たくさんのドラマも生まれた、オリンピック・パラリンピックでした。皆さん、ありがとう!3年後のパリ大会もまた、大いに期待します。
オリ・パラが終わりましたので、合わせて当ブログも見た目だけ、多少模様替えしました。タイトル部のカバー画像はオリ・パラに合わせて去年の頭から、JALのB777に描かれていた、オリ・パラのマーキングを使っていましたが、昨日から(正確にはおとといの夜から)変えています。あまりにも切羽詰まった環境に置かれている事もあって、「今年って、何どしだったっけ?」と忘れておられる方々、案外多いのでは?今年は丑年、なので、東急こどもの国線で走っている、Y0系(横浜高速鉄道)の「うしでんしゃ」を起用しました。3年前、2018(H21)年10月より、1編成にうしのラッピングを施しているもので、車内も牧場風にデコっています。好評につき、後にもう1編成が「ひつじでんしゃ」になりました。日中は3編成中の1編成しか運用しないので乗る機会を見つけるのは大変そうだが、東急電鉄の公式WEBに運用が公表されています。今年いっぱい、この画像で行きます。
「バスラマインターナショナル187」、先月末刊行になりました。
オリンピック輸送のバス、長崎からも来ているとは、少々驚いた。私は根岸線の車内から、横浜スタジアムの前に待機する名阪近鉄バスのセレガを見ています。「かん口令」ね。有観客だった場合は、テロが何よりの脅威だった事もあるだろう。記事には憶測に基づいた事項が多かった。
一方のワクチン接種会場のシャトルバスは、こんな形で日産ディーゼルの名鉄バスが見られるとは思わなかった。横浜市は、例年ならクルーズ船の送迎で使われる、横浜市営バスの黄色ラッピング車(貸切登録だが、路線バスでも使われる)が使用されていたようでした。
電気バスへの適切な電力供給のために
関西電力の充電設備開発の現状と、現在既にEVバスを運行している事業者へのアンケート。
充電方式は、アンケートに回答した会社は全てプラグ式で、メーカーの標準仕様だと思うが、欧州でも見たパンタグラフ式の充電は、日本では可能性がないのだろうか。関西電力がアルペンルートの代替で導入した電気バスは、パンタグラフ充電式だが、国産ディーゼルバスの改造である事と、トロリーバス時代の設備を、ある程度は活用できているかもしれない。EV転換後の運用の実績はまだ記事になっていない。特殊なケースではあるが、市内バスへの応用の可能性も踏まえて、レポートでもあれば良かった。
アンケートは政策面や技術の要望・意見が大半だが、電力設備以前にまず、国全体で電力そのものが十分に確保できるのか?という疑問が残る。何度か書いた事の繰り返しになってしまうが、化石燃料も原子力もダメ、全部再生可能クリーンエネルギーで行くんだ、という環境保護派の主張は勢いを増しているけれど、それは、エネルギーの消費量が現状のレベルのままキープされ続けるなら、それでもいいだろう(コスト面は何とでもなるだろうし)。しかし、バスだけでなく、路上を走る車両をことごとくEV化していくなら、それで足りるだろうか?どんなエネルギーでも、何もないところからは生み出されないのだから。事業者のアンケートの回答には、国全体の電力政策そのものは言及されていないが、やはり電力配分の優先順位づけが必要なのではないだろうか。路上交通に関しては、バスなどの公共交通に優先的に配分し、マイカーなどからの転移を促進するような仕組みが欲しいと思う。ただ、コロナ禍で公共交通が敬遠される傾向が顕在介していていて、不安材料だ。いずれにしろ、電力と公共交通の関係について、もう少し世論が喚起される必要があるだろう。それがEVバスの発展にもつながるのではないか。
(その点は、海外はどうなのだろう?)
今年頭には横浜市営バスでエルガを改造したEVに乗車したが、今の所アンケートに協力した事業者の車両は、まだ乗っていません。現状は軽々しく遠くへ行けないのだが、ある程度落ち着いたら、近いところもあるので、乗客としての試乗も考えています。
バス事業者訪問
今回は、かなり性格が異なる5社になりました。
227 北恵那交通
旧北恵那鉄道の印象があるが、子供の頃にはもう廃線になっていて、たぶんあと10年早く生まれても、乗車は叶わなかっただろう。
中津川~馬籠間は、昔乗った事があります。正直記憶がほとんどないが、あの時は濃飛バスでした(馬籠で、南木曽~妻籠~馬籠の路線とつながっていた。今は南木曽町営だが、おんたけ交通が受託している)。馬籠と付知峡の観光輸送が、小規模ではあるが、北恵那交通バスを支えていく事になるのか。
乗車人員の数値があって、2010(H18)年には濃飛バスからの譲渡もあって、1990(H2)年のレベルに近いところに戻ったが、その後のわずか10年で、20万人以上も減っている。
中津川~下呂路線は途中で分割されて濃飛バスと分け合う形になって、一部を除いて接続は良好のようだが、乗り換えがあるのは、利便性のマイナスにならないかという懸念はあります。
コロナ禍は当然影響があったが、高速バスも貸切バスもないので、名鉄グループの他社に比べたら少ないだろう、という事。
(中津川発着の高速バスは、現在は名鉄バス・京王バスの名古屋~新宿線の一部が、中央道上の中津川BSに停車するのみ)
ハイエースを含めて21台、乗合事業者としては相当小規模な事業者になったが、今後ともこういう事業者を積極的に取り上げて欲しい。バスに求められる根本的なものに、規模の大小は関係ないはずなので。
228 伊勢国際観光
前号あたりから、貸切専用事業者を積極的に取り上げる傾向にあるようです。
伊勢国際観光は、21世紀に入ってから「規制緩和」の恩恵を受けていると言える「新規参入組」だが、「ベンチャー」的な発想で新規に参入してきた、という印象(どこでもそうなのかもしれないが)。それ故の反省から軌道修正も行われ、今に生かされているようだ。
貸切バス運賃・料金新制度は、これまで取り上げられてきた貸切事業者はほぼ歓迎、という態度だったはずだが、ここは違うようだ。三重県の地理的な条件もあり、地域に配慮した内容にして欲しい、という事だろうか。
「少年サッカーチームが静岡県に遠征するのに、親運転のマイカーを連ねていく」という下りは、非常に懸念される事態だと思う。先のEVバスでも書いたが、このような傾向が定着してしまうようだと、公共交通へのシフトが逆戻りになってしまう。
229 宮古共栄バス
230 八千代バス
231 共和バス
(八千代バスの番号が231になってしまっていた)
宮古島は、行った事がない、と言ってしまっていい。昔JTAが飛ばしていたYS-11に乗りたくて、石垣から沖縄本島に戻るのにわざわざ宮古経由にして、空港で乗り継いだだけ(和田氏もSWAL時代のYS-11で石垣島から来たそうだが)。敷地からは出ていない。だからバス事情は正直解らない。
まず、宮古共栄バスと共和バスの「合資会社」とは耳慣れない。「株式会社」「有限会社」とはどう違うのか。「エン転職」のサイトによると、合資会社とは、「会社の債務に対し無制限に責任を負い、経営に参加する『無限責任社員』と、「出資額までは責任を負い、経営には参加しない『有限責任社員』」で構成される形態、らしい。資本金の制度がなく、決算公告の義務もないので、無限責任社員の裁量がかなり大きいが、経営に失敗すると、無限責任社員の資産全てに責任が及ぶ可能性もある、という事。でも宮古共栄バスの資本金は、株式会社の八千代バスの3倍以上だ。
三社に共通するのは、宮古島と伊良部島が橋で結ばれた事と、下地島の空港に航空旅客便、特にLCCが就航した、という事だろうか。下地島はかつてはJALやANAの訓練のための空港だったが、一時期はJTAのYS-11が沖縄本島から乗り入れていた事もあった。下地島空港の写真が、どこかにあっても良かった。クルーズ船も来るようになったが、コロナ禍でインバウンドがなくなり、状況が苦しいというのも共通している。
車両面では、宮古共栄と八千代には、社名は記されていないが明らかに元神奈中バスがいて(中型車にはご丁寧に、「かなみん」の前のガチョウのキャラクターが残っている)、共和には元横浜市営バスがある。今回は取り上げられなかった中央交通にも元神奈中がいて、車両面では、神奈川県との結びつきが強い。
宮古島そのものは、石垣島とは、観光面で競合するものなのだろうか。航空便で言うと、先にジェット化したのは宮古の方で、時期によってはワイドボディ機も来る事があった。しかし、近年石垣島の空港が移転すると、東京へ直行できるようになって(それまでは滑走路が短かったので、一度沖縄本島や宮古島で給油しなければならなかった)機材も大型化、石垣島自体も、竹富島などへのゲートウェイでもあるので、観光客が急増した、という流れになっている。近年は宮古島も盛り返したわけだが、航空会社・船会社とも協力し、石垣島(やその他の島々)とセットで周遊、というのは、今すぐは無理でも、将来的には考えられないだろうか。「アフターコロナ」では有力な観光戦略になりうると思うが、どうだろうか。
今回の5社、営業形態もロケーションも全然違うが、やはりどこも事業者の経営努力だけでは限界が近づきつつあるように感じられる。コロナ禍で明らかになったように、観光は「水物」でもあるので。乗合はグループ内の再編や小規模事業者の合併などの企業形態の変更も考えられるが、やはり地元行政や、何より地域社会がもう少しバスを支える構図がないと、いずれ息詰まってしまうのではないだろうか。
「バステクフォーラム2021」、無事に開催出来て何よりでした。展示品では、丸菱工業のフリーデザイン・シートカバーのアニメ風キャラが気になった…。最近多いアニメラッピングバスで使えそう(東海バスの高速車には、頭の部分のカバーだけアニメのキャラを描いた車両がありますよね。また長期運休になってしまっているが)。
運転のインプレッションは、私は運転する立場にはないからどうのこうのは言えないが、保守的な部分から来る特殊要因のアレルギーをクリアする事、というコメントは、その通りだと思う。しかし現状の問題はむしろ、バス業界の外側に発生しているかも知れない。欧州製はいいが、EVバスは近年、中国製各社が席巻しているのは展示車両のラインナップを見ても明らかだが、、近年は中国のイメージが良くない(近年の中国政府・共産党の一連の行動からしたら当然だが)。政治的な部分は政治家たちに何とかしてもらうにしても、それと中国製EVバスの導入の促進は、分けて考えてもらえるだろうか?新疆ウイグル自治区や香港の問題が国際的に非難されている中国の製品など、買うな!ボイコットせよ!という動きが、もし市民運動の側から出てきたら、どうしよう。ユニクロ・無印良品に関する報道を見ていると、バスの世界もそうならないとは言い切れない。次回は11月に首都圏で開催するそうだが、来年あたりには日野のポンチョEZも、出てくるだろうか?インプレッションではどのような評価が出されるだろうか。そろそろ日本のメーカー各社も、EVバスに関するはっきりした回答を、出さなければならない時期か。

長電バスの旧東急バス旧塗装、先日長野に行って駅前で撮っていたら、運良く来てくれました。最初から元の事業者のカラーで走らせるんだ、という意識がある所は少ないだろうが、コスト削減のためか前事業者のカラーの一部を残すとか(道北バスが顕著だった)、同じ企業グループだからカラーも統一しているのでそのまま(山梨交通や防長交通など)というケースは、いくつか見られる。広島電鉄の路面電車の例も挙げられているが、私個人としては、少数の車両をメモリアルの意味で元事業者のカラーで残す、あるいは復刻するまではいいが、企業イメージの確立、何より利用者の利便性の面で、やはり全体としてはカラーを自社のものに統一した方が良いと思う。
次号の事業者は京福バス、それとオリ・パラ2020輸送の総括がメインになるらしい。次号の刊行は、総選挙の直後になるはずです。無論次号に選挙の結果は反映されないが、この選挙結果が、特にコロナ禍後の交通業界、特にバスには、どのような影響を与えるのか。おいおい注視される事になるのではないか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
JR東日本は、新幹線の指定席料金を、シーズン毎に変動させる新制度を、来年春にも導入する意向を明らかにしました。JR各社で検討が進んでいるという事。これも「アフターコロナ」の姿、となるのか。
《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
5日 佐賀県多久市長選挙 現職が7選 当選回数現職過去最多
(サッカーW杯予選ブラジルvsアルゼンチン コロナ対策違反で開始直後中止)
6日 ギニア 国軍クーデター 暫定政府発足の意向
(接種者の隔離措置免除など 経団連 提言発表)
7日 IR汚職事件 秋元 司衆議院議員に懲役4年実刑判決
(世界ラリー選手権 コロナ禍で2年連続開催中止発表)