その中でも、最も大きな変化が、2007(H19)年の5次車でした。関東地方のJRや大手私鉄ではほとんどすべてで何らかの規模で無塗装のステンレスカーが幅を利かせるようになった中、唯一全塗装を貫き通していたのが、京急でした。それがマイナーチェンジにより、(一部ラッピング方式のカラーはあるが)無塗装ステンレスカーとなったものだから、ファンの中には、少々オドロキがあったはずでした。
今回の「私鉄名車列伝」は、この(新)1000形の、無塗装ステンレスのグループです。
2002(H14)年より増備が続けられてきた京浜急行電鉄(新)1000形だったが、5次車からはステンレス車体と搭載機器の変更によりマイナーチェンジが行われ、コストダウンが図られた。
車体:京急初のステンレス車体となり、窓付近は無塗装となって、その上下の赤と白の帯はカラーフィルムによって表現されている。曲面を描く先頭部は鋼製だが、ワイパーカバーは廃止され、全体で同一曲面を描く形態となった。窓下の白のワンポイントも、一部形状が異なっている。側窓はドア間が2連窓となり、一部は一段加工窓として開閉できるようになった。
機器:編成の構成が変更され、一部付随車は電動車となって、M車の比率が上がった。4次車までのMT比=1:1が、4連は全電動車に、8連は3:1に変更されている。後に製造される6連は2:1になった。搭載機器の変更により、コストダウンを図っている。制御装置は「ドレミファインバータ」と称された4次車までの外国製インバータから、国産のIPMによるインバータへ変更となった。2015(H27)製の15次車・1367F(6連)からは、モーターが東芝製の永久磁石同期電動機(定格190kw)となった。
車内:隅部のボックスシートを廃し、1500形以来の全ロングシートとなった。また、高運転台を採用した乗務員室は奥行を拡大、窓が設けられなくなり、立席スペースとなった。乗務員室と次位のドアの間に座席が設けられなかったのは、京急の高性能車両では初である。乗務員室直後の仕切り壁は、運転台後部に非常用はしごを搭載したスペースがあるが、窓は小型のものが残されている。2010(H22)年新造の10次車以降はドア上部には液晶モニター「トレインビジョン」が1ドア部につき2画面設置されたが、2013(H25)年からは1画面となり、それ以前の車両も改造で1画面に削減されている。
当初は4・8連が製造され、2011(H23)年からは800形置き換えもあり、6両固定編成の製造もおこなわれている。6連は連結運転を行わないため、先頭部の連結器は、電気連結器ではない。4・8連は東急車輛(後に総合車両製作所)、6連は川崎重工が製造し、両者には車体の一部に若干の違いがあるほか、製造期間が9年の長期に渡ったため、年度による差異も存在する。なお、15次車の4連2本は前面形状が貫通型になり、貫通8連を組成して、地下鉄・京成直通運用への投入が想定されていた。側面が全面的にラッピングとなり、窓部が白、その上下が赤と、アルミ車までのカラーリングを再現している。この2本は車号が1800番台となった。この仕様は、16次車移行への橋渡しになっているともいえる。
(1800番台に関しては、ここでは省略し、次の機会で)
最終的に、無塗装ステンレスのグループ(1800番台を除く)は合計220両が製造され、4連は単独で普通列車に、またラッシュ時の12連快特・特急の増結用として、さらには2本連結した8連で羽田空港発着の急行にと、幅広い活躍が見られる。6連は単独で急行・普通に、8連は都営地下鉄浅草線直通を中心に快特・特急・急行で使用されている。
なお1137Fが、2019(R元)年9月に発生した神奈川新町の事故により廃車となり、現在は4連×11本・6連×12本・8連×12本、合計212両が在籍、現在も増備が続く1000形の中でも最大勢力であり続け、また京急の営業車両全体の1/4以上を占めている。
「無塗装はやはり京急らしくない」という声が大きかったのか、1000形は1800番台と16次車の全体ラッピングを経て、17次車からはついに、車体はステンレスのままながら、再び全面塗装となりました。「La Ciel」も当然、全面塗装です。これらについては後日書きます(いつになるやら…)。
しかし、まだ姿を現してはいないものの、23次車は再び無塗装に戻る模様です。恐らくは「サステナ」をベースにすると思われるので、今回書いたグループとはイメージが異なってくるはずだが、どのような感慨を抱く事になるでしょうか。
【編成】
←三崎口・浦賀・羽田空港方 品川方→
M2uc 1000 ー *M1u 1000 ー *M1s 1000 ー M2sc 1000
M1uc 1000 ー *M1u 1000 ー Tu 1000 ー Ts 1000 ー *M1s 1000* ー M2sc 1000
M2uc 1000 ー *M1u 1000* ー Tu 1000 ー *M1u' 1000 ーM2s 1000 ー Ts 1000 ー *M1s 1000* ー M2sc 1000
今回の記事は、
「鉄道ピクトリアル2017年8月臨時増刊号 特集 京浜急行電鉄」(鉄道図書刊行会)
「私鉄車両年鑑2025」(イカロス出版) など
を参考にさせて頂きました。
次回は相鉄20000系です。東急直通運転の立役者となり、今や埼玉県(和光市)にも足を踏み入れるようになりました。相鉄初の鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。
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