№2809 JTB時刻表2024年6月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表6月号」、先月24日に発売になりました。
 表紙はグラビア特集に連動して、函館市電の「箱館ハイカラ号」。青柳町~谷地頭間のアップダウンは、他に目立った坂がない函館市電では、一番のハイライト。

「のりもの情報局」は、「御在所ロープウェイ 『6月記念乗車券』販売」「玄光社『食べて飲んで ひとりで楽しむ鉄道旅』6/11発売」。

レトロ車両から最新LRTまで 路面電車の旅

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 宇都宮ライトレールが開業した去年の内にやるのか、と思っていたのだけれど。
 まず江ノ島電鉄が出てきたが、江ノ電が「路面電車」、というのはどうだろう?鉄道ファンの間でも論争になる事があるが、確かに腰越~江ノ島間で路上を走行する区間はあるけれど、併用軌道区間には駅がないし、江ノ電は全線が鉄道免許で、一般的な閉塞方式に従って運行されている(竜口寺の交差点には、江ノ島駅の遠方信号機がある)。だから個人的には、路面電車とは言い難いと考えている(江ノ電が「路面電車」なら、かつての名鉄犬山線や新潟交通も「路面電車」になってしまう)。
 宇都宮ライトレールが出てくるなら、富山地鉄の富山港線(旧富山ライトレール)を出しても、良かったのではないか?鉄道からの転換という点で、歴史的な意義もあったのだし(最後の「年表」も含めて、一言も言及がない)。
 何回も書いてきた事の繰り返しになってしまうけれど、宇都宮ライトレールのような、全くのまっさらなLRTの新規建設の良し悪しは、まだ分からない所も多い。男体山をバックに高架線を下る宇都宮ライトレールの電車はカッコイイけれど、軌道系である以上、それなりに莫大な建設コストがかかりそうだ、という事も明らかになる1枚で、計画段階から慎重に進めなければならない面はあるだろう。ただし、既に走っている在来の「路面電車」は、もう「路面電車」というレベルとは決別しなければならない。この数年、全国各地の路面電車に乗ってきたけれど、やはり遅いのがネックだし、車両も50~60年程度と老朽化した車両がまだ相当幅を利かせているのが現状。伊予鉄道の記事もあるけれど、特に⑥号線は運行回数が激減して(土休日は全面運休)、このままでは廃線への道をたどりかねない。一方でJR松山駅高架化に対応した新線建設の構想もあるが、ともかくシステム全体の抜本的なレベルアップは、どの都市でも急務ではなかろうか。むろんそれは運行事業者だけで片付く話ではないし、特に路面電車では道路交通の在り方にも関わるので、恒常的に走らせ続けたいなら、自治体や市民レベルをも巻き込んだ、広範囲な議論が行われなければならないだろう。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、JR東日本のハイブリッド観光列車で、前2両(N・E)が「SATONO」、後2両(W・S)が「ひなび」。
 その「ひなび」を使用した釜石線・山田線の臨時列車の時刻表も掲載。今月の8・9日と8月24・25日が〔ひなび 宮古〕で、盛岡~宮古間の運行(途中ノンストップ)。他の運転日(6~9月の土休日)が〔ひなび 釜石〕盛岡~釜石間の運行(途中花巻・新花巻・上沢・宮守・遠野・上有住・陸中大橋停車)。〔ひなび 釜石〕は、これが〔SL銀河〕に代わる釜石線の目玉という位置づけとなるのだろうか。
 夏の臨時列車が様々発表になっているが、基本的には、常磐線(交流区間)にまたがる列車はE653系、それ以外はE257系(〔鎌倉〕はE653系)に固定された感がある。185系というのは、さすがにない(別に「185」が走るが)。

 会社線は、富山地方鉄道の富山市内線(南富山駅前~富山大学前)間軌道線で、5月号は土休日だったが、6月号は平日の時刻を掲載している。便数が多いからか、電停のフリガナは記載されていない。この他、上高地・乗鞍高原・尾瀬の観光バス路線の時刻を掲載。

本文
〔わかしお3・5・9・13・15・21号〕〔わかしお6・8・12・16・18号〕は、6月28日まで(5・13号と8・16号は29日まで)255系で運行し、グリーン車を連結。これは既に掲載済みだが、さらに〔わかしお89号〕の8月10~12日も、255系での運転が発表になった。〔新宿わかしお〕も8月3・4・10~12日、さらに〔新宿さざなみ1・4号〕は7月13~15日も、255系で運行される。

 夏の臨時列車が発表になったが、注目されるのは、新宿→白馬間を夜行で運行する、特急〔アルプス〕。

新宿23:58 → 6:22白馬
途中停車駅:立川・八王子・松本・信濃大町
E257系 全車指定席(グリーン車連結)

 新宿発の中央本線夜行列車は、調べた限りでは、2018(H30)年12月30日に新宿を出発した、快速〔ムーンライト信州81号〕以来ではないか?特急と言いながら新宿~松本間は5時間05分かかって最速〔あずさ〕(2時間29分)の倍以上、〔ムーンライト信州〕よりも遅い。運転日も7月12日・8月9日・9月13・20日と4日間しかないが、ともかく久しぶりの、一般的な夜行列車の設定(花火大会などの帰宅の臨時を除けば)で、これがひょっとしたら、夜行列車復活の足掛かり、となったりしてくれるのだろうか?
 また、大糸線内・松本~白馬間では、臨時特急〔はくば〕を運行。これは昨シーズン、〔あずさ1・38号〕の延長(松本で乗り換え)という形態で運行されていた列車だった。E353系3連は同じ。7~9月の土休日運転。特急料金は〔あずさ〕と通しになると思われるが、これについての記載はない(JR東日本のリリースにもなかった)。
〔アルプス〕〔はくば〕はどちらも、国鉄時代の急行の愛称(〔アルプス〕はJRになってからもしばらく夜行で走った。〔はくば〕は漢字の〔白馬〕で、松本~糸魚川~金沢間のDC急行)。
〔富士回遊〕は、7月・8月は平日のみ運転の〔93・94号〕が設定され、毎日5往復が運転される。〔93・94号〕はE257系で、指定席発売済み識別のシステムがない5000番台。

 宗谷本線・名寄~稚内間は、8月24日(土)・9月23日(祝)は工事(システム切り替え)のため、午後から夜間の列車が取りやめになる。特急〔サロベツ3号〕〔宗谷〕(稚内→旭川間)も運休する。この区間の最終は、下りは〔サロベツ1号〕・上りは〔サロベツ4号〕になる。
 特急列車に関しては代行バスを運行する。

下り
旭川17:45(札幌16:00発〔ライラック27号〕から接続) → 23:50稚内

上り
稚内15:00 → 21:00旭川(札幌22:56着 旭川始発となる〔宗谷〕に接続※)
※ 旭川21:16 → 22:51札幌の〔オホーツク4号〕に乗り換え可能と思われるが、接続の保証はしないようだ。

停車地は往復とも、特急停車駅と同じ。
 なお、旭川~名寄間は上下とも、後続の宗谷本線の快速・普通列車に追い抜かれる。下りは札幌16時30分発〔カムイ29号〕(運転日限定だが、両日とも運転日)→旭川18時00分発〔なよろ9号〕→名寄19時15分着となり、名寄19時55分発の代行バスに乗れるので、札幌は30分遅く出ても良い(ただし列車が遅れると、接続はなくなりそう)。
 普通列車の代行バスはない。

 会社線は、阪急京都線の「PRiVASE」が7月21日より運行を開始するが、今号ではまだ掲載がない。7月号には乗るだろう。
 高速バス・空港バスは相変わらず運休便が多いし、再開できないまま廃止、という路線もかなり出てきている。海老名駅~羽田空港線も、記載はないが、結局先月いっぱいで廃止となった。「新型コロナウィルス感染症の影響により…」の欄外の文言は変わっていないが、明らかにもうそれは違う。ドライバー不足の問題は、日を追うごとに深刻さを増してきているようだ。
 JRバス関東は、宇都宮の路線が6月1日に改正。また、成田の路線の6月17日改正が予告されている。残念ながら、さくらの山・ひこうきの丘・風和里の経由が取りやめになる。客足がつかなかったようだ(私自身、コロナ禍以降成田に撮影に行っていない。そろそろとは思っているのだが、もう梅雨間近だし…)。
 昨日6月1日より運行を開始した、京都市営バスの「観光特急バス」が掲載されています(828-C)。土休日の運転で、京都駅前~銀閣寺(循環)のEX100系統と、京都駅前~五条坂(清水寺最寄り)循環のEX101系統、の2路線。料金が大人500円・小児250円で、地下鉄・バス一日乗車券でも乗れます。これが期待通りの効果を上げるのか。先にも書いたけれど、通常料金の倍以上、とするなら、座席定員制とした方が良い。通常の市営バス車両で走るようだが、定着できるなら、座席数の多いタイプの導入を考えるべき。一般の市営バスも同日改正。10年ぶりの大幅な改編、なのだそう。

 次号7月号は夏休みを控えた構成となろうが、私は、今年は泊りがけはたぶんしない。「青春18きっぷ」シーズンも、たぶん1日フリーきっぷ×5の感覚で、日帰りのみで使う事になるだろう。それでも、どこへ行こうか、という楽しみはありますね。
 
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《What's New》
 1日 前澤 友作氏計画 月周回旅行 プロジェクト中止発表
 2日 ヤクルト 石川 雅規 史上初 新人から23年連続勝利
 月周回プロジェクトは、しょせん大金持ちの道楽に過ぎず、インフレが収まるわけでも、戦争が終わるわけでもない。一般の庶民にとっては、どうでもいい話。

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