№3062 バスラマインターナショナル213(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル213」、これも去年末には刊行されていたが、1か月も経ってしまいました。

 前回の「バスマガジンvol.131」でEVJ-Mの不具合に関する考察が書かれていて、結論として「EVM-Jが制度の隙間をついて「騙して」きたのではないか?という結論になっている(と私は読んだ)。では、211号でEVM-Jへの取材を敢行し、各モデルの試乗も行った「バスラマインターナショナル」誌は、どういう見解なのだろうか。
 バスラマ誌の今号には、この問題に絞った記事は存在しない。しかし、目次のページの和田編集長の巻頭言は、「国内組立の計画・制御技術が日本生まれという部分への行政を含めた業界の期待は、「前のめり感」と映った。なぜ日本のEVバス開発は「周回遅れ」になったのか、そちらの分析が先ではないか」旨発言している(バスラマ誌は、EVM-Jを「国産車」と表記した事は一度もない、としている)。
 根本は日本のEVバスの開発の遅れにある、それは両誌に共通していると思うが、バスラマ誌は「行政・業界が『国産車だ』と勝手に期待した」とし、バスマガジン誌側はEVM-Jがその期待感や制度面の不備を突いた、いわば「悪玉」とみなしている、ほぼ正反対な見解を示している、と私は解釈した。どうだろうか。いずれにしろ、先日発表になった三菱ふそう・ホンハイの新会社に見られるように、EV、あるいはバス以外もだろうが、海外のメーカーとの協業は今後も進むのだろうから、早く問題を解決して、それが他国を含めた業界全体を巻き込んだ摩擦にならないよう、願いたい。

各地の電気バスの新車から
 ようやく相鉄バスのエルガEVが姿を現しました。ここがエルガEV市販第一号になるかと、2024(R6)年度の相模鉄道の事業計画を読んだ時には思った人、少なくなかったと思うのだが。地上側の問題だったのだろうか。
 みちのりHDは今後、グループ他社でもEVを導入する事になりそうで、それは次号の取材であかされるそうだが、どのような展開になるだろうか。道のりは4月に福島交通・会津バスの合併(「会津バス」ブランドは残る)があり、今年も慌ただしいか。

事業者訪問 268 南海バス

南海バス.jpg
 前回は2005(H17)年の№88で、21年ぶりになりました(21年前の誌面はほとんどが白黒ページで、隔世の感がある)。当時は南海バスの他、分社として南海ウイングバス南部と、南海ウイングバス金岡があった。現在はこの分社が合併して、南海ウイングバスとなっている(運行エリアは大阪府の南部に特化されている)。
 21年前はもう少し詳細な路線概要があったが、今号は営業所の配置を記しているだけ。大阪市は一般の路線はなく、堺市より南側の大阪府内をエリアとしているのは、21年前と変わりない。以前は旧ウイング南部が府県境を超えて、JR和歌山線の駅に行く路線を2路線運行していたが(他社と共同運行)、今はなくなっている。
 一般旅客輸送人員の表を見ると、2020(R2)年度は、前年度より1000万人近くも減っている。26.89%、1/4以上の減少だ。いくらコロナ禍でも、とも思ったが、関西空港輸送があるので、こうなってしまっても当然か。現在は2015(H27)年のレベルには戻りつつあるようだ。
 堺市はシャープの工場がとん挫してしまって、その影響はなかったのだろうか。美原区は鉄道がない区だが、ならもっと大掛かりな「BRT」の構想などは存在しないのだろうか(北野田駅を起点とした循環バスの構想はあるようだが、「BRT」ではない)。河内長野市の人口減少率が大阪府最大とは少々驚いた。なんばから南海高野線の急行で30分程度なのだが、確かに市の南部はもう山間部になるので、そうなるのかも知れない。という事は、バスだけでなく、鉄道(高野線)にも今後深刻な影響が出てきそうだ。現に輸送力は朝ラッシュ時でも減少傾向だし(10連運転が廃止になっている)。

0.jpg1.jpg
 夜行バスは我が町戸塚にも来ていて、一度乗った事もあるが(ただし当時の江ノ電バス便)、特に夜行は、大都市から外した地点に行く路線が多いと思っていた。上のチラシは京急線横須賀中央駅の京浜急行バスの案内所に置いてあったもので、体裁は明らかに、横須賀市民への宣伝を目的として作られている(藤沢から横須賀を経由して戸塚へ、とは、途方もない大回りだ。藤沢~戸塚間はJRで10分程度)。今は廃止になってしまったが、成田空港経由銚子発着、という路線もあった。
 今号バスの車両は、「懐かしい」。車両は金剛バス時代そのままで、登録番号が自家用になっているほか、良く分からないが、「Kongo」の飾り文字の上に何やら張り付けられているようだ。路線図には掲載はない。公式WEBの「自治体コミュニティバス」の「金剛ふるさとバス」から見る。

 今号では「Busworld 2025」の取材ルポが掲載されているが、何度も繰り返しになってしまうが、まず日本では、「欧州にはバス専門のショーがある」という事自体が知られていない。そこから発信を始めるべきではないだろうか。特に一般乗合バスだと、日常バスに乗り降りする利用者の視点・コミットメントがより欠かせなくなってきているはずだから(一般乗合バスは次号になるようだが)。同時に行われた「ZEB国際会議2025」の地域別比較は興味深い。アメリカのEVはわずか7%、ガスも2%で、9割方がディーゼル車。再生エネルギーを毛嫌いするトランプ政権下では、今後どれだけ普及するのやらと思ってしまう。中国・インド以外のアジアはどうなのだろうか。
 寄り道して、リエージュにも行ってみたそうで、私は過去2回、もう遠い昔だが1996(H8)年と、2000(H12)年の2回行きました。ギュマン駅は、私が訪問した時はどちらもあまり面白みがないビルが建っていたのだが、話には聞いていたが、こんな斬新な駅になっているんだ。また、LRTが開通しているとは、これはまたもう一度行きたくなってしまう(が、今の極端な円安ユーロ高ではちょっと…。取材陣の旅費は大丈夫だったのか?)。一瞬、フランス・ボルドーと瓜二つでシタディス製?と思ったが、リエージュは、第一次世界大戦が勃発した直後、ベルギー軍と、フランス侵攻のため進軍してきたドイツ軍(アドルフ・ヒトラーが一兵卒として従軍していた)の間で大きな戦闘が起きていて、その時の跡が今でも無数に残っているそうで、私は最近まで知らなくて恥ずかしいのだが、ここでもそのあたりには触れられていなかった。バスラマ誌は、以前はLRTに対しては懐疑的な論調だったような気がするが、最近はやや軌道修正しているようにも感じられた。BRTも計画されているらしいリエージュと違って宇都宮のバスは、ライトレールの補完に特化しつつあるようだが(JRバス関東は典型的(国内ニュース欄にもあるが))。
 奥尻のヤマト運輸の乗客輸送は興味深いが、奥尻のような島嶼部などの過疎地だけでなく、もっと利用が多そうな郊外部のコミュニティバスでも、導入できないだろうか?モビリティショーに出展されたポンチョドットあたりにも可能性が感じられるが、スーパーへ行くと、結構高齢の買い物客が多くて、クルマに乗れない買い物客は辛そうなので。スーパーによっては宅配サービスもあるが、コミュニティバスを貨客混載にする事で、利用を向上させる事は、できないだろうか?(そのためには、スーパー自体の構造(バスに直接乗車できるように)、あるいはバス路線網の構築のあり方(駅・役所ではなく、スーパー中心というのもアリでは)なども検討されなければならないが)。
(羽田→奥尻はJAL便函館乗り継ぎで最短4時間15分)。
 国内ニュースでは、偏光サングラスとか、制帽廃止とかは特に取り上げる事項でもないのではないか?最近は鉄道でも、制帽を被らない乗務員が珍しくなくなってきた。私の頃とは大違いだ。

 さて、三菱ふそうトラック・バスと台湾のホンハイが新会社を設立し、EVバスの開発に乗り出す事になった。次号は速報程度になるだろうが、どのような論評になるだろうか。実物がモビリティショーに姿を現すのは、いつになるだろう(新会社の設立が今年後半なので、今年の開催ではあるまい)。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 なお、「日本の路線バス・フォトライブラリー」は、3月いっぱいを持って、閉鎖させていただきます。長い間、ありがとうございました。残りの期間もどうぞよろしく。

 24日、富山で万葉線の回送電車の脱線事故がありました。私の弟が富山市に単身赴任しているのだけれど、話を聞くと、何でも吹き溜まりの影響らしくて、現在は通常通り運行しているそう。

《What's New》
24日 中国軍制服組に規律違反容疑 中国国防省 調査委開始を発表
25日 福井県知事選挙 石田 嵩人氏当選 全国の知事では最年少35歳
26日 北朝鮮「帰還事業」 東京地裁 北朝鮮に初の賠償命令

この記事へのコメント