№2797 2024年度GW 航空利用データ分析
GWもつつがなく終わりました。悪夢のようなコロナ禍下のGWから4年。航空に限らないが、日本列島は東も西も南も北も、老いも若きも男も女も、日本人も異国の方々も、で、大繁盛していたようです。完全に勢いを取り戻した、と言って良いのか、今シーズンも張り切って、GW下の航空利用を、各社(グループ)別に分析してみたいと思います。
基本的には(会社によって呼び方が若干違うが)「座席数」「旅客数」「利用率」の数値のみ記します。注記以外は、コードシェア販売分の扱いは記されていません。カッコ内は前年比。また、「ピーク」の文言は使用せず、基本的には利用率が一番高かった日と、パーセンテージを記す形に統一します。
全日空
国内線 座席数 1,700,923席(101.7%) ※旅客数 1,189,285人(105.9%) 利用率 69.9%(+2.8%)
※ピーチとの合算では1,389,717人(103.8%)
国際線 座席数 274,331席(115.6%) ※旅客数 209,308人(115.2%) 利用率 76.3%(▲0.2
%)
※ピーチ・エアージャパンとの合算では292,434人(131.9%)
エアージャパンは発表するのか、と思っていたが、ANAとの合算になりました。ピーチも同じ。資本関係もあるのだろうが(エアージャパンは100%、ピーチも現在は8割近くがAHAHD資本)、この点は、LCC3社(ジェットスター・ジャパン、スプリングジャパン、ZIP AIR)を別にしているJALとは、扱いが異なっています。
なので内際とも前年度との比較は単純にはできないが、国内線では沖縄路線が前年度比10%以上の増加となりました。北海道は座席数以上に旅客数が増加したが、利用率は2/3と方面別では一番低く、少々意外。
最高の利用率は、下りが4月27日の89.0%、上りが5月6日の95.6%。羽田~沖縄間に臨時便2往復を運行。
国際線は、ハワイ路線が搭乗率こそ64.7%と2/3以下だが、旅客数は前年度の5割増しでANAでは過去最多、コロナ禍前と比較しても1.4倍だったそう。A380はコロナ禍を耐えたのが報われたかな。中国路線は旅客数が前年度比の倍以上。一方で北米路線は唯一旅客数が前年度比割れだったが、やはり円安の影響、でしょうかね。
最高の利用率は、日本発が4月27日の89.3%、日本着が5月6日の88.9%。期間中全日、両方向合計の利用率が70%以上でした。
今回から、別紙(PDF)が、国内線と国際線で別になっています。
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日本航空 *国内線はグループトータル
国内線 座席数 1,314,473席(99.6%) 旅客数 948,254人(92.9%) 利用率 72.1%(▲5.3%)
国際線 座席数 244,452席(105.2%) 旅客数 184,854人(109.8%) 利用率 75.6%(+3.1%)
※国内線の各社単独利用状況
日本航空
座席数 1,179,017席(99.5%) 旅客数 858,921人(92.1%) 利用率 72.9%(▲5.8%)
日本トランスオーシャン航空
座席数 115,810席(101.6%) 旅客数 77,279人(103.3%) 利用率 66.7%(+1.0%)
琉球エアコミューター
座席数 19,646席(94.0%) 旅客数 12,054人(89.0%) 利用率 61.4%(+3.4%)
国内線は、全方面で旅客数が減少しました。北海道はこちらも利用率が2/3程度と、方面別では一番低い。また沖縄路線も69.7%で、この2方面が70%を割りました。JTAは利用者数が増えている。
最高の利用率は、下りが4月27日の89.2%、上りが5月6日の94.2%。臨時便は、JALは羽田~新千歳・函館・福岡・那覇路線で合計20便、JTAは中部~那覇路線で2便運航。
国際線は、全路線で利用率が70%以上。ソウル路線が83.9%とずば抜けて高い。また北米路線もこちらは利用者が増加しています。旅客数が一番伸びたのは、オセアニア路線(前年度比132.9%)。
最高の利用率は、日本発が4月27日の91.5%、日本発は5月5日と1日早くなって91.6%。成田~グアム路線で4便の臨時便を運航。
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スカイマーク
座席数 281,430席(103.2%) 旅客数 234,510人(103.4%) 利用率 83.3%(+0.2%)
去年並み、まずまずか。最高の利用率は、下りが4月27日の90.3%、上りが5月6日の96.4%。臨時便の運行が、GW前にリリースされていました。
SKYのリリースで気になるのは、コロナ禍前は成田~グアム間の国際線を運航していて、前回の年末年始シーズンでは「運休中」みたいな事が書かれていたのが、今回はその文言がなくなっている事。国際線やめたみたいなリリースは確認していないが、少なくともしばらくは国際線への就航はない、と考えてよいのか。
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エア・ドゥ
座席数 85,150席(98.0%) 旅客数 74,144人(95.8%) 利用率 87.1%(▲1.9%)
こちらも減っている。全体的に北海道方面への空の旅は減少しているのか。やはりちょっと意外、という気がする。最高の利用率は、下りが4月27日の95.4%、上りが5月6日の98.7%。新千歳~東京路線で16便増便。
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ソラシドエア
(ANA販売分は含まず)
座席数 89,143席(93.4%) 旅客数 62,084人(98.9%) 利用率 69.6%(+3.9%)
今回はSNAのみ、コロナ禍前・2019(H31~R元)年度の実績も参考として記されています。前年度より増えたが、まだコロナ禍前の8割弱。まあ2019年度は10連休だったしねえ。最高の利用率は、下りが4月27日の86.3%、上りが5月6日の96.0%。こちらも事前に臨時便の運行がリリースされていました。
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スターフライヤー
(ANA販売分は含まず)
国内線 座席数 59,365席(107.2%) 旅客数 51,542 人(117.5%) 利用率 86.8%(+7.6%)
国際線 運航なし
こちらは前年度比でかなり伸びました。最高の利用率は、下りが4月27日の96.0%、上りが5月6日の86.8%。上下合計では、4月30日以外の全日、利用率が80%を越えました。
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フジドリームエアラインズ
座席数 79,288席(98.7%) 旅客数 53,094人(86.8%) 利用率 67.0%(▲9.2%)
この数字には、個人向けの座席の販売を行っている、高知~熊本路線のチャーター便も含んでいます。最高の利用率は空港別で、名古屋(小牧・中部合算)は下りが4月27日(88.6%)、上りが5月6日(91.8%)、静岡の下りは5月3日(86.6%)、上りが5月6日(91.8%)、松本は下りが5月6日(93.8%)、上りが5月3日(86.9%)、神戸も下りは5月3日(89.3%)、上りが5月6日(92.1%)。FDAでは後半の4連休に利用が集中していた感があります。
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ジェットスター・ジャパン
国内線 座席数 125,884席(92.6%) 旅客数 115,654人(99.4%) 利用率 91.9%(+6.3%)
国際線 座席数 8,640席(400.0%) 旅客数 7,211人(388.9%) 利用率 83.5%(▲2.4%)
国内線は、このGWから成田~下地島路線が就航しました。全体の座席数は減少している。最高の利用率は、下りは4月28日(93.4%)になりました。前日4月27日も93.3%ではあったが。上りは5月6日の95.6%。
国際線は関空~台北路線の再開もあり、座席数は前年度のちょうど4倍になりました。最高の利用率は、日本発が4月27日と5月2日で共に95.1%、日本着は5月5日になって92.8%でした。
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スプリング・ジャパン
国内線 座席数 26,460席(114.8%) 旅客数 23,023人(121.0%) 利用率 87.0%(+4.5%)
国際線 座席数 15,010席(483.3%) 旅客数 13,146人(677.3%) 利用率 87.6%(+25.1%)
国内線は成田~新千歳路線5往復(期間中は全便運航)・成田~広島路線2往復を運航。座席数・旅客数とも伸びました。最高の利用率は、下りは4月29日の96.5%、上りは5月3日の94.6%と、他とやや異なる傾向になりました。決して4月28日以前・5月4日以降も悪い数字ではないが。
国際線は4月4日に上海線が再度就航し、成田~ハルビン・天津・寧波・上海4路線が全てデイリー運航に戻りました。これもあって座席数は5倍近く、旅客数は7倍近くにまで増加しています。最高の利用率は、日本発は5月5日になって98.1%、着は4月30日で88.6%。やはりインバウンド(特に中国人)の方が多かったのか。
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ZIP AIR TOKYO
座席数 47,560席(118%) 旅客数 37,949人(128%) 利用率 79.8%(+6.0%)
バンクーバーへの就航がありました。順調に利用者が増えてきています。最高の利用率は、日本発は4月27日の96.9%、日本着が5月6日の96.6%。
なおIBEXエアラインズは、利用実績のリリースが出ませんでした。GW前の予約状況もリリースがなく、またやめてしまったのか。
トキエアなどコミューター系も、実績は確認できませんでした。
全体的な傾向で言うと、国内線は、思ったほどは増えなかった気がする。特に北海道。事前に、今年は円安もあるから国内旅行が多くなるだろう、という予想もあったようだが。休日の並びもあるだろう。4月と5月にそれぞれ山があり、各社とも下りは、4月27日のあと5月3日にも利用が増える傾向があった。短期の旅行と長期の旅行が入り混じって、それがGW最終日に一斉に帰ってきた、そんな感じがしました。
だから国際線も、逆の意味で多少意外だった。去年の夏あたりから、期間中ずっと日本発が日本着を上回る傾向が出ていて、何しろ超円安なので、日本人は軽々しくは海外には行けないのではないか、と思っていた。しかし各社のリリースを見ると、SJO(インバウンド中心だろう)以外はほぼ、以前と同じ傾向に戻ってきているようでした。ただ今後もしばらくは、為替レートに一喜一憂する事になるでしょう。
その意味で、次の夏のお盆の時期はどうなるのか、しっかり見極めたいと考えています。
当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
JR東日本は、2025(R7)年度、つまり来年度までに7割を削減するとした「みどりの窓口」の方針を当面の間凍結し、現在209ある窓口は当面維持すると発表しました(リリースとしては出ていない)。3~4月にかけては定期券の発売やインバウンドの来訪で混雑が激化し、苦情が相次いでいたそう(インバウンドに関してはチケッティングサービスを拡充するとリリースしている)。旅行記でもチョコチョコっと書いているが、この所のJR東日本管内各駅では、本来駅として必要な、鉄道の利用に関わる機能を低下させてそのまま放置している所が、あちこち見られる気がします。この一件もそうで、そのツケが回ってきたような気がしました。
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