№2962 バスラマインターナショナル 209(ぽると出版)

「№2962 バスラマインターナショナル 209」、先月末には発売になっていたが、少々遅くなりました。
 表紙は京王バスのハイブリッド車とエアロエース高速車のほか、大阪シティバスのエルガEV。24台だそうだから、今のところはエルガEVの最大ユーザーか。

2025 春のオムニバス
 関西万博もあるが、とにかく今年は、エルガEVが全国的に席捲したのではないだろうか。それにしても、相鉄バス(相模鉄道)が去年度(2024年度)の事業計画で、国産EVを3台導入すると書いていたから、ここがエルガEV市販第一号になるかと思っていたのだが、どうも今のところ、導入される気配がない。車両ではなく、充電設備の整備の問題なのかもしれない。今年度も3台導入、と記されているから(他にレトロフィット改造1台が入るらしい)、今年こそは、だろうか。
(相鉄バスは、海老名市内での自動運転レベル2実証実験の記事があり、BYD J6がベースになっている)
 BYD、EVM、アルファなどと共にエルガEVの導入もスタートした事で、大手クラスの事業者だと、複数メーカーのEVが入るところも少なくなくなってきた。いよいよEV同士の競争が本格化してきた事になるが、そうなると導入の決め手は、何になるのだろうか?
 立山トンネルのEVはアニメとのコラボだが、あそこは営業区間全線が完全にトンネルになるので、明るい場所での撮影がかなわないのが残念。
 なお、京成グループの再編成は、別に記事が仕立てられている(京成バス東京では、今月になって新デザイン車両の運用が始まったらしい)。今回は再編劇の第1弾で、来年に今の京成バスが加わる第2弾で改めて、なのかもしれないが、次号あたりでもう少し詳しく、再編の狙いとかに着いて記載があれば、と思う。

バス事業者訪問262 京王電鉄バスグループ

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 前回は2000(H12)年7月の№60だったから、ほぼ四半世紀ぶりになります。京王電鉄バスは、まだ京王電鉄の直営のバス部門だった頃でした。
 基本的なエリアは電鉄バス・バス合わせると四半世紀であまり変わっていないとは思うが、細かく見ると、廃止になった路線が少なくない。特に去年から今年にかけて、共同運行系統(特に調布付近で、小田急バスとの)の見直しが強力に進められ、この結果、吉祥寺への乗り入れがなくなっている。この辺の事情が、少々説明不足だったような気がした。また今年になって、神奈中バスとの共同運行だった聖蹟桜ヶ丘駅~南大沢~相模原駅路線も廃止になった。元々両社合計で6往復しかなかった系統だったけれど、この結果、神奈川県への一般路線の乗り入れは、南大沢からの橋本駅のみとなった。一方で、JR中央線より南側(つまり京王電鉄の駅を発着しない)の系統が現在でも維持されているのは、面白い。
 輸送人員は、1990(H2)年度は113,233千人だったそうだが、2023(R5)年度は2社計で95,605千人だったそうだから、33年間でで15%以上減少している。一般路線の利用動向はあまり記されていないが、もちろん沿線人口の減少とかもあるだろうし、加えて多摩都市モノレールの南側区間(多摩センター~立川北間)の開業も、かなり影響しているのではないか?
 現在は京王電鉄バスと京王バス、共に電鉄バス部門からの分社が並び立つ格好になっているが、昨今の業界他社の動向から見ると、この体制はいつまでも続けられるのだろうか。この両社の合併、さらには西東京バスまで巻き込んだ大再編成劇も、今後はありうるのかも知れない。
(一覧表にも記されているが、京王の高速バスの一部便を西東京バスに委託、という事例が発生している)。
 バスターミナル東京八重洲は、今のところは自社の高速路線の発着が全くないが、今後もないのだろうか。
 車両アルバムは、版権の問題もあるかもしれないが、空港バスで使用される、サンリオのラッピング車は出せなかったろうか?アストロメガは現在2台らしいが、需要のひっ迫…特に富士五湖線は、インバウンドの利用が多いんだよね…と、ドライバーの確保という点からは、もう少し台数があっても良いかもしれない(メーカーサイドの問題があるようだが)。
 アーカイブスを見ると、高速兼用車とか、独自開発のUD小型車とか、他事業者では見られないような、特徴的な車両が少なくなかったようだ。コストとか、需要の変かとかで姿を消す事になった、のだろうか。
「ピンポン・パンポン」があっても、良かったんじゃ…!?

 高知駅前観光の「寝台バス」「ソメイユプロフォン」の試乗ルポの記事があるが、これは、同業他社にも展開しうるものだろうか。それとも、高知駅前観光の独占的なものになるのだろうか。完全に横になって眠れるというのはメリットがあるというのは、他交通機関を利用しても感じる。列車の〔サンライズ〕もそう。先日は個室ベッドの「ソロ」だったけれど、たとえカーペット敷きの「ノビノビ座席」でも、フルフラットだと、座席とは違うと思っている。

「国内ニュース」欄には、士別軌道の路線(士別~朝日間)の一部をデマンド化、とあり、平日の最終1往復をデマンド化(前日までに予約が必要)の他、休日は全便運休と記されているが(土曜日は日中の3往復のみ運行)、そもそも士別軌道は、この区間(士別~奥士別間)を走る軌道が始まりだった。旅客営業は70年前に廃止になっている(その後4年間は貨物専用鉄道として運行)が、70年の歳月が経っているとはいえ、鉄道転換のバス路線がここまで落ち込むというのは、正直ため息も出る(休日は一人も乗客がいない日もあるそうだ)。

 次号の事業者訪問は、三岐鉄道だそうで少々楽しみもあります。基本は山城~四日市間の一般路線バスだが、連節バスを導入するくらいだから通勤・通学の需要は多いはずだし、東員駅~イオン~山城駅を結ぶ買い物路線の利用状況も注目できると思う。また、道南バスは旧JR日高本線の代替路線の運行を開始した一方で、旧国鉄飯降線代替路線の一部が廃止になっていて、特にローカル輸送はコロナ禍もあり(高速も影響を受けている)、現状はどうだろうか。

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 京王・小田急・京急が、今年度の設備投資計画を発表しました。

京王 … 車両面では、昨年リリースを出していた2000系を2編成新造。2000系は、5号車に大型フリースペース(西武40000系の「パートナーゾーン」と同様なもので、京王では名称公募中)を設置。9000系は2編成をリニューアルする(事前のリリースでは10連(だから30番台)を対象とするとしていた)。8000系1編成で、VVVFインバータ制御装置を更新する。笹塚~仙川間の連続立体交差工事を推進し、京王多摩川駅は、周辺の再開発事業に合わせて、駅の改良工事を実施する(来年供用開始予定)。新宿駅のB2Fホームを延伸し、丸ノ内線への乗り換えが可能な動線を整備する。渋谷駅は、バリアフリールート2ルート目の整備完了を目指す。京王線・井の頭線とも、自動運転を活用したワンマン運転を目指し(井の頭線は2020年代後半、京王線は2030年代中頃目標)、今年度は井の頭線の車両・地上設備の導入・改修を進める。ホームドアは、今年度は駒場東大前・池ノ上・東松原・永福町(1・3番線)・浜田山・高井戸・富士見ヶ丘・京王多摩川の各駅に整備。この他、AIアバターや遠隔による導入に向けた検討を進める。投資総額434億円。
 また、同時に発表された、今年度から5年間の中期経営計画「HIRAKU2030」の中には、リニア開業を見据え、橋本駅の移設計画が盛り込まれている。現在より若干北東側に振れて、JR東日本の駅とリニア新駅の中間に近くなる感じ。この他、啓文堂書店を運営する京王書籍販売の株式すべてを、今年6月30日付で紀伊國屋書店に譲渡するとも記されている。

小田急 … 安全対策として、世田谷代田~登戸間の高架橋、海老名~厚木間の「JR跨線橋」、相模大野~東林間間の「小田原線跨線橋」などで耐震補強工事を、読売ランド前・相武台前・座間・長後の各駅でホーム上屋の耐震補強を行う。また、去年の豪雨で盛土のり面が崩壊した東海大学前~秦野間の当該箇所で補強工事を行う。ホームドアは、今年度中には豪徳寺(既に稼働開始)・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵・喜多見・狛江で整備する。車両面では5000形1編成を増備し、3000形6連2本をリニューアルする。車内防犯カメラは、今年度中に計画全車両への設置を完了する。投資総額436億円。

京急 … 引き続き、品川・北品川駅を中心とした、泉岳寺~新馬場間の連続立体交差事業を推進する(写真もあるが、新八ツ山橋の大きなトラスが、以前の山手線の留置線の跡地に組みあがっている。また、両側の土台も一部できている)。1000形8連2本を代替新造し(イラストを見ると、また無塗装に戻るのか)、地上側でリアルタイムに映像の確認ができる防犯カメラを、2026年年末までに全車両に導入する。在来の1000形24両は多目的スペースを設置し、固定窓の一部が開閉できるように改良する。ホームドアは、今年度以降2028年度までに、新馬場・鮫洲・立会川など24駅に整備する。神奈川新町駅は大規模改良工事に着手し、花月総持寺駅は駅舎の耐震補強やリニューアルを行う。羽田空港第1・第2ターミナル駅は引き上げ線新設工事、東京都と連携した泉岳寺駅の改良工事も、引き続き推進する。この他「スマートサポートシステム」(今年度は5駅の予定)、駅の信号取り扱い業務の自動化を拡大し、ICT技術を活用したシステムの導入を進める。クレジットカードのタッチ決済は、今年度中に全駅で可能となる見込み。投資総額約370億円。

《What's New》
11日 福井名物「おろしそば」 8時間で1万2000食余り完売 世界記録更新
12日 光免疫療法 日本頭頚部外科学会 注意喚起文書発表
13日 2024年度経常収支 過去最大30兆3771億円の黒字

№2945 バスマガジンvol.128 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.128」、先月末には発売されていたが、遅くなってしまいました。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.128 相鉄バス

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 前回は2011(H23)年11月刊行の50号で取り上げられていました。14年ぶりになります。
 今号では路線図の掲載がないが、50号にはありました。当時と比較すると、細かいところでは違う所も多いが、エリアとしては、相鉄本線の沿線が中心になるのは、今も変わらない。小机駅から延長する形で新横浜駅まで延伸した事、横浜市営バスの44系統・83系統を引き継いだあたりが、異なる点だろうか。あとは星川駅が高架化されのと同時に交通広場が整備され、和田町駅を起終点としていた系統が星川駅発着になった、という所も挙げられるだろう。
 50号の時点では、高速バスの展開を期待するテキストも起こされていたが、コロナ禍もあったし、ドライバー不足もあって、草津温泉への展開はあったものの、海老名~羽田空港は(神奈中・京急含め)全廃になってしまったし、深夜急行もコロナ禍を機に5年も運休が続いていて(廃止とはなっていない)、思った通りには、行っていないと思う。横浜~河口湖線も減便が続いているし、あとは記載はなかったが、冬季には横浜~さがみ湖MORIMORI(旧プレジャーフォレスト)間の運行があり、当面は、去年からスタートした三井プレミアムアウトレット路線(以前は市営バスだった)など、基本的には県内を中心とした近距離の路線を維持していく、事になりそう。
 去年の相模鉄道の事業計画で、国産EVの導入の計画が記されていて、エルガEV導入第1号になるかと思っていたが、そうはならなかった(神奈中・京急・京成などが先行)。相鉄カラーがいつデビューするかも見どころか。
 今後相鉄バス、というか相鉄グループ全体として差し迫った行事としては、再来年・2027(R9)年に上瀬谷の米軍施設跡地で開催される「国際園芸博覧会」がある。既に3月からラッピングのバスが走り出しているそう。あるいは観客輸送(最寄りは瀬谷駅など)で新技術が導入されるという噂もあるが、相鉄バスの飛躍の礎となれるだろうか?
「あゆみ」編にある西横浜営業所は、現在は電車の留置線となっていて、土休日には東急目黒線の編成の留置もみられる。あとは、冷房後付け改造車が比較的多かったのも、特徴的だったろうか(「海老名総合病院」の行先を掲げたFHIのいすゞもそう)。なお、「吉岡芝原線深夜バス」のキャプションが貼られた写真は、横浜→海老名間の深夜急行バスだ。
 
バス作りの新勢力から
 そういえばちょうど10年前に行ったNYでは、こんな感じのボンネットバスが市中を結構走り回っていたような気がするんだよなあ。ボンネットバス、というよりは、リムジン?

遺跡バスの行方を追跡
 第17回・東武バス編のその2で、南東北・北関東編。東武バスは平成の世になると、早々にローカル線(特に北関東)の整理が急ピッチで進められたので、他者譲渡の例が多かったようだ。前後ドア車が多かったのも、その表れだろう。

鈴木文彦が斬る!バスのいま
 先日、鈴鹿サーキットでF1日本グランプリが行われたが、去年の大会の輸送についてのレポートが記されていた。
 ここでは記されていなかったが、F1日本グランプリは去年大きな変化があり、長年続いてきた秋(主に10月)→春開催に変更になった。大きな大会の開催が半年も前倒しになると、いろいろな面で一昨年までのやり方が通用しなくなくなる部分が多くなるはずだが、この点はどのように対応がなされたのだろうか。
 伊勢に近いロケーションとなると、特に秋は修学旅行や、紅葉鑑賞の団体が多くなる(と思われる)ので、プラスしてF1輸送というのは、三重交通1社だけでなく、地域そのものにとって、相当な負担になっていたのではと思われる。むろんF1側がそういう日本の内情を考慮してくれたとは思えないが、結果的にはある程度は輸送計画の策定が楽になったのではないかと思われる。その辺はどうだろう。
 この手の大規模輸送は、やはりドライバー不足の影響があちこちで出ていて、F1ほどは大きくなくても、葉山町の花火大会は京急バスが臨時便運行に必要な体制を構築できず、当面休止する事になったと聞いている。富山地鉄バスは修学旅行輸送優先のため、高速バスを一定期間、一部運休にせざるを得なくなっている。どうすれば、元の通りに戻せるのだろうか。

バス業界の働き方改革
 この手の記事、前にもあったと思うのだけれど、①政策に関わる提言であるのなら、ちゃんと提言者・書き手の名を明かすべき。②「覆面座談会」的なものは、世の中を動かす原動力にはなりえない、と私は思っています。上の多客輸送もだが、もはやバス業界だけでは片付かない問題なので、もっとはっきりとしたメッセージを発しなければ、ならないのではないか。

平成初期のバスを振り返る

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 庄内交通。庄内地方は鶴岡と酒田が地域の2大都市、と思っていたのに、近年酒田からはほぼ撤退してしまいました(三川からの路線と、空港バスだけになった)。酒田はそんなに、バスの利用(ひいては人口)の減少が著しいのだろうか。

 次号は6月末で、大阪・関西万博が始まって2か月近く経っているので、輸送状況はどうなっているのか。また、エルガEV(日野ブルーリボンZ EVも)が、どの程度普及しているのかも、注目ポイントだと思います。

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《What's New》
 4日 英コメディアン ラッセル・ブランド 性的暴行などの罪で訴追
 5日 ヤクルト 山田 哲人 300号ホームラン達成 史上46人目
 6日 NHL アレキサンドル・オベチキン 歴代最多895ゴール達成
 7日 「原子力電池」開発 国内初 原子力機構が着手


 次回から、2月の旅行(北海道・四国)について書く予定。 

№2940 バスラマインターナショナル 208(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル208」、先月末には刊行されていました。
 退院したとはいえ、まだ体調は万全ではなく、従って書ける量が、そんなに多くはならないです。スミマセン。

バス事業者訪問261 伊予鉄バス

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 前回は2005(H17)1月号でとちあげられていた。当時はまだ伊予鉄道の直営で、分社は伊予鉄南予、伊予鉄久万の2社だった。
 2月末に松山へ行った、というのは、今バスラマ誌の事業者訪問が伊予鉄バスだった、という事もありました。
 今号では輸送人員の推移はアーカイブスのページに小さく記されているだけだが、2018(H30)年度が1,106万人だったのに、2023(R5)年は830万人、1/4も減少してしまった。むろんパンデミックの影響だが、それでも2021(R3)年度からは再度増加傾向にある(インバウンドの増加があるのではないか?と見ているのだが)。
 バスマップでは伊予鉄バスの路線しか記載がないが、伊予鉄南予バスは、久万地域・南予地域とも、現在は伊予鉄バス本体と、一般の路線ではつながらなくなっている。特に久万地域は、むしろJR四国バス久万高原線(旧松山高知急行線)のフィーダーサービスの性格の方が、強まっているのではないか?
 モノコックバスのルポも興味深いが、やはりここは、レベル4の自動運転の実際のところ、という所を、見せて欲しかった。
 あとここでは記されていなかったが、JR松山駅が高架に移転した事で、交通広場(西側にも整備されるようだ)の整備によって路線網の再編成はありうるのか。伊予鉄の松山市駅付近も再整備が進行中で、これは影響を与えるのか、また、分社したとはいえ同じ「伊予鉄」なのだから、電車(市内電車も郊外線も)との関係をどう構築するのか、そのあたりまで筆が回ると、良かったと思う。
 EV車は、一般路線では大・中・小と出そろった。別記事のEVM-Jの工場には大型観光バス仕様もあったようなので、観光バスの他、四国島内の高速バスへの導入も期待できるかもしれない(共同運行会社の協力も必要だろうが)。

 国際興業の飯能の「バスまつり」、今回は快晴だったみたいでうらやましい。「ヤマノススメ」・BU04・貸切エルガの並びは2月と同じだったようだ。

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 次号はほとんどが速報となろうが、関西万博開幕や、京成グループの大再編劇も出てくると思います。一番の期待は、営業デビューを果たしたエルガEVではないでしょうか。既に神奈中と京急で実物が表れているが、どこまで導入が進むのか。

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《What's New》
25日 旧統一教会 東京地裁が解散命令
26日 元ジャングルポケット 斎藤 慎二 性的暴行罪で在宅起訴
27日 静岡銀行・八十二銀行・山梨中央銀行 包括業務提携で合意

№2936 年鑑バスラマ2024→2025

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「年間バスラマ2024→2025」、刊行されて相当経ってしまいました…。

 今号では、和田編集長のメッセージは「巻頭言」を譲って、「どうなる2025年の日本のバス」として、これまでより簡略化して発せられている。バスと直接関係はなくなるが、アメリカは明らかに(少なくとも外部の目からは)おかしな方向に進んでいて、寄ってたかってこれまでの方向性を、ちからとカネで覆そうとしている。それも、戦争推進国(ロシア・イスラエル)と組んで。これを止める術を世界が持ち合わせていない事も、明らかになるつつあるようだ。2025年の日本のバスはEV中心に回りそうだが、車両コストをどう手当てするのか、料金体制や充電時間も課題、と指摘しています。大阪・関西万博も。

巻頭言 自動運転の今
 今号の「巻頭言」は、東京大学名誉教授・鎌田 実氏の「自動運転の今」。「巻頭言」は今後、このスタイルになるのか。
 自分でもこれまでちょっと考え違いしていた部分があった事を認めざるを得ないが、まず「自動運転=ドライバレス」では、ない。この事はきちんと理解しておく必要がありそうだ。
 似たような「実証実験」が各地で行われている事への懸念、これは、「バスマガジン」誌vol.127で、鈴木 文彦氏が寄稿しているコラムの中で記している事と共通しているように思える。外野から見る者に共通する意識なのだろう。特に自治体の本気度が問われる、という事だろうか。
「レベル4」による営業運行は、去年の暮れから伊予鉄バス(高浜駅~高浜観光港)で始まっている。私は先日松山に行ったので当然乗りたかったのだが、車両がシステムメンテナンスで動いていなかった。だから実際の運行状況を確認する事が出来ず残念だったのだが、伊予鉄バスの公式WEBを閲覧した感じでは、「レベル4」の運行は、①朝8時~日没(冬季は16時、それ以外は18時)、②座席定員12人で、全員が着座し、シートベルトを着用している事(13人以上の乗車になったら手動に切り替え)、を前提としている。歩いても行けそうなくらいの距離だし、この条件では、いきなり「レベル4」が日本全国津々浦々走りだす、という事には、ならないだろう。相当なレベルアップを早期に実現する事、も提言の一つとして挙げているようだ。
 私個人の考えを加えると、まず、一度導入したは良いが、システムというのは自動運転に限らず、どこかで抜本的な投資をして更新しなければならないものだから、そのコストをどうするのかも考えなければならない。それと、走行する道路の条件も改善されなければならない。現状の道路は、バスの運行には条件が悪すぎる。それがドライバーの逸走につながっている面もあるのではないか。自動運転であろうがなかろうが、この点も、早急に議論されて欲しい。バス路線維持そのもののためにも。

2024 バスハイライト

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 やはり今年も「EV」と「自動運転」、あるいはこの両者の組み合わせ、これらに集中した感がある。EVバスは、EVである事を主張するメッセージを加えるケースもあるが、在来のディーゼルバスと同じカラーの車両が増えてきたようだ。個人的には良い傾向だと思っている。あとは何度か書いているが、短期間で全部EVにするんだ、という大阪シティバスのような大手はともかく、一つ二つの系統だけでも、予備車両まで含めて全便をEVで運行する、という所までは行くべきだろう。ここにはないが、複数社のEVを採用する所も出てきていて、今後はEV同士の競争が本格化するはずだ。
 国際興業のBU04レストアも話題になったが、この車両は最初は赤羽〔営〕だったから、飯能〔営〕の方向幕は、バスそのものとは別に保存・保管されていたのだろうか(〔飯14〕はさらに新光へ行く系統で使っていたと思うが)。
「バスラマ賞」はいすゞエルガEVが営業デビュー前ながら受賞になったが、第1号は神奈中バス?(他者様のサイトに画像があります)。

国内バスカタログ 2024→2025
 日野・いすゞのハイブリッド車(単車)、トヨタSORAが発売中止になった。トヨタは新FCを開発するそうだが、いよいよ国産のバスも、EVへのシフトが始まるのか。この点でいうと、三菱ふそうのバスでこの数年、はっきりした動きがまるで見られないのが、どうしても気になる。エアロスター・エコハイブリッドの終了以降、同社で製造されるバスはディーゼルエンジン車だけで、EVにしろFCにしろ、新規開発に乗り出す、というリリースさえ聞かない。ダイムラー及び日野・トヨタとの「協業」は延期されているが、この進捗次第、となるのだろうか。このままだと、国内他社相手でも後れを取る事になりかねない。
 カルサンe-JESTは、JRバス関東以外のユーザーがいつ、どこに現れるのかが興味深い。

海外バスカタログ 2024→2025
 今号は北米・アジアの車両も掲載されているが、EVバス先進地域と思っていた欧州でさえ、中国車の台頭に苦慮しているそう。アメリカのシティバスはギリグ社が紹介されているが、全幅が2,620㎜でエルガEV(2,485㎜)より13㎝以上広い。日本のバスも、もう少し幅を広くできると、ノンステップ車の開発がもっと楽なんじゃないかと思うのだが(その点で、このモデルの車内の様子も見てみたかった)、道路事情が良くない地域が多いから難しいのか。ドナルド・トランプが仕掛ける「関税戦争」は、バスにも影響を与えてしまうのか(アメリカのメーカーのバスは全部自国内生産のようだから問題はなさそうだが)。

歴史編 時代を駆け抜けた彗星達
 中央観光バスは、現在はZIPANG.S.Sという会社になっているそうだが、公式WEBは7年も前から更新されておらず(ほとんど「工事中」)、現状は正直分からない。こんなデラックス車オンリーを100台以上も保有していたのは、ただ、結局はバブル期末期というタイミングでもあった事も、あったのではないだろうか。ラグジャリーな車両だけで梯団を組むというのは、現代では考えにくいかも。現在、大手事業者の一部に、会員募集の形でデラックス車を用意している所もあるが(西武バス「レグルス」・奈良交通「朱雀」など)があるが、性格は中央観光バスの過去車両とは違うだろう。インバウンドでも特に富裕層にデラックス車のニーズはないのかとおもうが、車両だけでなく、ソフト面で高度な教育が必要になりそうなので、単一バス事業者では困難なのかも。

 これからの1年間は、大阪・関西万博が、会場の内でも外でもバス業界の最大の関心の的となるはずだが、もう一つ、京成グループの大規模再編成が迫っています。来年は京成バス自体が4分割され、来月発足する新会社に組み込まれる、というタイミングで年鑑が刊行になるはずなので、「歴史編」で京成バスが取り上げられると良いと思います。京成車体なども貴重な記録になるはず。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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《What's New》
18日 生活保護費訴訟 札幌高裁 引き下げ取り消し判決 

№2931 バスジャパン・ハンドブックシリーズX115 神戸市交通局・伊丹市交通局

「バスジャパン・ハンドブックシリーズX115 神戸市交通局・伊丹市交通局」は、先月刊行になりました。
 今回はいつになく、データの集計が早く終わりました。両局とも台数はそんなに多くはないし、共に乗合オンリーになっていた事もあります。

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 それにしても、2つの市の公営バスを1冊でやるというのは、意外性がありました。民営バス2社を1冊でやったというのは過去にも何度かあるが、皆、何らかの形で資本的なつながりがありました。一番最近ではV108の「那覇バス・琉球バス交通」があったが、共に第一産業交通の傘下に入っていたし、その前のV106「西日本JRバス・中国JRバス」(中国JRバスは現在はJRバス中国)はJR西日本のバス部門の分社でした。今回の2局は当然資本のつながりなどない、完全に独立した公営交通です。伊丹市営バスは当然初めて。神戸市営バスは、過去には2011(H23)年のR73で取り上げられていた(さらに昔の雑誌スタイルの№7(1988(S63)年)でもあった)が(№463で書きました)、それらの頃より台数がかなり少なくなっていて、1冊まるまる神戸市営のみ、というのは、難しくなっていたのかも知れない。ので、同じ兵庫県の伊丹市営を加えたのではないだろうか。兵庫県は、尼崎・明石・姫路にも市営バスがあり、明石市営バスは神戸市営バスと共同運行も行っていたが、平成の間に3市皆廃止になり、県内の公営はこの2市だけになってしまいました。
 表紙は伊丹市営カラー+神戸市営バスの折衷デザイン。

 神戸市営は、昭和末期の№7時代は魚崎・石屋川・落合・布引・須磨・松原・垂水の7営業所体制で、魚崎には定期観光バス・貸切バスも配置されていた(№7では省略)。R73では乗合オンリーとなり、須磨・布引両営業所がなくなり、中央・西神・有野各営業所を開設。また当時は関連会社の神戸交通振興があり、ポートアイランドに営業所があった。今X115では神戸交通振興がなくなり、市営バスでは有野〔営〕廃止の一方で中央南・清水ヶ丘両営業所が開設。垂水は落合〔営〕の支所に格下げになっている。民営バスへの委託が深度化しているからか、郊外部の変化が大きい。
 伊丹市営は、本局と同居の広畑の1営業所体制。

◆ 現有車両のアルバム・一覧表・車種別解説

神戸市
1. 現有車両485台は、14年前(既に乗合オンリー)の532台より47台、8.83%の減少(他に神戸交通振興13台があった)。№7では定観・貸切含め649台だったそうだから、昭和末期の3/4以下の規模になっている。
 営業所別では、松原〔営〕が105台で全体の21.65%、1/5以上を占めている。本局や地下鉄の和田岬駅、ノエビアスタジアムに近いところで、神戸市で最も賑わっている三宮や神戸あたりからはやや離れているが、それでも中心部の路線が中心になって、便数が多くなる事で台数も多いのだろうか。あとは地下鉄の名谷に近い落合が19.59%、魚崎が16.08%。民営バスとの競合が少ないエリアが、台数が多い。この傾向は14年前とほぼ変わりがない。中央〔営〕は88→50台とかなり減少したが、中央南〔営〕に移った分が多いと思われる。ニュータウンを控えた西神〔営〕が35台(7.22%)と意外に少ないが、民営との競合が多く、面的な展開があまりないためと考えられる。

2. 平均車齢は13.05年と、14年前の6.16年(他に神戸交通振興6.62年)から、急激に経年化している。車齢延長の施策の影響が出ていて、車齢構成はかなりいびつ。2014~2017年の4年間の導入は、2016(H28)年のエルガ・ハイブリッド4台のみ。2013(H25)年もブルーリボンシティ・ハイブリッドとポンチョの合計5台、2018(H30)年もエルガ1台のみ。この期間は、新車導入の空白域になっている。
 年式別で最多は2011(H23)年式の69台で、全体の14.23%、次が2007(H19)年の68台(14.02%)。一方で令和になってから(2019年以降)の新車導入は91台のみ。2021(R3)も導入がなかったから、コロナ禍も影響していたのだろう。松原〔営〕は105台中23台、21.9%と1/5以上が2007(H19)年式。これらの数字だけ見てしまうと、地方の中小バス事業者並み、と言えてしまう。
 営業所別では、清水ヶ丘〔営〕が15.48%と最も経年化している。一番若いのは神戸北町〔操〕だが、それでも10.20年。
 最経年車は、落合〔営〕のエアロスター1台。2001(H13)年式だから、もう四半世紀近く走っている。R73時の車両のうち、299台が現存している(と思われる)。残存率56.20%で、半数以上。ところでこの中で、550号車(2008(H20)年式PDG-RA273MAN)は登録番号がかなり大きく(若く)、一昨年あたりに再登録されたものと考えられる。11年前は508号車だった車両と思われるが、この辺のいきさつについては、記載がなかった(他者様のサイトをいくつか眺めても、この辺の事情を記したものは見つけられなかった)。

3. ノンステップ率は86.19%。11年前は68.23%(他に神戸交通振興15.38%)だったからだいぶ上がったが、90%には届いておらず、他の公営交通と比べたら低い方なのかもしれない。神戸市は山間部の路線が多いためか、2010(H22)年まではワンステップ車も並行して導入していた。垂水〔支〕100%・石屋川〔営〕97.87%の一方、魚崎〔営〕は79.49%と8割に届いていない。六甲の麓を登る路線があるからか。

4. 現在の神戸市営バスは阪急バス・山陽バス・神姫バスへの委託があるが、阪急バスへの委託が183台、全体の37.73%で、1/3を上回る。神姫バスは160台で32.99%とこちらも1/3に近い。山陽バスは21台で4.33%。結局自局の管理は121台、24.99%で、1/4のみ。

5. 2016(H28)年以降の導入は、ポンチョ4台とSORA以外は、全ていすゞ。いすゞ車は全体の44.94%と、半数に近くなった。
 低公害車(純粋なディーゼルエンジンではないバス)は、ハイブリッド車は8台のみと、現代の大都市の公営バスにしては少ない。西神〔営〕5台・松原〔営〕3台。この他中央にSORAが1台導入されたが、CNG車は全廃になり、低公害率は1.85%。
 他社局からの譲渡はない。かつては神戸市営自身が中古車両の供給元になっていたのだが(特にしずてつジャストライン向けが多かった)。

伊丹市 BJハンドブックシリーズでは初だから直接の比較はできないが、伊丹市営バスを取材したバスラマインターナショナル145(2014(H26)年9月)の時点では、乗合90台+貸切(スクールバス中心)5台(3台は市保有)だったそうだから、貸切はなくなったが、乗合車の台数は10年前と変わりがない。
 伊丹市はある程度コンスタントに導入があるが、それでも2008(H20)・2011(H23)・2022(R4)・2024(R6)各年は導入がなかった。一方で2015(H27)年には18台とまとまった導入があり、全体のちょうど20%、1/5を占める。平均車齢は9.00年。最経年車は2005(H17)年のエルガ2台。ノンステップ率100%。
 低公害車は、アルファのEV導入まではなかった。一時は淡路交通からの移籍車両があったそうだが、現在は他社局からの譲渡はない。

 今号では、神戸市営バスに関するコラムのページがある。BJハンドブックシリーズでは初の試み。ボンネットバスと、整備工場。ボンネットバスU-FTR32FBは営業登録されているが、今号のリストには加えられていない。雪対策というのは、よそ者からすると近畿では?と思ってしまうのだが、六甲はそれほど雪が多いのか。

◆ 神戸市バスのあゆみ
 扉写真はJRの神戸駅前で、都市新バスのキュービックが見られる。
 発生から30年を迎えた阪神・淡路大震災の影響も大、だったが、R73以降の14年間では、神戸交通振興が廃業し、「シティループ」も神姫バスに移行して、完全に一般乗合に特化した、という事が大きいだろうか。あとはケーブルカーにアクセスする急行路線の新設、が挙げられるだろう。

◆ 伊丹市バスのあゆみ

伊丹市交通局.jpg
 伊丹市営バスは戦後の開業、という、比較的新しい公営バスで、鉄道は国鉄(→JR西日本)と阪急電車、それに後の阪急バスが市の外縁部を走る以外、市域全体を網羅する公共交通がなかった、という所から始まっているようだ。EVからスタートしたのが興味深い。とはいえ当初のEVは、後のディーゼルエンジン車とは比較にならないほどの性能しかなかったから、すぐさま普及とはいかなかったのだろう(この点でアルファバスのEVの評価は注目されるし、いすゞエルガEVの導入も期待されるのではないか)。

◆ 神戸市バス・伊丹市バスの路線エリア
 神戸市営は、北部の神鉄岡場駅を中心とした有野〔営〕のエリアが全てなくなり、西神地域や谷上付近を除くと、六甲山系より南側のほぼ全域を網羅している。中央南〔営〕は神姫バス委託だが、ポートアイランドの中にあって、路線がない。「あゆみ」では「明石市内から路線がなくなった」と記されているが、朝霧駅は明石市。ここから明舞北センターまでは、神戸市と明石市の市の境を走る事になる(だから以前は明石市営との共同運行だったのだろう)。なお、神鉄沿線を北上する路線(65系統など)が、「のど」の部分にかかって判別不能。この点は何とかして欲しかった。
 伊丹市営は、市域が小さいためか、越境する路線が多い。特に大阪空港へ行く路線は、大阪府豊中市内を経由していく。また塚口駅は尼崎市、中山寺駅は宝塚駅。「あゆみ」でも記されていたが、市営バス以外に市域全体を網羅する公共交通は、存在しない。「独占」とも言い難いが、伊丹市の交通の主力と言える(そしてそのために、市の外へ越境する路線が少なくないのだろう)。
 神戸・伊丹両市の路線はつながっていない。
 
◆ 神戸&伊丹のタイムトラベル
 R73の紀行は富田 康裕氏による、新神戸駅を起終点とした一泊二日の神戸市内一周。
 今回の谷口 礼子さんの紀行は、当然神戸・伊丹両市にまたがるもので、午前中が神戸市、午後が伊丹市。阪急六甲→塚口間は阪急電車でつないでいる(この他、神戸市内のケーブルカーの駅同士を、神戸六甲鉄道のバスで結んでいる)。両市のバスは連絡していないが、この両市は「西国街道」で結ばれていて、伊丹市の昆陽は、その宿場町だったそう。地名だけは聞いた事があった気がするが、県の文化財がある寺や、古びた民家があるようだ。
 清酒発祥の地は伊丹でだったが、内陸だったので、海沿いの灘に後に抜かれる事になったとか。。
 この紀行は10月11日だったそうだが、摩耶ケーブル山上駅が17℃、塚口駅前は26℃か。さすがに山の上は涼しいが、10月半ばで26℃という数字が出るとは、やはり去年の夏は、暑かった…。

◆ 終点の構図
 R73は、山の中の衝原。谷上駅からの路線の終点で、有野〔営〕の路線がなくなった現在では、たぶん神戸市営最北。
 今号は一転して海沿いになり、須磨一の谷は、JRの電車からも見える場所で、操車場然としているかもしれない。加藤氏の故郷は埼玉県らしいが、確かに熊谷市のコミュニティバスには「直実号」という路線がある。意外な結びつきかも知れない。
(ここが旧須磨〔営〕だったのか?)

 神戸市・伊丹市、共に日常的な利用者ではないからどうのこうのは言えないが、神戸市に関しては地下鉄海岸線の開業から既に四半世紀以上経っているし、路線の整理も一段落しているので、当分は現状維持、だろうか。観光路線バスもなくなったし、地味ではあるが、市民の日常生活を支える存在、として今後も位置付けられるのだろう。民営委託が相当進められたが、現在は民営側も公営をこれ以上引き受ける体力がないはずで、運行を支える体制としても、当分はこのままか。神戸市中心部だと新規参入組もある(北港観光バスなど)ので、折り合いをどうつけるか、というのはあるかも知れない。六甲山の北側だと、北神急行が逆に市営地下鉄になったので、谷上での鉄道⇔バス連絡ネットワークの拡充も考えられるだろう。
 車両面では延命の結果相当経年化しているが、いずれEVなどの低公害車の大量導入は避けられなくなるはず。どう動くのか。
 伊丹市も、民営バス(阪急バス)のネットワークの拡大は現状では考えられず(むしろ阪急バス全体で縮小傾向)、引き続き市内全域を網羅する公共交通の主力として、活躍が続くのだろう。こちらもEVバスがさらに増備が進むことになるのだろうか。
 ともあれ、運営形態がどうであろうと、神戸市・伊丹市とも、市民の足として活躍が続く事を、期待します。

 さて、次号X116はまた2市合同で、地元横浜市と、川崎市の市営バスになります。どういうものになるんだろうねえ。
 また、BJエディターズの公式WEBでは、X117は三重交通、そしてX118はまた公営合同で、京都市営と、大阪府の高槻市営になります。公営バスが合同になるのは、規模の縮小の他、単一の型式の台数が多くなり、型式自体の数が少なくなっているからかも知れない(横浜市営も、その典型かも)。しかし、この形態が定着すると、公営だけでなく、規模が小さく、しかも資本のつながりも皆無、あるいはほとんどない民営2社(以前の東武バス・東野交通のような)という形態も考えられ、小さな事業者のデータや走るエリアの姿を、目にする機会が多くなるかも知れない。そうなるのなら、その点では歓迎だろう。BJハンドブックシリーズ自体の今後の展開も、期待されます。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《What's New》
22日 ベルリン国際映画祭 水尻 白子監督アニメ「普通の生活」 銀熊賞受賞
23日 乗馬体験のポニー 大通りを逃走 松山市
24日 大阪マラソン 近藤 亮太 初マラソン日本最高記録更新

 ロシアによるウクライナ侵攻から3年経ち、停戦に向けた「交渉事」が行われています。いろいろ言いたい事はあるが、一言でいえば、「不快」。もしこのまま大虐殺も核の脅しも領土占領も、ロシアが何一つなく責任を負うことなく済まされ、将来の展望もあやふやなまま「停戦」するなら、これまで何年・何十年と地道に行われてきたはずの「平和な世界の構築」の模索が、全く無意味なものになってしまいかねない(「カネが全て」になるから)。加えて、これ誰もあまり口にしていないようだけれど、もしアメリカの後ろ盾でロシアに都合の良い形の停戦となったら、これまで「米vsソ→ロ」の構図を前提にしてきた冷戦構造が、まるっきり変わってしまう事になる。この事、日本の政治家(与党も野党もだ)や平和運動の活動家の方々などは、どう受け止めるのだろうか?
(まあ、トランプとプーチンはデキているからね)

 今日はこの後、昨日ポニーが大逃走劇を繰り広げた松山に向けて出発します。〔サンライズ〕は雪の影響が心配だったのだが(昨日の出発は上下とも運休になった)、今日は運行されそう、なので予定通りに行きます。初めて「ソロ」に乗ります(「のびのびシート」が早々に満席になったので)。

№2914 バスジャパン・ハンドブックシリーズX115 京浜急行バス

京浜急行バス.jpg
「バスジャパン・ハンドブックシリーズX115 京浜急行バス」、10月には発売になっていたのに、大変遅くなってしまいました。既に次のX116が刊行されているのに。
 京浜急行バスは、BJハンドブックシリーズでは1998(H10)年のNEW24(当時は分社前で京浜急行電鉄)、2005(H17)年のR55、2014(H26)年のS84で取り上げられていて、S84については№1231で書きました。今回でシリーズ4度目となります。
 言い訳になってしまうけれど、今X115の掲載分のデータの整理については、去年の内にできていました。しかし、今回はR55、S84の分にまでさかのぼって分析を行ったので、相当遅くなってしまいました。エクセル使っているのだけれど、数式を作るのが結構面倒なので…(毎度の事だが)。
 ともかくサクサク行きます。
 今号からXシリーズ(号数は通算)となり、全ページがカラー化されました。NEW24は表紙以外全部モノクロだったのだから、隔世の感もあります。電子版も発売されているとの事。定価が1,400円になりました(前号V114しずてつジャストラインまでは1,100円)。

 まず、NEW24以降の事業所の変遷をおさらいします。この28年間の変化は大きく、相当な揺り戻しがありました。
NEW24…当時は日本観光興行・東洋観光は含まず、京浜急行電鉄のみ。分社前で大森・羽田・横浜・能見台・追浜・堀内・鎌倉・逗子・衣笠・三崎・久里浜の11営業所体制。京浜島は羽田〔営〕の分車庫、また観光バスセンターが羽田〔営〕に併設されていた。
R55…日本観光興行改め京急観光バスと、東洋観光も加えられた。京浜急行電鉄のバス部門が分離されて京浜急行バスとなり、京浜島は営業所に格上げされ、12営業所体制となった。また、羽田〔営〕の一般の乗合は羽田京急バス東京〔営〕、横浜〔営〕の一部が横浜京急バス杉田〔営〕、堀内〔営〕の一部が横須賀京急バス堀内〔営〕に地域分社(本体の分も受託)。京急観光バスは本社と東京〔営〕(羽田京急バスとは別)、東洋観光は横須賀〔営〕と横浜〔営〕(京浜急行バスとは別)の、各々2営業所体制。
S84…京浜急行バスは高速専門の新子安〔営〕が開設になって13営業所体制。横浜京急バスは能見台・追浜両営業所が開設になって3営業所体制(ただしこの2営業所は貸切のみ)。横須賀京急バスは湘南京急バスに改称した。京急観光バスは廃業。
X115(今号)…分社が全て京浜急行バスに一本化された。京浜島・堀内両営業所は廃止されて11営業所体制(衣笠・久里浜両営業所は移転)。横浜〔営〕が杉田〔営〕と改称。本社が電鉄と同じく、東京都港区高輪→神奈川県横浜市西区高島に移転した。

◆ 現有車両のアルバム・一覧表・車種別解説
1.グループ2社の全体の車両数919台は、11年前のグループ5社計1020台から100台以上、10%近くの減少になりました。20年前のグループ6社合計938台より減少しています。
 特に高速車は247→182台、26.3%と、1/4以上の大幅な減少。20年前と同じ台数です。コロナ禍で夜行路線が全廃し、昼行路線も路線の廃止や休止・減便が相次いだ結果でしょう。
 乗合車は646→626台と、20台の減少に留まった。。20年前は621台だから、横ばいの傾向は変わっていないよう。
 貸切車は、京急本体は16台だが、オープンTOPバス新旧2台にポンチョ・エルガ、コースターも入っていて、純粋な「観光バス」タイプは5台。うち4台は高速車の転用で、最初から観光バスとして京急バスに入った車両は1台のみと思われます。東洋の26台は、11年前の81台から大幅な減少。1/3以下です。
 特定は、11年前は東洋の1台しかなかったものが、今回は京急18台・東洋51台あります。京急バスは企業送迎、東洋はスクールバス(特に特別支援学校)が主な役目と考えられる。東洋は、全体は77台で11年前の82台からは微減にとどまっている。ので、貸切の需要が減少したというより(むろんそれもあろうが)、貸切の登録を特定に変更した車両が多くなった、という事ではないだろうか(11年前は、スクールバスの大半が貸切登録だった)。

 会社内の用途毎の割合は、京急バスは乗合74.35%・高速21.62%・貸切1.90%・特定2.14%。11年前は(分社3社も含めて)68.87%・26.33%・4.80%・0%だったから、高速の割合が落ちている。東洋は貸切33.73%・特定66.23%で、2/3が特定。両社を合わせると、乗合68.12%・高速19.80%・貸切4.57%・特定7.51%。東洋の特定事業が、京急バスグループ全体でも、ある程度事業の大きな柱になっている。

2.用途別に各々の事業所を見ていきます。
 京急バスの乗合は、大森〔営〕が90台と最も多く、京急バス全体の15%近くを占めています。ただし11年前は99台だった。最少は杉田〔営〕の33台で多少意外にも見えるが、全路線が横浜市内均一区間で、横浜市営バスと被るからだろう。移転した上で堀内〔営〕を統合した久里浜〔営〕が88台と、20台の増加(ただし11年前の堀内〔営〕+湘南京急バス堀内〔営〕+久里浜〔営〕は109台だった)。
 東京都の2営業所合計の乗合の割合は25.08%、神奈川県の8営業所(新子安〔営〕は乗合車なし)の乗合の割合は74.92%。20年前は東京:横浜は26.09%:73.91%、11年前は26.16%:73.84%なので、おおよそ1:3の構図は、ほぼ変わりない。
 京急バスの高速は、京浜島〔営〕が廃止になった一方で、杉田〔営〕に高速車が配置になった。鎌倉・逗子両営業所の配置がなくなっているが、路線廃止のほか、杉田〔営〕への移管があるだろう。5営業所に配置されているが、最も多いのは新子安〔営〕の91台で、高速全体の半分以上になった。
 貸切車は、京急バスは大森〔営〕以外に最低1台は配置されている。羽田の4台が最も多い。東洋は横須賀〔営〕11台・横浜〔営〕15台と、横浜〔営〕の方が若干高い。ただし、11年前は横須賀〔営〕27台・横浜〔営〕54台でちょうど1:2の割合だった。
 特定車は、京急バス・能見台〔営〕の8台は全てコースター・ローザの「マイクロバス」で、皆いわゆる「幼稚園バス」のようだ。羽田〔営〕の7台は、京急EXイン送迎以外は、企業送迎だろうか。

3.京急バスグループにおけるコロナ禍の影響は、車両の導入台数に如実に表れています。特に2021(R3)年の導入は東洋の貸切2台のみにとどまっており、2022(R4)年は9台、2023(R5)年は17台、2024(R6)年は37台、この4年間の導入台数は65台で、グループ全体の7.07%にしかならない。高速車は2021(R3)年以降導入なし。従って、平均車齢にも大きく影響してきています。
 乗合は9.31年。11年前は6.16年だから、3年以上も延びている。羽田〔営〕が7.58年ととびぬけて若いが、一昨年・去年で羽田空港内ターミナル循環用エルガ・ハイブリッドを計5台導入している事が大きい(脱線するが、ターミナル内循環が乗合登録とは思わなかった。無料で乗れるので貸切登録だろうと思っていたのだが)。次が杉田〔営〕の8.61年。他は皆9年以上で、最も経年化しているのが追浜〔営〕の9.61年。年式別では2016(H28)年式が55台、2017(H29)年式が53台で、この両年の合計で、乗合車全体の17.26%になる。最経年は2008(H16)年式だが、32台(5.11%)残っている。
 高速車も9.19年となり、11年前の6.45年から相当経年化した。4年も新規導入がなかったら当然か。大森〔営〕が10.20年で、一般の乗合車より高齢化している。最も若いのは杉田〔営〕の9.03年。羽田に在籍する2009(H21)年式のエアロエースが最古参だが、2010(H22)年式が20台も残っている。2018(H30)年式がやはり20台・2019(H31~R元)年が19台あるのだが。
 貸切車は一般の乗合車・高速車からの転用もあったりして単純には比較できないが、京急バスは12.81年。三崎〔営〕に残存していた先代オープントップバス(1993(H5)年式)を除いた最古参は、杉田・鎌倉・逗子各営業所に1台ずつ在籍する2008(H20)年式(全てポンチョ)。東洋は6.62年と若いが、横須賀〔営〕5.18年に対して横浜〔営〕が7.67年と、両営業所間で2年以上差がついている。横浜〔営〕に在籍する2007(H19)年式のスペースランナーが最高齢(元京急の空港車)。
 特定車は京急バス11.00年・東洋9.94年。東洋の横浜〔営〕に在籍する、2006(H18)年式のエアロスター2台が最高齢。

 この結果、11年前のS84に掲載された1020台中、少なくとも343台は現存している(11年間で京急→東洋に転籍した車両は数えなかった)。1/3は未だ残っている事になります。

4.乗合車のノンステップ率は90.26%。20年前は14.81%、11年前は67.49%でした。羽田・杉田両営業所が100%達成。能見台〔営〕も98.00%(非ノンステップ車はリフト装備のリエッセ1台のみ)。逆に三崎〔営〕が64.58%、逗子〔営〕が67.24%と1/3前後で、この両営業所だけ、90%に達していない。

5.今回気が付いたのは、希望ナンバーの登録番号が多い。特に78台が「2020」(本来の東京オリンピック・パラリンピック開催年)をつけていて、全体の8.48%に上る。また、杉田〔営〕の乗合車4台は「2019」(ラグビーW杯の決勝が横浜で行われた年だろう)。オープントップバスの「2100」は、電鉄の快特車2100形から(東洋は社番をそのまま登録番号に使用)。
「けいまるくん」ラッピング車がなかった。羽田〔営〕は終わったけれど、杉田・衣笠両営業所はまだ運行があるのだが。
 R84の時には、「日産ディーゼル車は次回刊時には全滅しているだろう」などと書いてしまったが、今号では21台残っている。うち20台が能見台・追浜〔営〕の乗合車なので、狙って乗りたいなら、電車の能見台~追浜の各駅あたりへ行くのが狙い目、か?

6. 低公害車は、ハイブリッド車37台で、乗合車全体の4.39%。うち12台は、羽田〔営〕の羽田空港内ターミナル循環車。それ以外では衣笠〔営〕に11台在籍。他にEV4台、FV2台。
 グループ外からの中古導入は、先代オープントップバス(はとバス)のみ。

◆ 京浜急行バスのあゆみ
 トップページの画像は、鎌倉駅前。駅舎も改築前。駅前を出発しようとしている富士重ボディのいすゞ車の行先は「九品寺〇〇循環」と記されている(○○の部分は読み取れなかった)。
 S84以降の11年間に限ると、東洋観光以外は京浜急行バスに再度一本化されて、京急に限らないが、この手の、本体の運行も一部受託させるタイプの分社化は、もう終焉と言って良いでしょう(今年に入ってからも、この後神奈中バスが再度一本化される)。やはりコロナ禍は痛かった。特に高速は夜行と羽田空港発着でかなりの割合を占めているだけに、ダメージはひょっとしたら、他社以上だったかもしれない。夜行はコロナ禍の前よりすでに退潮の傾向にあったが、それにしても高速バスブームの到来を決定づけた〔ノクターン〕があっただけに、寂しいものを感じずにはいられない。
 オープントップバスはヒットになった。「密」がないだけに、今後も期待が持てるのでは?コロナ禍の最中に、横須賀駅~観音崎間で高速車(減便で余剰になっていたのだろう)を使用した観光路線バスの実証運行が行われたが、これについては記されていない。あるいはこのルートにもオープントップバスなんて、アリかも知れないのでは?

◆ 京浜急行バスの路線エリア
 基本的には、東京都は品川区・大田区の、JR京浜東北線の東側。神奈川県は横浜駅より南で、「網」として展開されるのは、上大岡駅付近の他は、JR京浜東北線より南側から三浦半島全体、という事になるだろうか。ずっと変わりがない。NEW24の時点では、大森から池上を経由して田園調布へ行く路線もあったりしたのだが。
 全体的には、11年前の路線網はほぼ維持されている。東京側では、多摩川を渡って横浜市鶴見区のJFEへ行く路線、海底トンネルを経由していたお台場への路線がなくなってしまったが、一方で多摩川スカイブリッジを渡った大師橋駅への路線が新設になっている(羽田空港第3ターミナル発着で、臨港バスとの共同運行路線)。

◆ 東京湾岸バス散歩
 NEW24・R55の紀行は種村 直樹氏、S84は谷口 礼子さんでした。谷口さんは2回目。
 前回は大森駅を起点として、途中羽田空港→鎌倉間の高速バス(現在運休中)でつないで三浦半島の西側を乗り継ぎ、城ヶ島を終点とする、1泊2日の行程でした。
 今回は横浜駅から浦賀駅まで、三浦半島の東側をたどる日着の行程。全体的には、R55の種村氏の紀行(2日目)と同じようなルートになっていました。ただ、「三笠」には乗船していないようだ。種村氏は乗船し、「思ったより小さかった」と感想を記していた(私も5年前に、アニメのコラボ企画で乗船した事がありました)。
「ペリーの絵はどれも鬼のよう」という表現は笑った。現代に置き換えれば宇宙人のようなものだったのだろう、という分析。
 4系統は中乗り・後払いになっていたのか。この系統は110系統共々20年近く前は横浜市営バスとの共同運行で、横浜市営と合わせて、多区間ながら前乗り・先払いだった(横浜市営バスが横須賀市に乗り入れていた)。4系統は2007(H15)年の市営バス撤退で、京急バス単独運行になっていた。その時点では前乗り・先払いだったはずで、恥ずかしながらいつ変更になっていたのかは、探してみても見つからなかった。
(横浜市内均一区間は、3月18日から240円に値上げ)

◆ 終点の構図
 NEW24は観音崎自然博物館(横須賀市)、R55は浜諸磯(三浦市)、S84は柴町(横浜市金沢区)でした。柴町の路線延伸は、行われていない。
 今回から再び、最終ページになった。この方が「終点らしい」。
 過去3回は神奈川県だったが、今回は初めて、東京都になりました。でも大森東五丁目へ行くバスって、こんなに少なかったっけ?大森駅へ行く〔森27〕、蒲田駅への〔蒲67〕系統、どちらも日中は60分間隔でしかない(どちらも平日・土曜日・休日同じ時刻)。昔のダイヤは覚束ないが、やはりドライバー不足の影響が出ているのだろうか?
 東京都内の海というと破壊された自然、という固定観念を抱いてしまうのだが(すぐ近くに物流基地や羽田空港があるし)、海浜公園は八潮などにもかなりあって、千葉県側の谷津干潟とかは代表的だし、大げさなリアクションは起こさなくても良いと思うが、大事にしていきたい、とは感じます。

「Vシリーズ」にあった「○○の走る道」はなくなりました。

 京浜急行バスの今後は?となると、まずはどうしても、ドライバー不足を何とかしなくては、という事になるのではないか。既にコロナ禍の前から磯村 勇人を起用してまで同業他社以上の大々的な募集をかけているのだが、どうも実を結んでいないようだ、というのが実感。空港バスも明らかに需要が回復しているのに、海老名線や港南台・戸塚線の廃止があり、前述のように鎌倉・藤沢線は去年の3月からもう1年近く運休が続いている。当然一般路線バスも同様で、特に大船・鎌倉からの路線は系統の廃止があったし、大幅な減便もあり、江ノ島への乗り入れが、土休日のみ鎌倉駅発着2回にまで縮小してしまった(湘南モノレールや江ノ電バスの存在もあるが)。それでなお運行の維持は綱渡りで、コロナ禍の頃は衣笠〔営〕などで突然の間引き運転まで発生してしまった。特に三浦半島はほぼ京浜急行バスの独占なので、一刻も早く安定した、少なくともこれ以上の減便はせずに済む体制を、早急に整備したい。
 R84の時には、「人口減少が続く横須賀市は、何かしらの影響を与えるのか」と書いたが、久里浜〔営〕の移転と堀内〔営〕の吸収は、それを見据えての事だったのかもしれない。ともかくもしばらくは現状のスタッフの規模で、運行の規模を維持か。そのうえで、(過去を含めて)紀行でも触れられていたように、三浦半島各地域は観光資源が結構あり、今の所インバウンドもそれほど多くない「穴場」もありそうなので、電鉄や関係自治体も交えて、観光・行楽客誘致に努めたい。これは自治体の側も、公共交通優先で考えて欲しい。三浦市ではライドシェアも始まっているが、タクシーの補完の意義は認めるとしても、やはり緑ナンバーのバス・タクシーを中心に据えるべき。
 夜行から撤退した高速は、ここもまずはドライバーの確保、から始まるのではないか。運休の路線を早急に再開させた上で(羽田空港~鎌倉間などはインバウンドの利用が相当見込めるはずだし)、新規展開、在来路線の再編成を進める事になるのではないか。新規展開、という意味では、羽田空港が絡まない路線が多くない(近年はアクアライン経由で品川・神奈川⇔千葉県各地を結ぶ路線もあるが)のは、航空需要に左右される部分が多くなるので、不安要素かも知れない。
 R84の時と同様、ロケーション的には他社以上に恵まれている面もあるので(東京・神奈川の事業者では数少ない、自治体主導のコミュニティバスの受託が全くない事業者だ)、うまく生かしたい。そのためには、しつこいけれど、ドライバーなどスタッフの充足、が早急に求められるだろう(バス事業者だけでは限界の部分も多々あるのだが)。ともかく次の10年、反転攻勢に期待したいと思います。

 さて、既に今年になって刊行されているX116は、神戸市交通局と伊丹市交通局が一体になりました。当然民間企業のような直接・間接の資本のつながり、みたいなものがなく、初のケースになります。神戸市営は14年前のR73で取り上げられているが(さらに雑誌スタイル時代のバス・ジャパン№7でも)、伊丹市営は完全に初めてになります。小規模な公営事業者が対象になるとは思っていなかったのだが、神戸市営も規模を縮小していて、2市合わせてちょうどいい、という判断でしょうか。尼崎・明石・姫路の市営バスは廃止になって久しく、この2市が兵庫県の公営バスの全てになりました。早速サクサクデータ整理に入らないと。
 さらにX117は横浜市と川崎市が一体、その後の予定はBJエディターズのWEBにあるが、X118は三重交通単独、そしてX119は京都市と高槻市が一体、と予告されています。公営バスは大都市でも規模が縮小しているし、車種数も少ないので、単独では刊行しづらいのか。ともあれ、情報が少ない地方都市のバスが取り上げられるなら、これは歓迎すべき事でしょう。民営も含めて、今後のXシリーズの展開が注目されます。
(となると、大阪シティバスをやって欲しいかも。大阪市営バス時代のR66から16年経っているし、EVの大量導入やオンデマンドバスなどの動きもあるので)

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《What's New》
26日 岐阜県知事選挙 新人江崎 禎英氏初当選 投票率36.21% 過去2番目低投票率 
27日 JR九州高速船 2月28日付事業廃止を発表
28日 ヤクルトスワローズ「つば九郎」 年俸6万円+商品飲み放題で「契約更改」
 八潮市の交差点の道路陥没は、まずはとにかく、ドライバーが無事に救出されて欲しい。下水道管の破損が原因だそうだが、2022(R4)年は陥没事故が全国で2,600件発生しているそうで、決して少なくない。怖いなあ。東武バスがかなり影響を受けているそうで、早急に回復して欲しいのだが、長引きそうだなあ。

№2902 バスラマインターナショナル207(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル207」、年末に発行になりました。
 まず、目次の隣の和田編集長のメッセージの後半のバスドライバーのリアクションの話、少々耳が痛かった。いや無論私自身、ドライバーや乗客(高速バスのインバウンドとかは逆に手を振ってきたりするけれどね)など被撮影者のプライバシーには配慮し、バスに限らないがブログや本体に画像を上げるときにはボカシの加工を入れたりするが、実際、とある地方のバスターミナルで、休憩中のバスからドライバーが降りてきて、小言を言われた事がある、経験が確かにありました。バスに限らず、十分に注意したい(航空だとCAの写真を撮ったりしないで、と言っていますね)。

各地の新車から
 JR九州バスの国鉄バス色、いいなあ!改めて、昔の国鉄バスのデザインはシンプルだったなあ、と感じる。「国鉄」の2文字のフォントも。

バス事業者訪問259 北海道拓殖バス
 拓殖バスは初。利用状況などのデータはなかった。
 路線図は掲載されているが、範囲は広大であるものの、ほとんどは帯広市とその郊外で、あとは新得にいくらか路線があるものの、北部に向かう路線が数本あるだけ(トムラウシ温泉は夏のみ)。上士幌へ行く路線は直線が恐ろしく長くて、北海道の平野らしい。バスラマ誌掲載分では分かりづらいが、路線図には沿線の名所・施設等の記載もあって、新得の近くには「『なつぞら』ロケ地 しばた牧場」の文字も確認できた。ただし、一番近くを走る上佐幌はスクール便のみ。全体的には、根室本線より北側。十勝バスも一部北側に路線があるが、
 QRコード決済を導入しているようだが、やはり拓殖バス、あるいは(十勝バスも含めて)帯広程度のエリアだと、ICカードの導入は難しいのだろう。ここに限らず、QRコード決済は、小規模な地方都市に向いているのかもしれない(一方で帯広駅バスターミナルでは、目的地を手書きで記す乗車券を発売しているそうだ)。
 都市間バスは、〔ノースライナー〕増便の理由が記されていなかった。根室本線・富良野~新得間廃止のためで、途中落合など旧鉄道の駅に対応したバス停の設置もあったが、利用状況はどうなのか。多分取材時期は増便(根室本線廃止)から半年は経ち、夏の観光シーズンを過ぎたあたりだと思うが、鉄道代替のニーズは、あったのだろうか。
 シイタケ栽培の話もあったが、まあ、この程度の事業者が今後も恒常的に安定した経営をしたいのなら、可能な範囲で業務範囲を広げる事も必要になる、という事だろう。
 旧塗装復刻車はここでも興味深いが、一般路線車の現行のカラーリングは、関東バスから派生してアレンジした赤系、という事で良いだろうか?「アーカイブス」で掲げられた白・赤・黒の3色は、もうないのだろうか。

バス事業者訪問260 大分交通

大分交通.jpg
 こちらは、2006(H18)年の94号(この時は鹿児島の南国交通と抱き合わせ)以来2回目。
 こちらも、利用状況のデータはなかった。
 路線図概要は、94号当時のものをそのまま再度載せているという事。エリアは基本的には、JR久大本線より北側。大分バスは南側が中心のようだから、別府付近の亀の井バス共々、棲み分けはうまくできているようだ。中津や日田は福岡県に近く、特に中津は北九州の通勤圏にもなりうる場所だが(つい最近まで西鉄バス路線があったくらいで)、大分県の外に出ていく路線はない。
 大分空港で復活するホバークラフトは、大分バスとしてはかなり警戒しているようだが、就航が延期になっていて、運行会社(第一交通産業)は今年中に、と言っているよう。
 「上国東線おでかけ号」は週1日1往復半、土休日運休まではまだしも、週1日となると、本当にヨソものはほぼ利用は不可能、地元住民の特定の用途(通院など)に特化した形態、と考えて良さそうだ。と思っていたのだが、沿線ではご当地ヒーローやカフェの「おもてなし」もあるそう。別に国東市の公共交通についての市の幹部の発言もあるが、過疎地域への路線の確保に関わる苦悩は、どこでも同じだ。
 大分交通はかつては大阪への夜行路線もあり、今でも路線そのものは近鉄バス単独で運行されているが、ラッピング車にも描かれているフェリーの就航もあると、所要時間や運賃はバスとほぼ同じ程度なので(港からの二次アクセスの問題はあるが)、バスは苦しくなるのかもしれない。

第10回バステクin首都圏 開催
 今回も出展車両は、中国資本のEVが中心になったようだ。ただ、仕様はバラエティが出てきた。大阪開催の時にも書いたが、車両そのものもいいが、昨今のドライバー不足を考えると、ドライバーを支援するシステム(特にソフト面)がもっと進化しなければならないかも知れない。拓殖バスで「スターフに経路を表示させたい」というコメントもあったし、タクシー会社ではカーナビ搭載をドライバー募集のためのツールとしても活用している。バスにもそのような発想があっていいはずだ。

 海外のバス記事で、香港の歴代バスのパレード走行というのは、日本でもあってよいのではないか。台湾の空港バスでは、以前京成スカイライナーの広告をラッピングした車両を見かけたが、今はあるのかな?
 国内ニュースで、神奈中バスの深夜急行バスが正式に廃止になった一方で、京成バスや東武バスは再開したと記されているが、関東地方では、神奈川県はほぼ全部なくなった一方で、千葉や埼玉へは運行の復活もある。西武バスは廃止になったが、同じ関東地方でも、深夜の需要の動向には、違いが出てくるのだろうか?あとは、キャッシュレス運行の実証実験の拡大が続いているよう。

 次号は伊予鉄バスと、関連しているだろうEVM-Jのレポートもあるようだが、エルガEVデビューの一報はあるのか?

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《What's New》
 5日 豊洲市場初競り 大間のマグロ2億700万円 21世紀の最高値
 6日 日経平均株価 39,307円5銭 500円以上値下がり

№2901 バスマガジンvol.127 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.127」、去年の12月20日には刊行になっていました。
 表紙の岩手県交通バス、走り出したばかりのBYD K8だが、なーんとなく合成写真に見えてしまうのは、単なる気のせい?

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.127 岩手県交通
 意外にも、岩手県交通は初めて。もっと前にやった事があったような気がしたが、中古車のコーナーで結構掲載があったからだろうか?
 大型は1982(S57)年が新車導入の最後になっていた、とは、2014(H26)年式エルガは、実に32年ぶりの大型新車導入だった。国際興業系だったので今でもいすゞが主力、キュービックも相当数あるが、自社導入は1台もなかった事になる。エルガもモデルチェンジして久しいが、エルガミオを含め、新規購入は今後もあるのだろうか?
「日産ディーゼル車は4台だけになった」と記されているが、そもそも日産ディーゼル車が存在する事自体、昔を思えば隔世の感。日野+西工も。

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 国際興業統一色になる前のこのカラーの車両はある程度撮っているが、最近は県交通バス自体、撮影の機会を作れていないなあ。このカラーは元相鉄バスで復刻しているらしいが、それより以前、岩手県交通が成立する前の各母体事業者のカラーを復刻して走らせたら、面白いのではないかと思う(私は旧県南の日野の現役時代を見た事があるが、年齢がバレるか?)
 歴史的にはやはり、その県交通成立より前の混乱が痛いなあ、と思う。しかし、この後の親会社の国際興業自体が雲行きが怪しくなって「国際東北」となったというのは、地方都市のバス事業者が自立してやっていくのは、昔も今も困難な事なのか、と改めて思う。
 夜行高速バスは、一番需要が多いはずの東京~盛岡線の休止が続いているが、需要が多いゆえ他にも同区間を結ぶ夜行バスがたくさんある(JRバス東北・岩手県北自動車・その他新規参入組)事も、一因なのだろうか。「高速バスブーム」初期の路線ゆえに、少々寂しくも感じる。

バス作りの新勢力から
 オノエンスターの9m車は、路線車は去年の広島で走り出したが、特定車としては、どの程度需要があるだろうか。45人乗り、というのは、地方都市だといいかもしれない。運行範囲が限られているので、充電作業もあまり問題はないだろう。ただ、オノエンスター全体で言うと、特に乗合車の導入が、あまり進んでいないような気がする。特に大型はまだ実績がない。BYDやアルファ、EVMが勢力を伸ばしている中で、どのように市場に食い込もうとしているのか、その戦略もそろそろ聞きたい気がする。

バスドライバーの道
「どらなびEXPO2024」。どの会場も、だいぶ広範囲にバス事業者が集まってきていて(関西会場で京急バス・臨港バス、東京会場で北海道の事業者数社など)、どこも大変だなあと思う。ところで、三会場とも京成トランジットバスの名前があるが、今年4月1日には合併で「京成バス千葉ウエスト」となる。一般向けリリースは11月1日だったが、関西会場開催前の9月25日には、京成電鉄のIR企業情報で概要が公表されていた。これに関して来場者の反応はどうだったのだろうか。ひょっとしたら質問も出されたのかも知れないが、その場合は、事業者側はどのような対応をしたのだろうか?
(今月25日には京成バスの営業所見学ツアーが開催されるらしい。京成バスも来年には分割・地域会社に吸収となるが、どのような反応があり、どのような応答がなされるものだろうか?)

鈴木文彦が斬る!バスのいま
 自動運転。その技術よりも、同じような「実証実験」が各地で展開される事で進化が止まってしまうのではないか、という危惧が本筋の主張、と読めた。このテキストは伊予鉄バスの「レベル4」自動運転の営業開始より前に作成されたもののようで、いよいよ実用化段階という事になるが、その点は触れられていない。まだ海のものとも山のものとも分からない自動運転だが、一般の路線バスの運行そのものが綱渡り的な状況に陥っている現実を見れば、自動運転そのものは、もはや全否定はできないだろう。誰かが強力に音頭を取って、自動運転の進化を図る事を考えるべき、という事だろうか。

終点の情景を求めて
 京都京阪バス(旧京阪宇治交通)の猿丸神社。月例祭の日の便は、京阪バスの「京阪グルーバスナビ」では検索できなかった。平成の初期の頃はここからさらに石山まで路線がつながっていて、夏シーズンの土休日のみ、宇治~石山間で直通運転を行っていたようだ(京阪バスとの共同運行だったらしい)。猿丸神社から歩いて行くと、(どのくらいかかるかわからんが)京阪バスの小田原終点に抜けられる。ただし小田原からの路線は、現在は土休日の運行がなくなっている(平日3往復)ので、「やんたんライナーコネクト」とセットで利用するのは不可能。

平成初期のバスを振り返る
 コトデンバス。私が高松を訪れたのは平成の世になって間もなくとかなり遅かったのだが、皆「TBK」「TKR」色だった。コトデンバス成立時も、成立後も、自立した経営は困難を極めていたようだ(それは岩手も香川も同じか)。なお系列で、今は貸切専業になった徳島西部交通があり、旧琴電バス・高松バスの色違い(エンジ)で「TSK」と書かれたエアロミディが13年前まで、徳島県の穴吹から高松へ乗り入れていた。確かに現代は高松駅付近も再開発が行われて(駅自体も若干移転)、高層タワービルも建っているし、平成初期当時の面影は、バスそのものも、その沿線もほぼなくなった、と言って良いだろうと思う。

 大阪・京都~新潟間〔おけさ号〕は去年の3月いっぱいで休止(廃止とは言っていない)になっているが(運休になっていた)、南海バス・越後交通の堺・大阪・京都~柏崎・長岡・東三条線は運行を継続しているのでやや?な気がしないでもない。が、ここでもドライバー不足が頭をもたげていたのだろうか。これも「高速バスブーム」初期の路線なのだが。

 次号は「相鉄バス」と「エルガEV」か。エルガEVの第一号は相鉄バスになると思っているのだが、その関連だろうか。また予告にはないが、前述した京成グループのバスの再編成の直前なので、関連した記事が掲載されたりするのだろうか。

当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 今日は京急の沿線で火災があって、人的被害がなかったのは幸いだったが、踏切そのものが焼けちゃって、夕方まで不通になっていたそう。年末年始の休みが終わって、特に羽田空港から帰宅だ、という人々が多かったはずなのに、とんだ災難だった。結局、どういう火災だったのだろうか?全国的に去年から火災が多いですねえ(今日は他に船橋と埼玉県三芳町で火災が発生している)。
 一方で青森は雪が大変で、酸ヶ湯温泉付近は積雪が4m近くなったそう。2日は空港ターミナルが一時停電で航空便にも影響が出たそうだし、JR奥羽本線は倒木の影響で、大館~弘前間が当面の間不通になるとアナウンスされています(〔スーパーつがる〕は東能代~弘前間、〔つがる〕は大館~弘前間で運休)。五能線は、明日は走るそう(〔リゾートしらかみ2号〕は運休)。

《What's New》
 4日 伊勢神宮 三が日参拝者754万1762人 5.1%増の発表

№2872 バスラマインターナショナル206(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル206」、今号は若干発売が早まっていたが、こちらが遅くなってしまいました。

各地の新車から
 JRバステックのアストロメガは、後部の英文社名のみ「KANTO」→「TECH」としている。ハイデッカー車も今後は変わるのか?

カルサンe-JEST@伊那・那須塩原
 まずバスそのものとは直接関係なくなるが、那須塩原市市長の渡辺 美知太郎氏、どこかで聞いたような名前だなと思ったら、やはり、外務大臣などを務めて、「ミッチー」などと呼ばれた、渡辺 美智雄氏の孫だそうだ。「保守分裂」となった5年前の選挙で初当選していて、現在は2期目。
 伊那市と那須塩原市は、JRの社号ではL130-24001・24002の連番になっている。どちらも、ドアが204号時の試乗車から変更になったそうだ。
「イーナちゃんバス」は、伊那市の公式WEBでは、実際の運行事業者の記載がない。JRバス関東が外回り、伊那バスは内回りらしい。外回りは20分間隔(内回りは40分間隔)と、地方都市にしては結構本数が多い。伊那市の白鳥市長は他もEV化したい意向のようだが、では伊那バスでも導入が期待できるのか。
「ゆ~バス」は西那須野駅付近に数路線、塩原温泉でも1路線あるが(他に黒磯駅付近にも路線があるが、やしお観光バスが運行)、どの路線に入るかは記されていなかった。西那須野駅を中心に運行されるのだろう。
 現在のJRバス関東は他にもいくつかコミュニティバスを運行しているが、今後これらの地域にも導入があるだろうか。JRバス関東に続く導入事業者がどこか、も注目される。

各地の電気バスの新車から
 注目されるのは、とさでん交通のEVMジャパンの9m車、だろう。と思うが、肝心のとさでん交通の公式WEBでは、導入に関するリリースは確認できなかった。京王バス共々、それまでのディーゼルバスと同じカラーをまとうEVが増えてきた(のは、個人的には良い傾向だろうと思っている)。

バス事業者訪問258 北アルプス交通事業部

千葉交通.jpg
 千葉交通は21年前、2003(H15)年の77号で取り上げられていました(当時はほとんどが白黒ページだった)。
 この当時の乗降人員は、1992(H4)年は一般12,567千人・高速183千人だったのが、2002(H14)年に一般6,490千人・高速577千人と一般はほぼ半減、高速は約3倍になっていました。それが今号では、2016(H28)年は一般5,849千人・高速1,126千人で、コロナ禍を挟んだ2023(R5)年には一般5,502千人・高速538千人で、一般はコロナ禍で落ち込んでいた分をある程度取り戻しているが、高速はほぼ半分になってしまって、2002(H14)年をも下回ってしまいました。
 路線概要を見ると、一般路線は、77号(代替・自治体路線を含んでいる)との比較で、大幅に減ってしまっている。77号の時点では利根川を渡って茨城県(突合)に入る路線もあったほどなのに、今は成田・銚子さえ路線が大幅に減って網が荒くなっているし、9月末をもって、成田側と銚子側のつながりがなくなってしまった(ここでは記されていなかったが、小見川~旭路線も、土休日は運休になっている)。高速バスが一般路線を代替しているらしいが、ハイデッカー車では、バリアフリーという点ではどうか?(千葉交通に限らない)。多古〔営〕へ行く一般路線は1本しかないが、代替が配置の中心になっています(一般の乗合車は2台のみ)。
 成田付近では、2010(H22)年の京成スカイアクセス開通で成田湯川駅に接続する事になったが、利用には変化が起きたのだろうか。
 ドライバー不足についても触れられているが、従業員数は(ドライバーだけではないはずだが)、77号時点では400人台で推移していたが、2016(H28)年は379人、去年は303人で、30年で1/3以下になってしまった。路線数が減っている事もあるが、高速路線は増えているのに、と思っていたが、高速路線も運休が多い(千葉交通のみ運休している路線もいくつかある)。ドライバー不足の影響か。そんな中、10代のバスドライバーが誕生したそうで、希望の星となるだろうか。
 車両面では、高速車の旧塗装復刻車、撮りたいなあ。なお、この20年の間で、2014(H26)年に100周年記念でボンネットバスが記念運行を行ったが、それについては一切記載がなかった。

 さて、京成電鉄は、グループのバス事業の全面的な再編を発表しました(この本文中では一切記されていなかったが、発表前の取材だったようだ)。9月25日発表になっていたのだが、京成電鉄の一般の利用者向けのリリース等では、この時点では発表されていなかった。「IR/会社情報」でリリースされていたが、なので、実はこの再編計画については、このバスラマ誌で初めて知りました(その後11月1日になって、一般にもリリースされている)。千葉交通は、千葉中央バス・成田空港交通・ちばフラワーバス・ちばシティバス・ちばグリーンバスと共に、京成バス千葉イーストに継承される計画です。計画通りいけば、「京成バス」の名が入った社名のバスが、東京都の東部~千葉県北部全体の、相当な広範囲を走る事になるわけです。
 この他、タクシー事業(一般向けのリリースは出ていない)及び茨城県内の再編もリリースされていたが、千葉交通の路線の一部を引き継いだ京成タクシー成田は、他2社と合併して京成タクシーイーストとなります。バスはどうするのだろう?京成バス千葉イーストに譲渡になると思うのだが。
「STEP1」が実施される来年4月1日は、新京成電鉄が京成電鉄に吸収され、同社の松戸線となります。京成グループ全体で、交通部門の大激変が行われる事になります。おそらく、「STEP1」の時点で、バスラマ誌でもある程度特集記事が組まれる事になるでしょう。

短期連載 カタログで偲ぶ“平成初期”のバスたち⑧

エアロスターM.jpgエアロスターK.jpg
 三菱ふそうのエアロスター。ポピュラーな存在で日本全国どこでも見られたと思うが、純正車体に関しては、関東を中心とした東日本ではKが、西日本はMが比較的多かったような気がする(京成や江ノ電などは富士重だったり、西日本では西工も多かったが)。そんな中、東京都営バスはMとKを並行して導入していたが、そのような事業者は、他にどれほどあっただろうか?
 いすゞに続いて日野も「ブルーリボン Z EV」(エルガEVと同型だが)の発売を発表した今、三菱ふそうもそろそろ、バスのEV化についての解答が求められているのは、確かに事実だろう。ダイムラーや日野などとの協業の動向にも拠るだろうが。

 ウィラーの「ハイウェイパイロット」育成プログラムは、ドライバーの地位の向上という意味で良い動き、となろうが、やはりバス事業者・業界のみでは限界があるだろう。何度も書いているが、道路交通上のバスの地位の向上が何より必要で、国や自治体の意識がはっきり変わってもらわないと。はっきりマイカー優先になってしまっている現状では(日本は個人主義が蔓延、という所も反映されている部分もあろうが)、やはりドライバーの確保は、簡単ではないのではないか。

 さてそろそろ、国産EV導入、というニュースは、次号あたりで出てこないだろうか?

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 JR東日本は昨日、来年より首都圏各路線で順次、ワンマン運転を開始すると発表しました。来年春(たぶんダイヤ改正時)より常磐線各駅停車と南武線(本線)、再来年には横浜線、以降山手線・京浜東北根岸線・中央総武線各駅停車、埼京線(相鉄直通含む)で導入するとしています。一方、京王も同日、井の頭線でワンマン化に向けた自動運転の実証実験と、京王線ではホームドアと自動運転設備の導入を発表しました。京王線もワンマン運転導入を念頭に置いたもので、京王は今すぐ、という事ではなさそうだが、それにしても近年、首都圏の超大編成のワンマン運転が拡大する傾向にあります。東急東横線の導入が大きい。むろんどこも相応のバックアップシステムが導入されるが、特急・急行や他社直通などダイヤが複雑だったり、踏切も相当数残っている東横線でワンマン運転がやれてしまうなら、ワンマン化に向けたハードルは、大幅に下がる事になります。各鉄道会社の考え方にもよるが、10年位の間では、首都圏でもワンマン運転を行っていない路線の方が、少なくなってくるのではないでしょうか?

 陸羽西線のバス代行期間が、2025(R7)年度にずれ込む見込み、と今日リリースがありました。

《What's New》
 6日 青森県むつ 核燃料中間貯蔵施設 正式事業開始
 7日 巨人 菅野 智之投手 海外FA権行使へ書類提出
 米大統領選挙はトランプ再選で決着しました。思った以上にあっけない結果、というのが、統一した見方のようです。8年前同様に思う所はいろいろあるが、考え方がまとまっていないので、次回以降で書きます。ただ、直接・関接的に、全世界的に多大な影響が出る事は、間違いない。いろいろな意味で。

№2850 バスマガジンvol.126 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.126」、今月20日に発売になりました。
 先走るが、次のvol.127の刊行は12月20日と予告されていて、やはり3か月おきの刊行(3・6・9・12月の20日)に変更になったようだ。前号の時も書いたが、それ自体はともかく、刊行体制が大幅に変わったわけだから、やはり事前(この場合は前号vol.125刊行の時点)で、明確に告知を行っておくべきではなかったか。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.126 東急バス

東急バス.jpg
 東急バスは今年の4月に東急トランセを吸収合併し、1社体制に戻った。脱線するが、神奈中バスも現在の神奈中本体の分社の神奈川中央交通東と神奈川中央交通西が来年4月に本体に吸収合併される事が発表になっていて、バス部門のさらに分社、という形態は、よほど広域(西鉄バスくらいの規模)でなければ、終焉と考えて良いだろう。

東急バス 青葉台連節車.jpg
 青葉台の連節車の運行開始が今春の目玉で、7305号車は大井町線6000系電車のデザインだが、付記すると、後部の車体は「Qシート」車(夕刻に運用される座席指定車両)のデザインになっている。ただ今のところ、東急の連節バスで営業運行している所を公式側から型式写真として撮影するのは、ほぼ無理。一度青葉台駅から日体大まで延々歩いてみたのだが、道路自体がそれほど広くはないうえ、公式側で広く開いている場所が皆無だった。運行日・ダイヤが限られている現状では、走行写真的に割り切って撮るのが、いちバスファンとしては正解、だろう。現状では。
 オープントップのエアロキングは、現在は「ハイキュー!!」とタイアップしたデザインになっているそうだが、三浦半島の京急バスのように、新車両に置き換わるという話はないだろうか。EVは小型に続いて大型も入ったが、今のところは全部東京都内。
「あゆみ」では、東名急行バスの写真が割と多め(3枚)なのが目についた。もう少し頑張って走れれば、あるいは高速バスブームに乗れたかも知れないが、当時としては、国鉄とのダブルトラックは供給過剰、だったのだろう。
 ところで「保有車両一覧表」は、それ自体は便利だと思うが、どうも各号の事業者によって並べ方が違っていて混乱するところがある。今回は社番の昇順だが、今年の新車が300番台から始まっている(コミュニティ等は除く)ので先頭に来て、それから最経年の2004(H16)年式となり、一般路線車(途中2007(H19)年式は8700番台なので一番後ろ)が終わるとコミュニティ・高速車・特定車と、あっち行ったりこっち行ったり、の感がある。社番は各事業者で付与方法が違う(付けないところもある)ので、年式順で古→新に統一すべきではないだろうか。

バス作りの新勢力から
 埼玉の丸健つばさ交通(旧丸健自動車)がオノエンスターのEV7.0を導入、これはイーグルバス(ときがわ町)に次いで2例目、という事で良いのだろうか。「太陽光発電で走るのは初だそうだが、その割には、公式HPには、ニュースリリース的なお知らせは、確認できなかった(まだ営業運行についていない事もあろうが)。以前の丸健自動車は確か経営危機が伝えられた事があったはずで、その事もあるのか、路線網が以前とは違ってきているような。今は大宮駅からの循環路線もあるが、休日は運休という路線がほとんど。全国交通系ICカードを導入しているとは、正直知らなかった(一部路線だけのようだが)。

鈴木文彦が斬る!バスのいま
「観光輸送に特化したバス」、というお題だろうか。先に京都市営の特急バスだが、運行開始前に行われた京都市長選挙でも、「オーバーツーリズム」になりつつある京都の観光輸送が争点の一つになっていたようだが、ダイヤを見ると、2つの系統がそれぞれ京都駅前を15分間隔で出発するダイヤ、となっていて、利便性はよさそうだ。ただ、前にも書いたが、料金が一般路線の倍以上する路線だったら、やはり座席定員制が望ましい。場所によっては30分以上かかるところもあるので。利用実績がまだ見えてこないが、客足がついて定着の兆しが見えるなら、特急バスに特化した仕様の専用車両の導入も、必要ではないだろうか。
 北陸新幹線開業後の高速バスは、名古屋・大阪方面への利用は増えているそうだが(新幹線は敦賀での乗り換えが必要なので)、阪急観光バスと富山地方鉄道の大阪~富山線は、いまだに夜行バスのみ運行で、昼行3往復は運休のまま。新幹線+特急の料金が割高でもあり(乗り継ぎ割引が廃止になったし)、時間がかかっても低廉な足を求める需要は多いはずなのだが、やはりドライバー不足が影響しているのだろうか。京都の市バスとか、あるいは福井の「XRバス」もだが、ドライバー事情がなかなか好転しない現状では、需要が高まっても、それに応えられる供給量を十分に確保できないだろう。事業者サイドだけでは限界もあり、関係する行政がバックアップ(カネだけではない)も、必要ではないだろうか(京都市は市長が言い出しっぺなので、行政が何とかするだろうが)。

終点の情景を求めて
 西東京バスの数馬。ここは行った事がある、というか、奥多摩(三頭山)の登山の帰りに、ここからの武蔵五日市駅行バスに乗った、という事だったが。同様の登山者でいっぱいだった。この登山は、往路は奥多摩駅からのバス利用だったが、10月1日のダイヤ改正で、特に奥多摩側は減便が行われる(奥多摩~小菅路線は、平日は運行がなくなる)。数馬は便数は維持されそうだが、昨今の登山のアクセスも、なかなか大変だ。

平成初期のバスを振り返る
 十和田観光電鉄で、今回は電車の写真もある。いすゞBU10(青22か1878)は、私が本体の十鉄のページのトップで出している車両だ。この頃もバス事業は大変だったはずだが、現状は特に土休日の運行が極端に少なくなって、十和田市~八戸路線でさえ、土休日は4往復しかない。電車代替路線(三沢~十和田市)はさすがに1時間間隔運行が確保されているものの、全線時刻表を見ると、真っ赤(土休日運休が多い)っかという感じ。十和田湖にも行かなくなって久しいし。全国相互利用が可能なICカード導入、という話題もあるが、ここに並ぶ旧カラーが全盛期だった頃のような状況は、もう望み薄、なのだろうか。十和田市や七戸は、近いうちに久しぶりに行ってみるつもり。電車廃止後は初になるが、特に十和田市付近の状況はどう変わっているのか。

 カルサンe-JESTの営業デビューは、やはりJRバス関東になった。社番はL130型で、伊那市と那須塩原市で連番になっている。「イーナちゃん」の試乗のバスは、ギュウ詰め、という感じに見えるのだが、日常も(ギュウ詰めも逆に困るが)利用が定着してほしい。サイズからして比較的短距離のコミュニティ向け、となろうが、一般のJRバスカラーは登場するだろうか?JRバス関東のEVは、古河市コミュニティ(EVMジャパン)に次いで2・3例目、という事で良いだろうか。

 さて、そろそろエルガEVデビューの話は、出てこないのだろうか?(今のところ、いすゞからもバス事業者からもアナウンスはないが)。

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