№3061 バスマガジンvol.131(講談社ビーシー/講談社)

 もう一か月経ってしまったが、「バスマガジンvol.131」は年末には、発売になっていました。

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.131 川崎鶴見臨港バス

臨港バス.jpg
 前回は12年近く前、2014(H26)年3月に刊行されたvol.64に掲載され、№1155で書きました。
 この時には「産業道路駅付近の企業バスの路線バス転換は頼もしく、京急大師線地下化で定時性が向上してくれれば」とか、「今後は武蔵小杉駅付近の路線の展開が期待できる」とか記していました。前者はほぼその通りになったが、加えて先週16日より、浮島近辺の路線は産業道路改め大師橋駅のバスターミナルの発着を中心とする再編成が行われました。東京都内へ行くバスもここを発着しているが、一方で〔川03〕系統は大幅に削減され、日中は1時間に1本程度になりました。かつては市営バスとの共同運行で、1時間に3~4本程度はあったはずなのだが。後者は、川崎駅からの〔川55〕系統の武蔵小杉駅乗り入れは行われたが、それ以上の展開は未だ見られず。ただ、タワマンやイチョウ並木の中を走る臨港バスというのは、これまでになかったシーンだ。大師橋も武蔵小杉も、走行写真がなかったのは残念。
 vol.64には路線図が掲載されていたが、今回はなかった。案内所で入手した路線図を広げてみると、路線網自体は、もちろん若干の変動はあるが(一般路線バスは羽田空港第3ターミナルまで行くようになった)、基本的には変化がない。京浜東北線川崎・鶴見両駅を中心にした、川崎市川崎区・幸区・中原区と、横浜市鶴見区・港北区。〔原62〕系統は新川崎駅交通広場~中原駅前間に区間が延び、今は朝も1往復になってしまったが、一時期は土曜ダイヤでのみ運行になっていた時期もあったので、ひょっとして、今後「大化け」もありうるのか?結構しぶとく走り続けている。あとは塩浜営業所が、東海道貨物線の西側から東側に移転したのが大きな変化だろうか。
 臨港バスは、今現在の神奈川県下の一般の路線バスでは、最も「元気」な会社ではないだろうか?と思っても見る。むろん臨港バスも要員確保の面などで苦しい事は苦しく、系統によっては減便も行われているが(浮島付近の再編成もそうだろう)、連節バス導入による「BRT」やEVバス、自動運転バス、オンデマンドバス、さらには機器類のショー的イベントに積極的に参加するなど、近年のバス業界を象徴するような出来事を様々起こしている。一方で、高速バスはやや低調かも知れない。空港バスは羽田も成田もなくなってしまったので。京急バスから引き継いだTDL路線はあるが。
「あゆみ」のしょっぱなで出てくる、前身の鶴見臨港鉄道(鉄道は今のJR鶴見線)という会社は、長い間鶴見駅西口のビルの中に本社事務所がありました。後に東亜建設工業のグループになって東亜リアルエステートとなったうえ、去年の7月にグループ会社同士の合併で東亜リアテックとなったが、臨港バスの母体となった会社自体は、交通はやらなくなっても、現在に至るまで血が受け継がれている事になります。親会社の東亜建設工業は、1908(M41)年に 浅野 総一郎(鶴見線の浅野駅の駅名の由来とされている)が鶴見川河口の埋め立てのために創業したらしくて、今の東亜建設工業の本社は西新宿にあるが、「東亜」のグループは親子ともども、鶴見と縁があるのだなあと、改めて思いました。
(合併のリリースで記されていた東亜リアルエステートの創業日は、鶴見臨港鉄道創業の1924(T13)年7月25日)
 一番上は、去年11月に走り始めた、元祖ニュータンタンメン本舗とのコラボラッピング車で、浜川崎〔営〕で運行されているが、画像はなかった。今年4月1日には、市営バスの〔川83〕系統を引き継ぐほか、市営バスとの競合関係の整理を目的として、神明町〔営〕全体でダイヤ改正を行うとアナウンスされている。市営バスと臨港バスの関係は良好なので、このまま維持されて欲しい。

鈴木文彦が斬る!バスのいま
 モビリーデイズと全国交通系ICカード(このコラムでは「10カード」と記している。ここでは全国交通系カードとする。厳密には全国交通系カードでも「Pitapa」とそれ以外は若干違い、電子マネーは共通ではない)は、システム的には互換性が現状ではないようで、モビリーデイズ(広電側)のWebを見てみると、利用できる事業者の欄で(北海道北見バスもある)、広島バス・広島交通・JRバス中国、つまり広電の資本ではなく、かつICOCAを導入した事業者の欄には「運賃箱の仕様上、MOBIRY DAYSの車内チャージは実装できません」ので、車内チャージはできないと記されている。交通以外の分野で似たようなケースがあったような気がしたが、どうも一部の企業は、「先進的」なシステムを入れたいがために、共通性を無視(あるいは否定?)する傾向があるように思える。広電から見ると、全国交通系カードは「後進的」と映るのだろうか?
 ハウスカードと交通系カードが併存する東日本のある都市、具体名は記されていなかったが、私の頭にすぐ浮かんだのは水戸、茨城交通は「いばっぴ」(ハウスカード)、関東鉄道はPASMO(全国交通系カード)。日常の利用においても、利用者もドライバーも大変な負担になるが、今年懸念されると思うのは、サッカー輸送。Jリーグ・水戸ホーリーホックの観客輸送(ケーズデンキスタジアム行)は両社が分担しているが、ホーリーホックは今シーズンJ1に昇格し、観客動員が去年までより増える事が予想される。他地域からのアウェイチームのサポーターの来訪もさらに多くなると予想され(大半は観戦ツアーだろうが)、カード利用はより混乱を招くのではないか?と心配される。
 C/Cのタッチ決済と交通のICカードは、本当は機器が共通化できると良いのだが、今のところは全く別々(また、横浜市内のバス・地下鉄だと、IC化された敬老パス専用のカードリーダーが設けられている)で、以前江ノ電のタッチ決済機器について軽く書いた事があるが、維持コストは大丈夫だろうか、とも思う。一部のコンビニのように、乗客が乗車前にどの決済、交通系かC/Cか○○ペイか、あるいは現金かを利用するか決められたら良いのかも知れないが、交通業界では非現実的。乗降時間が恐ろしく長くなってしまうだろう。
 熊本県内のnimoca離脱は一般のニュースにもなったが、コストなど維持に必要なノウハウは各々の事業者任せではなく、交通系カードなら、各カードの事業体(nimocaなら西鉄、PASMOならPASMO協議会、のように)がある程度は支援を強化する事も必要ではないだろうか。

終点の情景を求めて
 名鉄バス川向。終点の川向から橋を渡って豊田市に入ると、以前はすぐに加茂川防災倉庫というバス停があり、豊田市の地域バス「松平ともえ号・加茂川大滝松平コミセン線」という予約形式のバスが走っていたそうだ。ただし、去年の3月いっぱいで廃止になったそう。岡崎市側も豊田市側も、バスの維持は一苦労だ。川向への路線も、奥殿まではまだしも、その先はいつまで、少なくとも今の形態が維持できるだろうか。今年の大河ドラマは豊臣 秀吉の弟が主役で、当然徳川 家康も出てくるが(演じるのは松下 洸平)だが、大河ドラマがバスにも良い影響を与えてくれると良いが。

平成初期のバスを振り返る
 東野交通。関東自動車に吸収されて消滅してからもう8年たったか。正面窓上に追加された行先表示の貸切改造車両が、東野交通らしい(関東自動車にもあった)が、バリアフリーが要求される現代では、もう現れないだろう。このシンプルな白地+赤帯、の車両、今はどのくらいあるのだろうか?みちのりHDが発行している広報誌「みちのり」(神奈川県では入手が難しいが、湘南モノレールの大船駅で手に入る)にも「終点をたずねて」という、コミック形式のミニ紀行があって、最新号の「その20」は五峰の湯(西那須野駅から)なのだが、描かれているバスはその白地+赤帯のエルガだ(神奈中バス中古?)。

 ところで、今号の「スーパーバストピっ」では、一般のニュースにもなった、EVモーターズ・ジャパン(EVM-J)の不具合騒動について取り上げている。大阪万博で起きたトラブルが全体に波及した事で大事となったが、ここでは「EVM-J」は「輸入車」なの?「国産車」なの?という視点で論評されている。
 結論からすると、どうもEVM-Jが悪者で、制度の間隙をついて国土交通省やバス事業者を「だまして」来たのではないのか?という所に落ち着いている。BYDや韓国ヒョンデの例も出しながら、「バス業界も正しい知識・見識を持って対応していかなければならない」と結んでいる。確かにトラブル自体は褒められたものではない(件数も少なくないし)が、本当に故意にしでかしてきた事なのだろうか。やや誇張が過ぎるような表現は少々気になった。
 神奈川県では、知る限りは大新東で1台、川崎市営では2台の大型車が運用されているが、どちらも今のところ、運用から外してはいないようだ(リリースでは確認できないし、川崎市営は先日川崎駅前で見た)。一方、代理店の伊予鉄バスは、小型車両を運用から外していると、去年の10月23日にリリースしている。それ以降はどうなっているかは分からない。
 では、実際に現地取材を行い、各モデルの試乗もしている「バスラマインターナショナル」誌はどういう論調なのだろうか。それは次回に回したい。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。

 なお、「日本の路線バス・フォトライブラリー」は、3月いっぱいを持って、閉鎖させていただきます。長い間、ありがとうございました。残りの期間もどうぞよろしく。

 埼京線でまたおかしな事件が起こったようで、5年前の小田急や京王の一件も思い出されて、どうしたものかと思っています(電車内の安全対策も、総選挙の争点になりえないだろうか?)。埼京線だけでなく、湘南新宿ラインなども止まっていたそうで、なんで?と思ったが、乗客が電車から降りて線路を歩いていたそうで、これが影響したのだろう。JRの他、相鉄も影響が出て、(相鉄は乗客が線路を歩いていた事を理由として)JR直通は羽沢横浜国大折り返しとしている、としています。
 三菱ふそうトラック・バスと台湾のホンハイは今日、EVバスの新会社を共同で設立し、富山の工場で製造すると発表しました。三菱ふそうはEVバス開発では明らかに遅れていて(と私は思っている)、既にいすゞエルガEVもあちらこちらで走り始めている中、どうするつもりなのかなあと思っていたが、これをその解答と解釈して良いのだろう。三菱ふそうはバス事業は新会社に集約する意向らしく、という事は、日野などとの合弁事業では、バスは製造しないと考えて良いのだろうか。具体的に形として現れるのは、いつになるのか。

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 衆議院が解散しました。来週の火曜日には公示し、2月8日には投票日です。かなり慌ただしかったはずだが、既にポスター掲示板の用意は、横浜市ではできているようです。またドタバタが起きなければ良いが。それ以上に、選挙カーの騒音はイヤ。今回の選挙は景気対策や外国人対策、「政治とカネ」あたりが主要な争点になりそうだが、それらが全てでもない。表立っては現れない各政党のパーソナリティを知る上でも(主要な争点だけだと、各党の主張は事前にほぼ見えてしまうものなので)、もっと他に聞きたい事は幾らでもあるのだが、それは公示してから記したいと思います。

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