東京オリンピック・パラリンピックが、ついに終わりました。コロナ禍の真っただ中であり、開催に賛否両論…否定的な意見の方が、多かったのかな…あったのは致し方なし。私自身、開催は限りなく赤に近い黄信号…鉄道風に言えば、黄色2つの「警戒信号」にあった、という感もあったので。コロナ禍以外を含めてもスッタモンダがあったし、何よりほぼ全会場が無観客開催になってしまったのは、仕方がないにしても残念。それでも、オリ(日本人最年少金メダリスト輩出)・パラ(日本人最年少メダリスト輩出)とも若い人の大活躍もあって、特に若年層の中に、徐々にアスリートたちのパフォーマンスに共感を覚えた人々も、増えてきていたように感じます。ネット配信で見たという人が過去最高、というニュースがあったのも、イマドキでした。政治的な思惑はどうあれ、アスリートたちの奮闘と、彼らを支えた人々の献身的な努力失くして、両大会を全うする事は、あり得なかったはずです。無論、開催に陰ながら協力してきた、「乗り物」の力も、忘れてはいけません。観客輸送がほとんどなくなってしまったのもまた、残念では、あったが…。
たくさんのドラマも生まれた、オリンピック・パラリンピックでした。皆さん、ありがとう!3年後のパリ大会もまた、大いに期待します。
オリ・パラが終わりましたので、合わせて当ブログも見た目だけ、多少模様替えしました。タイトル部のカバー画像はオリ・パラに合わせて去年の頭から、JALのB777に描かれていた、オリ・パラのマーキングを使っていましたが、昨日から(正確にはおとといの夜から)変えています。あまりにも切羽詰まった環境に置かれている事もあって、「今年って、何どしだったっけ?」と忘れておられる方々、案外多いのでは?今年は丑年、なので、東急こどもの国線で走っている、Y0系(横浜高速鉄道)の「うしでんしゃ」を起用しました。3年前、2018(H21)年10月より、1編成にうしのラッピングを施しているもので、車内も牧場風にデコっています。好評につき、後にもう1編成が「ひつじでんしゃ」になりました。日中は3編成中の1編成しか運用しないので乗る機会を見つけるのは大変そうだが、東急電鉄の公式WEBに運用が公表されています。今年いっぱい、この画像で行きます。
「バスラマインターナショナル187」、先月末刊行になりました。
オリンピック輸送のバス、長崎からも来ているとは、少々驚いた。私は根岸線の車内から、横浜スタジアムの前に待機する名阪近鉄バスのセレガを見ています。「かん口令」ね。有観客だった場合は、テロが何よりの脅威だった事もあるだろう。記事には憶測に基づいた事項が多かった。
一方のワクチン接種会場のシャトルバスは、こんな形で日産ディーゼルの名鉄バスが見られるとは思わなかった。横浜市は、例年ならクルーズ船の送迎で使われる、横浜市営バスの黄色ラッピング車(貸切登録だが、路線バスでも使われる)が使用されていたようでした。
電気バスへの適切な電力供給のために
関西電力の充電設備開発の現状と、現在既にEVバスを運行している事業者へのアンケート。
充電方式は、アンケートに回答した会社は全てプラグ式で、メーカーの標準仕様だと思うが、欧州でも見たパンタグラフ式の充電は、日本では可能性がないのだろうか。関西電力がアルペンルートの代替で導入した電気バスは、パンタグラフ充電式だが、国産ディーゼルバスの改造である事と、トロリーバス時代の設備を、ある程度は活用できているかもしれない。EV転換後の運用の実績はまだ記事になっていない。特殊なケースではあるが、市内バスへの応用の可能性も踏まえて、レポートでもあれば良かった。
アンケートは政策面や技術の要望・意見が大半だが、電力設備以前にまず、国全体で電力そのものが十分に確保できるのか?という疑問が残る。何度か書いた事の繰り返しになってしまうが、化石燃料も原子力もダメ、全部再生可能クリーンエネルギーで行くんだ、という環境保護派の主張は勢いを増しているけれど、それは、エネルギーの消費量が現状のレベルのままキープされ続けるなら、それでもいいだろう(コスト面は何とでもなるだろうし)。しかし、バスだけでなく、路上を走る車両をことごとくEV化していくなら、それで足りるだろうか?どんなエネルギーでも、何もないところからは生み出されないのだから。事業者のアンケートの回答には、国全体の電力政策そのものは言及されていないが、やはり電力配分の優先順位づけが必要なのではないだろうか。路上交通に関しては、バスなどの公共交通に優先的に配分し、マイカーなどからの転移を促進するような仕組みが欲しいと思う。ただ、コロナ禍で公共交通が敬遠される傾向が顕在介していていて、不安材料だ。いずれにしろ、電力と公共交通の関係について、もう少し世論が喚起される必要があるだろう。それがEVバスの発展にもつながるのではないか。
(その点は、海外はどうなのだろう?)
今年頭には横浜市営バスでエルガを改造したEVに乗車したが、今の所アンケートに協力した事業者の車両は、まだ乗っていません。現状は軽々しく遠くへ行けないのだが、ある程度落ち着いたら、近いところもあるので、乗客としての試乗も考えています。
バス事業者訪問
今回は、かなり性格が異なる5社になりました。
227 北恵那交通
旧北恵那鉄道の印象があるが、子供の頃にはもう廃線になっていて、たぶんあと10年早く生まれても、乗車は叶わなかっただろう。
中津川~馬籠間は、昔乗った事があります。正直記憶がほとんどないが、あの時は濃飛バスでした(馬籠で、南木曽~妻籠~馬籠の路線とつながっていた。今は南木曽町営だが、おんたけ交通が受託している)。馬籠と付知峡の観光輸送が、小規模ではあるが、北恵那交通バスを支えていく事になるのか。
乗車人員の数値があって、2010(H18)年には濃飛バスからの譲渡もあって、1990(H2)年のレベルに近いところに戻ったが、その後のわずか10年で、20万人以上も減っている。
中津川~下呂路線は途中で分割されて濃飛バスと分け合う形になって、一部を除いて接続は良好のようだが、乗り換えがあるのは、利便性のマイナスにならないかという懸念はあります。
コロナ禍は当然影響があったが、高速バスも貸切バスもないので、名鉄グループの他社に比べたら少ないだろう、という事。
(中津川発着の高速バスは、現在は名鉄バス・京王バスの名古屋~新宿線の一部が、中央道上の中津川BSに停車するのみ)
ハイエースを含めて21台、乗合事業者としては相当小規模な事業者になったが、今後ともこういう事業者を積極的に取り上げて欲しい。バスに求められる根本的なものに、規模の大小は関係ないはずなので。
228 伊勢国際観光
前号あたりから、貸切専用事業者を積極的に取り上げる傾向にあるようです。
伊勢国際観光は、21世紀に入ってから「規制緩和」の恩恵を受けていると言える「新規参入組」だが、「ベンチャー」的な発想で新規に参入してきた、という印象(どこでもそうなのかもしれないが)。それ故の反省から軌道修正も行われ、今に生かされているようだ。
貸切バス運賃・料金新制度は、これまで取り上げられてきた貸切事業者はほぼ歓迎、という態度だったはずだが、ここは違うようだ。三重県の地理的な条件もあり、地域に配慮した内容にして欲しい、という事だろうか。
「少年サッカーチームが静岡県に遠征するのに、親運転のマイカーを連ねていく」という下りは、非常に懸念される事態だと思う。先のEVバスでも書いたが、このような傾向が定着してしまうようだと、公共交通へのシフトが逆戻りになってしまう。
229 宮古共栄バス
230 八千代バス
231 共和バス
(八千代バスの番号が231になってしまっていた)
宮古島は、行った事がない、と言ってしまっていい。昔JTAが飛ばしていたYS-11に乗りたくて、石垣から沖縄本島に戻るのにわざわざ宮古経由にして、空港で乗り継いだだけ(和田氏もSWAL時代のYS-11で石垣島から来たそうだが)。敷地からは出ていない。だからバス事情は正直解らない。
まず、宮古共栄バスと共和バスの「合資会社」とは耳慣れない。「株式会社」「有限会社」とはどう違うのか。「エン転職」のサイトによると、合資会社とは、「会社の債務に対し無制限に責任を負い、経営に参加する『無限責任社員』と、「出資額までは責任を負い、経営には参加しない『有限責任社員』」で構成される形態、らしい。資本金の制度がなく、決算公告の義務もないので、無限責任社員の裁量がかなり大きいが、経営に失敗すると、無限責任社員の資産全てに責任が及ぶ可能性もある、という事。でも宮古共栄バスの資本金は、株式会社の八千代バスの3倍以上だ。
三社に共通するのは、宮古島と伊良部島が橋で結ばれた事と、下地島の空港に航空旅客便、特にLCCが就航した、という事だろうか。下地島はかつてはJALやANAの訓練のための空港だったが、一時期はJTAのYS-11が沖縄本島から乗り入れていた事もあった。下地島空港の写真が、どこかにあっても良かった。クルーズ船も来るようになったが、コロナ禍でインバウンドがなくなり、状況が苦しいというのも共通している。
車両面では、宮古共栄と八千代には、社名は記されていないが明らかに元神奈中バスがいて(中型車にはご丁寧に、「かなみん」の前のガチョウのキャラクターが残っている)、共和には元横浜市営バスがある。今回は取り上げられなかった中央交通にも元神奈中がいて、車両面では、神奈川県との結びつきが強い。
宮古島そのものは、石垣島とは、観光面で競合するものなのだろうか。航空便で言うと、先にジェット化したのは宮古の方で、時期によってはワイドボディ機も来る事があった。しかし、近年石垣島の空港が移転すると、東京へ直行できるようになって(それまでは滑走路が短かったので、一度沖縄本島や宮古島で給油しなければならなかった)機材も大型化、石垣島自体も、竹富島などへのゲートウェイでもあるので、観光客が急増した、という流れになっている。近年は宮古島も盛り返したわけだが、航空会社・船会社とも協力し、石垣島(やその他の島々)とセットで周遊、というのは、今すぐは無理でも、将来的には考えられないだろうか。「アフターコロナ」では有力な観光戦略になりうると思うが、どうだろうか。
今回の5社、営業形態もロケーションも全然違うが、やはりどこも事業者の経営努力だけでは限界が近づきつつあるように感じられる。コロナ禍で明らかになったように、観光は「水物」でもあるので。乗合はグループ内の再編や小規模事業者の合併などの企業形態の変更も考えられるが、やはり地元行政や、何より地域社会がもう少しバスを支える構図がないと、いずれ息詰まってしまうのではないだろうか。
「バステクフォーラム2021」、無事に開催出来て何よりでした。展示品では、丸菱工業のフリーデザイン・シートカバーのアニメ風キャラが気になった…。最近多いアニメラッピングバスで使えそう(東海バスの高速車には、頭の部分のカバーだけアニメのキャラを描いた車両がありますよね。また長期運休になってしまっているが)。
運転のインプレッションは、私は運転する立場にはないからどうのこうのは言えないが、保守的な部分から来る特殊要因のアレルギーをクリアする事、というコメントは、その通りだと思う。しかし現状の問題はむしろ、バス業界の外側に発生しているかも知れない。欧州製はいいが、EVバスは近年、中国製各社が席巻しているのは展示車両のラインナップを見ても明らかだが、、近年は中国のイメージが良くない(近年の中国政府・共産党の一連の行動からしたら当然だが)。政治的な部分は政治家たちに何とかしてもらうにしても、それと中国製EVバスの導入の促進は、分けて考えてもらえるだろうか?新疆ウイグル自治区や香港の問題が国際的に非難されている中国の製品など、買うな!ボイコットせよ!という動きが、もし市民運動の側から出てきたら、どうしよう。ユニクロ・無印良品に関する報道を見ていると、バスの世界もそうならないとは言い切れない。次回は11月に首都圏で開催するそうだが、来年あたりには日野のポンチョEZも、出てくるだろうか?インプレッションではどのような評価が出されるだろうか。そろそろ日本のメーカー各社も、EVバスに関するはっきりした回答を、出さなければならない時期か。
長電バスの旧東急バス旧塗装、先日長野に行って駅前で撮っていたら、運良く来てくれました。最初から元の事業者のカラーで走らせるんだ、という意識がある所は少ないだろうが、コスト削減のためか前事業者のカラーの一部を残すとか(道北バスが顕著だった)、同じ企業グループだからカラーも統一しているのでそのまま(山梨交通や防長交通など)というケースは、いくつか見られる。広島電鉄の路面電車の例も挙げられているが、私個人としては、少数の車両をメモリアルの意味で元事業者のカラーで残す、あるいは復刻するまではいいが、企業イメージの確立、何より利用者の利便性の面で、やはり全体としてはカラーを自社のものに統一した方が良いと思う。
次号の事業者は京福バス、それとオリ・パラ2020輸送の総括がメインになるらしい。次号の刊行は、総選挙の直後になるはずです。無論次号に選挙の結果は反映されないが、この選挙結果が、特にコロナ禍後の交通業界、特にバスには、どのような影響を与えるのか。おいおい注視される事になるのではないか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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JR東日本は、新幹線の指定席料金を、シーズン毎に変動させる新制度を、来年春にも導入する意向を明らかにしました。JR各社で検討が進んでいるという事。これも「アフターコロナ」の姿、となるのか。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
5日 佐賀県多久市長選挙 現職が7選 当選回数現職過去最多
(サッカーW杯予選ブラジルvsアルゼンチン コロナ対策違反で開始直後中止)
6日 ギニア 国軍クーデター 暫定政府発足の意向
(接種者の隔離措置免除など 経団連 提言発表)
7日 IR汚職事件 秋元 司衆議院議員に懲役4年実刑判決
(世界ラリー選手権 コロナ禍で2年連続開催中止発表)
№2375 バスマガジンvol.108 (講談社ビーシー/講談社)
「バスマガジンvol.108」、先月27日発売でした。ただ、他はどうだかわからなかったが、神奈川県下の書店は、店頭に並ぶのが少々遅かったような気がします。
防長交通のレインボーが表紙。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.108 防長交通
防長交通はほとんど利用した記憶がない、というか、山口県自体、この数年、いや十数年訪問の機会がなくて、これではいかんとは思っているが、今の状況では、行くとしても来年、かなあ?
山口県は中国JRバス、いわくにバス、船木鉄道、宇部市営バスがあるが、基本的に防長交通は県の東側全域をカバー、西側のサンデン交通とエリアを分け合う、という構図になるだろうか。
元々近鉄の系列ではあるが、中古導入が高速・一般乗合共に近鉄バス色のままだし、タクシー会社の貸切車も、近鉄バスの貸切車に近いデザイン。もう少し独自色があっても、良いのではないか。一般路線の大型の自社導入車は近年はないようで、皆近鉄バスからの中古で賄っているのか。大型車の防長交通独自色も、見てみたい。
旧山口市営、旧防石鉄道の復刻カラー車があるが、山口市営の1233号車が山口〔営〕ではなく、小郡駐在の在籍というのは意外。今の小郡(新山口)は、今は山口市だが、それ以前は小郡町という、独立した町だった。ただ、旧山口市営も市町境を越境して小郡駅に乗り入れていたので、間違いという事ではないが(市営バス事業廃止時に引き継いだ車両とは、若干デザインが違うようだが)。あとはやはり、一般系統・急行系統の旧塗装復刻車も出して欲しかった。緑系はかろうじて残っているが、急行系統は赤系で、一般系統が青系、だったっけ。いずれも、正面の白い逆台形が印象的でした。
旧国鉄とはやや確執も見られたようだが、今の中国JRバスや、市営バス廃止後の山口市との関係は良好と思われる。あとは、ここでは名前が挙がらなかったが、サンデン交通との良好な関係の構築だろうか。今は、どのような関係だろうか。エリアが割とはっきり分かれているので、一般路線に関しては敵対的なものはないが、夜行高速バスの大阪線は競合になったので、引きずっていなければ良いとは思う。ICカードの導入はあり得るか。サンデンと同じnimocaか、JR西日本のICOCA、どちらかだろう。
なお、コロナ禍のため、8月10日より福岡線が運休に入ると、リリースされています。
防長交通そのものからは若干離れるが、防長交通が山口市営バスから引き継いだ、山口~宇部空港線は2018(H30)年に廃止になっているが、サンデン交通の下関~宇部空港線も、9月いっぱいでの廃止が予告されています。「下関~空港間のアクセスは、バスに代わるものを別途検討中」とはしているが、このままだと、県を代表する空港と、山口・下関の県内2大都市を結ぶ空港バスが、そろってなくなってしまう事になります(バスのアクセスは、宇部市営バスによる新山口行と、一般路線的な宇部中央行のみになる)。下関線の廃止は、コロナ禍による航空需要の減退もあるのだろうが、さすがにまずいのではないだろうか?
移籍バスの行方を追跡
第5回は都営バス。中古車の流通は一時中断していたが、近年はまた活発になっているらしい。東日本大震災や、福島の豪雨災害関連の譲渡車両が目立つのが、「東京都営」らしいところだろうか。その時々の都政(特に知事)の動向によって、譲渡をする、しないの判断が左右されるところも、また都営らしいかも知れない。
近年の都営バスはいすゞ・日野が中心になっていたので、譲渡車両もいすゞのエルガ、日野のレインボーがほとんど。一方で日産ディーゼルがない(リストにも記載がない)。それにしても毎度のことながら、良く調べてある。調査手法は、どうなっているのだろう?
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.40 埼玉県 Part 2
前回はVol.47で掲載があり、当ブログでも取り上げました。ちなみにこの号ではイーグルバスのポンチョが表紙を飾っていて、会社自体、若干詳しく紹介されていました。
今回は、秩父鉄道観光バスの名前がないが、熊谷市コミュニティバスからは撤退し、貸切に専念している。グライダー号・ムサシトミヨ号・さくら号を運行していたが、現在は共同バスの運行に代わっている。
丸建自動車がコロナ禍の影響で経営が破綻した、というのは、一般のニュースになったけれど、丸建つばさ交通としての運行開始は、今年の1月16日。前号の東部でも書いたが、埼玉県は、平成の30年の間の新規事業者の参入が多かったが、出入りも激しいなという印象(神奈川県はフジエクスプレス・大新東・天台観光の参入はあったが、大きな路線の展開はない代わりに、撤退もない)。
このエリアでは近年、朝日自動車のグループの2社、国際十王交通と川越観光自動車の健闘が目立つ気がします。どちらも画像がないが、国際十王はラグビーW杯を機に新造の大型車が、川越観光はハイブリッド車が導入されています。国際十王の伊勢崎〔営〕の路線が本庄早稲田駅にまで入ってきている所まで、触れて欲しかった。
西武観光バスは、「あの花」のラッピングバスがあるのならば、放映10周年の今年は、何かイベントに関わったりはしないのだろうか?秩父鉄道は割と大々的にやっているようだし。西武バス「S-tory」新色は、西武観光バスにまでは波及しないのだろうか?
大河ドラマの臨時バスについては、記載がありました(深谷観光の元都営エルガで、画像は「移籍バスの行方」の方にある)。
(東武バスセントラルは、前号に記載があったが、見落としてしまいました。でも扱いが少々小さかったよね)
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第34回
ICカードを中心とした、バスのキャッシュレス決済。
スマホアプリなどの決済は正直よく解らないのでICカードに絞ってしまうが、ICカードに関しては、同じ地域なのに互換性がないケースがあるという指摘は、その通りだと思う。例として挙げられた水戸(茨城交通「いばっぴ」と関東鉄道のPASMO)、金沢(北陸鉄道の「ICa」と西日本JRバスのPiTaPa)は、エリアが重複している部分が多いのに、互換性が全くない。「いばっぴ」と「ICa」は、JRなどの鉄道も利用できない(ICaは今の所、自社の電車にも導入されていない)。また、長崎バスの「エヌタスTカード」はTポイント(TSUTAYA・ファミリーマート等)と提携したので、長崎県営や長崎電軌が導入したnimocaのポイントサービスとは相容れないと考えたのだろうか。しかしその結果、長崎バスはnimoca等の全国共通カードは受け入れるようになったが逆は不可で、共通だった磁気式「長崎スマートカード」からは逆行する事になってしまった。
近年のICカードは、単に旅客の利便性の向上だけでなく、導入事業者の経営戦略の一つに組み込まれるようになった事があるのだろう。JR東日本のSuicaもそう。「地域連携ICカード」も、そういう部分があるのではないだろうか(青森や秋田は自社の鉄道への導入がなく、山形も今の所は、地域の利用には向いていない)。しかし、たぶん一度導入してしまうと、数年はシステムを変えられないと思うので(その点実際にはどうかは解らないが)、導入前に各事業者間で、もっとキチンと話し合いはして欲しいと思う。
単独ではICを導入できないだろうという事業者への支援が必要になるケースも、あるだろうと思う。上で上げた埼玉県も、その一つではないか。広島県のPASPYが、割と小規模の事業者(主にアストラムラインに接続する路線を運行)にも導入されていて、システムや収入の精算などの仕組みはどうなっているか解らないが、参考になるのではないか。
それと、同じ事業者なのに、ICカードが導入されている路線といない路線が、かなり長期間続いている事業者もある。埼玉県では、国際十王交通は、熊谷〔営〕の路線は導入からかなり経つのに、伊勢崎〔営〕の伊勢崎~本庄路線は未だ導入の気配がない。元々は別々の会社だったからだろうか?しかし群馬県でも、朝日自動車や関越交通がPASMOを導入(関越は、自治体から委託の路線では導入していない路線もある)している上、先の「地域共通カード」が導入されると、いつまでも未導入というわけにはいかなくなるだろう。PASMO事業者でも他に数社あり、特にローカル路線が多いエリアだと導入コストが大変なのかもしれないが、「一社二制度」は、可能な限り廃して欲しいと。
あとは、ここでは出てこなかった、買い物系ICカードの可能性はどうだろうか。三岐鉄道やくしろバスの一部路線、埼玉県では前号で取り上げられた埼玉観光が、イオンの「WAON」が導入されていたが、北海道では一昨年から、くしろバスに阿寒バス・十勝バスも加えて、一部の多区間運賃路線にも導入されているという(ただし、各事業者公式Webでは確認できなかった)。帯広や釧路は、恐らくJR北海道のKitacaや、札幌市営を中心としたSAPICAの導入は難しい(地域的なメリットがあまりなさそう)と思われるので、買い物客の誘致という点でも、注目できるかもしれない。ただ、鉄道(特にJR)の運行があまり頻繁ではない地域に限られるだろう。その点では、北海道では普及するかもしれない。
短期集中連載 キャメル号 33年の変遷
今年の3月15日を持って、運行が終了した、東京~鳥取・米子間の夜行高速バス〔キャメル〕(実際にはコロナ禍の影響で、既に長期間運休していて、再開できずに終わった)。京急バスでは〔ノクターン〕などと同時の廃止で、夜行高速バスブームの先頭を走っていた路線及び事業者だったから、やや衝撃的でもありました。
車両面では、「現在の常識を真っ先に取り入れていた先進的なバス」と大きな見出しがあるが、既に阪急・西鉄の〔ムーンライト〕が先鞭をつけていたし、京急バスは〔ノクターン〕の先例があったから、その流れに沿ったものと言える。今はなくなってしまったサービスも、少なくないが。
この路線の大きな意義としては、時には敵対関係にもあった、日ノ丸自動車と日本交通が手を組んだ、という事ではなかっただろうか?「八十年史」にも記されているそうだが、それ以前の両社は、鳥取駅前のバスターミナルも別、砂丘への路線でも競争関係にあったりしたが、〔キャメル〕で雪解けムードになり、その後の広島線〔メリーバード〕などにもつながる事になる。鳥取駅のバスターミナルも統一、砂丘への路線も共同運行になったりしたから、県内のバス事業の構図を変えた、という点でも、〔キャメル〕の功績は大きかった。ただ、「幹事会社」が日ノ丸だとは意外だった。京急だとずっと思っていたので。だから通常の運行の割合は日ノ丸:日交:京急は2:1:1だったそうで、当時のルールからすれば、日ノ丸に一番収入が入る事になったはずです。多客期の増便で調整していたのだろうか。
今回の車両は日ノ丸と日交の両社で、日ノ丸は終始日野、日交は、当初は三菱ふそうだったが、21世紀になったあたりから、日野に代わった。京急バスに合わせた面もあったそうだが、ただし、鳥取の2社は途中からハイデッカーになり、最後までSHDだった京急バスとは、この点では異なる道を歩む事になった、と言えます。
現在の東京~鳥取県間の夜行バスは、調べた限りでは、オリオンバスの東京駅鍛冶橋~米子・松江・出雲、WILLERのバスタ新宿~米子・松江・出雲、杉崎観光の池袋サンシャインシティ・YCAT・海老名・秦野~鳥取路線が運行されているようです(倉吉発着はないようだ)。〔キャメル〕は、これら旧ツアー組に後れを取った部分も、あったのだろうか?
終点の情景を求めて
小湊鐵道の栗又・ごりやくの湯。序盤の日野の大型車は元横浜市営バスで、HMC東京(1枚は撮っておきたかった)を経由しての導入。養老渓谷は、普段は静かなのだろうが、紅葉シーズンはマイカーが多く、定時運転が難しいようだ。今年も、「マイカーなら」という観光客が多いのではないかと思われるし、加えて現在、小湊鐵道の鉄道線が水害の影響で一部不通になっていて、全線の再開は紅葉シーズンに間に合うか、という状況と思われる。バスは大変そうだ。本当は積極的に、公共交通の利用を推進したい所なのだが。
平成初期のバスを振り返る
士別軌道とは、ずいぶんマイナー?な所が取り上げられました。士別~上士別間は、現在は全国版時刻表の掲載はないが、平日は2路線で10往復(一部デマンド)、土休日は1路線で4往復。前回の東京オリンピックの1964(S39)年の時点では30~60分間隔だったそう。唯一現存するモノコック車は、平日は10月15日までの川南線1往復で、デマンドなので事前予約が必要、土休日は9月14日~10月11日の朝比線1往復になるとの事。各種グッズも販売している。他は過去車両になったが、現状はどうなっているのだろうか。
前号で「31社の一覧が欲しかった」と書いたつくばEXPOの連節バス、今号に記載がありました。地元茨城の事業者は、入っていなかったんだ。一般車によるシャトルバスに専念していたという事か。貸切専門の事業者が多く、今はなくなった事業者も少なくない。現存する事業者でも、いまはない営業所が目立つ。一般の路線バス事業者ですぐ思いつく所では、関東バスや立川バスが入っていない。この31社でつくばから一番遠いのは、常磐交通と神奈中バス、東武バス(沼田〔営〕)あたりとなるだろうか(箱根登山は、当時存在した東京観光営業所)。神奈中と京成は、後に自社路線で連節バスを運行する事になるが、なにかノウハウは生かされたのだろうか。
ユニバースのコロナ対策の記事もあったが、とにかくいくらバスを初めとする交通のコロナ対策がしっかりしていても、そもそも「移動はやめてください」「外出は自粛してください」では、交通事業者は、いかんともしがたい…。
次号は、長電バスと千葉県。業界のウラ話が載る、という事だろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
2日 保育園児死亡事件 福岡県・中間市 保育園に特別監査
(福岡市 高島市長記者会見 全国知事会「ロックダウン」検討要求意見に異議)
3日 ASEAN・日中韓外相オンライン会議 茂木外相 債権国の規則順守必要性強調
(大阪府 通天閣・太陽の塔 赤色にライトアップ)
4日 小山田 圭吾氏インタビュー雑誌 発売休止発表
(タイ 感染者2万200人・死者188人 1日では過去最多)
次回は土曜日に更新、首都圏交通事業者の、コロナウィルス対策について書きます。日本も同じく、のっぴきならない、事態だねえ…。今日も、関東地方は猛暑でした。ウィルスと熱中症のダブルパンチ、無理に外出しないで、涼しい場所でおとなしく過ごしていた方が、身を護るという点でいいでしょう。交通事業者には大変申し訳ない事だが…。
防長交通のレインボーが表紙。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.108 防長交通
防長交通はほとんど利用した記憶がない、というか、山口県自体、この数年、いや十数年訪問の機会がなくて、これではいかんとは思っているが、今の状況では、行くとしても来年、かなあ?
山口県は中国JRバス、いわくにバス、船木鉄道、宇部市営バスがあるが、基本的に防長交通は県の東側全域をカバー、西側のサンデン交通とエリアを分け合う、という構図になるだろうか。
元々近鉄の系列ではあるが、中古導入が高速・一般乗合共に近鉄バス色のままだし、タクシー会社の貸切車も、近鉄バスの貸切車に近いデザイン。もう少し独自色があっても、良いのではないか。一般路線の大型の自社導入車は近年はないようで、皆近鉄バスからの中古で賄っているのか。大型車の防長交通独自色も、見てみたい。
旧山口市営、旧防石鉄道の復刻カラー車があるが、山口市営の1233号車が山口〔営〕ではなく、小郡駐在の在籍というのは意外。今の小郡(新山口)は、今は山口市だが、それ以前は小郡町という、独立した町だった。ただ、旧山口市営も市町境を越境して小郡駅に乗り入れていたので、間違いという事ではないが(市営バス事業廃止時に引き継いだ車両とは、若干デザインが違うようだが)。あとはやはり、一般系統・急行系統の旧塗装復刻車も出して欲しかった。緑系はかろうじて残っているが、急行系統は赤系で、一般系統が青系、だったっけ。いずれも、正面の白い逆台形が印象的でした。
旧国鉄とはやや確執も見られたようだが、今の中国JRバスや、市営バス廃止後の山口市との関係は良好と思われる。あとは、ここでは名前が挙がらなかったが、サンデン交通との良好な関係の構築だろうか。今は、どのような関係だろうか。エリアが割とはっきり分かれているので、一般路線に関しては敵対的なものはないが、夜行高速バスの大阪線は競合になったので、引きずっていなければ良いとは思う。ICカードの導入はあり得るか。サンデンと同じnimocaか、JR西日本のICOCA、どちらかだろう。
なお、コロナ禍のため、8月10日より福岡線が運休に入ると、リリースされています。
防長交通そのものからは若干離れるが、防長交通が山口市営バスから引き継いだ、山口~宇部空港線は2018(H30)年に廃止になっているが、サンデン交通の下関~宇部空港線も、9月いっぱいでの廃止が予告されています。「下関~空港間のアクセスは、バスに代わるものを別途検討中」とはしているが、このままだと、県を代表する空港と、山口・下関の県内2大都市を結ぶ空港バスが、そろってなくなってしまう事になります(バスのアクセスは、宇部市営バスによる新山口行と、一般路線的な宇部中央行のみになる)。下関線の廃止は、コロナ禍による航空需要の減退もあるのだろうが、さすがにまずいのではないだろうか?
移籍バスの行方を追跡
第5回は都営バス。中古車の流通は一時中断していたが、近年はまた活発になっているらしい。東日本大震災や、福島の豪雨災害関連の譲渡車両が目立つのが、「東京都営」らしいところだろうか。その時々の都政(特に知事)の動向によって、譲渡をする、しないの判断が左右されるところも、また都営らしいかも知れない。
近年の都営バスはいすゞ・日野が中心になっていたので、譲渡車両もいすゞのエルガ、日野のレインボーがほとんど。一方で日産ディーゼルがない(リストにも記載がない)。それにしても毎度のことながら、良く調べてある。調査手法は、どうなっているのだろう?
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.40 埼玉県 Part 2
前回はVol.47で掲載があり、当ブログでも取り上げました。ちなみにこの号ではイーグルバスのポンチョが表紙を飾っていて、会社自体、若干詳しく紹介されていました。
今回は、秩父鉄道観光バスの名前がないが、熊谷市コミュニティバスからは撤退し、貸切に専念している。グライダー号・ムサシトミヨ号・さくら号を運行していたが、現在は共同バスの運行に代わっている。
丸建自動車がコロナ禍の影響で経営が破綻した、というのは、一般のニュースになったけれど、丸建つばさ交通としての運行開始は、今年の1月16日。前号の東部でも書いたが、埼玉県は、平成の30年の間の新規事業者の参入が多かったが、出入りも激しいなという印象(神奈川県はフジエクスプレス・大新東・天台観光の参入はあったが、大きな路線の展開はない代わりに、撤退もない)。
このエリアでは近年、朝日自動車のグループの2社、国際十王交通と川越観光自動車の健闘が目立つ気がします。どちらも画像がないが、国際十王はラグビーW杯を機に新造の大型車が、川越観光はハイブリッド車が導入されています。国際十王の伊勢崎〔営〕の路線が本庄早稲田駅にまで入ってきている所まで、触れて欲しかった。
西武観光バスは、「あの花」のラッピングバスがあるのならば、放映10周年の今年は、何かイベントに関わったりはしないのだろうか?秩父鉄道は割と大々的にやっているようだし。西武バス「S-tory」新色は、西武観光バスにまでは波及しないのだろうか?
大河ドラマの臨時バスについては、記載がありました(深谷観光の元都営エルガで、画像は「移籍バスの行方」の方にある)。
(東武バスセントラルは、前号に記載があったが、見落としてしまいました。でも扱いが少々小さかったよね)
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第34回
ICカードを中心とした、バスのキャッシュレス決済。
スマホアプリなどの決済は正直よく解らないのでICカードに絞ってしまうが、ICカードに関しては、同じ地域なのに互換性がないケースがあるという指摘は、その通りだと思う。例として挙げられた水戸(茨城交通「いばっぴ」と関東鉄道のPASMO)、金沢(北陸鉄道の「ICa」と西日本JRバスのPiTaPa)は、エリアが重複している部分が多いのに、互換性が全くない。「いばっぴ」と「ICa」は、JRなどの鉄道も利用できない(ICaは今の所、自社の電車にも導入されていない)。また、長崎バスの「エヌタスTカード」はTポイント(TSUTAYA・ファミリーマート等)と提携したので、長崎県営や長崎電軌が導入したnimocaのポイントサービスとは相容れないと考えたのだろうか。しかしその結果、長崎バスはnimoca等の全国共通カードは受け入れるようになったが逆は不可で、共通だった磁気式「長崎スマートカード」からは逆行する事になってしまった。
近年のICカードは、単に旅客の利便性の向上だけでなく、導入事業者の経営戦略の一つに組み込まれるようになった事があるのだろう。JR東日本のSuicaもそう。「地域連携ICカード」も、そういう部分があるのではないだろうか(青森や秋田は自社の鉄道への導入がなく、山形も今の所は、地域の利用には向いていない)。しかし、たぶん一度導入してしまうと、数年はシステムを変えられないと思うので(その点実際にはどうかは解らないが)、導入前に各事業者間で、もっとキチンと話し合いはして欲しいと思う。
単独ではICを導入できないだろうという事業者への支援が必要になるケースも、あるだろうと思う。上で上げた埼玉県も、その一つではないか。広島県のPASPYが、割と小規模の事業者(主にアストラムラインに接続する路線を運行)にも導入されていて、システムや収入の精算などの仕組みはどうなっているか解らないが、参考になるのではないか。
それと、同じ事業者なのに、ICカードが導入されている路線といない路線が、かなり長期間続いている事業者もある。埼玉県では、国際十王交通は、熊谷〔営〕の路線は導入からかなり経つのに、伊勢崎〔営〕の伊勢崎~本庄路線は未だ導入の気配がない。元々は別々の会社だったからだろうか?しかし群馬県でも、朝日自動車や関越交通がPASMOを導入(関越は、自治体から委託の路線では導入していない路線もある)している上、先の「地域共通カード」が導入されると、いつまでも未導入というわけにはいかなくなるだろう。PASMO事業者でも他に数社あり、特にローカル路線が多いエリアだと導入コストが大変なのかもしれないが、「一社二制度」は、可能な限り廃して欲しいと。
あとは、ここでは出てこなかった、買い物系ICカードの可能性はどうだろうか。三岐鉄道やくしろバスの一部路線、埼玉県では前号で取り上げられた埼玉観光が、イオンの「WAON」が導入されていたが、北海道では一昨年から、くしろバスに阿寒バス・十勝バスも加えて、一部の多区間運賃路線にも導入されているという(ただし、各事業者公式Webでは確認できなかった)。帯広や釧路は、恐らくJR北海道のKitacaや、札幌市営を中心としたSAPICAの導入は難しい(地域的なメリットがあまりなさそう)と思われるので、買い物客の誘致という点でも、注目できるかもしれない。ただ、鉄道(特にJR)の運行があまり頻繁ではない地域に限られるだろう。その点では、北海道では普及するかもしれない。
短期集中連載 キャメル号 33年の変遷
今年の3月15日を持って、運行が終了した、東京~鳥取・米子間の夜行高速バス〔キャメル〕(実際にはコロナ禍の影響で、既に長期間運休していて、再開できずに終わった)。京急バスでは〔ノクターン〕などと同時の廃止で、夜行高速バスブームの先頭を走っていた路線及び事業者だったから、やや衝撃的でもありました。
車両面では、「現在の常識を真っ先に取り入れていた先進的なバス」と大きな見出しがあるが、既に阪急・西鉄の〔ムーンライト〕が先鞭をつけていたし、京急バスは〔ノクターン〕の先例があったから、その流れに沿ったものと言える。今はなくなってしまったサービスも、少なくないが。
この路線の大きな意義としては、時には敵対関係にもあった、日ノ丸自動車と日本交通が手を組んだ、という事ではなかっただろうか?「八十年史」にも記されているそうだが、それ以前の両社は、鳥取駅前のバスターミナルも別、砂丘への路線でも競争関係にあったりしたが、〔キャメル〕で雪解けムードになり、その後の広島線〔メリーバード〕などにもつながる事になる。鳥取駅のバスターミナルも統一、砂丘への路線も共同運行になったりしたから、県内のバス事業の構図を変えた、という点でも、〔キャメル〕の功績は大きかった。ただ、「幹事会社」が日ノ丸だとは意外だった。京急だとずっと思っていたので。だから通常の運行の割合は日ノ丸:日交:京急は2:1:1だったそうで、当時のルールからすれば、日ノ丸に一番収入が入る事になったはずです。多客期の増便で調整していたのだろうか。
今回の車両は日ノ丸と日交の両社で、日ノ丸は終始日野、日交は、当初は三菱ふそうだったが、21世紀になったあたりから、日野に代わった。京急バスに合わせた面もあったそうだが、ただし、鳥取の2社は途中からハイデッカーになり、最後までSHDだった京急バスとは、この点では異なる道を歩む事になった、と言えます。
現在の東京~鳥取県間の夜行バスは、調べた限りでは、オリオンバスの東京駅鍛冶橋~米子・松江・出雲、WILLERのバスタ新宿~米子・松江・出雲、杉崎観光の池袋サンシャインシティ・YCAT・海老名・秦野~鳥取路線が運行されているようです(倉吉発着はないようだ)。〔キャメル〕は、これら旧ツアー組に後れを取った部分も、あったのだろうか?
終点の情景を求めて
小湊鐵道の栗又・ごりやくの湯。序盤の日野の大型車は元横浜市営バスで、HMC東京(1枚は撮っておきたかった)を経由しての導入。養老渓谷は、普段は静かなのだろうが、紅葉シーズンはマイカーが多く、定時運転が難しいようだ。今年も、「マイカーなら」という観光客が多いのではないかと思われるし、加えて現在、小湊鐵道の鉄道線が水害の影響で一部不通になっていて、全線の再開は紅葉シーズンに間に合うか、という状況と思われる。バスは大変そうだ。本当は積極的に、公共交通の利用を推進したい所なのだが。
平成初期のバスを振り返る
士別軌道とは、ずいぶんマイナー?な所が取り上げられました。士別~上士別間は、現在は全国版時刻表の掲載はないが、平日は2路線で10往復(一部デマンド)、土休日は1路線で4往復。前回の東京オリンピックの1964(S39)年の時点では30~60分間隔だったそう。唯一現存するモノコック車は、平日は10月15日までの川南線1往復で、デマンドなので事前予約が必要、土休日は9月14日~10月11日の朝比線1往復になるとの事。各種グッズも販売している。他は過去車両になったが、現状はどうなっているのだろうか。
前号で「31社の一覧が欲しかった」と書いたつくばEXPOの連節バス、今号に記載がありました。地元茨城の事業者は、入っていなかったんだ。一般車によるシャトルバスに専念していたという事か。貸切専門の事業者が多く、今はなくなった事業者も少なくない。現存する事業者でも、いまはない営業所が目立つ。一般の路線バス事業者ですぐ思いつく所では、関東バスや立川バスが入っていない。この31社でつくばから一番遠いのは、常磐交通と神奈中バス、東武バス(沼田〔営〕)あたりとなるだろうか(箱根登山は、当時存在した東京観光営業所)。神奈中と京成は、後に自社路線で連節バスを運行する事になるが、なにかノウハウは生かされたのだろうか。
ユニバースのコロナ対策の記事もあったが、とにかくいくらバスを初めとする交通のコロナ対策がしっかりしていても、そもそも「移動はやめてください」「外出は自粛してください」では、交通事業者は、いかんともしがたい…。
次号は、長電バスと千葉県。業界のウラ話が載る、という事だろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
2日 保育園児死亡事件 福岡県・中間市 保育園に特別監査
(福岡市 高島市長記者会見 全国知事会「ロックダウン」検討要求意見に異議)
3日 ASEAN・日中韓外相オンライン会議 茂木外相 債権国の規則順守必要性強調
(大阪府 通天閣・太陽の塔 赤色にライトアップ)
4日 小山田 圭吾氏インタビュー雑誌 発売休止発表
(タイ 感染者2万200人・死者188人 1日では過去最多)
次回は土曜日に更新、首都圏交通事業者の、コロナウィルス対策について書きます。日本も同じく、のっぴきならない、事態だねえ…。今日も、関東地方は猛暑でした。ウィルスと熱中症のダブルパンチ、無理に外出しないで、涼しい場所でおとなしく過ごしていた方が、身を護るという点でいいでしょう。交通事業者には大変申し訳ない事だが…。
№2361 バスラマインターナショナル186(ぽると出版)
「バスラマインターナショナル186」は、先月末発売になりました。
各地の新車から
都営バスのエアロスターは新鮮。川崎市営バスのエルガ・ハイブリッドは、先日本体で画像を公開させて頂きました。
丸建つばさ交通のエルガミオは、白一色はつまらない(フロントに描かれているのは、バラ?)とは思うが、今は緊急事態でもあるし、今後新しいデザインも考えられるのだろうか。
新型コロナウィルスCOVID-19の影響 Ⅲ
グラフを斜め読みして、他の動向も合わせて、少し感想を書いてみます。
一般路線は、観光路線が多い濃飛バスを除くと、やや下げ止まっているとは見える。しかし、グラフの4社のみならず、全体的に低迷傾向なのは肌身にも感じられるところで、大手クラスでも改正の度に減便が繰り返されたり、あとは割引制度の見直し・廃止(PASMOの「バス特」や、各地の「ワンコイン運賃」など)。高速バスは、私が見た感じだと、特に九州の減便がキツイ用に感じられる。ここにはないが、宮崎交通の宮崎~鹿児島路線が廃止になったりしている。JR九州の特急も減便しているので、九州内の移動(特に北⇔南間)は相当しんどい状況になっていると思われる。
定期観光バスは、バス事業の中では一番「不要不急」の利用、という事になってしまうのだろう。グラフの2社(はとバス・京阪バス)以外は、ひょっとしたらほとんどなくなってしまう危険があると思う(元々コロナ禍の前から縮小傾向だった)。貸切バスも、安定していた需要が止まってしまうと苦しいし、空港連絡バスはとにかく旅客機次第。特に国際線が大半の成田空港関連は、今でも多数が運休の状態で、相当しんどいだろう(便数が少ない上、現状では着いてもすぐ、目の前にいるバスに乗れるわけではない)。
公共交通の維持が危機的、という結びになっていて、各事業者は「補助・支援」を口にする。確かにそれも必要でもあり、国・政府には、「我慢を要求するなら、見返りはあるのか」とも問いたい。が、短期的にはそれで良くても、やはりバスに限らず交通は「移動のニーズ」があってこそ、なので、それが失われた状態では、長期的には行き詰ってしまうのではないか。個人的にはこの機に、単なる減便とかだけではなく、熊本で行われる事になるような、複数社を巻き込んだ、大規模な運行形態の再編成も必要になると思う。コロナ禍の前からすでにドライバー不足等が起きていて、運行の維持に影響が出ていたのだから、この機に、という感はあります。
(なお、「航空業界の早期割引」は通常運賃の値上げがあってこその施策」という意見もあったそうだが、それは違うと思う。LCCなどの新規参入に対する大手側の対抗策、の意味の方が強いのではないか?)
バス事業者訪問 224 サポート観光
225 アルペン交通
226 プリンシプル自動車
今回は3社で、皆貸切専業。正直一般的な「観光バス」は乗らないし、皆中小なので名前もほとんど知らなかった。プリンシプルは見た事があるが(地元だし、カラーがインパクトあるから覚えている)、北陸の2社は、たぶん見た事がない(あってもすぐ忘れてしまっているだろう)。次にどこかで見た時は、はっきり覚えていられると思う。
巻頭の編集長の文言で「規模が小さくても、何かキラリと光るものは持っているはずだ」と記されているが、私自身、一般的な「路線バス」であっても、もっと小さい所が取り上げられてもいいと、ずっと思っていました。「光るもの」があるかどうかは解らないが、逆に小規模ゆえの苦難の道が見えてくる、小規模ゆえに言いたい事があるのではないかとも思っているので。
特に北陸の2社に共通していたのは、中古導入は、トータルでは決して「安上がり」にはならないという事。特に「観光バス」は走行条件が厳しくなりがちだし(しかも北陸2社は雪もある)、故障のリスクは高まるだろう。この2社は、以前はどの程度の経年の車両を使っていたかは解らないが、コロナ禍前の成田空港とか、著名観光地に集まる零細貸切事業者は、相当古い車両が集まっていたのも見ていて、素人目にも「大丈夫かなあ」と思ったりしたものでした。ただ、安定して新車を導入し続けるには、やはり経営も安定したものにならないといけないだろう。それは、一般の路線バス事業者も同じだろうが。地方だと大手でも中古導入が半分以上を占める事業者も少なくないが、ただ比較的大手なら自社内での整備もできるし、市内路線のバスなら観光バスや高速バスなど程は厳しくはならないだろう、とは思うのだが。
プリンシプル自動車の神奈川営業所は、コロナ禍でほとんど稼働していない状態の神奈川営業所の写真があるが、実は今日、彼の地に行ってみました(厚木アクストの近く)。大型車はガーラ2台だけ残って、何の輸送かは解らないが、ほとんど出払っている状態だったのは一安心(町田ゼルビア専用だったエアロバスが、登録を抹消された状態で留置されていた。アルバムには記載されていない)。
この3社で一番印象的だったのは、アルペン交通でした。会社の発足は他の零細事業者とほとんど同じ同じ、中古バス数台から開始し、インバウンドやツアーバスもやっていたが、東日本大震災と、翌年の関越ツアーバス事故(この記述だと、この事故は震災の直後に起きたように読めてしまう。実際は翌年)で、方向を全面的に転換、ドライバー採用の在り方を根本的に見直し、車両も新車導入を中心にして(今でも中古導入が、ないわけではないが)、高評価を得られるようになったという事。こういう志が、他の零細事業者にも生まれて欲しい。コロナ禍は全ての貸切専業事業者に打撃となったが、これで「ブラック」な事業者が淘汰されるのなら、それは悪い事ではないだろう。
サポート観光の福井県は、石川県や富山県と比べると、北陸では地味な県なのは、申し訳ないが間違いない。無論魅力がないわけではないが、県内への空路がない事(小松空港で十分間に合う)、JR北陸本線の、特に大阪・名古屋からの特急が全て、福井は単なる通過点になっている事、県都福井市の人口が約27万人で金沢市(約47万人)・富山市(約42万人)と比較しても小さいうえ、嶺北と、敦賀を中心とした嶺南で生活圏が割と異なるようだから、つかみどころがないのではないだろうか?北陸新幹線の敦賀延伸が3年後、中部自動車道の大野~油坂間開通は5年後、の予定だから、もう少し辛抱が必要なのか。
アルペン交通とプリンシプル自動車は、以前はインバウンド輸送もやっていたそうだが、読む限りではリスクも相当大きそうだ。もう少し大手でもやらない、という所もあり、コロナ禍後に戻ってきた時、業界全体でもう少し、まともな受け入れ態勢を構築できていないといけないだろう(万が一大事故が起きたら、国際問題にも発展する。事業者だけに任せてはいけない話だ)。
プリンシプルでは運賃制度の話も出た。この点は連続ツアーバス事故でもクローズアップされたが、旅行会社がキチンと守って欲しいのが一番だけれど、利用者の側も、本当にただ「安ければ」いいのか、一度考えなければならないだろう。ただ、航空のLCCに見られるように、「安いのが一番、運賃値上げはけしからん」という認識が、特に平成の30年間で出来上がってしまっているので、意識改革は難しいかも。金の流れの透明性が、純粋な民間企業であっても求められるだろう。
今後もこの3社のような中小貸切専用事業者を取り上げる機会はあるだろうが、リクエストさせてもらえるとすれば、近年は大手乗合事業者が路線を廃止した後、代替で自治体などが主導して運行を開始するコミュニティバスとか、乗合タクシーなどを受託する貸切事業者が多くなってきているので(神奈川県にも数社ある)、そこを取り上げて欲しいです。貸切の経験は、乗合にはどの程度生きるものなのか。
超長期実用テスト 京浜急行バスH3401が引退
走行距離が100万kmに届かず(おなじモニター車の鹿児島交通のユニバースは達成したそうだが)、道半ばでの無念の引退、という事になるが、モニター車、というより、京浜急行バスが夜行高速バスから全面撤退した、という方が、インパクトが大きい。〔ノクターン〕がヒットし、〔ムーンライト〕の西鉄・阪急と共に、昭和末期~平成初期の高速バスブームを引っ張ってきた、大手中の大手なので。京浜急行バスの夜行高速は元々縮小傾向にあったが、コロナ禍がとどめを刺した、という所だろう。この点にも触れて欲しかったが、来年初頭の増刊号あたりで期待したいです。次はどこで走るのだろうか。
(なお、京浜急行バスの夜行路線へのの日野導入は現行セレガが初めてではなく、〔キャメル〕スタート時に、初代セレガより前のブルーリボンSHDを導入していた(本体で公開しています)。京浜急行バスの夜行専用車は、最後まで全車両がSHDだった事は特筆していいでしょう)
入れ替わりのモニター車は、京成バスのブルーリボンハイブリッド連節バス。連節バスをモニター車にするのは初。
日産シビリアン
アニメのキャラクターを描いた幼稚園バスのシビリアン、多かったよね(版権は大丈夫なの?と思っているのだが、どうしているのだろう)。
シビリアン、というより「幼稚園バス」、ひいては通学バスの目線で言うと、今後の幼稚園の経営って、少子化がさらに進むので、かなり困難になってくるところがあると思われるがどうだろう?一方で学校は、特に地方では統廃合が進んで学区が広域化し、必然的に児童・生徒の通学距離が長くなるし、八街の事故に見られるように、徒歩での通学には危険も伴う。ので、今後はトヨタのコースター(日野リエッセⅡ)や、三菱のローザが代替策となるのだろうが、高年齢(小・中学校)向けへの仕様のシフト、という方向になるのかも知れない。アルペン交通で通学バス受託の話もあったが、この分野に的を絞った考察があってもいいのではないだろうか。
(千葉県の熊谷知事が、スクールバスの助成への要件の緩和を文部科学省・国土交通省・警察庁に送ったという事)
今回の香港からの報告は、キャセイパシフィック航空(CX)のクルー専用バス。当然航空会社は全世界的に苦しいが、特にCXは、中国メインランド路線以外は全て国際線となるから、本当に大変だと思う。しかもクルーと言えども帰国後2~3週間の隔離を要求されるというのでは、防護服を着用するドライバーも大変だが、CXのクルーもまた大変。この忍耐が、いつか報われる日は、来るのだろうか?日本の隔離措置の在り方についての批判は少なくないが、結局どこの国だって、同じなのではないか?
モニター車は、京王バスのT20711号車も今年で14年となり、そろそろ代替が視野に入るのではないか?
次号のバス事業者は、北恵那交通を除くと皆、沖縄の宮古島の事業者。バステクフォーラムもあるが、次号の発売日は、オリンピックは終わって、パラリンピックの真っただ中、というタイミングになる。関連した輸送に関する報告はあるだろうか?ある、という状況であったなら、良いのだが。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
30日 ブラインドサッカー日本代表ユニフォーム発表 オリンピック男女代表と同デザイン
(JICA ワクチン接種支援 パレスチナ暫定自治区で署名式)
1日 「電話リレーサービス」 開始
(救急救命士 ワクチン接種開始 神奈川県海老名市)
いろいろな意味で正念場の7月を迎えました。東京都は感染者数が拡大傾向で、「オリンピックは大丈夫なの?」の疑問の声も、当然高まるでしょう。次回の更新は先日鉄道各社から出された、オリンピック輸送の計画についてもまとめるが、無事完遂される事を願います。ともかくやると決まった以上は、無事に開幕を迎えて、無事に全部の競技を終えて、選手・関係者らが誰一人として感染する事なく、無事母国に帰国して欲しい。開幕前の9日には東京都議会選挙もあるし、しばらくは様々な分野で、緊迫した日々が続くのでしょう。
各地の新車から
都営バスのエアロスターは新鮮。川崎市営バスのエルガ・ハイブリッドは、先日本体で画像を公開させて頂きました。
丸建つばさ交通のエルガミオは、白一色はつまらない(フロントに描かれているのは、バラ?)とは思うが、今は緊急事態でもあるし、今後新しいデザインも考えられるのだろうか。
新型コロナウィルスCOVID-19の影響 Ⅲ
グラフを斜め読みして、他の動向も合わせて、少し感想を書いてみます。
一般路線は、観光路線が多い濃飛バスを除くと、やや下げ止まっているとは見える。しかし、グラフの4社のみならず、全体的に低迷傾向なのは肌身にも感じられるところで、大手クラスでも改正の度に減便が繰り返されたり、あとは割引制度の見直し・廃止(PASMOの「バス特」や、各地の「ワンコイン運賃」など)。高速バスは、私が見た感じだと、特に九州の減便がキツイ用に感じられる。ここにはないが、宮崎交通の宮崎~鹿児島路線が廃止になったりしている。JR九州の特急も減便しているので、九州内の移動(特に北⇔南間)は相当しんどい状況になっていると思われる。
定期観光バスは、バス事業の中では一番「不要不急」の利用、という事になってしまうのだろう。グラフの2社(はとバス・京阪バス)以外は、ひょっとしたらほとんどなくなってしまう危険があると思う(元々コロナ禍の前から縮小傾向だった)。貸切バスも、安定していた需要が止まってしまうと苦しいし、空港連絡バスはとにかく旅客機次第。特に国際線が大半の成田空港関連は、今でも多数が運休の状態で、相当しんどいだろう(便数が少ない上、現状では着いてもすぐ、目の前にいるバスに乗れるわけではない)。
公共交通の維持が危機的、という結びになっていて、各事業者は「補助・支援」を口にする。確かにそれも必要でもあり、国・政府には、「我慢を要求するなら、見返りはあるのか」とも問いたい。が、短期的にはそれで良くても、やはりバスに限らず交通は「移動のニーズ」があってこそ、なので、それが失われた状態では、長期的には行き詰ってしまうのではないか。個人的にはこの機に、単なる減便とかだけではなく、熊本で行われる事になるような、複数社を巻き込んだ、大規模な運行形態の再編成も必要になると思う。コロナ禍の前からすでにドライバー不足等が起きていて、運行の維持に影響が出ていたのだから、この機に、という感はあります。
(なお、「航空業界の早期割引」は通常運賃の値上げがあってこその施策」という意見もあったそうだが、それは違うと思う。LCCなどの新規参入に対する大手側の対抗策、の意味の方が強いのではないか?)
バス事業者訪問 224 サポート観光
225 アルペン交通
226 プリンシプル自動車
今回は3社で、皆貸切専業。正直一般的な「観光バス」は乗らないし、皆中小なので名前もほとんど知らなかった。プリンシプルは見た事があるが(地元だし、カラーがインパクトあるから覚えている)、北陸の2社は、たぶん見た事がない(あってもすぐ忘れてしまっているだろう)。次にどこかで見た時は、はっきり覚えていられると思う。
巻頭の編集長の文言で「規模が小さくても、何かキラリと光るものは持っているはずだ」と記されているが、私自身、一般的な「路線バス」であっても、もっと小さい所が取り上げられてもいいと、ずっと思っていました。「光るもの」があるかどうかは解らないが、逆に小規模ゆえの苦難の道が見えてくる、小規模ゆえに言いたい事があるのではないかとも思っているので。
特に北陸の2社に共通していたのは、中古導入は、トータルでは決して「安上がり」にはならないという事。特に「観光バス」は走行条件が厳しくなりがちだし(しかも北陸2社は雪もある)、故障のリスクは高まるだろう。この2社は、以前はどの程度の経年の車両を使っていたかは解らないが、コロナ禍前の成田空港とか、著名観光地に集まる零細貸切事業者は、相当古い車両が集まっていたのも見ていて、素人目にも「大丈夫かなあ」と思ったりしたものでした。ただ、安定して新車を導入し続けるには、やはり経営も安定したものにならないといけないだろう。それは、一般の路線バス事業者も同じだろうが。地方だと大手でも中古導入が半分以上を占める事業者も少なくないが、ただ比較的大手なら自社内での整備もできるし、市内路線のバスなら観光バスや高速バスなど程は厳しくはならないだろう、とは思うのだが。
プリンシプル自動車の神奈川営業所は、コロナ禍でほとんど稼働していない状態の神奈川営業所の写真があるが、実は今日、彼の地に行ってみました(厚木アクストの近く)。大型車はガーラ2台だけ残って、何の輸送かは解らないが、ほとんど出払っている状態だったのは一安心(町田ゼルビア専用だったエアロバスが、登録を抹消された状態で留置されていた。アルバムには記載されていない)。
この3社で一番印象的だったのは、アルペン交通でした。会社の発足は他の零細事業者とほとんど同じ同じ、中古バス数台から開始し、インバウンドやツアーバスもやっていたが、東日本大震災と、翌年の関越ツアーバス事故(この記述だと、この事故は震災の直後に起きたように読めてしまう。実際は翌年)で、方向を全面的に転換、ドライバー採用の在り方を根本的に見直し、車両も新車導入を中心にして(今でも中古導入が、ないわけではないが)、高評価を得られるようになったという事。こういう志が、他の零細事業者にも生まれて欲しい。コロナ禍は全ての貸切専業事業者に打撃となったが、これで「ブラック」な事業者が淘汰されるのなら、それは悪い事ではないだろう。
サポート観光の福井県は、石川県や富山県と比べると、北陸では地味な県なのは、申し訳ないが間違いない。無論魅力がないわけではないが、県内への空路がない事(小松空港で十分間に合う)、JR北陸本線の、特に大阪・名古屋からの特急が全て、福井は単なる通過点になっている事、県都福井市の人口が約27万人で金沢市(約47万人)・富山市(約42万人)と比較しても小さいうえ、嶺北と、敦賀を中心とした嶺南で生活圏が割と異なるようだから、つかみどころがないのではないだろうか?北陸新幹線の敦賀延伸が3年後、中部自動車道の大野~油坂間開通は5年後、の予定だから、もう少し辛抱が必要なのか。
アルペン交通とプリンシプル自動車は、以前はインバウンド輸送もやっていたそうだが、読む限りではリスクも相当大きそうだ。もう少し大手でもやらない、という所もあり、コロナ禍後に戻ってきた時、業界全体でもう少し、まともな受け入れ態勢を構築できていないといけないだろう(万が一大事故が起きたら、国際問題にも発展する。事業者だけに任せてはいけない話だ)。
プリンシプルでは運賃制度の話も出た。この点は連続ツアーバス事故でもクローズアップされたが、旅行会社がキチンと守って欲しいのが一番だけれど、利用者の側も、本当にただ「安ければ」いいのか、一度考えなければならないだろう。ただ、航空のLCCに見られるように、「安いのが一番、運賃値上げはけしからん」という認識が、特に平成の30年間で出来上がってしまっているので、意識改革は難しいかも。金の流れの透明性が、純粋な民間企業であっても求められるだろう。
今後もこの3社のような中小貸切専用事業者を取り上げる機会はあるだろうが、リクエストさせてもらえるとすれば、近年は大手乗合事業者が路線を廃止した後、代替で自治体などが主導して運行を開始するコミュニティバスとか、乗合タクシーなどを受託する貸切事業者が多くなってきているので(神奈川県にも数社ある)、そこを取り上げて欲しいです。貸切の経験は、乗合にはどの程度生きるものなのか。
超長期実用テスト 京浜急行バスH3401が引退
走行距離が100万kmに届かず(おなじモニター車の鹿児島交通のユニバースは達成したそうだが)、道半ばでの無念の引退、という事になるが、モニター車、というより、京浜急行バスが夜行高速バスから全面撤退した、という方が、インパクトが大きい。〔ノクターン〕がヒットし、〔ムーンライト〕の西鉄・阪急と共に、昭和末期~平成初期の高速バスブームを引っ張ってきた、大手中の大手なので。京浜急行バスの夜行高速は元々縮小傾向にあったが、コロナ禍がとどめを刺した、という所だろう。この点にも触れて欲しかったが、来年初頭の増刊号あたりで期待したいです。次はどこで走るのだろうか。
(なお、京浜急行バスの夜行路線へのの日野導入は現行セレガが初めてではなく、〔キャメル〕スタート時に、初代セレガより前のブルーリボンSHDを導入していた(本体で公開しています)。京浜急行バスの夜行専用車は、最後まで全車両がSHDだった事は特筆していいでしょう)
入れ替わりのモニター車は、京成バスのブルーリボンハイブリッド連節バス。連節バスをモニター車にするのは初。
日産シビリアン
アニメのキャラクターを描いた幼稚園バスのシビリアン、多かったよね(版権は大丈夫なの?と思っているのだが、どうしているのだろう)。
シビリアン、というより「幼稚園バス」、ひいては通学バスの目線で言うと、今後の幼稚園の経営って、少子化がさらに進むので、かなり困難になってくるところがあると思われるがどうだろう?一方で学校は、特に地方では統廃合が進んで学区が広域化し、必然的に児童・生徒の通学距離が長くなるし、八街の事故に見られるように、徒歩での通学には危険も伴う。ので、今後はトヨタのコースター(日野リエッセⅡ)や、三菱のローザが代替策となるのだろうが、高年齢(小・中学校)向けへの仕様のシフト、という方向になるのかも知れない。アルペン交通で通学バス受託の話もあったが、この分野に的を絞った考察があってもいいのではないだろうか。
(千葉県の熊谷知事が、スクールバスの助成への要件の緩和を文部科学省・国土交通省・警察庁に送ったという事)
今回の香港からの報告は、キャセイパシフィック航空(CX)のクルー専用バス。当然航空会社は全世界的に苦しいが、特にCXは、中国メインランド路線以外は全て国際線となるから、本当に大変だと思う。しかもクルーと言えども帰国後2~3週間の隔離を要求されるというのでは、防護服を着用するドライバーも大変だが、CXのクルーもまた大変。この忍耐が、いつか報われる日は、来るのだろうか?日本の隔離措置の在り方についての批判は少なくないが、結局どこの国だって、同じなのではないか?
モニター車は、京王バスのT20711号車も今年で14年となり、そろそろ代替が視野に入るのではないか?
次号のバス事業者は、北恵那交通を除くと皆、沖縄の宮古島の事業者。バステクフォーラムもあるが、次号の発売日は、オリンピックは終わって、パラリンピックの真っただ中、というタイミングになる。関連した輸送に関する報告はあるだろうか?ある、という状況であったなら、良いのだが。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
30日 ブラインドサッカー日本代表ユニフォーム発表 オリンピック男女代表と同デザイン
(JICA ワクチン接種支援 パレスチナ暫定自治区で署名式)
1日 「電話リレーサービス」 開始
(救急救命士 ワクチン接種開始 神奈川県海老名市)
いろいろな意味で正念場の7月を迎えました。東京都は感染者数が拡大傾向で、「オリンピックは大丈夫なの?」の疑問の声も、当然高まるでしょう。次回の更新は先日鉄道各社から出された、オリンピック輸送の計画についてもまとめるが、無事完遂される事を願います。ともかくやると決まった以上は、無事に開幕を迎えて、無事に全部の競技を終えて、選手・関係者らが誰一人として感染する事なく、無事母国に帰国して欲しい。開幕前の9日には東京都議会選挙もあるし、しばらくは様々な分野で、緊迫した日々が続くのでしょう。
№2352 バスマガジンvol.107 (講談社ビーシー/講談社)
「バスマガジンvol.107」、先月末発売になったが、少々遅くなりました。
表紙は、寝屋川市駅前を出発する、京阪バスのエルガ。駅は平成の間に立体化で高架駅となり、付近と合わせて、大きく姿がかわりました。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.107 京阪バス
多少意外だったが、京阪バスは今号が初めて(京都バスはやっているが)。
先に京都・滋賀のグループ会社で見ると、京都京阪バスは、元々は京阪宇治バスで、京阪宇治交通の分社だった。本元の京阪宇治交通が京阪バスに合併し、分社が独立して残ったというのは面白い。4社中3社に「京都」の2文字が入り、特に京都京阪バスと京阪京都交通は、紛らわしくも感じられる(路線は被っている所はない)。
(福井県の京福バスは京福電気鉄道の子会社で、京都バスと同じく、京阪電鉄から見ると孫会社)
高速バスは、やはり夜行を中心とした長距離路線は縮小傾向だが、「直Q京都」(京阪バス公式Webでは「急行バス・観光周遊バス」のカテゴリーに入っている)が興味深い。京都~松井山手駅間は日中も1時間に2本はあり、40分弱で結ばれている。確かに松井山手から京都までは、鉄道だと京田辺経由の迂回・乗り継ぎを強いられるし、高速道路開通の恩恵と言えるが、松井山手駅の開業は平成になって間もない1989(H元)年3月11日、JR学研都市線(片町線)全線電化と同じだからまだ30年とそこいらしか経っていない。そこまで成長したのか。「直Q京都」にはなんば・USJ路線もあるが、京都と大阪の「ミナミ」をダイレクトに結ぶ交通は他にはなく、最速が1時間17分で、JR新快速+大阪環状線乗り継ぎよりは遅いが、大阪駅での乗り換えの労苦を考えたら、いい勝負になるのかも知れない。どの程度の利用があるものだろうか。
車両面では、長らく日野と三菱ふそうが拮抗していて、他メーカーはほとんどない、というイメージがあったが、最近はいすゞも増えているようだ(京阪京都交通には、旧京都交通から引き継いだ、京阪カラーのキュービックも見られた)。日産ディーゼルは、旧京阪宇治交通からの引継ぎもあったと思うが、全滅している。「直Q京都」なんて、スカニアのようなダブルデッカーは向いているのではないか?
移籍バスの行方を追跡
第4回、京王バスのその2。京王バスは、平成初期あたりまではいすゞ・日野・三菱ふそうがほぼシェアを分け合っていた感があったが、中型系の開発あたりから(大型も含めて)日産ディーゼル(UD)が中心になり、しかしUDは生産を止めてしまって、また元の3社が分け合う格好になっている。その辺の所が、今回の各車両の伺えるように思える。中型系は、都心ではやや評価が微妙になったが、地方ではどういう評価になるのだろうか。茨城交通に移籍した三菱ふそうエアロバスの高速車もあるが、去年退役した「ガールズ&パンツァー」のラッピング高速車、他者様のサイトに拠ると、あれって、元は京王バスだったらしい。出しても良かった?
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.39 埼玉県 Part 1
ここは前回も2回に分けての掲載になり、Vol.46・Vol.47で取り上げられました。2011(H23)年3・5月と、当ブログスタート後の刊行なので、私も駄文を書いています。といっても、そんな大した事ではないが。
今回はさいたま市を中心とした東部で、これは、前回ではVol.46掲載とほぼ同じ。事業者もほぼ同じで、前回は「代替輸送を担う 新規参入事業者」として表に記されただけの事業者も、大和観光自動車、マイスカイ交通、メートー観光は画像があり、他にも数社見られる(前回は社名があった埼京タクシーは今回はないが、今でも戸田市コミュニティ1路線を運航している)。でも新規参入は、次号になる西部にも多いが、浮き沈みが激しく、早めに撤退する事業者もあるようだ。安定した運行を望みたい。
一方で今回はどういうわけか、東武バスセントラルが出てきていない。ウエストより東の、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)沿線を中心に路線がある事業者だし、次号が西部地区を取り上げるであれば、ここで出てくるべきだと思う。
朝日自動車は、東武バスからの引継ぎを除いたら、中型車ばかりだと思っていたのだが、今は大型車も普通に入っていて、ハイブリッドまであるとは、少々驚き。
次号は大河ドラマの舞台の深谷市が範囲に入るはずで、血洗島(渋沢 栄一の生地)までの臨時バスも運行されているそうだが、掲載があるだろうか。
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第33回
車種の選択肢が限られてきていて、事業者の間では今後どうする・どうなる?という話。
特に7m級の貸切バスは、国産メーカーが相次いで終了してしまったので、旧型車を延命させて使用しなければならない、という事業者の嘆きがあるという。9mクラスも同様だというが、シロート考えだと、9mは路線バスに中型車としてあるので、そこから発展していけば作れるのではないか?と思ってしまうのだが、そう単純でもないのだろう。
ノンステップ車は、走行条件、特に寒冷地で問題がありそうだが、これはやはりバス事業者やメーカーのみならず、道路の管理者の側にも、公共交通優先の立場に立った、道路(バス停等も含めて)考えてもらいたいと思う。低床化自体は時代の趨勢なので、今さら翻せないから。
(一方で鈴木氏は、このテキストを読む限り、路線バスは何が何でもノンステップでなければ、という考えではなさそうだ。そう思えた)
ポンチョは、今後はBRD・J9や、今回イオンモール熱田でデビューのルポがあったオノエンスターEV7.0の中国製EV勢との競争になるのだろうが(EV7.0は車幅が広めなので、サイズ的に直接競合するかは微妙だが)、当然車両のみならず、エネルギー充填等のバックアップシステムも含めた選択になる。とはいえどれも小型のノンステップの宿命だろうが、やや収容力に難があるのは事実で、関東でも東急バスや京浜急行バスでは、若干リエッセを残して運行が継続されていたりする。そもそもポンチョ(中国製EVもだろうと思うが)はコミュニティバスに特化したモデルで、一般路線、まして長距離の運行は想定していないので、ここで無理が生じてしまうのか。
路線バスタイプのトップドア車は、京阪バスでも立命館大学路線でブルーリボンⅡが見られたが、確かに高速線用モデルほどのスペックを必要としない短距離高速や、一般道のみの長距離急行バス、空港バス路線には向きそうだが、代替モデルがないので、今後どうするか、という事になる。高速モデルの廉価版(今号では、高速路線に特化したヒュンダイ・ユニバースが紹介されている)に置き換える事になるのだろうが、路線によっては、機動性に問題が出るのかも知れない。
いずれにしろバスはマイカーなどと違って流れ作業で大量生産、には向かないし、需要自体も減ってきている。コロナ禍以降は特に心配だし、むろん日本のメーカーも頑張っているとは思いたいが、民間企業なので、売れないモデルは簡単には生み出せない。今後はダブルデッカーのスカニアに見られるように、海外のメーカーに、できる部分は委ねる、という方向になってしまうのだろうか。もう少し事業者サイド(メーカーから見たら「お客様」なのだから)が結集して、声をあげるべきなのかもしれない。やはり需要が生まれる事、生まれるようにバス利用者が増える事、が一番なのだろうが。
このコラムで今後やって欲しいのは、「バス停」。3年前の横浜市内事故を契機に、横断歩道に隣接したバス停が危険視され、整備が可能な所は移動も行われているが(私の自宅の近くでも、1か所が去年移動している)、移動先を確保できずに、廃止になる所も出てきているようだ。一方で大都市部では、サイネージを活用した「スマートバス停」も見られるようになっているが、都市と地方部では「格差」が生まれつつあるよう。バス停周辺はどのような環境整備が行われるべきか、そもそも設置場所の確保はどうすべきか(住民感情も配慮しなければならない)、また鉄道の駅のホームと違ってスペースが限られてくるバス停では、どの程度までインフォメーションを整備すべきか、そこまで考察して頂けると、ありがたいです。
終点の情景を求めて
瀬戸内海、広島県の大崎下島にある、沖友天満宮前。この路線は、旧呉市営バスなのだろうか。瀬戸内産交バス自身は公式Webを作っていないが、呉市の公共交通機関のページに時刻が掲載されている。中国労災病院・広駅から平日11往復・土休日8.5往復(上蒲刈島の営農センターまではもう少し本数が多い)。他に呉駅や、さらに広島からの長距離便(「とびしまライナー」と称するらしい)が来るなら、ロケーションからしたら健闘している。車窓から海が存分に見られそうなのは、いいよね。
平成初期のバスを振り返る
宮城交通。冒頭の「3社統合後も経営難や労使問題で抜本的な経営改善が進まなかった」の文言は、岩手県交通と同じだと思った。車両もその辺を引きずった感があって、まだモノコック車も少なくなかった、という感じ。富士ボディの三菱MP117K、車両そのものは見た事がなかったが、カラーは見た事がある。屋根上の大きな広告板が、地方のバスらしい。
1985(S60)年のつくば万博の時に走った連節バスも、なかなか興味深かった。「関東エリア31社」がどこなのか、一覧でもあれば良かった。当時の茨城県のバスは、関東鉄道、茨城交通、日立電鉄が最大手で、当時は東武鉄道バスもあったはずだし、国鉄や大利根交通、茨城オート、後に廃業した茨城観光もあった。東野交通も下館に路線があったらしいが、とうていそれらだけでは足りなかったはずで、どのくらいまでの事業者が、運行に携わっていたのだろうか。
次号は、バス会社は防長交通、全方位レポートは埼玉県のPart2。しかし次号は、開催されているなら東京オリンピックの真っただ中の刊行という事になる。開催出来てもほぼ無観客になると思われ(海外からは受け入れないと既に決まっている)、バスが輸送面で活躍できる場面は、残念ながら少なくなってしまった。それでも、少しでもいいから、何らかの形で貢献出来ていればいい、と思っています。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
大阪メトロ・御堂筋線では今朝、梅田駅で電車がホームに設けられたゴムの部材に接触したため、5時間にわたって不通になったという事です。緊急事態宣言下とは言えラッシュの真っただ中、混乱も大きかったと思う。電車とホームの隙間を小さくするために、最近は各地の鉄道で同じような部材を取り付けるケースが多いが、梅田駅は今日未明に取り付けられたばかりだという。試運転とかは、やらなかったのだろうか?
解体中のビルが崩落、バスが巻き添えになって9人死亡、という韓国・光州市の事故は、全くお気の毒というしかありません。お悔やみを申し上げたいと思います。日本でも25年前、北海道中央バスがトンネルの崩落に巻き込まれて犠牲者多数、という事故がありました。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
9日 大塚家具決算 23億円の最終赤字
(時短協力金「不正受給」カラオケバー 東京都 店名・事業者公表)
10日 「アフィリエイト広告」 被害防止へ連絡会
(オリ・パラ パブリックビューイング中止 千葉県熊谷知事表明)
表紙は、寝屋川市駅前を出発する、京阪バスのエルガ。駅は平成の間に立体化で高架駅となり、付近と合わせて、大きく姿がかわりました。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.107 京阪バス
多少意外だったが、京阪バスは今号が初めて(京都バスはやっているが)。
先に京都・滋賀のグループ会社で見ると、京都京阪バスは、元々は京阪宇治バスで、京阪宇治交通の分社だった。本元の京阪宇治交通が京阪バスに合併し、分社が独立して残ったというのは面白い。4社中3社に「京都」の2文字が入り、特に京都京阪バスと京阪京都交通は、紛らわしくも感じられる(路線は被っている所はない)。
(福井県の京福バスは京福電気鉄道の子会社で、京都バスと同じく、京阪電鉄から見ると孫会社)
高速バスは、やはり夜行を中心とした長距離路線は縮小傾向だが、「直Q京都」(京阪バス公式Webでは「急行バス・観光周遊バス」のカテゴリーに入っている)が興味深い。京都~松井山手駅間は日中も1時間に2本はあり、40分弱で結ばれている。確かに松井山手から京都までは、鉄道だと京田辺経由の迂回・乗り継ぎを強いられるし、高速道路開通の恩恵と言えるが、松井山手駅の開業は平成になって間もない1989(H元)年3月11日、JR学研都市線(片町線)全線電化と同じだからまだ30年とそこいらしか経っていない。そこまで成長したのか。「直Q京都」にはなんば・USJ路線もあるが、京都と大阪の「ミナミ」をダイレクトに結ぶ交通は他にはなく、最速が1時間17分で、JR新快速+大阪環状線乗り継ぎよりは遅いが、大阪駅での乗り換えの労苦を考えたら、いい勝負になるのかも知れない。どの程度の利用があるものだろうか。
車両面では、長らく日野と三菱ふそうが拮抗していて、他メーカーはほとんどない、というイメージがあったが、最近はいすゞも増えているようだ(京阪京都交通には、旧京都交通から引き継いだ、京阪カラーのキュービックも見られた)。日産ディーゼルは、旧京阪宇治交通からの引継ぎもあったと思うが、全滅している。「直Q京都」なんて、スカニアのようなダブルデッカーは向いているのではないか?
移籍バスの行方を追跡
第4回、京王バスのその2。京王バスは、平成初期あたりまではいすゞ・日野・三菱ふそうがほぼシェアを分け合っていた感があったが、中型系の開発あたりから(大型も含めて)日産ディーゼル(UD)が中心になり、しかしUDは生産を止めてしまって、また元の3社が分け合う格好になっている。その辺の所が、今回の各車両の伺えるように思える。中型系は、都心ではやや評価が微妙になったが、地方ではどういう評価になるのだろうか。茨城交通に移籍した三菱ふそうエアロバスの高速車もあるが、去年退役した「ガールズ&パンツァー」のラッピング高速車、他者様のサイトに拠ると、あれって、元は京王バスだったらしい。出しても良かった?
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.39 埼玉県 Part 1
ここは前回も2回に分けての掲載になり、Vol.46・Vol.47で取り上げられました。2011(H23)年3・5月と、当ブログスタート後の刊行なので、私も駄文を書いています。といっても、そんな大した事ではないが。
今回はさいたま市を中心とした東部で、これは、前回ではVol.46掲載とほぼ同じ。事業者もほぼ同じで、前回は「代替輸送を担う 新規参入事業者」として表に記されただけの事業者も、大和観光自動車、マイスカイ交通、メートー観光は画像があり、他にも数社見られる(前回は社名があった埼京タクシーは今回はないが、今でも戸田市コミュニティ1路線を運航している)。でも新規参入は、次号になる西部にも多いが、浮き沈みが激しく、早めに撤退する事業者もあるようだ。安定した運行を望みたい。
一方で今回はどういうわけか、東武バスセントラルが出てきていない。ウエストより東の、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)沿線を中心に路線がある事業者だし、次号が西部地区を取り上げるであれば、ここで出てくるべきだと思う。
朝日自動車は、東武バスからの引継ぎを除いたら、中型車ばかりだと思っていたのだが、今は大型車も普通に入っていて、ハイブリッドまであるとは、少々驚き。
次号は大河ドラマの舞台の深谷市が範囲に入るはずで、血洗島(渋沢 栄一の生地)までの臨時バスも運行されているそうだが、掲載があるだろうか。
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第33回
車種の選択肢が限られてきていて、事業者の間では今後どうする・どうなる?という話。
特に7m級の貸切バスは、国産メーカーが相次いで終了してしまったので、旧型車を延命させて使用しなければならない、という事業者の嘆きがあるという。9mクラスも同様だというが、シロート考えだと、9mは路線バスに中型車としてあるので、そこから発展していけば作れるのではないか?と思ってしまうのだが、そう単純でもないのだろう。
ノンステップ車は、走行条件、特に寒冷地で問題がありそうだが、これはやはりバス事業者やメーカーのみならず、道路の管理者の側にも、公共交通優先の立場に立った、道路(バス停等も含めて)考えてもらいたいと思う。低床化自体は時代の趨勢なので、今さら翻せないから。
(一方で鈴木氏は、このテキストを読む限り、路線バスは何が何でもノンステップでなければ、という考えではなさそうだ。そう思えた)
ポンチョは、今後はBRD・J9や、今回イオンモール熱田でデビューのルポがあったオノエンスターEV7.0の中国製EV勢との競争になるのだろうが(EV7.0は車幅が広めなので、サイズ的に直接競合するかは微妙だが)、当然車両のみならず、エネルギー充填等のバックアップシステムも含めた選択になる。とはいえどれも小型のノンステップの宿命だろうが、やや収容力に難があるのは事実で、関東でも東急バスや京浜急行バスでは、若干リエッセを残して運行が継続されていたりする。そもそもポンチョ(中国製EVもだろうと思うが)はコミュニティバスに特化したモデルで、一般路線、まして長距離の運行は想定していないので、ここで無理が生じてしまうのか。
路線バスタイプのトップドア車は、京阪バスでも立命館大学路線でブルーリボンⅡが見られたが、確かに高速線用モデルほどのスペックを必要としない短距離高速や、一般道のみの長距離急行バス、空港バス路線には向きそうだが、代替モデルがないので、今後どうするか、という事になる。高速モデルの廉価版(今号では、高速路線に特化したヒュンダイ・ユニバースが紹介されている)に置き換える事になるのだろうが、路線によっては、機動性に問題が出るのかも知れない。
いずれにしろバスはマイカーなどと違って流れ作業で大量生産、には向かないし、需要自体も減ってきている。コロナ禍以降は特に心配だし、むろん日本のメーカーも頑張っているとは思いたいが、民間企業なので、売れないモデルは簡単には生み出せない。今後はダブルデッカーのスカニアに見られるように、海外のメーカーに、できる部分は委ねる、という方向になってしまうのだろうか。もう少し事業者サイド(メーカーから見たら「お客様」なのだから)が結集して、声をあげるべきなのかもしれない。やはり需要が生まれる事、生まれるようにバス利用者が増える事、が一番なのだろうが。
このコラムで今後やって欲しいのは、「バス停」。3年前の横浜市内事故を契機に、横断歩道に隣接したバス停が危険視され、整備が可能な所は移動も行われているが(私の自宅の近くでも、1か所が去年移動している)、移動先を確保できずに、廃止になる所も出てきているようだ。一方で大都市部では、サイネージを活用した「スマートバス停」も見られるようになっているが、都市と地方部では「格差」が生まれつつあるよう。バス停周辺はどのような環境整備が行われるべきか、そもそも設置場所の確保はどうすべきか(住民感情も配慮しなければならない)、また鉄道の駅のホームと違ってスペースが限られてくるバス停では、どの程度までインフォメーションを整備すべきか、そこまで考察して頂けると、ありがたいです。
終点の情景を求めて
瀬戸内海、広島県の大崎下島にある、沖友天満宮前。この路線は、旧呉市営バスなのだろうか。瀬戸内産交バス自身は公式Webを作っていないが、呉市の公共交通機関のページに時刻が掲載されている。中国労災病院・広駅から平日11往復・土休日8.5往復(上蒲刈島の営農センターまではもう少し本数が多い)。他に呉駅や、さらに広島からの長距離便(「とびしまライナー」と称するらしい)が来るなら、ロケーションからしたら健闘している。車窓から海が存分に見られそうなのは、いいよね。
平成初期のバスを振り返る
宮城交通。冒頭の「3社統合後も経営難や労使問題で抜本的な経営改善が進まなかった」の文言は、岩手県交通と同じだと思った。車両もその辺を引きずった感があって、まだモノコック車も少なくなかった、という感じ。富士ボディの三菱MP117K、車両そのものは見た事がなかったが、カラーは見た事がある。屋根上の大きな広告板が、地方のバスらしい。
1985(S60)年のつくば万博の時に走った連節バスも、なかなか興味深かった。「関東エリア31社」がどこなのか、一覧でもあれば良かった。当時の茨城県のバスは、関東鉄道、茨城交通、日立電鉄が最大手で、当時は東武鉄道バスもあったはずだし、国鉄や大利根交通、茨城オート、後に廃業した茨城観光もあった。東野交通も下館に路線があったらしいが、とうていそれらだけでは足りなかったはずで、どのくらいまでの事業者が、運行に携わっていたのだろうか。
次号は、バス会社は防長交通、全方位レポートは埼玉県のPart2。しかし次号は、開催されているなら東京オリンピックの真っただ中の刊行という事になる。開催出来てもほぼ無観客になると思われ(海外からは受け入れないと既に決まっている)、バスが輸送面で活躍できる場面は、残念ながら少なくなってしまった。それでも、少しでもいいから、何らかの形で貢献出来ていればいい、と思っています。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
大阪メトロ・御堂筋線では今朝、梅田駅で電車がホームに設けられたゴムの部材に接触したため、5時間にわたって不通になったという事です。緊急事態宣言下とは言えラッシュの真っただ中、混乱も大きかったと思う。電車とホームの隙間を小さくするために、最近は各地の鉄道で同じような部材を取り付けるケースが多いが、梅田駅は今日未明に取り付けられたばかりだという。試運転とかは、やらなかったのだろうか?
解体中のビルが崩落、バスが巻き添えになって9人死亡、という韓国・光州市の事故は、全くお気の毒というしかありません。お悔やみを申し上げたいと思います。日本でも25年前、北海道中央バスがトンネルの崩落に巻き込まれて犠牲者多数、という事故がありました。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
9日 大塚家具決算 23億円の最終赤字
(時短協力金「不正受給」カラオケバー 東京都 店名・事業者公表)
10日 「アフィリエイト広告」 被害防止へ連絡会
(オリ・パラ パブリックビューイング中止 千葉県熊谷知事表明)
№2336 バスラマインターナショナル185(ぽると出版)
「バスラマインターナショナル185」は、先月末発売になりました。
2021 春のオムニバス
● EVM-JのF8は、車内全体の様子を写した画像と、三面図が欲しかった。ポンチョやBYDのJ6もだが、小型車でノンステップにしようとしたら、2ドア車でもホイールベース間にドアを2つとも配置しなければならなくなるのか。三菱ふそうエアロミディMEは、例外的だったのだろうか。
● 平和交通のBYDは、ツイッターに紹介はあったものの、既に運行が始まっていたとは、知らなかった。公式Webをもう一度見直してみたが、やはり運行開始のお知らせみたいなものはどこにも見当たらなかった。K8は、車内はだいぶ日本的にこなれてきた印象。
● 京王バスの日野ハイブリッド連節車のうち、高尾駅→館ヶ岡団地は、駅前を朝出発するとは、普通に考えたら逆だと思う。沿線に学校がいくつかあるので、通学対策なのだろうか?(拓殖大学のキャンパスは、方角的にちょっと違うと思う)。2路線とも片道だけではもったいない。いずれ、両方向の運行に切り替わると思われるが。
● 京成バスの日野ハイブリッド連節バスは、№2318で書いたとおり、何の予備情報もないまま海浜幕張駅に降り立ったら、訓練運転で現れたので驚かされた。やはりこれでシターロを置き換えていくのか。
● 横浜市営バスの「みなとみらいループバス」は、実際に乗って桜木町駅から一周してみたのだが、平日の朝で天気が悪かった事もあるだろうが、乗り具合は今一つだったように思えた。東急「Satellite Biz Liner」共々、具体的な利用面でのデータの公表が待たれる。でも、通勤のバスの中でも仕事をしなければならないなんて、大変だね…。
福岡空港や神戸市も含めて連節バス関連の話題が多くなったが、個人的にはどうしても、連節バスは基本的には日本には不向き、という考えは捨てきれない。やるなら、道路・バスターミナルの整備・充実、ダイヤや、ひいては運行形態の積極的な見直しなど、せっかくの連節バスがキチンと機能するような施策を、事業者にも行政などにも求めたいです。
バス事業者訪問 223 福島交通
前回は、20世紀ももうすぐ終わろうという、1999(H11)年の№56で取り上げられていて、22年ぶりになります。
路線網自体は、基本的にはJR東北本線沿線の中通りが中心、という構図は変わっていない。が、路線自体は相当減って、網の目が粗くなっている。特に、出張所まであった本宮町(現本宮市)の路線がなくなっている(代替のバスはあるが、どれも便数が少ないし、土休日は全て運休)ので、福島と郡山の間の、一般路線バスのつながりがなくなってしまいました。22年前にはあった、郡山~福島間の高速バスもなくなっているので、両都市間を福島交通のバスだけで行き来する事はできない。
一方で、浜通りの原ノ町(南相馬市)と相馬を結ぶ路線が出来ているのが目を惹く。土休日は運行がないのだけれど、22年前は、南相馬市・相馬市は、共に福島へ行く路線はありながら両市間のつながりはなかった。どのような経緯なのだろうか。やはり震災が何か影響しているのだろうか?(相馬~福島間の路線は、今はない)
輸送実績は、一般路線は1980(S55)年が5,100万人弱だったのが、5年後には約3,600万人強、1998(H10)年には約2,040万人、2019(H31~R元)は約1,060万人とあるので、40年の間で約1/5になってしまった(22年前は、貸切代替を別に計上しているので、もっと減っている)。一般路線は基本的には、福島・郡山の2極集中がさらに進む事になるのだろう(郡山市の方が人口が多い。やはり東京に近いからか)。
棚倉町の山本へ行くエルガミオの画像があり、3月いっぱいで廃止になったという事だが、棚倉町の公式Webを見ると、その辺の事が町民へのお知らせとしては、全く書かれていない(少なくとも私は確認できなかった)。当然、代替交通がどうなるとも記されていない。棚倉町は、5年前の2016(H28)年には「棚倉町地域公共交通網形成計画」というものが策定されていて、この路線(山本線)については「運行形態が住民のニーズに合っていない、改善・見直しが必要」と記されているが、結局どうなったのだろう。この計画には、町民のバスに対する、利用しにくい点や不満についても記されているが、「利用しないからわからない」の回答が29%もあり第2位(1位は「運転本数が少ない」33%)、恐らく、ほかの地域も似たような傾向だと思う。このあたりの層に対するアピールの強化も、必要なのだろう。便数の確保は、難しいだろうが…。
ICカードは、JR東日本との提携の道はないのだろうか。JR東日本はこの数年、地域提携カードとしてのSuicaの範囲拡大を進めていて、盛岡市や秋田市、青森市、さらには隣接する山形県の全域にも、バス会社と提携したカードを導入すると発表している。福島県は既に、福島交通のエリアを走るJR東日本の路線(東北本線・常磐線)がSuicaを導入している(仙台エリア。ただし白河は入っていない)ので、考えてみても良いのではないだろうか。ただ、同じみちのりHD傘下の茨城交通はハウスカードになってしまって、関東鉄道のバスやJRとの共通性がないし、盛岡市の「Iwate Green Pass」も岩手県北自動車が入っていないので、みちのりHDは、JRとは一緒にやりたくはないのか?とも思ってしまうのだが。
高速バスは1991(H3)年からでこの年が559人、1998(H10)年が約19万人弱、2019(H31~R元)年は約78万7千人だそう。高速路線の中で、新越谷へ行く路線は、どのような人々が利用しているのだろうか?スタートした時は正直?だったが、後に浦和美園や佐野に停車地を追加しつつ、現在に至るまで4往復を維持している(今はコロナ禍で2往復運休中だが、逆に言えば2往復運行するだけの需要がまだあるという事)。この辺の事情は、聞いてみたかった。
貸切バスは、純粋な貸切バスは1998(H10)年が約125万人、2019(H31~R元)年は約40万人強、ただ、この数年は30万人台だったから、持ち直しているともいえる。福島県が修学旅行の受け入れ先になったというのはなるほどと思うが、この先も定着するかとなると、どうだろうか。ガイドの話はこの後のコーナーにも出てくるが、22年前は約100人だったそう。今は37人でも「県内一」、なのか。
郡山支社の水没は一般のニュースでも大きく伝えられたが(この年の12月に郡山を通過したが、JRの電車から見た限りでは、痕跡はあまり感じられなかった。都営バス色のエアロスターがいたのが印象的だった)、新幹線の駅に近い都市部だけに、より衝撃的だったかも知れない。新幹線の基地も川の氾濫で被災してしまう位だし、バスでもちばグリーンバスの佐倉の車庫の被災も記憶に新しく、バス事業者にとっては、難題がまた一つ増えたと思う(広い敷地が必要なので、平野部に車庫を置かざるを得ない)。水没廃車リストが別にあるが、この年に入ったばかりのエルガミオや、前年導入のエアロエースも見られました。
車両面では、22年前は全部三菱ふそうだったのだから、だいぶ様変わりはしたという印象。ただ、U-代車がまだ50台以上あり、高速バスにもいる。この辺の代替は、安全面からも早めた方が良いのではないだろうか。貸切車は、フラッグシップとなるような、デラックス車両は存在しない。都自動車から移籍したガーラは、もうないのか。
最後に、旧軌道線の掛田駅は出てきたが、現存する鉄道の飯坂線については、22年前も今号も、触れられていませんでした。バスと連携する路線ではないが、写真1枚くらいは欲しかったです。
観光バスには やっぱりガイドさん!
私は、バスガイドが添乗した、一般的な観光バスに乗ったのは、高校時代の修学旅行が最後でした。なので、バスガイドの在り方とかについて、私自身がどうのこうのは言えません。
男性のバスガイドが2人紹介されたが、では、受け入れるバス会社側の対応はどうだろうか。男社会だったドライバーの世界に女性が進出した事で、職場でも対応が求められる事になる(それが募集の際のウリにもなる)が、逆も同じだろう。名鉄観光バスの場合は、男性の寮から出勤するらしいが、訓練する場所などでも、男性に対応するものが必要になって来るのではないか。
バスガイドと同じく、近年では男女平等が求められるソフト面の職種として、航空のキャビンアテンダントがいます。6年前、NY→ボストンのジェットブルー便に搭乗した事は、№1423で書いたが、E190だったのでアテンダントは2名だったが、共にいい歳のオッサンでした。逆に、搭乗時に垣間見えたコクピットに座っていた副操縦士は、女性でした。「男女平等」というなら、ここまで行かないとウソだと思う。観光バスだって、ドライバー=女性・ガイド=男性、の組み合わせだって、あっていい事になる。上(業界や政治・行政など)への要求だけでなく、乗客となる私たち一人一人の意識そのものも、変えなければならないでしょう。
近い将来にはトランスジェンダー(LGBTQ)への対応も、迫られる事になると思う。今から考えておくべき。私たちも。
「国内ニュース」で、北陸鉄道グループの再編が挙げられているが、情報源はどこだろう?北陸鉄道・小松バスとも、事業再編成に関わるお知らせは、確認できませんでした。小松バスは元は尾小屋鉄道、日本最後の非電化軽便鉄道だったが、1977(S52)年の廃線から41年も経ってしまって、大先輩方でないと、乗ったという人はもういないでしょう。北陸鉄道も、金沢地区は6月いっぱいで紙の回数券は廃止(加賀・能登は引き続き発売)、ICカードも一部のプレミア付与のサービスを終了すると発表しています。「コロナ禍でサービスの継続が困難になった」と正直だが。
次号のバス事業者訪問は貸切専業事業者になるらしいが(社名は明かされていない)、京浜急行バスの夜行バスが廃止になり、モニター車も除籍されてしまったので、モニター車のデータと共に、簡潔でも京浜急行バスの夜行バスの歴史を振り返ってもらえたらと思う。昭和末期~平成初期の「高速バスブーム」の火付け役の1社であり、この廃止は、今後(コロナ禍において、または終息後)の夜行バスの在り方に何をもたらすのかを考えるきっかけになりうるので。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
2日 野口 聡一航宙士搭乗クルードラゴン1号機 地球に帰還
(NBAミルウォーキー・バックス 観客に予約なしワクチン接種)
3日 韓国 「電子渡航認証」試験運用開始
(横浜市 高齢者ワクチン接種予約中止 アクセス過多)
4日 リオ五輪7人制ラグビー主将 桑水流 裕策 引退表明
(インド滞在韓国人 チャーター機で帰国)
メキシコシティで鉄道の高架橋が列車ごと崩壊し、多数の犠牲者が出ているそうです。
2021 春のオムニバス
● EVM-JのF8は、車内全体の様子を写した画像と、三面図が欲しかった。ポンチョやBYDのJ6もだが、小型車でノンステップにしようとしたら、2ドア車でもホイールベース間にドアを2つとも配置しなければならなくなるのか。三菱ふそうエアロミディMEは、例外的だったのだろうか。
● 平和交通のBYDは、ツイッターに紹介はあったものの、既に運行が始まっていたとは、知らなかった。公式Webをもう一度見直してみたが、やはり運行開始のお知らせみたいなものはどこにも見当たらなかった。K8は、車内はだいぶ日本的にこなれてきた印象。
● 京王バスの日野ハイブリッド連節車のうち、高尾駅→館ヶ岡団地は、駅前を朝出発するとは、普通に考えたら逆だと思う。沿線に学校がいくつかあるので、通学対策なのだろうか?(拓殖大学のキャンパスは、方角的にちょっと違うと思う)。2路線とも片道だけではもったいない。いずれ、両方向の運行に切り替わると思われるが。
● 京成バスの日野ハイブリッド連節バスは、№2318で書いたとおり、何の予備情報もないまま海浜幕張駅に降り立ったら、訓練運転で現れたので驚かされた。やはりこれでシターロを置き換えていくのか。
● 横浜市営バスの「みなとみらいループバス」は、実際に乗って桜木町駅から一周してみたのだが、平日の朝で天気が悪かった事もあるだろうが、乗り具合は今一つだったように思えた。東急「Satellite Biz Liner」共々、具体的な利用面でのデータの公表が待たれる。でも、通勤のバスの中でも仕事をしなければならないなんて、大変だね…。
福岡空港や神戸市も含めて連節バス関連の話題が多くなったが、個人的にはどうしても、連節バスは基本的には日本には不向き、という考えは捨てきれない。やるなら、道路・バスターミナルの整備・充実、ダイヤや、ひいては運行形態の積極的な見直しなど、せっかくの連節バスがキチンと機能するような施策を、事業者にも行政などにも求めたいです。
バス事業者訪問 223 福島交通
前回は、20世紀ももうすぐ終わろうという、1999(H11)年の№56で取り上げられていて、22年ぶりになります。
路線網自体は、基本的にはJR東北本線沿線の中通りが中心、という構図は変わっていない。が、路線自体は相当減って、網の目が粗くなっている。特に、出張所まであった本宮町(現本宮市)の路線がなくなっている(代替のバスはあるが、どれも便数が少ないし、土休日は全て運休)ので、福島と郡山の間の、一般路線バスのつながりがなくなってしまいました。22年前にはあった、郡山~福島間の高速バスもなくなっているので、両都市間を福島交通のバスだけで行き来する事はできない。
一方で、浜通りの原ノ町(南相馬市)と相馬を結ぶ路線が出来ているのが目を惹く。土休日は運行がないのだけれど、22年前は、南相馬市・相馬市は、共に福島へ行く路線はありながら両市間のつながりはなかった。どのような経緯なのだろうか。やはり震災が何か影響しているのだろうか?(相馬~福島間の路線は、今はない)
輸送実績は、一般路線は1980(S55)年が5,100万人弱だったのが、5年後には約3,600万人強、1998(H10)年には約2,040万人、2019(H31~R元)は約1,060万人とあるので、40年の間で約1/5になってしまった(22年前は、貸切代替を別に計上しているので、もっと減っている)。一般路線は基本的には、福島・郡山の2極集中がさらに進む事になるのだろう(郡山市の方が人口が多い。やはり東京に近いからか)。
棚倉町の山本へ行くエルガミオの画像があり、3月いっぱいで廃止になったという事だが、棚倉町の公式Webを見ると、その辺の事が町民へのお知らせとしては、全く書かれていない(少なくとも私は確認できなかった)。当然、代替交通がどうなるとも記されていない。棚倉町は、5年前の2016(H28)年には「棚倉町地域公共交通網形成計画」というものが策定されていて、この路線(山本線)については「運行形態が住民のニーズに合っていない、改善・見直しが必要」と記されているが、結局どうなったのだろう。この計画には、町民のバスに対する、利用しにくい点や不満についても記されているが、「利用しないからわからない」の回答が29%もあり第2位(1位は「運転本数が少ない」33%)、恐らく、ほかの地域も似たような傾向だと思う。このあたりの層に対するアピールの強化も、必要なのだろう。便数の確保は、難しいだろうが…。
ICカードは、JR東日本との提携の道はないのだろうか。JR東日本はこの数年、地域提携カードとしてのSuicaの範囲拡大を進めていて、盛岡市や秋田市、青森市、さらには隣接する山形県の全域にも、バス会社と提携したカードを導入すると発表している。福島県は既に、福島交通のエリアを走るJR東日本の路線(東北本線・常磐線)がSuicaを導入している(仙台エリア。ただし白河は入っていない)ので、考えてみても良いのではないだろうか。ただ、同じみちのりHD傘下の茨城交通はハウスカードになってしまって、関東鉄道のバスやJRとの共通性がないし、盛岡市の「Iwate Green Pass」も岩手県北自動車が入っていないので、みちのりHDは、JRとは一緒にやりたくはないのか?とも思ってしまうのだが。
高速バスは1991(H3)年からでこの年が559人、1998(H10)年が約19万人弱、2019(H31~R元)年は約78万7千人だそう。高速路線の中で、新越谷へ行く路線は、どのような人々が利用しているのだろうか?スタートした時は正直?だったが、後に浦和美園や佐野に停車地を追加しつつ、現在に至るまで4往復を維持している(今はコロナ禍で2往復運休中だが、逆に言えば2往復運行するだけの需要がまだあるという事)。この辺の事情は、聞いてみたかった。
貸切バスは、純粋な貸切バスは1998(H10)年が約125万人、2019(H31~R元)年は約40万人強、ただ、この数年は30万人台だったから、持ち直しているともいえる。福島県が修学旅行の受け入れ先になったというのはなるほどと思うが、この先も定着するかとなると、どうだろうか。ガイドの話はこの後のコーナーにも出てくるが、22年前は約100人だったそう。今は37人でも「県内一」、なのか。
郡山支社の水没は一般のニュースでも大きく伝えられたが(この年の12月に郡山を通過したが、JRの電車から見た限りでは、痕跡はあまり感じられなかった。都営バス色のエアロスターがいたのが印象的だった)、新幹線の駅に近い都市部だけに、より衝撃的だったかも知れない。新幹線の基地も川の氾濫で被災してしまう位だし、バスでもちばグリーンバスの佐倉の車庫の被災も記憶に新しく、バス事業者にとっては、難題がまた一つ増えたと思う(広い敷地が必要なので、平野部に車庫を置かざるを得ない)。水没廃車リストが別にあるが、この年に入ったばかりのエルガミオや、前年導入のエアロエースも見られました。
車両面では、22年前は全部三菱ふそうだったのだから、だいぶ様変わりはしたという印象。ただ、U-代車がまだ50台以上あり、高速バスにもいる。この辺の代替は、安全面からも早めた方が良いのではないだろうか。貸切車は、フラッグシップとなるような、デラックス車両は存在しない。都自動車から移籍したガーラは、もうないのか。
最後に、旧軌道線の掛田駅は出てきたが、現存する鉄道の飯坂線については、22年前も今号も、触れられていませんでした。バスと連携する路線ではないが、写真1枚くらいは欲しかったです。
観光バスには やっぱりガイドさん!
私は、バスガイドが添乗した、一般的な観光バスに乗ったのは、高校時代の修学旅行が最後でした。なので、バスガイドの在り方とかについて、私自身がどうのこうのは言えません。
男性のバスガイドが2人紹介されたが、では、受け入れるバス会社側の対応はどうだろうか。男社会だったドライバーの世界に女性が進出した事で、職場でも対応が求められる事になる(それが募集の際のウリにもなる)が、逆も同じだろう。名鉄観光バスの場合は、男性の寮から出勤するらしいが、訓練する場所などでも、男性に対応するものが必要になって来るのではないか。
バスガイドと同じく、近年では男女平等が求められるソフト面の職種として、航空のキャビンアテンダントがいます。6年前、NY→ボストンのジェットブルー便に搭乗した事は、№1423で書いたが、E190だったのでアテンダントは2名だったが、共にいい歳のオッサンでした。逆に、搭乗時に垣間見えたコクピットに座っていた副操縦士は、女性でした。「男女平等」というなら、ここまで行かないとウソだと思う。観光バスだって、ドライバー=女性・ガイド=男性、の組み合わせだって、あっていい事になる。上(業界や政治・行政など)への要求だけでなく、乗客となる私たち一人一人の意識そのものも、変えなければならないでしょう。
近い将来にはトランスジェンダー(LGBTQ)への対応も、迫られる事になると思う。今から考えておくべき。私たちも。
「国内ニュース」で、北陸鉄道グループの再編が挙げられているが、情報源はどこだろう?北陸鉄道・小松バスとも、事業再編成に関わるお知らせは、確認できませんでした。小松バスは元は尾小屋鉄道、日本最後の非電化軽便鉄道だったが、1977(S52)年の廃線から41年も経ってしまって、大先輩方でないと、乗ったという人はもういないでしょう。北陸鉄道も、金沢地区は6月いっぱいで紙の回数券は廃止(加賀・能登は引き続き発売)、ICカードも一部のプレミア付与のサービスを終了すると発表しています。「コロナ禍でサービスの継続が困難になった」と正直だが。
次号のバス事業者訪問は貸切専業事業者になるらしいが(社名は明かされていない)、京浜急行バスの夜行バスが廃止になり、モニター車も除籍されてしまったので、モニター車のデータと共に、簡潔でも京浜急行バスの夜行バスの歴史を振り返ってもらえたらと思う。昭和末期~平成初期の「高速バスブーム」の火付け役の1社であり、この廃止は、今後(コロナ禍において、または終息後)の夜行バスの在り方に何をもたらすのかを考えるきっかけになりうるので。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
2日 野口 聡一航宙士搭乗クルードラゴン1号機 地球に帰還
(NBAミルウォーキー・バックス 観客に予約なしワクチン接種)
3日 韓国 「電子渡航認証」試験運用開始
(横浜市 高齢者ワクチン接種予約中止 アクセス過多)
4日 リオ五輪7人制ラグビー主将 桑水流 裕策 引退表明
(インド滞在韓国人 チャーター機で帰国)
メキシコシティで鉄道の高架橋が列車ごと崩壊し、多数の犠牲者が出ているそうです。
№2319 バスマガジンvol.106 (講談社ビーシー/講談社)
4月1日、本来なら、咲き乱れる桜や菜の花などの花々に思わず心ウキウキの春、しかも今日は「エープリルフール」。…でも、現状は、とても冗談が通じる雰囲気があるとは思えない、コロナ禍の闇の中。緊急事態宣言が終わったばかりのはずなのに、第4波の襲来が現実味を帯びてきている。大阪府が今日、感染者数が600人を超えたらしいし。軽いジョークで雰囲気が和む状況には、到底ない。もし感染拡大が抑えられなかったら、今年のGWもまた、悲惨なものになります。去年の二の舞にならない事を願うしかないが、しつこいくらい書くけれど、人様の事はとりあえずどうでもいいです。我々一人一人の自覚にこそ、全てがかかっています。自分が何もしないまま人のせいにしたって、ウィルスがきれいさっぱり消えてなくなったりなど、しないのだから。問われているのは、私たちの方です。
「バスマガジンvol.106」、先月末発売になりました。
表紙、那覇バスが走っているのは、やはり国際通り。「自粛ムードに包まれていた」のは、寂しい。沖縄も感染者数が高止まりしていて、海外はおろか、同じ日本の本土からの旅行者も、今はあまり来ないでくれ、という雰囲気であり、バスやモノレールの運営に悪影響を及ぼしているのは、間違いないだろう。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.106 那覇バス
先に後半の歴史編を見ると、北九州の第一交通産業が再建に名乗りを上げた時、労働組合側の反発が大きくて、ここにも記されているが、一時運行の確保がままならなくなった事があった事が思い出されます。本土側にも募集をかけドライバーを確保した事で、徐々に運行が回復されていったのだが、沖縄に限らないが、特に地方のバス会社は元々経営が苦しいからか、労使関係がものすごくねじれて、それが利用者にストレートに影響を及ぼす、という事がとても多い(私も、大手私鉄在籍時代には各地の労働争議の話を聞かされたものだ)。その後の琉球バスの第一交通産業傘下入りは、労働側も、ホンネはイヤだけれど、自らが大きく傷ついた那覇交通の闘争を目の当たりにして、しぶしぶ受け入れる事になった、と思っているのだが、どうだろう。その後は比較的安定した経営ができているようだ。あとはもう少し、グループ外の沖縄バス・東洋バスとの協調関係が築かれるべきだったろう。
車両面で見ると、「730車」は第一交通系2社からはあっさり消滅したが、沖縄・東洋の2社の「730車」が、両社の経営資源の一つにまでなっているのを見ると、内心「しまった…」と思っているのではないか?トップドアもあったし、末期には新カラーに塗り替えられた車両もあった。那覇交通時代はほぼいすゞオンリーだったが(「730」時の経緯もあった)、最近は4社(+ヒュンダイ)をまんべんなく、という所だろうか。
「iD」対応は画期的、と記されていたが、一般的なICカードはどうなのだろうか?OKICAを導入しているが、ゆいレールと違って、バスは全国相互利用カードは受け入れていない。しかし、この辺の事は、同社の公式Webには記されていなかった(見落としたのかも知れないが)。観光路線も多いので、この辺はもう少しはっきり記して欲しいし、やはり一方通行でいいから、全国相互利用カードで乗れる方向に向かってほしい。
東日本大震災から10年 気仙沼線・大船渡線BRTの成長
両路線のBRTは、運行開始翌年の2013(H25)年に初めて乗って、その後もう一回乗って、共に当ブログでも記している所です。正直なところ、やはり全線、鉄道として復旧してほしかったというのがホンネ。被災前と同じルートにはできないだろうから、思い切った高規格の新線を造って、特急列車を走らせて欲しい、と思った事もあったが、やはり莫大な費用が掛かるし、地元としては、三陸自動車道に代表される、道路交通の方に期待が行ってしまうのだろうか。でも、海沿いの区間がほとんどない柳津~志津川間くらいは、鉄道として復旧させてほしかった。上鹿折~陸前矢作間が繋がっていない(時刻表上では一本の路線だが)のは、旧線の事情もあるだろうが、宮城・岩手の県境に位置しているので、結局県境を跨いだローカルな需要はほとんどなくて、国道経由の方が、利便性も良くなると考えたのだろう。
車両のリストを見ると、現有車両は皆ハイブリッド。EVは知らないうちに、姿を消してしまっている。ピンクが気仙沼線、グリーンが大船渡線、と考えて良いのだろうか。個人的には、もっと長距離の利用に適した、ワンロマ的な車両の導入も希望したいと思う。柳津~気仙沼・気仙沼~盛は共に全区間乗り通すと、専用道の整備が進んだ現状でも1時間以上かかるので。
移籍バスの行方を追跡
第4回は京王バス。京王バスが開発を主導した7m車が多い。コミュニティバスで重宝されているのだろう。京王は、国際興業や東急のような、全国的な資本関係の構築はなかったと思うので、譲渡先も割とバラエティに富んでいるように見える。高速バスつながりで山梨交通やアルピコ、という流れがあるだろうか。京王バス本体は、平成の始まりの頃は日デはなかったのに、中ごろには自らも開発に関わり、7m車や中型系も多数導入した。しかし、約10年前に日デ改めUDがバス製造から撤退しまって、ずいぶん目まぐるしい。それが、移籍車両の行方にも関わってくるのだろうか。
福島交通の元京王バスの日デは、福島駅前で見て撮りました。つい数年前まで三菱ふそうオンリーだったのに時代は変わったと思う。いずれ本体で公開します。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.38 岡山県
前回は、当ブログスタート直前の2009(H21)年、vol.
34とvol.35の2回に分けて書かれていました。バス会社紹介以外に、磁気カード廃止とICカードへの移行、昨日廃止になった下津井電鉄の瀬戸大橋線、天満屋バスセンターについても記されていました。井笠鉄道がまだあって、神姫バスの津山の路線も残っていました(廃止直前だった)。
なので今回は4ページとやや物足りず。それ以上に、岡山市内の八晃運輸参入で生じたスッタモンダ(両備HD)との対立は、やはり少しはテキストを割いて、現状を記して欲しかった、の感があります。岡山も熊本のような「共同運行方式」を模索していると聞いているが、ここは簡単には行かない気がする。岡山市は今秋に市長選挙があり、場合によっては衆議院総選挙とのダブル選になる可能性もあるが、バスの行方には、影響を与えるのだろうか。争点として浮上するのだろうか?
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第32回
2月の福島県沖の地震への対応を踏まえての、災害時のバスの有効性の検証。10年前の東日本大震災の時は、一般車両が高速道の走行を規制される中、高速バスが特例扱いで被災地に向けて次々に出発していった。あれは大きかった。京成バスも、ボランティア輸送のため、夜行バスを増発したほどだったから。今回も国際興業など、コロナ禍で運休になっていた夜行路線を、期間限定で再開した所があった。
「ワクチン接種会場への輸送には貸切バスの活用を」の低減は、なるほどと思った。貸切バスは、現状では自らツアーなども需要を生み出すのがいまだ難しいのが現状で、バス事業者の経営面へのサポート、の意味でも、積極的に考えて欲しい。巡り巡って、自らの地域の公共交通の維持・確保にもつながると思うので。
水害対策で福島交通に移籍した元都営バス車両は、外観はもう、福島交通色になった車両が大半みたいだ。先日福島駅前で見たが、座席は「みんくる」柄のままだった。
終点の情景を求めて
しずてつジャストラインの東海大学美帆水族館。東大谷までは行った事があって、№1906で写真を出しました。もう3年前か。ここでは静岡駅からスタートしているが、一部に山奥(奥長島)の方からの便もあって、海と山を結ぶ路線というのが面白い。今は三保も、静岡市(清水区)なんだねえ。
平成初期のバスを振り返る
中国バス。今は両備グループのカラーとほとんど同じになったが、最近まで、旧カラーに「Ryobi」の楕円形が描きこまれた車両もあったと思う。ここも経営上のスッタモンダの末、両備バスが救済に入って建て直したという経緯があり、地方のバスはどこも、会社の経営自体が行き詰るくらいまで落ち込むので大変だ。
オノエンスターのEV7.0は、まだ実際に営業運行に入ったとは聞いていないが、営業デビューが近いらしい。しかし、日本国産だけでなく、それこそポンチョとバッティングする、BYDの小型EV(J6)が既に営業運行に入っている。セールス面で巻き返しがなるだろうか?
次号は、予告通りならバス会社潜入レポートは京阪バス、全方位レポートは埼玉県PART1。深谷が大河ドラマの主人公の出身地として脚光を浴びているが、現代のバス事情は、あまり良くないようだ。特に深谷を含めた北部は、なかなか大変そう。前半はどこまで含まれるのだろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
31日 「ネタバレサイト」は著作権侵害 東京地方裁判所判決
(大井競馬場 ワクチン集団接種会場に追加 東京都品川区)
1日 日韓局長級協議 慰安婦問題は平行線
(東京都 変異ウィルス感染15人確認 合計69人)
「バスマガジンvol.106」、先月末発売になりました。
表紙、那覇バスが走っているのは、やはり国際通り。「自粛ムードに包まれていた」のは、寂しい。沖縄も感染者数が高止まりしていて、海外はおろか、同じ日本の本土からの旅行者も、今はあまり来ないでくれ、という雰囲気であり、バスやモノレールの運営に悪影響を及ぼしているのは、間違いないだろう。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.106 那覇バス
先に後半の歴史編を見ると、北九州の第一交通産業が再建に名乗りを上げた時、労働組合側の反発が大きくて、ここにも記されているが、一時運行の確保がままならなくなった事があった事が思い出されます。本土側にも募集をかけドライバーを確保した事で、徐々に運行が回復されていったのだが、沖縄に限らないが、特に地方のバス会社は元々経営が苦しいからか、労使関係がものすごくねじれて、それが利用者にストレートに影響を及ぼす、という事がとても多い(私も、大手私鉄在籍時代には各地の労働争議の話を聞かされたものだ)。その後の琉球バスの第一交通産業傘下入りは、労働側も、ホンネはイヤだけれど、自らが大きく傷ついた那覇交通の闘争を目の当たりにして、しぶしぶ受け入れる事になった、と思っているのだが、どうだろう。その後は比較的安定した経営ができているようだ。あとはもう少し、グループ外の沖縄バス・東洋バスとの協調関係が築かれるべきだったろう。
車両面で見ると、「730車」は第一交通系2社からはあっさり消滅したが、沖縄・東洋の2社の「730車」が、両社の経営資源の一つにまでなっているのを見ると、内心「しまった…」と思っているのではないか?トップドアもあったし、末期には新カラーに塗り替えられた車両もあった。那覇交通時代はほぼいすゞオンリーだったが(「730」時の経緯もあった)、最近は4社(+ヒュンダイ)をまんべんなく、という所だろうか。
「iD」対応は画期的、と記されていたが、一般的なICカードはどうなのだろうか?OKICAを導入しているが、ゆいレールと違って、バスは全国相互利用カードは受け入れていない。しかし、この辺の事は、同社の公式Webには記されていなかった(見落としたのかも知れないが)。観光路線も多いので、この辺はもう少しはっきり記して欲しいし、やはり一方通行でいいから、全国相互利用カードで乗れる方向に向かってほしい。
東日本大震災から10年 気仙沼線・大船渡線BRTの成長
両路線のBRTは、運行開始翌年の2013(H25)年に初めて乗って、その後もう一回乗って、共に当ブログでも記している所です。正直なところ、やはり全線、鉄道として復旧してほしかったというのがホンネ。被災前と同じルートにはできないだろうから、思い切った高規格の新線を造って、特急列車を走らせて欲しい、と思った事もあったが、やはり莫大な費用が掛かるし、地元としては、三陸自動車道に代表される、道路交通の方に期待が行ってしまうのだろうか。でも、海沿いの区間がほとんどない柳津~志津川間くらいは、鉄道として復旧させてほしかった。上鹿折~陸前矢作間が繋がっていない(時刻表上では一本の路線だが)のは、旧線の事情もあるだろうが、宮城・岩手の県境に位置しているので、結局県境を跨いだローカルな需要はほとんどなくて、国道経由の方が、利便性も良くなると考えたのだろう。
車両のリストを見ると、現有車両は皆ハイブリッド。EVは知らないうちに、姿を消してしまっている。ピンクが気仙沼線、グリーンが大船渡線、と考えて良いのだろうか。個人的には、もっと長距離の利用に適した、ワンロマ的な車両の導入も希望したいと思う。柳津~気仙沼・気仙沼~盛は共に全区間乗り通すと、専用道の整備が進んだ現状でも1時間以上かかるので。
移籍バスの行方を追跡
第4回は京王バス。京王バスが開発を主導した7m車が多い。コミュニティバスで重宝されているのだろう。京王は、国際興業や東急のような、全国的な資本関係の構築はなかったと思うので、譲渡先も割とバラエティに富んでいるように見える。高速バスつながりで山梨交通やアルピコ、という流れがあるだろうか。京王バス本体は、平成の始まりの頃は日デはなかったのに、中ごろには自らも開発に関わり、7m車や中型系も多数導入した。しかし、約10年前に日デ改めUDがバス製造から撤退しまって、ずいぶん目まぐるしい。それが、移籍車両の行方にも関わってくるのだろうか。
福島交通の元京王バスの日デは、福島駅前で見て撮りました。つい数年前まで三菱ふそうオンリーだったのに時代は変わったと思う。いずれ本体で公開します。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.38 岡山県
前回は、当ブログスタート直前の2009(H21)年、vol.
34とvol.35の2回に分けて書かれていました。バス会社紹介以外に、磁気カード廃止とICカードへの移行、昨日廃止になった下津井電鉄の瀬戸大橋線、天満屋バスセンターについても記されていました。井笠鉄道がまだあって、神姫バスの津山の路線も残っていました(廃止直前だった)。
なので今回は4ページとやや物足りず。それ以上に、岡山市内の八晃運輸参入で生じたスッタモンダ(両備HD)との対立は、やはり少しはテキストを割いて、現状を記して欲しかった、の感があります。岡山も熊本のような「共同運行方式」を模索していると聞いているが、ここは簡単には行かない気がする。岡山市は今秋に市長選挙があり、場合によっては衆議院総選挙とのダブル選になる可能性もあるが、バスの行方には、影響を与えるのだろうか。争点として浮上するのだろうか?
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第32回
2月の福島県沖の地震への対応を踏まえての、災害時のバスの有効性の検証。10年前の東日本大震災の時は、一般車両が高速道の走行を規制される中、高速バスが特例扱いで被災地に向けて次々に出発していった。あれは大きかった。京成バスも、ボランティア輸送のため、夜行バスを増発したほどだったから。今回も国際興業など、コロナ禍で運休になっていた夜行路線を、期間限定で再開した所があった。
「ワクチン接種会場への輸送には貸切バスの活用を」の低減は、なるほどと思った。貸切バスは、現状では自らツアーなども需要を生み出すのがいまだ難しいのが現状で、バス事業者の経営面へのサポート、の意味でも、積極的に考えて欲しい。巡り巡って、自らの地域の公共交通の維持・確保にもつながると思うので。
水害対策で福島交通に移籍した元都営バス車両は、外観はもう、福島交通色になった車両が大半みたいだ。先日福島駅前で見たが、座席は「みんくる」柄のままだった。
終点の情景を求めて
しずてつジャストラインの東海大学美帆水族館。東大谷までは行った事があって、№1906で写真を出しました。もう3年前か。ここでは静岡駅からスタートしているが、一部に山奥(奥長島)の方からの便もあって、海と山を結ぶ路線というのが面白い。今は三保も、静岡市(清水区)なんだねえ。
平成初期のバスを振り返る
中国バス。今は両備グループのカラーとほとんど同じになったが、最近まで、旧カラーに「Ryobi」の楕円形が描きこまれた車両もあったと思う。ここも経営上のスッタモンダの末、両備バスが救済に入って建て直したという経緯があり、地方のバスはどこも、会社の経営自体が行き詰るくらいまで落ち込むので大変だ。
オノエンスターのEV7.0は、まだ実際に営業運行に入ったとは聞いていないが、営業デビューが近いらしい。しかし、日本国産だけでなく、それこそポンチョとバッティングする、BYDの小型EV(J6)が既に営業運行に入っている。セールス面で巻き返しがなるだろうか?
次号は、予告通りならバス会社潜入レポートは京阪バス、全方位レポートは埼玉県PART1。深谷が大河ドラマの主人公の出身地として脚光を浴びているが、現代のバス事情は、あまり良くないようだ。特に深谷を含めた北部は、なかなか大変そう。前半はどこまで含まれるのだろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
31日 「ネタバレサイト」は著作権侵害 東京地方裁判所判決
(大井競馬場 ワクチン集団接種会場に追加 東京都品川区)
1日 日韓局長級協議 慰安婦問題は平行線
(東京都 変異ウィルス感染15人確認 合計69人)
№2305 バスラマインターナショナル184(ぽると出版)
「バスラマインターナショナル184」、先月末刊行になりました。
BYDのJ6が、本格的に営業運行を介したという情報が入ったが、ポンチョの最大のライバルは、これになるのだろうか。航続距離150㎞は、コミュニティバスなら十分すぎるだろう。協同は、以前はCNG車への改造を数多く手がけてきたが、EVに舵を切るという事だろうか。
沖縄のバス情報 2020→2021
沖縄は一昨年、ゆいレールのてだこ浦添延伸を機に行ってきて、初めて名護にも高速バスで行ってきました。那覇市中心部の賑わいは相変わらずだったので、それだけにコロナ禍の影響は、心配です。貸切バス事業者が、こんなにあるの?保有3台という事業者も少なくないが、現状はとてつもなく厳しいはずだ。東京バスの22台が目を惹く。路線バスも始めたそうだが、今の所は路線数は少ないが、在来の事業者との関係はどうだろうか(特に、賃金の差から来るバスドライバーの確保という点で)。無用で無駄な摩擦には、発展しないで欲しい。
てだこ浦西駅のモノレール利用者はまだ希薄、か。確かに駅付近のたたずまいを見ても、そんな感じでしたねえ。コロナ禍の影響もあるだろう、ゆいレールは8分間隔→10分間隔に減便、のダイヤ改正を行っているが、延伸区間に関しては、そのくらいがまだ実態に合っているかもしれない。他の駅も含め、今後の開発次第か。在来区間は、観光客が戻ってきたら、輸送力不足が心配になると思う。
「Suica他全国相互利用カードはOKIKAのポイント付与がなくて制約が大きい」と記されているが、別に沖縄だけの事ではない。相互利用そのものはできても、そのカード独自のサービスは、他ICカードのエリアでは適用されないのが普通だ(関東地方のPASMO・Suicaの「バス特」は、他のカードでは適用されない、など)。駅窓口以外でのチャージができない事の方が、課題かもしれない。
バス事業者訪問 221 大島旅客自動車
伊豆諸島の大島のバスだが、大島バスというか、離島のバス自体取り上げられるのは、2002(H14)年9月の73号で、沖縄県石垣島の東運輸が取り上げられて以来になります。
(他に2017(H25)年5月に、愛媛県の芸予諸島3島を走る瀬戸内海交通があったが、今治の瀬戸内運輸の系列であるし、観光時点ではしまなみ海道の橋で本土と直接結ばれていた)
大島バスはバスラマ誌では初だが、34年前の1987(S62)年春、当時雑誌スタイルだった「バス・ジャパン」4号で、東海汽船時代の車両が掲載されています。同時に、今バスラマ誌でも記されている、1986(S61)年の三原山噴火時に、島民の避難輸送にあたったドライバーのドキュメントがあって、4ページに過ぎないが、かなり読ませる内容になっています。入手は極めて困難と思われるが、何らかの機会があったら、読んで欲しいと思っています。
その34年前の時点の車両数は、乗合・貸切・定期観光等合わせて36台だったそうで、三菱ふそうが新規に3台入った他は、全て日産ディーゼル車でした。全車両が観光バススタイルのトップドアで、今とはまるっきり傾向が異なっています。当然、離島だってバリアフリーは必要になっているから。高齢者が多そうな離島こそ、バリアフリーは必要だろう。
竹芝からの船は、本当は通年元町港で統一できれば良いはずだが、そうならないのが、大島の特徴か(別の紀行でも読んだ記憶がある。船に乗っていたら「今日は岡田港に入港します」というアナウンスがあったとか記されていた)。来島者の97%は船、というが、大島空港はジェット化されていて、一時は羽田からエアーニッポンのB737も就航していたのに、ANA吸収後、7年前に廃止になってしまった。代わって調布からのコミューター便が就航しているが、離島とは言え本土からは近すぎて、空路はコスト的にツーリストには向かない、という事だろうか。今就航しているドルニエ機は座席数が19に過ぎず、輸送力では船とは比較にならないし、この数だと、空港バスも割に合わないだろう。
写真の中にブルーリボンシティの姿があるが、登録番号からして、中古導入のはず。「車両アルバム」にはなかった。
今後もこんな形で、離島などの辺境の地を地盤とする事業者が、積極的に取り上げられれば幸いと思います。バスに求められるものの根本は、都会でも離島でも違いはないはずなので。
なお「椿まつり」は、今日の時点では「緊急事態宣言解除後~3月28日」に延期となっているが、緊急事態宣言は少なくとも21日まで延長になってしまったから、この通りになったとしても、わずか一週間では動員が望めそうになく、(オンライン以外は)このまま取りやめになってしまうのではないだろうか。正直、「離島」は行く機会がないなあ(実は、八丈島はあるのだけれど)。
バス事業者訪問 222 ことでんバス
高松は何度か行っていて、ことでんバス(+琴電)も多数撮っているが、近年はご無沙汰している。ある程度状況が落ち着く事を条件に、今年中には行く予定。
一番最初に行ったのは、平成になって間もなくの頃で、旧コトデンバス成立の直後。「アーカイブス」にも数枚写真があるが、旧高松琴平電鉄のバス部門と、旧高松バスの頃の車両がまだ当時の塗装で残っていた頃でした(写真は本体に掲げています)。成立直前には、かなり激しい労働争議があったとも聞いています。
車両の面で言うと、以前はかなり中古導入が多くて、それは今もだけれど(「車両アルバム」のキャプションは、バスラマ誌では珍しく、導入元の事業者名も明記されている。元江ノ電バスというエアロスターは、戸塚を中心に走っていたのだろうなあ)。だいぶプロパーの新車も多くなった様子。カラーは全部いるかカラーになっていて、コトデンバス時代の、白地+水色と金色の帯(K字状)の車両はもうないのか。
バス事業自体は平成時代の混乱も収束して、何とか落ち着いているようだけれど(瓦町のコトデンビルは、そごうとFLAGの間に天満屋が入っていた時期があったが、地方都市だとデパート業は元々厳しい)、コロナ禍の影響は甚大なようだ。バスだけでなく、鉄道も減便ダイヤになっていたし、伏石駅開業時には、終電が1時間も繰り上がってしまった。確かにバス(電車も)は安全な乗り物のはずだが、移動そのものが抑え込まれる現状は厳しい。今年行く時は、電車だけでなく、バスも積極的に利用したいと思う。今はPASMOでも乗れるし。
「大型免許取得までの3年間は短縮できないだろうか」というコメントがあったが、相当意見が分かれると思う。他の事業者でもホンネではそう考えている所が少なくないと思われるが、安全性への影響を懸念する声もまた、少なくはならないはず(関越・軽井沢の惨事もまだ記憶に新しいし)。短縮してもここまでなら大丈夫、という、規制当局、のみならず世論をも、十分説得できる材料が用意されなければならないでしょう。
ことでんバス自体は、高速バスは運行していません。なのでもう一社、ことでんバスが資本参加する四国高速バスも取り上げられなかったでしょうか。
私はドイツの韓国人バスドライバー
前号で完結、と思ったが、「韓国とドイツの文化の違い」として、連載を補完する寄稿。
ドイツとの違い、というより、韓国のバスという目線で見ると、日本ともかなり違うなあという印象。私はちょうど10年前、韓国に行って、ソウル→釜山の高速バスと、釜山の路線バスに乗りました。当ブログでも書いた事だが、バス停には系統番号と運行区間は記されているものの、具体的な時刻は記されていなくて、初発・最終の時刻すら解らなかった。このテキストを読む限り、運行ダイヤを指示する「仕業表」というものは、韓国にはないようです。仕事の始まりと終わりの時刻だけが決まっている、という事でしょうか(東南アジア諸国もそうみたい)。「バスの配車は年功序列」の下りは、日本でもあったと聞いている(今もあるかどうかは知らないが)。
指導運転士と新人の関係そのものは日韓で同じという事だったが、「ドイツ」という目線で見ると、「教える側」も「教えられる側」も異国の人、という事になる。これはやはり、日本では少々想像し辛い。外国人ドライバーの採用を期待したい事業者は少なくなさそうだが、「大型免許取得まで3年、の期間の短縮」と同様、整えなければならないものは、少なくないように思います。イレギュラーな事態への対応はどうする?という点は、飛行機の操縦にも共通していると思った。
同じ韓国からのレポートで、BYDのEV(eBusー12)が走り出した、とあったが、評価は低かったという事。特に酷寒対策に難があったという事だが、中国も特に北部では、ソウルや北海道並みには寒くなる都市も少なくないのだから、その辺の対策はバッチリできていると思ったのだけれど。今号の冒頭では、K8の日本国内の市販が始まったとの記事もあったが、寒さ対策はどうであろうか。今の所日本において、BYDを導入している最北の事業者は岩手県交通になるが、今現在の冬場はどうだろうかと思ったりします。
「超長期レポート」の京浜急行バスのセレガ(H3401)はずっと稼働がない状態が続いているが、ついに夜行バスから、運行を再開しないままの撤退が発表になり、車両の居場所がなくなります。まだ導入から7年なので、他事業者への売却という事になるかと思うが、その点は次号で解るか。いずれにしろ、不幸な形で京急バスから去る事になりそうです。
次号のバス事業者訪問は福島交通が予告されていて、1999(H11)年の№54以来になるが、東日本大震災から10年、という事もあっての選択だろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
7日 新阿蘇大橋完成 開通式
(東京ディズニーシーで2か月遅れ成人式 千葉県浦安市)
BYDのJ6が、本格的に営業運行を介したという情報が入ったが、ポンチョの最大のライバルは、これになるのだろうか。航続距離150㎞は、コミュニティバスなら十分すぎるだろう。協同は、以前はCNG車への改造を数多く手がけてきたが、EVに舵を切るという事だろうか。
沖縄のバス情報 2020→2021
沖縄は一昨年、ゆいレールのてだこ浦添延伸を機に行ってきて、初めて名護にも高速バスで行ってきました。那覇市中心部の賑わいは相変わらずだったので、それだけにコロナ禍の影響は、心配です。貸切バス事業者が、こんなにあるの?保有3台という事業者も少なくないが、現状はとてつもなく厳しいはずだ。東京バスの22台が目を惹く。路線バスも始めたそうだが、今の所は路線数は少ないが、在来の事業者との関係はどうだろうか(特に、賃金の差から来るバスドライバーの確保という点で)。無用で無駄な摩擦には、発展しないで欲しい。
てだこ浦西駅のモノレール利用者はまだ希薄、か。確かに駅付近のたたずまいを見ても、そんな感じでしたねえ。コロナ禍の影響もあるだろう、ゆいレールは8分間隔→10分間隔に減便、のダイヤ改正を行っているが、延伸区間に関しては、そのくらいがまだ実態に合っているかもしれない。他の駅も含め、今後の開発次第か。在来区間は、観光客が戻ってきたら、輸送力不足が心配になると思う。
「Suica他全国相互利用カードはOKIKAのポイント付与がなくて制約が大きい」と記されているが、別に沖縄だけの事ではない。相互利用そのものはできても、そのカード独自のサービスは、他ICカードのエリアでは適用されないのが普通だ(関東地方のPASMO・Suicaの「バス特」は、他のカードでは適用されない、など)。駅窓口以外でのチャージができない事の方が、課題かもしれない。
バス事業者訪問 221 大島旅客自動車
伊豆諸島の大島のバスだが、大島バスというか、離島のバス自体取り上げられるのは、2002(H14)年9月の73号で、沖縄県石垣島の東運輸が取り上げられて以来になります。
(他に2017(H25)年5月に、愛媛県の芸予諸島3島を走る瀬戸内海交通があったが、今治の瀬戸内運輸の系列であるし、観光時点ではしまなみ海道の橋で本土と直接結ばれていた)
大島バスはバスラマ誌では初だが、34年前の1987(S62)年春、当時雑誌スタイルだった「バス・ジャパン」4号で、東海汽船時代の車両が掲載されています。同時に、今バスラマ誌でも記されている、1986(S61)年の三原山噴火時に、島民の避難輸送にあたったドライバーのドキュメントがあって、4ページに過ぎないが、かなり読ませる内容になっています。入手は極めて困難と思われるが、何らかの機会があったら、読んで欲しいと思っています。
その34年前の時点の車両数は、乗合・貸切・定期観光等合わせて36台だったそうで、三菱ふそうが新規に3台入った他は、全て日産ディーゼル車でした。全車両が観光バススタイルのトップドアで、今とはまるっきり傾向が異なっています。当然、離島だってバリアフリーは必要になっているから。高齢者が多そうな離島こそ、バリアフリーは必要だろう。
竹芝からの船は、本当は通年元町港で統一できれば良いはずだが、そうならないのが、大島の特徴か(別の紀行でも読んだ記憶がある。船に乗っていたら「今日は岡田港に入港します」というアナウンスがあったとか記されていた)。来島者の97%は船、というが、大島空港はジェット化されていて、一時は羽田からエアーニッポンのB737も就航していたのに、ANA吸収後、7年前に廃止になってしまった。代わって調布からのコミューター便が就航しているが、離島とは言え本土からは近すぎて、空路はコスト的にツーリストには向かない、という事だろうか。今就航しているドルニエ機は座席数が19に過ぎず、輸送力では船とは比較にならないし、この数だと、空港バスも割に合わないだろう。
写真の中にブルーリボンシティの姿があるが、登録番号からして、中古導入のはず。「車両アルバム」にはなかった。
今後もこんな形で、離島などの辺境の地を地盤とする事業者が、積極的に取り上げられれば幸いと思います。バスに求められるものの根本は、都会でも離島でも違いはないはずなので。
なお「椿まつり」は、今日の時点では「緊急事態宣言解除後~3月28日」に延期となっているが、緊急事態宣言は少なくとも21日まで延長になってしまったから、この通りになったとしても、わずか一週間では動員が望めそうになく、(オンライン以外は)このまま取りやめになってしまうのではないだろうか。正直、「離島」は行く機会がないなあ(実は、八丈島はあるのだけれど)。
バス事業者訪問 222 ことでんバス
高松は何度か行っていて、ことでんバス(+琴電)も多数撮っているが、近年はご無沙汰している。ある程度状況が落ち着く事を条件に、今年中には行く予定。
一番最初に行ったのは、平成になって間もなくの頃で、旧コトデンバス成立の直後。「アーカイブス」にも数枚写真があるが、旧高松琴平電鉄のバス部門と、旧高松バスの頃の車両がまだ当時の塗装で残っていた頃でした(写真は本体に掲げています)。成立直前には、かなり激しい労働争議があったとも聞いています。
車両の面で言うと、以前はかなり中古導入が多くて、それは今もだけれど(「車両アルバム」のキャプションは、バスラマ誌では珍しく、導入元の事業者名も明記されている。元江ノ電バスというエアロスターは、戸塚を中心に走っていたのだろうなあ)。だいぶプロパーの新車も多くなった様子。カラーは全部いるかカラーになっていて、コトデンバス時代の、白地+水色と金色の帯(K字状)の車両はもうないのか。
バス事業自体は平成時代の混乱も収束して、何とか落ち着いているようだけれど(瓦町のコトデンビルは、そごうとFLAGの間に天満屋が入っていた時期があったが、地方都市だとデパート業は元々厳しい)、コロナ禍の影響は甚大なようだ。バスだけでなく、鉄道も減便ダイヤになっていたし、伏石駅開業時には、終電が1時間も繰り上がってしまった。確かにバス(電車も)は安全な乗り物のはずだが、移動そのものが抑え込まれる現状は厳しい。今年行く時は、電車だけでなく、バスも積極的に利用したいと思う。今はPASMOでも乗れるし。
「大型免許取得までの3年間は短縮できないだろうか」というコメントがあったが、相当意見が分かれると思う。他の事業者でもホンネではそう考えている所が少なくないと思われるが、安全性への影響を懸念する声もまた、少なくはならないはず(関越・軽井沢の惨事もまだ記憶に新しいし)。短縮してもここまでなら大丈夫、という、規制当局、のみならず世論をも、十分説得できる材料が用意されなければならないでしょう。
ことでんバス自体は、高速バスは運行していません。なのでもう一社、ことでんバスが資本参加する四国高速バスも取り上げられなかったでしょうか。
私はドイツの韓国人バスドライバー
前号で完結、と思ったが、「韓国とドイツの文化の違い」として、連載を補完する寄稿。
ドイツとの違い、というより、韓国のバスという目線で見ると、日本ともかなり違うなあという印象。私はちょうど10年前、韓国に行って、ソウル→釜山の高速バスと、釜山の路線バスに乗りました。当ブログでも書いた事だが、バス停には系統番号と運行区間は記されているものの、具体的な時刻は記されていなくて、初発・最終の時刻すら解らなかった。このテキストを読む限り、運行ダイヤを指示する「仕業表」というものは、韓国にはないようです。仕事の始まりと終わりの時刻だけが決まっている、という事でしょうか(東南アジア諸国もそうみたい)。「バスの配車は年功序列」の下りは、日本でもあったと聞いている(今もあるかどうかは知らないが)。
指導運転士と新人の関係そのものは日韓で同じという事だったが、「ドイツ」という目線で見ると、「教える側」も「教えられる側」も異国の人、という事になる。これはやはり、日本では少々想像し辛い。外国人ドライバーの採用を期待したい事業者は少なくなさそうだが、「大型免許取得まで3年、の期間の短縮」と同様、整えなければならないものは、少なくないように思います。イレギュラーな事態への対応はどうする?という点は、飛行機の操縦にも共通していると思った。
同じ韓国からのレポートで、BYDのEV(eBusー12)が走り出した、とあったが、評価は低かったという事。特に酷寒対策に難があったという事だが、中国も特に北部では、ソウルや北海道並みには寒くなる都市も少なくないのだから、その辺の対策はバッチリできていると思ったのだけれど。今号の冒頭では、K8の日本国内の市販が始まったとの記事もあったが、寒さ対策はどうであろうか。今の所日本において、BYDを導入している最北の事業者は岩手県交通になるが、今現在の冬場はどうだろうかと思ったりします。
「超長期レポート」の京浜急行バスのセレガ(H3401)はずっと稼働がない状態が続いているが、ついに夜行バスから、運行を再開しないままの撤退が発表になり、車両の居場所がなくなります。まだ導入から7年なので、他事業者への売却という事になるかと思うが、その点は次号で解るか。いずれにしろ、不幸な形で京急バスから去る事になりそうです。
次号のバス事業者訪問は福島交通が予告されていて、1999(H11)年の№54以来になるが、東日本大震災から10年、という事もあっての選択だろうか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
7日 新阿蘇大橋完成 開通式
(東京ディズニーシーで2か月遅れ成人式 千葉県浦安市)
№2299 年鑑バスラマ2020→2021(ぽると出版)
「年鑑バスラマ2020→2021」、先月末には刊行になりました。
去年の「2020→2021」のときの冒頭で、「国産ハイブリッド連節バス車は、前年(2019(H31~R元)年)には導入事業者は現れなかった」と書いたが、去年は横浜市営バス「BAYSIDE BLUE」を皮切りに、導入が始まりました。
巻頭言
今年は完全にコロナ禍一色となり、如何にバス業界が損害を被ったか、どうリカバリーすればいいのか、外部の支援はどうあるべきか、について考察と提言がなされています。
バス業界だから、というのではないが、「基本に忠実な行動を全ての人が実行すれば、事態は好転に向かうと信じたい」という言葉は、全く同感。しつこいくらい書かせてもらうが、政治や行政の世界そのものがどうあろうと、彼らが人々にどう語り掛けようと、他国のような強制的な規制が許されない日本であれば、逆に、我が身と自由な暮らしを護るのは、最終的には我ら一人一人の自覚以外ない。その点日本は、他国に比べると、まだ自制は効いている方なのではないか?とは思うのだが。欧米では感染拡大を無視してドンチャン騒ぎを繰り広げた挙句、十万単位の死者を出している国もあるくらいなので。その点では、日本はまだ希望が持てると思うが、甘いでしょうか?
とはいえ、バスを初めとする交通各社では、懸命に感染症対策を施して、安全性をアピールしているのに、そもそも「外出は自粛しましょう」とPRが出されていて、TVニュースでは、「〇〇の人出は、前回の緊急事態宣言より増えている」云々の報道がなされていると、これは外出自体がネガティブな行為という事になり、むろん現状は仕方がないとしても、移動のニーズがなければ成り立たない交通事業者としては、もう打つ手がない。前々回書いたように、京浜急行バスは、夜行バスからの全面撤退を始めとした、長距離バス事業の縮小を発表していて、追随する事業者も、出てくるでしょう。一般路線バスも各地で減便が相次ぎ、特に以前書いたように、深夜バスは急激に縮小しています。空港バスは航空需要が回復しないとバス会社だけではどうにもならず、貸切事業も、インバウンドを中心とした大型の団体が戻って来ないと、今後は大手クラスでも、撤退や縮小が起きる事になるのではないか。
「テレワーク」の普及で、都会へ通勤する必要がなくなったから地方へ移転する人が多いとも聞くが、日常は「巣ごもり」「おうち〇〇」、たまの遠出は感染を避けるべく、電車・バスをやめてマイカーで、となったら、地方の事業者にとっては、何一つメリットがない事になる。極端な話、激化する道路渋滞に四苦八苦しながら、空っぽのバスを走らせ続ける事になるだけだ。これをどうしたら避ける事が出来るか。
やはりバス事業者の努力だけではとっくに限界(コロナ禍前から既にそう)で、行政の側も、必要なら支援の手を差し伸べる必要はある。ただし、ダラダラと、というわけにも行かず、「地域の人々の営みの中で、バスを初めとする公共交通はどう位置付けるつもりなのか」を、はっきりさせる必要はあります。一方で、バス事業者の側も、ここまで来たら、単に一事業者の枠の中で運行をどう確保するのか四苦八苦するだけではなく、この機に思い切って、地域ごとに枠を超えた再編成も、行われるべきではないか。路線のダイヤも、運賃制度も、徹底的な見直しが行われていいと思う。今がそのチャンス、とも言えるのではないでしょうか?
特別寄稿 地球環境保全に対して自動車ができる事
この寄稿に関しては、正直な所驚きました。タイトルと内容がほとんど一致していないように思え、どちらかといえば、「脱炭素社会」「温暖化防止」をうたい文句に、世界各地で官民挙げて繰り広げられている各種行動を、かなり疑問視しています。
ここに書かれている事が全て本当なら、日本も世界も、正しい方向を目指しているように見えて、実は重大な誤り、そして過ちを犯しているという事になります。日本の低公害車、特にEVの開発の在り方に疑問を呈してきたバスラマ誌として、この主張、受け入れられるんですか?と思わないではない。
しかし、確かに「再生可能クリーンエネルギー」も、実はあまり知られていない問題があるのではないか、とも気づかされました。要は、それ自体が環境に悪影響を与える部分がありはしないのか、という事でしょう。一番有望で、急速に普及しつつある太陽光発電は、そもそもパネルの原材料はどう調達するの?寿命が来た時には廃棄しなければならないが、処理はどうするの?という部分は、推進派はほとんど口にしない(少なくとも私は聞かない)。また気候以外に、ここでは記されていないが、生態系の問題もあって、工場の跡地とかならいいかも知れないが、どこかの国で砂漠にパネルを敷き詰めたら、生態系に悪影響が出たという話も、聞いた事があります(人工的に影が出来てしまったら、かえって良くないのだろう)。「温室効果ガスや放射能をまき散らすよりははるかにいいだろ?」というかもしれないが、砂漠には砂漠の、名もなき藪山にも藪山なりの生態系があり、そこに住む生物の暮らしを脅かす事になるのなら、これはこれで人間のエゴ、ではないのか?風力発電も、風車そのものだけでなく、ドイツでは海岸部の風力発電で得られた電力を送るために送電線を整備しようとしたら、大反対運動が起きたという事も、現地のニュースで見ました。クリーンエネルギーだって、万能ではない。
温暖化防止の議論そのものにも疑問を呈しているようだが、もし、この記述の方が事実ですよ、というのなら、この記事を真っ先に読むべきは、我々バスファン・モーターファンより、むしろ「環境活動に積極的に取り組む団体」「世界各地で声を上げ始めた若者たち」などという事になるのではないか。でないと、今は政治や業界を一方的に追い詰める立場にある彼らだが、政権交代などで、自らが環境対策・温暖化防止のリーダー的な立場に立つ事になったら、途端に困った現実に直面する事になるからです(ここに示された疑問を全否定できるだけの回答を持って、政策を実行に移さなければならない)。
とはいえ、今さらピュアディーゼルエンジンに回帰する事も、できないでしょう。ここには記述はないが、化石燃料は環境面だけでなく、近い将来の枯渇も現実味を帯びて来ている。バイオ燃料は有望なのか。JR四国バスが、先月から大栃線のアンパンマンバスで、バイオディーゼル燃料の使用を開始していると発表しているが、これに対する評価はどうであろうか。
結局、どうすればいいの?まず、今のエネルギーや環境を巡る議論は、「何からエネルギーを得るべきか」という所で止まってしまっているように思えます。そうじゃなくて、それ以前に、エネルギー源が化石燃料だろうが、原子力だろうが、再生可能クリーンエネルギーだろうが、生み出されたエネルギーを、無意識にジャブジャブ使うライフスタイルがいつまで許されるのか?そこの部分の議論が全然なっていないのではないか。個人的にはそれ以前に、エネルギーの使い方自体が論議されなければならないと思います。必要以上に個々が好き勝手に使える状況には、たぶんもうならない。ある程度公共部門が優先されて、それから個々へ、という流れになるのではないか。そこで、バスなどの公共交通の出番、という事になるし、なるべきだろうと思います(その点で、今のコロナ禍はこの意味でも心配)。
多少脱線するが、少し個人的な意見も書きます。先に挙げた「世界各地で声を上げ始めた若者たち」の行動に関して(筆者はこれにも疑問を抱いているようだ)、確かに若い人たちが世の中の、世界の問題に関心を持ち、発言し、行動起こす、それ自体はもちろんいい。しかしエネルギーや環境対策に関していうと、自分たちが望む、要求するレベルに近づけば近づくほど、自分たち自身の暮らしに多大な影響が出てくる事(当然、良い事ばかりではない)、ちゃんと解った上でやっているのかなあ?という疑問はあります。無論彼ら自身は言い出しっぺだから受け入れるだろうが。「重圧長大」産業のトップや、彼らにつるむ「政治屋」共をを懲らしめてやれば痛快、めでたしめでたし、と思っているのかも知れないが、これだって巡り巡って、我が身の生活や雇用などに降りかかってくる可能性も、少なからずあるはずです(エネルギー政策の転換による雇用喪失を恐れた労働者が、本来相容れないはずの大金持ちのドナルド・トランプを「救世主」とばかりに大統領に担ぎ上げたアメリカの4年間を、忘れてはいけない)。エネルギー・環境以外の分野でもそうです。偏見かも知れないけれど、どうやら「活動家」というのは老若男女問わず、自らの思想だけを物差しにして、その物差しに合わない人々を感情的に、問答無用で頭ごなしに全否定して沈黙させようとする傾向にある人種と見えます。が、それはひょっとしたら、全ての人々にとって惨い結末(特に「分断」)を生み出すかも知れない事も、少しは立ち止まって考える事も、必要ではないでしょうか?(筆者のこの論文の文末は、この事を言いたかったのかも知れない)自分の思想と相容れない存在を一方的に「恥」と侮蔑する行為が、社会を良い方向に向かわせるとは、到底思えない。
国内バスハイライト 2020
繰り返しになってしまうが、どうしてもコロナ禍の悪影響を避けて通る事が出来ない。回送同然で走り回る高速バスとかは、見たくもない(新幹線・特急列車や旅客機もだが)。感染症防止対策は様々施されつつあり、ここには写真がないが、昨日今日乗った東急バスでは、ドライバー席の仕切りが、樹脂製のプレートに置き換えられているのを見ました(多少の経年車もそう)。最前列シートの扱いについては、事業者によって考え方の違いがあるようで、先日乗車した北関東の事業者は、左右とも最前列席を使用停止とはしていませんでした。
一方で、なんとかあるもの、できる範囲で人に集まってもらおうとする試みも、ここに挙げられた以外でも多々ありました。去年9月の沼津市内・あわしまマリンパークの、アニメラッピング高速バスの展示も、その一つ、でしたよね?
コロナ禍関連以外では、自動運転と、中国製を中心にしたEVの普及、が挙げられるだろうか。いよいよ、一般の旅客を乗せた自動運転実証事件が、レベルを上げてきたようです。アストロメガは総稼働数が50台になったそうで、京王バスや富士急バスあたりは、(今はともかく)効果が高いのではないかと思われます。販売が軌道に乗ってきたのだろか。だとしたら、ここでもコロナ禍は痛い。羽田などの空港バスでの普及に期待したいのだが。
国内バスカタログ 2020→2021
国産は新型の導入はなく、中国製のEVのみ。ボルグレンの中止は、今後の連節バスや、フルフラットノンステップバスの展開に影響が出そうだ。東京都交通局は、フルフラット車のさらなる改良を模索していたようだったのだが。
エルガ・ハイブリッドは、去年は「導入例がないのか?」と書いてしまったが、関東鉄道や東京ベイシティ交通に導入例があるようです。まだ実物を見ていないのだけれど。
海外バスカタログ 2020→2021
ソラリスのEVは去年北欧に行った時に、オスロ中央の駅前で見かけました。
EVは試作段階のものも含め、日本も加えてそろそろかなり普及してきているが、充電方式はパンタグラフ方式、プラグ式などいくつか併用される所があるようです(ヘルシンキがそうだったよう)そろそろ、各々の充電方式の長所・弱点みたいなものを整理して、示される時期が来ていると思う。地上充電のロケーションもまた、EV普及の在り方に関わって来るので。
1990~1993 バスラマが出会ったバス達
私は30年前の創刊時から欠かさずバスラマ誌を購入・購読しているが、創刊号(1990(H2)年8月号 表紙ははとバスのヨーロコメットで、裏表紙は初代セレガの広告)を改めてひも解いてみると、カラーページは広告(アステローペなど)を含めても10ページ程度で、隔世の感があります。ちなみに創刊号の価格は1,200円(本体1,164円)でした。最新の183号は1,362円+消費税(なので1,498円)だから、カラーページが半分以上になった事を考えると、価格はよく抑えられている方だと思います。
1990年代初頭、平成が始まった頃のバスがずらりと並んで圧巻だけれど、廃業した貸切事業者、廃止になった定期観光バス、走らなくなった路線も多々あって、もうこういう時代は来ないのかなあ、とも思わされました。外国車は、この時代は実用性・機能性より、フラッグシップ的な役割を持たされていた車両が大半でした(ここにはないが、旧日本急行バスがベンツを名神高速バスに導入していたが、これも何より「ベンツ」である事がウリだった)。岩見沢駅のJRバスの写真もあるが、もしここのJRバスが残っていたら、去年廃線になった札沼線の代替バスを運行する事になっていたのだろうか、などと想像もする。
今年は、とにかくコロナ禍が収束に向かう事が、何より強く望まれます。感染者数は年末年始の頃に比べれば大幅に減少はしているものの油断はならず、首都圏の一都三県は3月7日まで完遂してしまう事になりそうです(間違っても、延長になったりしないように!)。変異種も心配だし。一方でワクチン接種が医療従事者向けに始まり、一般の人向けの接種スケジュールも公表されたので、何とか再び爆発的な感染増加を見る事無く、事が終わりに近づいて欲しいです(今年中に何もかも終わり、とはなるまいが)。そうでないと、バスに限らず公共交通は既に、どこもかしこも虫の息に近いので。業界自体、この一年で再編成も進むのかも知れない。今はそうはならなくても、種は蒔かれる事になる気もします。そんな、コロナ禍と、アフターコロナを見据えた動向が、次年度の「年鑑バスラマ2021→2022」の中心記事と、なるのでしょう。
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当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
JR東日本(横浜支社)と京急は共同でリリースを出し、「神奈川県の観光流動の創出に取り組む」として、共同プロモーション「JR&KEIKYU ふらっと列車旅(とれいん)」を来月からスタートさせると発表しました。共通のロゴマークも製作し(JRのE235系と、京急の1000形1890番台)、第1弾は3月、「ヨコスカネイビーバーガー」を中心に据えて宣伝を展開、4月には京浜臨海部に舞台を移す事になっています。競合関係ばかりが取り上げられる事が多い両社だが、このコロナ禍で外出、特に観光が大きく落ち込む現状では、競争とばかりは言っていられないという事です。しごくまっとうな方向性だと思います。一神奈川県民として、期待します。
《今日のニュースから》
24日 2032年オリ・パラ IOC理事会 候補地を豪ブリスベンに一本化
(れいわ新選組 木村 英子参議院議員 コロナ感染発表)
25日 エアアジア・ジャパン 破産手続き開
(緊急事態宣言解除後の対策 政府分科会提言)
西武HDが最終赤字を800億円に下方修正だの、JALが2022(R4)年度も新卒採用を大幅縮小だの、どうも交通機関の経営に関しては、明るい話題がほぼない。大手でこれでは、中小はもっと厳しいでしょう。だから早くコロナ禍が収束してほしいのだが…。
№2297 京浜急行バス 夜行バス終焉
京浜急行バスは15日、夜行高速バス4路線、弘前線〔ノクターン〕と盛岡・宮古線〔ビーム1〕、鳥取・米子線〔キャメル〕、それに徳島線〔エディ〕の運行を、3月いっぱいを持って終了するとリリースしました。
〔ノクターン〕は共同運行相手の弘南バス、〔ビーム1〕も同じく岩手県北バスの単独運行で運行が維持されるが、〔キャメル〕は全面的に廃止になります。〔エディ〕は、この路線だけ「廃止」ではなく「休止」としていて、将来的な運行再開にも含みを持たせているのかなあと思うが、徳島バス(〔ムーンライトエディ号〕と呼称)も運行せず、路線そのものが取りやめ、という事になります。
これで京浜急行バスは、夜行高速バスからは全面撤退になります。
〔ノクターン〕は、1986(S61)年12月に運行を開始、対鉄道における運賃の安さ、当初から3列シートのデラックス車の導入による快適さを武器に、絶大な人気を誇りました。弘前は青森県では青森、八戸に次ぐ第三の都市なので意外な設定とも見られたが、当時は東北新幹線もまだ盛岡までだったし(高速バス〔ヨーデル〕への乗り継ぎが普通だった)、旧国鉄の夜行は、直行は奥羽本線秋田経由の寝台特急〔あけぼの〕・急行〔津軽〕で時間がかかり、東北本線経由だと青森乗り換えが必要なので、対鉄道で優位に立てるニッチな市場があったという事なのだろう。通常でも2台以上、ピーク時の年末年始は、十数台の臨時便が運行されていたとも聞いています。
当時、夜行バスは既に旧国鉄の〔ドリーム号〕があり、加えて№1653でも書いた、阪急バス・西日本鉄道の〔ムーンライト〕が、昭和末期の「夜行バスブーム」に火をつけました。〔ノクターン〕の成功が決定的となり、これを機に、日本の各バス事業者は相次いで夜行を中心とした高速バス事業に参入、全国に夜行バス路線がが津々浦々張り巡らされる事になります。一般のニュースでもたびたび取り上げられていました。京急自体も、1988(S63)年には〔キャメル〕をスタート、その後対東北・中国・四国を中心に夜行バス路線を展開していきました。品川に高速バスの専用バスターミナルを整備した事も、話題になりました。
趣味的には、路線ごとに異なるカラーリングが施されていたのが楽しく思えました。京急バスだけではなかったのだが(近鉄バスなどもそうだった)。上の画像の車両もそうで、〔ノクター〕は他にもいくつかパターンがあったのではなかったかな?結局、運用の効率もあってか、後には〔キャメル〕のカラーで、夜行バスはほぼ統一されていくが(コミュニティ的な路線に使用されるリエッセやポンチョなどにも見られる)、〔ノクターン〕は、オリジナルカラーが維持されていきました。
今回の4路線の廃止・休止・撤退について、京浜急行バスは「旅客需要の変動」を理由に挙げています。コロナ禍がとどめを刺したのは間違いないが(現在、京急バスの夜行は全て運休中)、それ以前から、需要の減退は起きていたのだろう。JRグループの夜行列車は〔サンライズ〕を除いて定期列車が全滅して久しく、状況は夜行バスにとってはさらにプラスに働いていたはずなのだが、旧ツアーバスから転換した高速バスとの競合に敗れていたのだろうか。東北も激戦区になっていたようだったのは、青森や秋田のバスターミナルを見て感じていた事でした。〔ノクターン〕のパートナーの弘南バスも、別に自社単独の旧ツアーバスからの転換路線を運行しているし。
〔ムーンライト〕もそうだったが、日本の長距離バスは、一地方の事業者が、他地域の事業者と共同運行する方式で路線を展開していったのが普通でした。市内バスと長距離バスで事業者が違うのが普通(だと思うが)の他国とはこの点、発展の在り方がかなり異なっていたと思います。21世紀に入って以降、規制緩和でその枠組みにこだわらない、特にツアーバス形態の「高速バス」が相次いで生み出されると、コスト面で太刀打ちが出来なくなっていきました(副作用で、関越や軽井沢のような惨事も惹き起こされるのだが)。また、特にこの10年間は一般路線のドライバー不足が深刻化し、地域の路線の運行を維持するためには、長距離バスは運行を取りやめにせざるを得なくなった、という事も、多くなったようです。京急バスも夜行のみならず、昼行の鹿島神宮線・日光鬼怒川線からの撤退を発表しています(どちらもパートナー事業者は運行を継続)。京急バスも一般路線は減便が相次いでいて、防衛の対策の意味もあるのでしょう。地域路線から発展した在来型事業者の宿命・弱点と言えるのかも知れません。
〔ムーンライト〕も廃止から既に4年経ち、今回〔ノクターン〕も、となると、特に地域の路線バス網に地盤を置く在来の事業者による、従来型の共同運行方式の夜行バスは、急激に縮小に向かうような気がします。路線のロケーションにもよるが、京急バスでさえそうなるなら、もう少し小規模の事業者は、維持が難しくなっていくのではないか。コロナ禍より前から、既にその傾向は見られました。今後の長距離夜行バスは、一般的な市内バスを持たない、あるいは少ない、長距離バスのみをほぼ専門に扱う事業者、そうでなくても、広域のグループ(みちのりHDのような)の内部の事業者による路線に、収れんされていくように思います。コロナ禍がいつ終息するのか、その後の長距離バスの需要はどうなるのか、シロートには見通すのが極めて困難だが、少なくとも、今回の京浜急行バスの夜行路線からの撤退は、業界内部における、高速バス事業の一大転換点になると思われます。
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当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
阪急電鉄が有料の座席サービスの検討を始めたと、NHKのニュースサイト(関西版)が伝えました。既に京阪特急の「プレミアムカー」、JR西日本新快速の「Aシート」があるから、阪急も何か考えるのではないかと思っていたが、コロナ禍で動きが加速しているようです。ダイヤはどこも全体的に、深夜を中心に縮小傾向に向かうのだろうが(阪急もすでに、阪神や神戸電鉄共に、3月13日から最終電車繰り上げと発表している)、一方で有料座席サービスは、広がっていく事になるのだろうか。関東でももうすぐ、中央線快速にグリーン車が連結になるし、京急は5月に新車両導入で〔モーニングウィング〕の増結を行うし、中央線快速も間もなく、グリーン車の連結が始まります。
《今日のニュースから》
21日 池江 璃花子 東京都オープン 復帰後初優勝
(東京都 272人感染発表 7日間の平均は基準超)
№2287 バスマガジンvol.105 (講談社ビーシー/講談社)
「バスマガジンvol.105」、先月末に発売になりました。
表紙は関東バスで、動態保存車両として残されている3ドア車。クルマそのものは違うけれど、15年前に一度取り上げられていた時も、表紙はやはりFHI車体の3ドア車でした。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.105 関東バス
前回は、創刊されてまだ日が浅い、2006(H18)年のvol.18でした。一般路線バスの営業範囲自体は、今とほとんど変わらない。当時は、ケイビーバスという分社があり、高田馬場駅~東中野駅路線や、夜行高速バスを運行していました。車両はノンステップ化も進みつつあったが、3ドア車もまだまだ多かったのと、一方でコミュニティバスでクセニッツ、夜行バスでエアロキングなどの保有がありました。4メーカーでFHI車体を保有していた事も、特筆事項か。
表紙を飾る3ドア車が走る〔鷹04〕系統は、三鷹駅~多摩六都科学館間の路線だが、キャプチャには「日祝日運行(現在は運休中)」とあるが、関東バス公式の路線図には、〔花09〕系統(花小金井駅~多摩六都科学館)と同様、「不定期運行」と記されている。この形態になっているのは、コロナ禍とは関係ないかも知れない(現在は武蔵野市のコミュニティバスが乗り入れている)。
「ドリームスリーパー」などの夜行バスは、これこそコロナ禍で現在全路線運休中。空港バスやTDRへ行く路線も、大半が運休中。
中野駅北口は、駅前からは乗れなくなってしまったが、以前のターミナル(歴史編に昔の写真がある)は少々危なっかしくも感じられたので、仕方がなかっただろう。写真がないが、荻窪駅北口のターミナルも変わったし、比較的最近まで、昔の名残が残っていたという事ではないだろうか。3ドア車に象徴されるように、利用者がとても多いのに、道路条件が良くない路線が少なくないので、車種選定は大変だったと思う。
今回は、南善福寺のターンテーブルがなかった。当面はコロナ禍の早い終息が望まれるが、各鉄道の最終電車繰り上げ(特にJR中央線)は、関東バスの運行に相当影響を与えると思う。深夜バスも運休中のようだが、元々は1時過ぎまで運行があり、土日にも運行がある路線もあったし、現状でも23時台にターミナルを出る一般便があるが(三鷹駅23時52分発武蔵野営業所行が一番遅い便と思われる)、正式なダイヤ改正の発表を受けて、どう変わるのか。同時に西武新宿線の早期の立体化も、期待される所でしょう。こちらは間違いなく、あと数年かかる事になるが。
移籍バスの行方を追跡
第4回は国際興業のその2。キュービックの移籍も多かったが、さすがに移籍先でも全部引退、という所が多い。北は北海道(ここでの最遠はくしろバスか。そういえば3年前に乗っていて、国際興業時代の跡も確認しているのだが、今見たら、なぜかそれについて書いた部分が消えてしまっている。一昨年の「リニューアル」の影響、なのか?)から、南は沖縄・宮古島まで幅広いが、山梨交通が中心になるのだろうか。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.37 福井県
ここはもっと早く、前回は創刊の翌年の2005(H17)年・vol.9でした。
福井県は、「嶺北」と「嶺南」は、同じ県ではあるが、流動はあまり多くないのではないか?去年JR北陸本線の普通列車で北陸トンネルを抜けた時に、改めて感じた事です。福井鉄道のバスは両地域に走っているが、路線のつながりはなくなっているし。特に嶺南は、近年JRの新快速電車が大阪から敦賀まで1時間毎に通っているくらいなので、福井市より、関西との結びつきの方が圧倒的に強いのではないか?(最近地元が運行再開を承認した高浜などの原子力発電所が多いのも、もちろん地理的・政治的な要因もあるが、京阪神に近い、という事もあるのではないか?)
福井市の人口が約26万人、前号の静岡県東部の富士市が約24万人だそうだから、県庁所在地としては、やはり大分少ない(全国の道府県庁所在都市では、下から7番目くらいになるらしい)。少ないが、ローカル私鉄のフリークエントサービスが維持されていて、公共交通への依存度は、決して低くはないのではないか。この16年の間に、廃止が表明されていた旧京福電鉄で2度の正面衝突事故があり、全面運行中止という事態が1年以上続いたが、代行バスが道路の渋滞で四苦八苦し、やはり鉄道が必要だ、となってえちぜん鉄道への転換により再開、という事もあります。バスとしても、潜在的な需要を取り込みたい。
事業者自体は、京福バスのグループと福井鉄道が支えるという基本的な構図は、変わっていない。他に、前回やや詳しく取り上げられていた大和交通の他、コミュニティで参入している事業者が数社あるが、一方で近江今津から小浜に乗り入れている西日本ジェイアールバスの記載はなくなりました。営業所が滋賀県の今津だからか?(今はこの路線以外に、県外から乗り入れている事業者はないようだ)そういえば前回掲載時はJR越美北線が水害で途絶していて、JRバスが常駐して代行バスを運行していたのだが、今見直しても、その辺の記述は一切なかった。
北陸新幹線の敦賀延伸は1年程度の延期になったが、さらにその先大阪へは、小浜を経由するルートが選定されました。福井県を北東から南西に貫く事になるが、もちろん敦賀開業でもだろうが、全線が開通する日が来たら、福井のバスは、かなり変わる事になるのだろうか。各鉄道と連携の上、いい方向に代わって欲しい。
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第31回
国産ハイブリッド車のデビューを踏まえた、連節バスの現況と、今後の考察。
車両の価格に関してはメーカーなどに頑張ってもらうとしても、このブログで何回も書いてきた事の繰り返しになってしまうが、やはり連節バスは、基本的には日本には合わないと思う。国産車が作られるようになったほどだから、法的な規制はクリアされつつあると思うが、物理的な面の制約は大きい。関東バスなど、それこそ輸送量的には連節バスは合いそうだが、道路事情が良くない路線が多い(だから3ドア車を積極的に導入する事で対応してきたのだから)。公道以上に、バスターミナルが問題になるかも知れない。新しく造るならまだしも、単車での運用を前提とした構造からの転換は、容易ではない。またドライバーも、単車以上の熟練度が求められると思うが、ただでさえ不足気味の現状だから、連節バスを運行できるドライバーの確保・養成は容易ではない。
なので、それでも連節バスを入れたい、のなら、最低幕張のエリアくらいのレベルで、走行環境が整う必要があると思う。物理的なものだけでなく、優先走行などの交通に関わる規制も含めて。当然それは一バス事業者で出来る事ではなく、それこそ政治・行政が積極的に関わって欲しい(おカネの面だけでなく)。それと、現状の連接バス路線は、幕張など一部を除くと、大学の学生輸送など、短い時間に利用者が集中する路線がほとんどで、朝から晩まで、一日中フリークエントサービスが行われる路線は少ないように見える。例えば、神奈中バスの町田バスセンター~山崎団地センター路線も、本来はそうあるべきなのに、現状は、朝方の町田行以外は、平日は1時間に1本程度、土休日は6往復しかない。急行便という事もあるが(他に単車による各停便が多数ある)、これではせっかくの連接車も、効果が発揮できないのではないか。「BRT」というのではないが、連節バスを導入するからには、路線やダイヤの面で、もっと積極的な設定が望まれると思います。これもまた、外部の理解・支援が必要だろう(路線の再編成が絡むなら、なおさら)。
終点の情景を求めて
国東観光バスの文殊。国東観光バスというと、去年10月に乗った、久大本線の代行バス(向之原→由布院)が思い出される。国東→文殊間は平日のみ3本しかない上、行程表に書かれている13時15分発が国東発の初便(大分からだと10時30分に発つ必要がある)なので、文殊仙寺での体験を加えようとしたら、文殊からの帰りは17時01分しかない。この路線以外にも国東を起点として半島の内側に入っていく支線があり、岩戸寺へ行く路線はJTB時刻表にも掲載があるが、全部平日のみ3往復(国東発最終は、学校休校日は運休)。全て出発時刻が近いが、地域の事情だろうか。「文殊の知恵」はやはりここからか。近年ではそれこそ、福井県の高速増殖炉や、JR西日本で走っていた特急の名称をを連想してしまうのだが。
平成初期のバスを振り返る
羽後交通。「レイク&ポート」のボルボは、運行開始当初に田沢湖→横浜で乗った事があります(往路は相鉄のFHIスーパークルーザーだったっけ)。貸切格下車が多かったのは羽後交通も同じで、駒ヶ岳に上るバスで乗った事もありました。元都営バスグリーンシャトル車は、どこかに車体だけでも残っていませんかねえ?レストアして「都営交通博物館」で展示、なんて夢、というより妄想を抱いてしまうのだが。バスそのものから脱線するが、羽後交通エリアで最大の都市は、横手市ではないですかね?人口が横手市が約99,200人、湯沢市は約44,350人で半分以下でしかない。大仙市が約81,130人、由利本荘市が約76,080人だそうで、「平成の大合併」の結果、この4市の面積はほぼ同じになっているようだが、湯沢市が最も小規模と言える。かつては自社の鉄道が走っていた所だが、新幹線ネットワークから完全に外れてしまった事も、衰退に拍車をかけているのかもしれない。
今号では、オノエンスターEV7.0の試乗ルポ(トライアル)の記事もあったが、横浜市営バスのエルガ改造EVについては、記載がありませんでした。
次号は予告通りなら、バス会社は那覇バス。「問題」なのは全方位レポートの岡山県で、岡山市内の新規参入を巡る近年のスッタモンダは避けて通れないはずだが、どのように書かれるのだろうか。それと、西武バスの営業無人運転が、今月から来月にかけて飯能市内で行われるが、そのルポも期待。とにかく小さくてもいいから、バスを巡る明るい話題が、欲しいです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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3月のダイヤ改正、今日は箱根登山鉄道からリリースが出ました。箱根湯本~強羅間が対象で、最終列車は曜日・方向によって異なるが25~36分の繰り上げ、初電は22分の繰り下げになります。ケーブルカーは始発を44分繰り下げ、最終は47分繰り上げ。山間部で作業もより難しいものになるので、幅が大きくなっているのでしょう。小田原~箱根湯本間は変更なし。
緊急事態宣言の最中でも、関東地方は、基本的には最終電車の繰り上げに留まっているが(他に京急の区間運転が引き続き運休)、西鉄は6日から、土休日は再度特別ダイヤとして減便になります。今回は、天神大牟田線で日中の急行が全て取りやめ、甘木~大牟田間の普通列車が60分間隔での運転。また貝塚線は30分間隔の運転になります。近鉄も特急だけでなく、大阪線・南大阪線で、一般列車の運休が発生しています。とにかく緊急事態宣言が何とか早く終わらないと、鉄道もバスも航空も、息の根が止まってしまいそうです。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
3日 米トランプ前大統領支持「プラウドボーイズ」 カナダ政府 テロ組織に指定
(「ダボス会議」 8月に再延期発表)
4日 瀬戸 大也 競泳「ジャパンオープン」復帰後初優勝
(「オンライン札幌雪まつり」 開幕)
表紙は関東バスで、動態保存車両として残されている3ドア車。クルマそのものは違うけれど、15年前に一度取り上げられていた時も、表紙はやはりFHI車体の3ドア車でした。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.105 関東バス
前回は、創刊されてまだ日が浅い、2006(H18)年のvol.18でした。一般路線バスの営業範囲自体は、今とほとんど変わらない。当時は、ケイビーバスという分社があり、高田馬場駅~東中野駅路線や、夜行高速バスを運行していました。車両はノンステップ化も進みつつあったが、3ドア車もまだまだ多かったのと、一方でコミュニティバスでクセニッツ、夜行バスでエアロキングなどの保有がありました。4メーカーでFHI車体を保有していた事も、特筆事項か。
表紙を飾る3ドア車が走る〔鷹04〕系統は、三鷹駅~多摩六都科学館間の路線だが、キャプチャには「日祝日運行(現在は運休中)」とあるが、関東バス公式の路線図には、〔花09〕系統(花小金井駅~多摩六都科学館)と同様、「不定期運行」と記されている。この形態になっているのは、コロナ禍とは関係ないかも知れない(現在は武蔵野市のコミュニティバスが乗り入れている)。
「ドリームスリーパー」などの夜行バスは、これこそコロナ禍で現在全路線運休中。空港バスやTDRへ行く路線も、大半が運休中。
中野駅北口は、駅前からは乗れなくなってしまったが、以前のターミナル(歴史編に昔の写真がある)は少々危なっかしくも感じられたので、仕方がなかっただろう。写真がないが、荻窪駅北口のターミナルも変わったし、比較的最近まで、昔の名残が残っていたという事ではないだろうか。3ドア車に象徴されるように、利用者がとても多いのに、道路条件が良くない路線が少なくないので、車種選定は大変だったと思う。
今回は、南善福寺のターンテーブルがなかった。当面はコロナ禍の早い終息が望まれるが、各鉄道の最終電車繰り上げ(特にJR中央線)は、関東バスの運行に相当影響を与えると思う。深夜バスも運休中のようだが、元々は1時過ぎまで運行があり、土日にも運行がある路線もあったし、現状でも23時台にターミナルを出る一般便があるが(三鷹駅23時52分発武蔵野営業所行が一番遅い便と思われる)、正式なダイヤ改正の発表を受けて、どう変わるのか。同時に西武新宿線の早期の立体化も、期待される所でしょう。こちらは間違いなく、あと数年かかる事になるが。
移籍バスの行方を追跡
第4回は国際興業のその2。キュービックの移籍も多かったが、さすがに移籍先でも全部引退、という所が多い。北は北海道(ここでの最遠はくしろバスか。そういえば3年前に乗っていて、国際興業時代の跡も確認しているのだが、今見たら、なぜかそれについて書いた部分が消えてしまっている。一昨年の「リニューアル」の影響、なのか?)から、南は沖縄・宮古島まで幅広いが、山梨交通が中心になるのだろうか。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.37 福井県
ここはもっと早く、前回は創刊の翌年の2005(H17)年・vol.9でした。
福井県は、「嶺北」と「嶺南」は、同じ県ではあるが、流動はあまり多くないのではないか?去年JR北陸本線の普通列車で北陸トンネルを抜けた時に、改めて感じた事です。福井鉄道のバスは両地域に走っているが、路線のつながりはなくなっているし。特に嶺南は、近年JRの新快速電車が大阪から敦賀まで1時間毎に通っているくらいなので、福井市より、関西との結びつきの方が圧倒的に強いのではないか?(最近地元が運行再開を承認した高浜などの原子力発電所が多いのも、もちろん地理的・政治的な要因もあるが、京阪神に近い、という事もあるのではないか?)
福井市の人口が約26万人、前号の静岡県東部の富士市が約24万人だそうだから、県庁所在地としては、やはり大分少ない(全国の道府県庁所在都市では、下から7番目くらいになるらしい)。少ないが、ローカル私鉄のフリークエントサービスが維持されていて、公共交通への依存度は、決して低くはないのではないか。この16年の間に、廃止が表明されていた旧京福電鉄で2度の正面衝突事故があり、全面運行中止という事態が1年以上続いたが、代行バスが道路の渋滞で四苦八苦し、やはり鉄道が必要だ、となってえちぜん鉄道への転換により再開、という事もあります。バスとしても、潜在的な需要を取り込みたい。
事業者自体は、京福バスのグループと福井鉄道が支えるという基本的な構図は、変わっていない。他に、前回やや詳しく取り上げられていた大和交通の他、コミュニティで参入している事業者が数社あるが、一方で近江今津から小浜に乗り入れている西日本ジェイアールバスの記載はなくなりました。営業所が滋賀県の今津だからか?(今はこの路線以外に、県外から乗り入れている事業者はないようだ)そういえば前回掲載時はJR越美北線が水害で途絶していて、JRバスが常駐して代行バスを運行していたのだが、今見直しても、その辺の記述は一切なかった。
北陸新幹線の敦賀延伸は1年程度の延期になったが、さらにその先大阪へは、小浜を経由するルートが選定されました。福井県を北東から南西に貫く事になるが、もちろん敦賀開業でもだろうが、全線が開通する日が来たら、福井のバスは、かなり変わる事になるのだろうか。各鉄道と連携の上、いい方向に代わって欲しい。
鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第31回
国産ハイブリッド車のデビューを踏まえた、連節バスの現況と、今後の考察。
車両の価格に関してはメーカーなどに頑張ってもらうとしても、このブログで何回も書いてきた事の繰り返しになってしまうが、やはり連節バスは、基本的には日本には合わないと思う。国産車が作られるようになったほどだから、法的な規制はクリアされつつあると思うが、物理的な面の制約は大きい。関東バスなど、それこそ輸送量的には連節バスは合いそうだが、道路事情が良くない路線が多い(だから3ドア車を積極的に導入する事で対応してきたのだから)。公道以上に、バスターミナルが問題になるかも知れない。新しく造るならまだしも、単車での運用を前提とした構造からの転換は、容易ではない。またドライバーも、単車以上の熟練度が求められると思うが、ただでさえ不足気味の現状だから、連節バスを運行できるドライバーの確保・養成は容易ではない。
なので、それでも連節バスを入れたい、のなら、最低幕張のエリアくらいのレベルで、走行環境が整う必要があると思う。物理的なものだけでなく、優先走行などの交通に関わる規制も含めて。当然それは一バス事業者で出来る事ではなく、それこそ政治・行政が積極的に関わって欲しい(おカネの面だけでなく)。それと、現状の連接バス路線は、幕張など一部を除くと、大学の学生輸送など、短い時間に利用者が集中する路線がほとんどで、朝から晩まで、一日中フリークエントサービスが行われる路線は少ないように見える。例えば、神奈中バスの町田バスセンター~山崎団地センター路線も、本来はそうあるべきなのに、現状は、朝方の町田行以外は、平日は1時間に1本程度、土休日は6往復しかない。急行便という事もあるが(他に単車による各停便が多数ある)、これではせっかくの連接車も、効果が発揮できないのではないか。「BRT」というのではないが、連節バスを導入するからには、路線やダイヤの面で、もっと積極的な設定が望まれると思います。これもまた、外部の理解・支援が必要だろう(路線の再編成が絡むなら、なおさら)。
終点の情景を求めて
国東観光バスの文殊。国東観光バスというと、去年10月に乗った、久大本線の代行バス(向之原→由布院)が思い出される。国東→文殊間は平日のみ3本しかない上、行程表に書かれている13時15分発が国東発の初便(大分からだと10時30分に発つ必要がある)なので、文殊仙寺での体験を加えようとしたら、文殊からの帰りは17時01分しかない。この路線以外にも国東を起点として半島の内側に入っていく支線があり、岩戸寺へ行く路線はJTB時刻表にも掲載があるが、全部平日のみ3往復(国東発最終は、学校休校日は運休)。全て出発時刻が近いが、地域の事情だろうか。「文殊の知恵」はやはりここからか。近年ではそれこそ、福井県の高速増殖炉や、JR西日本で走っていた特急の名称をを連想してしまうのだが。
平成初期のバスを振り返る
羽後交通。「レイク&ポート」のボルボは、運行開始当初に田沢湖→横浜で乗った事があります(往路は相鉄のFHIスーパークルーザーだったっけ)。貸切格下車が多かったのは羽後交通も同じで、駒ヶ岳に上るバスで乗った事もありました。元都営バスグリーンシャトル車は、どこかに車体だけでも残っていませんかねえ?レストアして「都営交通博物館」で展示、なんて夢、というより妄想を抱いてしまうのだが。バスそのものから脱線するが、羽後交通エリアで最大の都市は、横手市ではないですかね?人口が横手市が約99,200人、湯沢市は約44,350人で半分以下でしかない。大仙市が約81,130人、由利本荘市が約76,080人だそうで、「平成の大合併」の結果、この4市の面積はほぼ同じになっているようだが、湯沢市が最も小規模と言える。かつては自社の鉄道が走っていた所だが、新幹線ネットワークから完全に外れてしまった事も、衰退に拍車をかけているのかもしれない。
今号では、オノエンスターEV7.0の試乗ルポ(トライアル)の記事もあったが、横浜市営バスのエルガ改造EVについては、記載がありませんでした。
次号は予告通りなら、バス会社は那覇バス。「問題」なのは全方位レポートの岡山県で、岡山市内の新規参入を巡る近年のスッタモンダは避けて通れないはずだが、どのように書かれるのだろうか。それと、西武バスの営業無人運転が、今月から来月にかけて飯能市内で行われるが、そのルポも期待。とにかく小さくてもいいから、バスを巡る明るい話題が、欲しいです。
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3月のダイヤ改正、今日は箱根登山鉄道からリリースが出ました。箱根湯本~強羅間が対象で、最終列車は曜日・方向によって異なるが25~36分の繰り上げ、初電は22分の繰り下げになります。ケーブルカーは始発を44分繰り下げ、最終は47分繰り上げ。山間部で作業もより難しいものになるので、幅が大きくなっているのでしょう。小田原~箱根湯本間は変更なし。
緊急事態宣言の最中でも、関東地方は、基本的には最終電車の繰り上げに留まっているが(他に京急の区間運転が引き続き運休)、西鉄は6日から、土休日は再度特別ダイヤとして減便になります。今回は、天神大牟田線で日中の急行が全て取りやめ、甘木~大牟田間の普通列車が60分間隔での運転。また貝塚線は30分間隔の運転になります。近鉄も特急だけでなく、大阪線・南大阪線で、一般列車の運休が発生しています。とにかく緊急事態宣言が何とか早く終わらないと、鉄道もバスも航空も、息の根が止まってしまいそうです。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
3日 米トランプ前大統領支持「プラウドボーイズ」 カナダ政府 テロ組織に指定
(「ダボス会議」 8月に再延期発表)
4日 瀬戸 大也 競泳「ジャパンオープン」復帰後初優勝
(「オンライン札幌雪まつり」 開幕)