり、高速路線がもう少し活発だっただろうか。最近は連節車・EV導入のほか、東京都内(天空橋駅)への乗り入れというトピックスもあり、どんな姿になっているのだろう。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《What's New》
 4日 東京・銀座首都高速道路 一時通行止め 歩行者に解放
 5日 JR京都駅構内 列車内に不審物 約1時間半京都駅発着列車運行停止
 この京都駅の混乱で、更新時点ではまだ、列車の運行に影響が出ているようです。来年、地下鉄サリン事件から30年を迎える日本だが、こんな事はもうナシにしてもらいたい。

№2780 バスマガジンvol.124 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.124」先月末に発売になりました。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.124 立川バス
 当初は前号で掲載のはずだったが、今号は予告通りになりました。

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 前回は約10年前、2014(H26)年11月刊行のvol.68で取り上げられ、ここでも№1274で書いていました。
 10年前は、横田基地の輸送がなくなったばかりだったが、分社のシティバス立川があり、立川バス本体の営業所も、上水・拝島・瑞穂・曙の4営業所体制だった。そもそも上水〔営〕は約四半世紀前に国立〔営〕を吸収したものだし、さらに前には砂川〔営〕もあったので、平成以降の30年間で、急速に管理体制が整理された事になります。
「あゆみ」を読むと、川崎市の溝口にも路線があったのが注目されるが、元はJR南武線の前身の南武鉄道のバス部門を管理していたものらしい。後の親会社の小田急バスよりも川崎市中心部に近い所を走っていたのが面白い。現在の路線網は、三井プレミアムアウトレットへの直行路線は先日廃止になったので、西武球場前(ベルーナドーム)への直行路線が、唯一東京都の外へ行く一般路線になった。
(なお「村山団地」「加美平団地」の写真は、他1点も含めて、アングルは違えども同じ場所での撮影ではないか?)
 車両面では、以前は前後ドア車が主力の上、日産ディーゼル車もあって異色だったが、10年前の時点では、ほぼ現代と変わらない仕様に落ち着いていたようだ。リラックマバスは既に高速も含めて数台あり(バスマガジン誌でも特集する記事があった)、その後「すみっコぐらし」「ウドラ」(共にリラックマと同じサンエックス)と、「フレームアームズ・ガール」(立川市に本社を置くコトブキヤが展開する、武装した美少女型ロボットのプラモデルシリーズ。アニメ化もされた)のラッピング車も走り出したが、現在はリラックマと、すみっコぐらしのみが、ラッピングを変えて運行を継続しているようだ。一部撮影して本体でも少数公開してきたが、全部を撮り切れなかったのは残念。
 ブルーリボンハイブリッドは、日野の大型路線車としても異色で、過去には例があったのだろうか。BYDのEVは、3月27日には走り出したそうだ(具体的な運行路線は決まっていないようだ)。
 高速バスの復活も期待されるが、今後大きく影響を与えるはずの事項は、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎延伸。特に、現在は軌道系交通がない武蔵村山市内には駅が5つ設けられる事になるようだが、コミュニティバス「MMシャトル」共々、立川バスの大幅な路線再編成につながるはず。

ついに!!純国産のEVバス 「いすゞエルガEV」独占試乗!!

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「独占試乗」と銘打って入るが、既にあちこちでチラホラと試乗レポートはあります。とはいえ、ようやく実際に走るエルガEVを試乗する機会が、ここでもやってきたという所。既に後述するオノエンスター(ちなみにこの直後のオノエンスターの広告にはEV連節車もあるが、「全長12800㎜」は違いますよね?)など、全国各地で中国製のEVが走り出して、BYDのK8もフルフラットになったので、もちろん失敗作にしてしまってもいけないが、できるだけ早く市場に投入できないと、国産と言えども居場所がなくなってしまうのではないだろうか。

バス作りの新勢力から
 まだここでは、具体的な運行会社の記載がない。が、ようやく一般路線バスへの運行が見えてきた、という内容だっただろうか。芸陽バスが3月30日より「みどり坂タウンバス」の愛称で運行を開始している。検索した感じでは、車両はこのブルーのベースのままで、愛称を追加して書き込んでいる形。瀬野駅を起終点とした循環形態で、一周16分(朝ラッシュ時21分)。日中は15分毎。平日朝方は急行便(スカイレールサービスの駅に対応した場所のみ停車)も運行されるらしい(平日ダイヤ施行は来週から)。寒冷地テストのコラムもあるが、今のところ、北海道バスのBYDの札幌近郊(エスコンフィールド輸送)の実績があるが、もっと北の方への導入も考えられるのか(EVもだが、「9m」が魅力、という事業者もあるかも)。スカイレールサービスは4月30日の正午発を持って廃止、だそうだ。

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.56 青森県

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 前回は、創刊間もない2004(H16)年6月刊行のvol.5で取り上げられていました。この当時に取り上げられた事業者は、南部バスが岩手県北自動車に統合された(南部支社として、見た目は変わっていない)くらいだが、青森市は市営バスの一部廃止の代替で、新規の事業者が参入している。「青森市営バス」と「青森市市バス」が共存している事になり、ややヤヤコシイ(横浜市でも似たようなケースはある)。
 青森市営バスは、竜飛岬などへの市外路線が廃止(町営バスに移行)になった直後、「平成の大合併」で一時、浪岡方面にも路線を広げた事があった。東部営業所は弘南バス委託になっていたと思ったが、委託先が変わったのか。青森市のWEBサイトにはその辺の記載が見当たらなかった。
 青森県も交通系ICカードの導入が進んでいるが、青森市営…「AOPASS」、八戸市営・南部バス…「ハチカ」、十和田観光…「Towada SkyBlue Pass」、弘南バス…「MegoICa」と、全部バラバラだ。全てSuica機能も搭載されているので相互利用が可能だし、外部の全国相互利用対象カードの利用もできるが、地域のポイントサービスなどを優先させた結果なのだろう。青森駅は東口の駅ビルが26日にオープンするそうで、今のところバスの運行体制に影響が出るかどうかは分からないが、いい方向に作用して欲しい。
 青森市営バスの車両一覧表があるが、登録番号400番台(元川崎市営バス・相鉄バス)は全滅している。30年前のU-規制車だから当然か。
 JRバス東北・横内線の公立大学~モヤヒルズ間は、8月いっぱいでの廃止が発表になっています。

鈴木 文彦が斬る!バスのいま
 コミュニティバス・デマンドバスに適用される「協議運賃」が昨年10月の道路運送法の改正により、活性化協議会とは別に、運賃に関わる協議会を開催して協議を行う事が必要になり、筆者の鈴木 文彦氏は、割と強めの口調で疑問を呈している。その主なポイントは2点で、①住民の代表や道路管理者、運転者の代表(労働組合の事だろうか)などが集まって決める事が「カルテル」というのなら、「協議運賃」とは何なのか ②運賃発生の事案毎に協議を行わなければならなくなるので、関係者の今後の負担がかなり重くなるのではないか という事になろうか。
 私は在来のバスも含めて、運賃決定の裏事情は何も分からないのでどうのこうのは言えないが、生活の足の運賃の決定がゴタゴタするのは、確かに良くない。いろいろな立場の意見がぶつかり合って紛糾する事も予想されそうで、何とか穏便に事が進めばいいのだが、という所に落ち着いてしまいそうだ。
 それにしても、今回の問題提起とはほとんど関係がない事項だろうが、近年の一般のバスの運賃は、高くなってきている、というだけでなく、同じエリアでも事業者によってバラつきが顕著になりつつあると感じる。横浜市では、東急バスが先月から市内均一運賃を230円に値上げ、また小田急バスは、6月1日予定の運賃改定では、実施運賃を240円にしたいとしている。一方で横浜市営バスは220円のまま(こどもの国付近を走る3者は、6月から運賃がバラバラという事になる)。こんな事は昔はなかった。関係する路線・エリアを走る事業者がみな一斉に運賃を改定していたもので、これも今見たら「カルテル」になってしまうのかも知れないが。横浜市営では、民営バスとの共通定期券発売区間を縮小する傾向にあるが、これが影響しているのか。

終点の情景を求めて
 宮城県登米市の竹ノ沢で、「ミヤコーバス」と付記されてはいるが、今回の旅程はくりこま高原駅からひたすら、栗原市及び登米市の「市民バス」としての利用になっている(すべてミヤコーバスが受託)。登米市役所→柳津駅間のルートは、「バスジャパン・ハンドブックV111」の紀行と被っている。若柳は栗原市で、登米市の市民バスが乗り入れる形態になっている。若柳というとやはり栗原電鉄→くりはら田園鉄道の車庫があった場所のイメージがあるのだが、くりこま高原駅への中継点にもなっているようだ。石越駅は登米市になるが、石越駅~若柳中町間は栗原市・登米市両方の市民バスが運行されている。この地域も栗原電鉄に仙北鉄道の登米線、それに今回のルートには含まれていないが築館線と、比較的ローカル鉄道が密に走っていた地域なのに、今は全てなくなってしまったのが、仕方ないかも知れないが哀しい。ただ、登米市民バスは、(土休日運休の便も多いが)全路線毎日運行があるのは頼もしい。
(登米市民バスのくりこま高原駅への路線は東北本線新田駅経由で、新田~くりこま高原駅間はノンストップ。新幹線接続が目的だろう)

平成初期のバスを振り返る
 名士バスとはまた、マイナーな事業者を出したものだ。名寄って行かないのでねえ。昭和の終わりに立ち寄ったくらい、だったかな?当時はここに並んだ車両より、もっと古いモノコック車車も走っていた。名士バスは、札幌あたりへの高速バスに参入したい、という意向はなかったのだろうか?会社の規模が小さくて、負担が大きいと考えたのだろうか。なお美幸線の代替バス(仁宇布線)は現在はデマンド運行となり、日曜日は運休だそうだ。

 次号では、ようやく先述の「みどり坂タウンバス」のルポが載る事になりそうだが、実は私も来週、中国地方のJRローカル線とセットで、お試しで乗ってくる予定です。

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 台湾で大地震発生、さらにニューヨークなど米東海岸でも地震が発生したと聞きました(米は軽微だったようだが)。今年も世界各地で地震が多いが、その始まりが能登半島地震でした。その能登では今日、のと鉄道が全線の運行を再開しています。通常平日ダイヤより3往復減、減速運転もあり、車内トイレも使用できないようで不便もまだ少なくないようだが、「乗り物の力」で、能登半島に元気と勇気を与えて欲しいと思います。私は、もう少し落ち着いて、「のと里山里海」が運行を再開したら、その時点で北陸新幹線とセットにして訪れようと考えています。永井 豪のラッピング列車も、輪島の復興の支援として、新しいものが作られたらいいとは思っていますが…。

《What's New》
 3日 ロンドン五輪銀メダル 競泳 入江 陵介 引退表明
 4日 セキュリティークリアランス制度修正法案 衆議院内閣委員会で可決
 5日 不発弾らしき物体持ち込み 北海道三笠市役所 一時閉鎖
 6日 茨城県日立市郷土芸能「日立風流物」 5年ぶり披露

№2766 バスラマインターナショナル202(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル202」、先月末に刊行になりました。
 先日の国際協業のバス祭り、ぽると出版もブースを出して、この号やバックナンバーの販売を行っていました。雨降りで風邪も強めの中、ご苦労だったと思います。お疲れさまでした。

各地の新車から
 EVはもう別格みたいで、それ以外の国産車種が並んでいる。横浜市営のハイブリッド車は、モデルチェンジ後は日野のみ導入されていたが、今回はいすゞになった。実際に見ているし、早めに撮りに行かないと。

バス事業者訪問251 国際興業

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 国際興業は過去2回出ているが、直近は93号(この号のバックナンバーも、「バスまつり」のブースに並んでいた)だから、もう19年前になる。路線の概略を比較すると、エリア自体は大きくは変わっていない。むろん廃線も少なくなく、成増と朝霞付近を結ぶ路線がなくなったりしているが、一方で新越谷への乗り入れとか、岩槻から蓮田や、飯能エリアでは高麗川から毛呂山町(埼玉医大)への延伸も見られる。営業所は川崎の貸切の廃止などはあるが、乗合の10営業所体制は変わっていない。観光バスの板橋は、旧国際観光だろう。
 輸送人員は、2018(H30)年度から一般乗合で、「一般路線」と「高速・深夜中距離」の内訳で記しているが、コロナ禍前は徐々にだけれど利用を延ばして1億人台にまで到達していたのに、コロナでガクンと減ってしまった。特に「高速・深夜中距離」は、2020(R2)年度は、前年度比で約10分の1。一般乗合は回復基調で再度1億人台になりそうだが、高速・深夜中距離はまだ1/3程度。しかも深夜中距離は引き続き全路線運休中だし(復活させるにしても、専用車両は皆リタイアしたそうだから、車両はどうするのだろう)、高速も〔遠野・釜石号〕は再開しないまま廃止が決まっているし、〔ONライナー〕も4月から再度運休とリリースがあり、回復は相当時間がかかりそうだ。
 今回は飯能エリアの沿線写真が3点あったが、これは「バスまつり」のレポートでも書いたが、一般的な新車両の直接の投入はできないのだろうか。93号以降に一度は撤退がほのめかされた事もあるが、ハイエースの導入などは、飯能市からの委託としても、本気でエリアを残したいと考えていると、思いたい。だから、一般車でも、直の新車の導入を期待したい。
 昭和末期以降の国際興業は、都心にダイレクトに向かう鉄道新線(特に埼京線)の影響をモロに受け続けてきたが、とりあえずは一息ついた、という所だろうか。埼玉高速鉄道の岩槻・蓮田延伸が噂されているが、実現したら、また何か変わる事があるだろうか。
 車両面は相変わらず、中型以上はいすゞ一筋、という感じ。乗合はCNG車がなくなって以降、ハイブリッド・ノンステップ車も導入がない。やはりエルガEVの販売開始に、期待しているのだろうか。貸切は、旧国際観光車は全滅したようだ。

バス事業者訪問252 佐賀市交通局

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 こちらは、今号が初登場。
 佐賀市は「平成の大合併」で北部に拡大し、福岡市早良区とも接するようになったが、エリアは佐賀駅を中心として、長崎自動車道より南側。
 輸送人員の推移を見ると、2020(R2)年度にガクンと落ち込んだのは、ここも例外ではない。ただ、それ以前の底だった2005(H17)年度と、それほど違いがないのは特筆されるし、以降V字回復しているのは頼もしい。空港バスもインバウンドが回復してきているというのは明るいが、正直佐賀市そのものは、国際的な観光地とは言い難い。柳川や唐津などを目指すのだろうか。
 旧国鉄佐賀線の筑後川昇開橋の画像があったが、佐賀市営バスは、その佐賀線の代替バスとして、福岡県の瀬高まで、柳川経由で乗り入れた事があった(西鉄・堀川バスとの共同運行)。いつ廃止になったかは分からないが(現在は西鉄バス単独で柳川まで運行)、転換当初は割と頻度もあったようで、転換時の鉄道の便数さえ確保できない昨今の代替バスと比較すると、まだ良い時代だったのかと思う。
 市域拡大でも市営バスの延長はなかったが、「同じ佐賀市になったのだから、市営バスを延長しろ」という声は、なかったのだろうか。そういう声を上げられるほどの人口が、拡大部にはいなかったのかも知れない。他民営事業者との関係は良好なようで、これがこのまま続いて欲しい。
 次に大きな変化があるとしたら、西九州新幹線の博多~武雄温泉間開業、となるだろうが、未だルートが決まらず、佐賀市内のどこに停車するのかさえ分からないのでは、当分は現状維持で推移するのではないか。

短期連載 カタログで偲ぶ“平成初期”のバスたち④

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 日産ディーゼルのスペースウィング。3軸車は、特に西武バスが好んで使っていたような印象があるし、関越自動車道経由の高速路線で共同運行する他社も、皆同じだったと思う。上に出した頸城バスもそう(非常に暗くて申し訳ないが)。

世界最大のバスショー 会場レポート
 前号の続編。今回は貸切・長距離系とコミュニティ系。BYDの13m級ダブルデッカーのEVって、スペックはどうなっているのだろう。相当大容量の電池を積まなければならないのでは、と思ってしまう。EVそのものから少し離れるが、コミュニティクラスの車両が多数展示されているけれど、ディーゼル車等も含めて、特に欧州でこの位のサイズの車両はどのような路線で、どのようなスキームの下に運行されているものだろうか。その点の考察も、どこかであるといい。メラーのEVの顔つきは、EVM-Jと同じだ。

 都営バスが100周年記念で再度旧塗装者を復刻させたが、またラッピングなのかあ。やはり全塗装にして欲しかった。京王バスは旧塗装復刻塗装車を現在に至るまで、長期にわたって運行を継続させているのだし。「イエロー+マルーン」を、逃げないで復刻させたのは評価できる。あとはしつこいが、やはりバスに都電・都営地下鉄(加えて廃止になったモノレールや、新交通システムも)まで交えた、本格的な「都営交通博物館」が欲しい!

「国内ニュース」で、国際興業がC/Cのタッチ決済のブランドを拡大させるとあるが、最近はバスも鉄道も、C/C決済が急速に拡大しつつある。が、主要カードではMastersだけ利用できない所が多い(国際興業もそう)。この先Mastersの対応も検討する、という事業者もあるが、なぜなのだろう?

 次号は4月末刊行なので、「2024年問題」に対応する事業者の動きの速報が乗るのだろう。東急バスの連節バスの運行は、今のところリリースが出ていないのだが、間に合うだろうか。また、EV運行開始の記事が多数掲載される事が予想されるが、ともかく明るい話題が、一つでも二つでも増えて欲しい。
(我が戸塚の連節バスは、残念ながら多少遅くなりそう。車両は日野のハイブリッドとなるようだ)

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 ひたちなか海浜鉄道は、2030(R8)年に、延伸区間の半分の先行開業を目指すとする方針、と伝えられました。同時に勝田から水戸まで、JRとの相互直通運転が行えると良いと思う。

《What's New》
 3日 「北斗の拳」原作武論 尊氏塾長の漫画宿「さくまんが舎」 長野県佐久市に完成
 4日 精神科病院の虐待通報専用窓口 東京都が開設

№2765 年鑑バスラマ2023→2024(ぽると出版)

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「年鑑バスラマ 2023→2024」、今年も先月発売になっていたが、まただいぶ遅くなってしまいました。

 今年の和田編集長の「巻頭言」、いきなり「10年で壊れる国産バスを作ってください」と、自ら「暴論」と称する挑戦的な見出しで、しかも4ページに渡っている。バスラマ創刊から30年・200号、この間の日本のバス業界の低迷・衰退をジャーナリストとして見てきた、そのいらだちが込められているような気がする。
 まずはドライバー不足問題から始まるが、この問題そのものに関しては、個人的には「何を今さら」という部分を感じる。そもそも10~20年くらい前には、バスのコストの大半は人件費が占めると指摘されていて、だから平成の世になると、「鉄道と同じ賃金体系ではやっていけない」となって私鉄のバス事業分社が始まり、さらには地域での分割も進んだ(これは最近になって再統合の動きも見られるが)。実際の運行管理を分社に任せる例も少なくなかった。公営バスは「民営と比べて非効率な運営」が非難され、民営移管が特に地方都市で進められた。21世紀にはついに政令指定都市でも完全民営化が行われるところが出てきて、大阪市では地下鉄まで民営化された。そこまでいかなくても、営業所単位で運行を民営に委託する所は今でも少なくない。これらは全て、「コスト削減=人件費の圧縮」(以外の理由もあるだろうが)を最大の目的として進められたものでは、なかったのか。だから今になって労だけでなく使の側も「賃上げだ」と叫んでみても(もちろんそうなればいいが)、過去の経緯がキチンと検証された上での発言・あるいは交渉、だろうか?
 本題の「バス寿命10年」論だが、技術的な事は分からないが、言いたい事は分かる。ギアチェンに手間暇かかるモノコック車と、近年のAT車では操作性が段違いだろう、というのは、私でも何となくは分かる。ここにはないが、女性ドライバーの積極的な登用、という点でも、環境の改善…これは運転そのものだけではないが…は有用だろう。鉄道もそう。昔のSLの運転は重労働過ぎてとても女性には任せられなかったが、現代は無人、とまでは行かなくても、TXなぞボタン操作だけで高速運転が可能になり、運転士はオペレーター的な存在に変わりつつある。むろんバックアップシステムの構築は必須だし、運転士にも異常時の対応能力が求められるが、日常の乗務という業務の面では、劇的な改善、とは言えないだろうか。古いままだと、その改善もままならん、という事なのだろう。
 なお、「耐用年数が短い鉄道車両が走り回っている」というが、そうか?JR東日本の209系は確かにそういうコンセプトを持って生み出されたが、当初の想定を大きく超えて、30年になる今に至るまで、京浜東北線から房総地域に舞台を移しつつも大多数が健在だ。西武鉄道は大手私鉄なのに、昭和生まれの小田急4000形を購入する。制御装置は全面的に更新されているが、結局鉄道は、よほどの事情がなければ、走行路線のロケーションにもよるが、在来線では30年程度は走るものとして設計・製造されるのが、一般的ではないだろうか。
(この点で一番心配なのは、「路面電車」。未だ戦前製の車両が相当数走っている現状は、変えなければならない)
 また、大半を大手事業者の中古で賄う地方のバス事業者は、「10年サイクル」の結果、大手からの中古車の購入が不可能になった場合、自力で新車の購入が可能だろうか?また、新車両のいきなりの新技術に対応できるだろうか?
 となると、車両の変革を前提とするなら、業界の構図そのものを、(実際のバス運行の部分の外まで含めて)全面的に変える必要もありそうだ。それは、単なる路線の再編成とか、会社の吸収・合併程度では済まなくなるかもしれない。そうなると、なおさら行政、ひいては国家のレベルでの支援、に留まらない、抜本的な運輸行政の革新、という所に行きつくのではないだろうか。
 となると、これは車両だけの話にはならなくなり、根本的には、「バス業界の地位の向上」という所まで持っていかなければなるまい。それがないと、いくら賃金だけ上げても、結局は少ない人手の取り合いに負けてしまうだろう。公道上でのバスの優先順位の向上、実際の運行上のドライバーの負担の軽減など、考えなければならない事はいくらでもあるし、車両の質もそうだが、やはり一般的な国民世論をもう少し巻き込んだ、バスの在り方の議論が欲しいと思う。現状は単に「バスの便が大幅に減ってしまった。生活に困る」のような地域の課題というレベルでオロオロ、で終わっていて、公共交通をどう守るか、というか、どう生活のサイクルに組み込むのか、クルマをやめてバスなど公共交通にシフトする事は可能ですか、そういう議論が、自治体とか、国とか、そう広いレベルで欲しいと思う。その中で、利用者を惹きつけられ、ドライバーの労働条件の改善にも役立つ、変革されたバス車両をどのように調達し、日本全国にいきわたらせられるか、そういう話も出てくるのではないだろうか。やや話が飛んでしまったかも知れないが、とにかく広い範囲の議論が欲しい。そこから「10年スパン」はともかく、バス車両の進化も生まれるのではないだろうか。

2023 バスハイライト

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 昨年もEVの導入が国内各地で進んで、去年のモビリティショーで発表されたいすゞエルガEV、レトロフィット改造の西鉄バスも含めて4ページになった。大型車はBYDに加えてEVM・アルファも加わって、中国製EV同士の競争が始まった事になる(オノエンスターは、大型車は一般路線への導入はまだないようだ)。富士急行グループは先行したBYDに加えてアルファも導入したが、大型でEVを2メーカーから購入するのはたぶん初めてで、今後は複数社導入の事業者も増えていくのだろうか。何がメーカー決定の決め手となるだろう。発電・充電システムも含めた、メーカーのサポート体制が左右しそうだ。外国メーカー導入自体が初めて、という事業者が少なくないはず。北は北海道の札幌圏まで見られるようになったが、もっと北の極寒地まで広がるだろうか。BYDはK8をフルフラットにして、既に各地で走り出しているようだが(京急バスでも間もなく、横須賀で走り出す)、こうなるとエルガEVは、国産と言えどもどこまで食い込めるのか、少々心配にもなってくる。
 あとは、ワゴン車によるオンデマンドスタイルのバスが広まりつつある事も挙げられるだろう。それも田舎だけでなく、東京23区にまで走り出しているが、我々も、「バス」の概念をちょっとばかり変えていく必要があるのだろう。

 第27回バスラマ賞は西鉄バス。レトロフィット改造やバイオ燃料試行など、環境面での取り組みが評価された。

国内バスカタログ 2023→2024
 この一年で発売中止になったモデルはない。予告されているBYDの中型EV・J7は、同社の公式WEBによると、全長8,990㎜・全幅2,300㎜で、これはエルガミオ・レインボーと全く同じ数値だ(オノエンスターの9m車は若干幅が広い)。来年秋の納車を予定するとしている。カルサンe-JESTの営業デビューはいつ、どこになるだろうか。「ツバメマーク」なんてあり得る?

海外バスカタログ 2023→2024
「海外」と謳っているが、今回は台湾・フォックストロン以外は全て欧州のメーカーだ。当然皆EVで、2連節に加えて3連接のモデルまであるのが、(EVでなくても)日本人にはオドロキでもある。一方で、ダブルデッカーのEV、特に市内バスで、というのは、ないのだろうか。先日のブリュッセルのショーでは中国製EVダブルデッカー(UK向け左ハンドル車)が出展されていたようだが、欧州と言えども単車・連節車ほどの需要はないのか。やはりUKなどくらいになるのか。

1990~1994年 読者が見た 全国のバス達
 平成の世になってまだ間がない、という頃になるが、まだモノコックも相当数存在していて(先日飯能で公開された国際興業のBU04も、まだ譲渡前で東京・埼玉地域を走っていた)、あくまで趣味的、ではあるが、面白い時期だったと言える。
 車両そのものもそうだが、事業者自体がなくなったり、あるいはもう存在しない路線の行先を掲げたりしている画像があるのも興味深い。川中島バスは車両も日野+川重の組み合わせだが、長野~上田間に1時間毎くらいで運行されていた、名残りと言える。今や路線そのものがなくなって、上田と長野はバスでの直接のつながりがなくなってしまった。むろん当時のバス業界も大変だったが、今に比べればまだ良い時代だったよね、そんな空気が感じられます。

平和な時代の物見遊山
 ほぼ全部パンフレットだが、省営自動車の塩原線案内が興味深い。関谷から矢板駅への路線がある他、塩原温泉~鬼怒川温泉間が「未開通路線」と記されている。後に季節運行路線として実現するが、民営化と前後して廃止になってしまった。矢板路線もそう。また、上三依(會津西街道)の方への路線も想定されていたように読めるが、今の野岩鉄道に相当する鉄道路線の構想は既にあったので、鉄道の開通を見込んでいたのだろうか?
 旧満州の観光バスのガイドも興味深いが、旧日本軍の侵攻の結果なので、「平和な時代…」と言っても、果たして…の感はあります。

 来年はやはり、いすゞエルガEVが年鑑のカタログに並ぶのか、これが最大の焦点になると思われる。そうでないと、中国勢の台頭の前に、「時すでに遅し」になってしまう危険性もありうる。日野と三菱ふそうの統合は先送り、の発表もあり、日本のバスメーカーにとっては正念場の1年となるだろう。あとはついに「2024年問題」を迎えて、車両面以外の運行に、どれだけの影響が及ぶのか。既に各社でこの先廃止だの減便だのと言うリリースが相次いでいて、大変心配されるところ。
(それは何も日本だけでないようで、ドイツではこれが環境保護活動組織まで巻き込んだ労働争議にまで発展していると聞く)

 200号を迎えた、今後のバスラマ誌に望みたい事。過去に書いてきた事の、しつこいくらいの繰り返しになってしまうが。

① バス業界の外部への、積極的な情報の発信。欧州のバスショーは、展示されるバス車両数で圧倒されるようだが、それ以前に「バス専門のショーが欧州では成り立っている」という事が、我々バスファンや業界内部以外の日本の人々に、どれだけ知られているだろうか?(それは、読者の意見にもあったようだ)前述のように、日本のバスの再発展のためには、業界外部の建設的な視点・意見がどうしても必要になるが、そのための海外の情報が、国内の一般にはほとんどないのが実情。先日もNHKでバス・タクシーの問題が提起されて海外の事例も紹介されたが、「対処療法」の提案のみで、バス事業そのものをどのような枠組みで支えていくのか、それに対して世論はどう感じているのか、という視点があまりなかったように感じられた。これがないと、一般はそもそも意見の出しようがない。「バステク」は、業界外部の一般の新聞・TVなどのメディアに、門戸を開いているだろうか?「巻頭言」も、バス業界・バス趣味の枠を超えて、もっと一般向けに広く発信してみては、どうだろうか?(受け入れてくれるメディアがあるかどうかだが?)

② 関連して、海外取材は特に欧州がほとんど(以前はブラジルの連載もあったが)だが、その他の地域の事例はどうだろう。中国製のEVが日本に大挙進出している昨今だが、そのおひざ元の中国メインランドの大都市のバスシステムそのものは、どのような仕組みになっているのだろうか。また、アメリカ(USA)が案外盲点になっている。「クルマ社会の権化」のUSAでさえ、少なくとも東西両海岸の大都市ではバスを含む公共交通が機能していて、ボストンにはBRTと呼べるような路線も存在した(ホノルルは、少々レベルが落ちるかな…?)。どちらも国土が広大だし、特に中国は体制が異なるので取材はむずかしいかもしれないが、どこかでやって欲しい。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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《What's New》
 1日 「満足度№1」広告表示6社 消費者庁 再発防止措置命令
 2日 5年ぶり 横綱土俵入り 大阪住吉大社

№2756 バスマガジンvol.123 (講談社ビーシー/講談社) 

「バスマガジンvol.123」、先月末には発売になっていたが、また少々遅くなってしまいました。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.123 山梨交通

 前号の予告では立川バスになっていたのに、変更になってしまった。
(立川バスは次号と予告されているが?)

山梨交通高速車.jpg
 山梨交通は、前回はかなり早くて、創刊間もない2005(H27)年3月刊行の10号で取り上げられていた。この時点では国際興業グループで、オリジナル色から国際興業と同デザインに変わってきている最中だった。「非接触式ICカード日本初導入」とか書かれたコラムもあった(現在はPASMOを導入)
 当時は、郊外部や静岡路線は山交タウンコーチ・山梨交通観光バス・山梨貸切自動車と言った分社が運行していた。当時のグループ統一路線図が掲載されていて、塩山・身延・静岡(富士宮)は既に甲府中心部からは孤立していたが、どのエリアも今より路線数が多かった。特に身延は奈良田に行く路線があって、私が高校生の時、先生と北岳に登って、下山した帰りに乗った事がありました(2012(H24)年に廃線となって、現在は早川町営バスが運行)。
 現在の、全体を網羅した路線図は同社の公式ホームページにもない(エリア毎に分割されている)ので単純な比較は難しいが、むろん廃止になった区間も多いが、特定のエリアからまるまる撤退した、という事はないように見えた。静岡のエリアは「あゆみ」を読むと、山梨交通の前身で身延にあった事業者が、富士宮の事業者を合併させた事で生まれていて、戦前からある、歴史のある路線のようだ。
 車両面では、19年前の一般路線車は、大型はキュービックが数台ある程度(自社発注・オリジナル色の前後ドアと、国際興業からの移籍車)だったが、今はEVを除くと全て中古導入ながら、大型車両もそれなりに入っているようだ。また、国際興業グループではなくなったからか、譲受元が多彩になってきている。もっとも、国際興業カラーに塗り替えられると、見た目は皆同じに見えてしまいそうだ。箱根のクラシックスタイルの車両がここにいるとは思わなかったが、それこそ清里の路線で使えないだろうか?小型の中古導入とはいえ、日デがいるのは、少し前までは考えにくかったかも。
 山梨交通もまた、ドライバー不足などで運行の維持が大変だろうと思われるが(今のところは、これを理由とした緊急の減便・間引きなどは発生していないようだが)、近い将来の展望としては、リニア中央新幹線の開業は、大きな影響を与えるのではないか。新駅は他のJRとの接続はなく、甲府市中心まではバスの二次アクセスが必要になるはずで、リニア自体は未だ海のものとも山のものとも知れない段階だが、そろそろ対策が練られ始めているのだろうか。観光バスだと、リニアから降りたお客さんを観光地(昇仙峡や身延山、あるいは富士五湖など)へお連れするという需要が生まれるかもしれない。
 19年前も思った事だが、一般路線バスに関しては、再度オリジナルのデザインが考えられても良いのではないか?国際興業グループから離れたのなら、なおさら。

バス作りの新勢力から
 やっぱりオノエンスターの宣伝だよ。今回は「ニューオノエンスター9.0」で、今号では運行を開始よていの広島・みどり坂の新路線については記事がないが、芸陽バスの公式WEBを見ると、このタイプが導入される事になりそうだ(まだドライバー募集広告の中だけで、具体的な運行内容の発表はない)。EVはもちろんだが、9mクラスというのは、今のところ日本のEVバスではスキマになっているので、バス事業者の関心が高くなるかもしれない。

移籍バスの行方を追跡
 神奈中バスが続いたが、第15回は東武バス。PART1は北海道・北東北編。相変わらず前身をよく調べてあって感心する(うらやましい…)。東武バスは平成初期までは前後ドアが主力だったので、特に地方の路線が多い事業者には好まれたのかも知れない。そういえば苫小牧で、東武バスカラーそのまんまのバス、見たっけ。

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.55 沖縄県
 前回は2014(H26)年9月刊行の61号で取り上げられていて、№1244で書いています。この時は沖縄本島だけだったが、「創刊10周年記念」と称して、6ページを費やしていました。
 今回は本島だけでなく、八重山諸島各島の事業者も入っているが、西表島交通がない。日本最南端だし、EVが入っているのだから入れるべきだと思ったが、遠いから撮影以前に、行く事自体が大変そうだ。それと、本島の主要4社では、東陽バスの扱いが小さいのが気になった。
 沖縄バスが先月、東陽バスの全株式を購入し、4月1日よりグループ会社として運営されるとの事(合併とかはしない)。沖縄本島の一般路線バスは、基本的には第一交通産業系(那覇バス・琉球バス交通)と、2つのグループで運営される事になりそうです。

鈴木 文彦が斬る!バスのいま
 この頃はどのバス会社のWEBサイトを見ても、「ドライバー不足だから減便します」みたいな事を書いていて、それがない所の方が少なくなってきている(理由を記さない所もあるが)。しかし、長電バスの日曜日運休は確かにインパクトがあって、WEBサイトを開くといきなり、「長野市内の路線バスは日曜日運休です」と大きく出てくるのでびっくりさせられる。田舎とかならまだしも、県庁所在都市なのでなおさら。長野市内だけでなく、長野電鉄屋代線代替の屋代~須坂間も全便運休になる(JTB時刻表2月号に記載あり)。郊外部は元々土日曜運休の路線がほとんどだし、日曜日は、普通の長電の路線バスはどのくらい走っているものだろうか?それと、この件について自治体、特に長野市はどう考えているのだろう?WEBで探してみたが、この件に関するコメント等は見当たらなかった。さて、日曜日の運行が再開される日は来るのか?(長電バスのリリースでは、状況がさらに悪くなったら、もう一段の対策を取る必要が出てくるみたいな文言で釘を刺している)
 ラストの「広島型」共同運営については、NHKのニュースサイトにもありました。温品車庫での乗り換えの他、スーパーへの買い物客の利便性向上のための9人乗りの乗用車を使用した路線を設定したが、利用者からはある程度評価があったものの、1便あたりの利用者は平均2人で、思ったほどは増えなかったとの事。今後も様々取組が行われるのだろうが、このためには、事業者間の足並みがそろわないといけない。この点で、広島は地域ICカード「PASPY」は来年3月までに終了すると発表になっているが、その後は、大半の事業者がJR西日本のICOCAを導入する一方で、広電はスマホアプリのQRコードや独自のICで利用する「MOBIRY DAYS」を9月にスタートさせると発表していて、足並みが乱れてしまうのではないかという心配が、ちょっとあります(広電は昨日、ICOCAも受け入れるとリリースを出した)。
 事業者間の路線の調整というのは、前号の時に書いた横浜市など、複数の事業者が入り混じるエリアでは、今後各地で行われると思われるが、一頃の岡山のような、事業者間の対立が先鋭化するようだと困る。危機感が共有される事が必要。問題なのは、広範囲のエリアが一事業者独占に近かったり、路線の棲み分けがかなりはっきりしているような地域で、事業者間の調整はほぼままならないだろう事。既に東北では、これを理由とした路線の廃止がチラホラ見られるようになっています(元々利用者が少なかった事もある改だろう)。
 前号で書いた事の繰り返しになってしまうが、給料面だけでなく、労働条件全体の向上が必要だし(一方で労働組合側も、ある程度は譲歩が必要になる部分もあるかも知れない)、とにかくバス業界全体の社会的地位の向上が、どうしても欠かせない。先の長野市もだが、路線バス事業の危機について、金銭面の支援はともかく、少なくとも「知らん顔」だけは、しないで欲しい。
 この記事だけでなく、今号全体を見ても、ドライバー不足問題が明らかにあちらこちらに影を落としている。どうにかしないと。

終点の情景を求めて
 岩手県北バスの松川温泉で、初めてボンネットバスが出てきた。TSD40改は冬場だけ、というのは、四輪駆動が買われているのだろうか?(一方で当然冷房がないし)しかし、肝心の岩手県北バスのWEBには、このバスについての情報が一切なかったのは悲しい。今回の紀行で辿られた路線の時刻表を見ても、マウンテンホテルで乗り換えになる、という事自体が記されていない(去年の12月1日改正ダイヤなのに)。もったいない話ではないだろうか?温泉旅館前のバス停とは、ロケーションがいいねえ。

平成初期のバスを振り返る
 群馬バス。東急バスカラーそのままの前後ドア車というのは、なかなかミスマッチな感じがして面白い(東急バス自体にも日デ4Rであった)。北村車体のBU10は、ヘッドライトのベゼルが日野のタイプなのが目を惹く。二段サッシなので、モノコックの最終盤だ。今は大型車は少数派になってしまっているが、高崎駅から直接伊香保温泉に行く路線があり、途中うどんで有名な水沢を経由するので、もっと見直されてよい事業者だ。

 今号ではモビリティショー出展のいすゞエルガEV、みどり坂のEVが見られるかと前号で書いたが、どちらも今号ではなかった。どうやら次では見られそうで、みどり坂は実際の運行形態も記載される事になるのではないか。4月1日が迫っているので、ネガティブな記事で埋め尽くされたりはしないかと、少々心配も。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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 小湊鐵道の「里山トロッコ」は、機関車の不具合が見つかり、部品調達に時間がかかるため、秋までは全て運休になると、今日発表がありました(一般車両で代走)。
 JALは今日、14年ぶりとなる貨物専用機を公開しました。14年前はB747-400FとB767-300Fで共に新造機、銀色の地肌むき出しだったのが特徴でした。今回は旅客機から改造のB767-300ERBCF(JA653J)で、真っ白なボディが印象的です。早く撮りに行きたいとは思いますが…。

《What's New》
 7日 四国犬が公衆襲撃 12人負傷 群馬県伊勢崎市
 8日 パリオリンピック・パラリンピック メダルデザイン発表