ちょっと遅くなりましたが、例年通り、今年末年始の航空輸送の利用実績を、簡単ながら分析してみます。
今シーズンは、12月26日(金)~1月4日(日)の11日間を対象としています。
例年通り、基本的には(会社によって呼び方が若干違うが)「座席数」「旅客数」「利用率」の数値のみ記します。注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。また、「ピーク」の文言は使用せず、基本的利用率が一番高かった日と、パーセンテージを記す形に統一します。
今シーズンは、国内線はともかく、国際線は日中関係の悪化、という事態がありました。どう影響するのかが注目されたが、キャリアによって明暗が分かれたようです。
ところでここでは、どのキャリアを対象とするのか、改めて整理します。
国内線は全日空(ANA)・日本航空(JAL)・日本トランスオーシャン航空(JTA)・琉球エアコミューター(RAC)・スカイマーク(SKY)・エアドゥ(ADO)・ソラシドエア(SNA)・スターフライヤー(SFJ)・フジドリームエアラインズ(FDA)・ジェットスター・ジャパン(JJP)・スプリング・ジャパン(SJO)。
国際線は全日空(ANA)・日本航空(JAL)・ジェットスター・ジャパン(JJP)・スプリング・ジャパン(SJO)・ZIP AIR TOKYO(TZP)・エアージャパン(AJX)。
ANA
国内線 座席数 1,734,512席(97.4%) ※旅客数 1,501,038人(101.3%) 利用率 86.5%(+3.4%)
※APJとの合算では1,699,693人(101.2%)
国際線 座席数 308,765席(106.8%) ※旅客数 275,689人(111.1%) 利用率89.3 %(+3.5%)
※APJ・AJXとの合算では399,128人(117.0%)
国内線は、座席提供数は北海道以外は前年度より減少しているが、搭乗率は中・四国が92.6%と高く、「その他」以外は80%を上回りました。
最高の利用率は、下りが12月27日(95.6%)・上りが1月4日(96.6%)。上下計では、12月26日を除いて、80%を上回っています。12月30日が最高で、91.5%。
国際線は、ハワイ路線が24,520人の利用があり、利用率97.7%で、過去最高だったそう。去年も過去最高だったそうだから、2シーズン連続して最高の利用を更新しています。「フライング・ホヌ」大活躍。注目の中国大陸路線は利用率84.2%、旅客数も前年度を上回っているから、関係悪化の影響は、ここには表れていない。
今シーズンは片輸送の傾向がはっきり出ていて、1月1日以外は全て、日本発が日本着以上でした。最高の利用率が、日本発・着とも1月4日になりました(発94.5%・着92.4%)。臨時便等の運航は内際とも記載なし。
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JAL(グループ全体)
国内線 座席数 1,273,662席(98.3%) 旅客数 1,099,465人(99.6%) 利用率 86.3%(+1.1%)
国際線 座席数 260,672席(101.5%) 旅客数 222,923人(99.6%) 利用率 85.5%(△1.7%)
(国内線)
JAL 単独
座席数 1,141,146席(98.2%) 旅客数 991,918人(99.6%) 利用率 86.9%(+1.2%)
JTA 単独
座席数 113,816席(98.6%) 旅客数 94,632人(99.6%) 利用率 83.1%(+0.8%)
RAC 単独
座席数 18,700席(97.9%) 旅客数 12,915人(98.5%) 利用率 69.1%(+0.5%)
PDFによる掲載方法が、若干変わったように思われます。
国内線は、関西路線が90.9%と最も高く、全方面で80%を超えています。
最高の利用率は、下りは12月27日と29日が共に93.6%、上りは1月3日になり、96.4%。JALが羽田~新千歳・那覇で合計6便、JTAが中部・福岡~那覇で合計39便の臨時便を運航。JTAは、前年度は4便だけで、大幅増でした。
さて国際線は、中国本土路線が69.9%と、70%を割ってしまいました。旅客数も前年度比81.0%に留まり、JALは日中関係の悪化の影響が出たようです。ただ、前年度は座席数・旅客数とも大幅増加だったので、多少はその反動もあったのかも。前年度も利用率は方面別で唯一80%割れで、JALの中国メインランド路線は、元々やや苦しいところがあるのかも知れない。北米路線の旅客数は、前年度比で16%の大幅増加でした。
最高の利用率は、日本発が12月27日(94.3%)、日本着が1月4日(92.4%)。JALも片輸送の傾向が若干あり、1月1・2日以外は全日、日本発が日本着を上回っています。臨時便の運航はなし。
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SKY
国内線 座席数 280,595席(102.9%) 旅客数 244,645人(106.8%) 利用率 87.2%(+3.1%)
国際線 運航なし
最高の利用率は、下りが12月27日(94.6%)、上りは1月3日(96.2%)。今年はB737-MAX10の導入が予定されていて、そうなると座席数が大幅に増える事になるでしょう。
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ADO
座席数 78,453席(92.2%) 旅客数 73,163人(96.4%) 利用率 93.3%(+4.1%)
最高の利用率は、下りが12月30日(97.0%)、上りは1月4日(97.9%)。
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SNA
(ANA販売分は含まず)
座席数 90,914席(107.7%) 旅客数 74,573人(102.2%) 利用率 82.0%(△4.4%)
最高の利用率は、下りは12月287日(93.0%)、上りは1月4日(96.5%)。
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SFJ
(ANA販売分は含まず)
国内線 座席数 58,391席(99.2%) 旅客数 52,696人(112.3%) 利用率 90.2%(+10.5%)
国際線 運航なし
座席数は減っているが、旅客数は大幅増加。最高の利用率は、下りが12月27日(95.7%)、上りは1月4日(99.5%)。
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FDA
(JAL販売便を含む)
座席数 70,864席(101.9%) 旅客数 62,056人(103.8%) 利用率 87.6%(+1.6%)
FDAでは、最高の利用率は主要空港別に記されているが、これまで記されていた神戸空港は、花巻線が休止となり、青森線2往復のみになったからか記載がなくなり、代わりに福岡の利用率が記されています。神戸は関西のハブとして期待されていたのかも知れないが、結果が出なかったかも。FDAのみ「発」「着」で記します。名古屋(小牧・中部)は発が12月30日(95.1%)、着が1月3日(98.8%)、静岡は発が12月27日(98.0%)、上りは1月4日(98.6%)、松本は発が12月28日(98.1%)、着が1月4日(いずれも97.1%)、福岡は発が1月3日(99.1%)、着は12月30日(98.2%)。
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JJP
国内線 座席数 174,568席(98.7%) 旅客数 159,895人(102.4%) 利用率 91.6%(+3.3%)
国際線 座席数 28,160席(113.8%) 旅客数 25,604人(118.6%) 利用率 90.9%(+3.6%)
国内線の最高の利用率は、下りがなんと1月1日(94.2%)で、LCCとしてはだいぶ遅い。なぜだろう?上りが1月4日(95.9%)。
国際線の最高の利用率は、日本発が12月28日(97.6%)、日本着が1月4日(91.5%)。前年に続いて片輸送の傾向が出ていて、全日日本発が日本着より上でした。1月4日も、日本発は94.8%でした。
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SJO
国内線 座席数 4,536席(54.5%) 旅客数 4,032人(52.5%) 利用率 88.9%(▲3.4%)
国際線 座席数 29,294席(101.8%) 旅客数 24,711人(102.3%) 利用率 84.4%(+0.4%)
まず国内線は、期間中の定期便は成田~新千歳路線の1往復のみ(12月30・31日は2往復)で、ほぼ半減。最高の利用率は、下り上りとも、12月31日になりました(下り92.1%・上り96.3%)。
一方国際線は、最高の利用率は、日本発が12月26日(98.5%)、日本着が1月4日(89.7%)。日本着で90%を上回った日はないが、この数字だけ見れば、日中関係の悪化の影響は出ていないと思う。それにしても、機材が増えないなら現状のまま推移するだろうが、SJOは日本国内線は、どのように位置づけたいのだろうか?このままでは、中国メインランドの春秋航空(9C)の日本国内のフィーダー輸送の役目は、果たせなくなるのではないか(今は旅客も多少少ないだろうが)。
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TZP
座席数 50,460席(120.8%) 旅客数 46,361人(116.3%) 利用率 91.8%(▲3.6%)
毎シーズン利用が増えていたが、今シーズンは一段落、という感じか。最高の利用率は、日本発は12月26日と早くて98.1%、日本着は1月2日とこちらも早くて94.9%でした。なおマニラ線は、サマースケジュールからは休止。JALグループ内で言うと、フィリピンはJJPにお任せ、なのかもしれない。
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AJX
座席数 25,596席(143.6%) 旅客数 23,491人(153.5%) 利用率 91.8%(+5.9%)
実績のリリースは、ANAのサイトの中にある。最高の利用率は、日本発は12月27日(99.2%)、日本着は1月4・5日(96.3%)。前年度から大幅に利用が増えていて、この数字だけ見ると、さあこれから飛躍だ!となって良いはずだと思うのに、ずいぶんあっさり撤退になるものだ。ピーチに一本化、という事なのか(ピーチは大型機の導入はあり得ないのか?)
以上、本当に簡単ながら、年末年始の航空利用の実績をまとめてみました。まだまだ油断はならないかも知れないが、国内線・国際線とも、コロナ禍の影響は完全に脱したと見ます。
国内線は、今年は去年の万博のようなビッグイベントはないし、しばらくはこの傾向が各多客シーズンで続くでしょう。ANA・SKYがB737MAXを導入、特にSKYは長胴型のMAX10型が導入されるので(今年中かどうかは分からないが)、輸送力の増強が期待されます。
国際線は、中国メインランド路線がANAとJALで明暗が分かれたが、これは政治の問題で、航空会社がどうにかできるものでもないし、他方面の路線も含めて、新年早々不安定な国際情勢に左右される事になりそう。また、再び片輸送の傾向が各社で見られるようになりました。円安基調が続く限りは、この傾向が続くでしょう。
次回はGW輸送です。AJXの定期便としての運航が終了する一方、JTAが国際線に参入します。どのような数字が表れるか。
当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
なお、「日本の路線バス・フォトライブラリー」は、来年3月いっぱいを持って、閉鎖させていただきます。長い間、ありがとうございました。残りの期間もどうぞよろしく。
昨日阪神バスの空港バスが事故を起こしたけれど、具体的な事情が分からない。とりあえずもう少し様子を見ないと。
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