№2767 JTB時刻表2024年3月号(JTBパブリッシング)
いよいよ北陸新幹線敦賀開業を迎える「JTB時刻表2024年3月号」、先月末に発売になりました。
前2月号で予告されていたが、今号は2種類の発売になりました。
特別号 「時刻表でたどる 北陸本線」のデジタルブックが読める特典込み 1,705円(本体1,550円)
通常号 いつも通りの1,375円(本体1,250円)
この両者は表紙の写真自体が異なります。北陸新幹線の新規開業区間を試験走行するE7orW7系、という構図は同じであるが、撮影区間が特別号は加賀温泉~芦原温泉間、通常号は福井~えちぜん武生間になっています。
私は今回、特別号の方を購入したが、このデジタルブックは「FanTop」のアカウント登録が必要、その後表紙裏に織り込まれている引換コードを入力する事で、読む事ができるようになります(今のところ読んでいない)。
表紙裏にはデジタルブックの内容と、得点取得の方法が記載されています。このため、「のりもの情報局」は、特別号には掲載がありません(通常号にはある。「福井県 新幹線延伸課」と「JTBパブリッシング」)。ちなみに裏表紙の裏も異なっています。
グラビア特集「JRグループ ダイヤ改正でこう変わる」は、リリースをもう少し突っ込んで記しているが、記されている事自体は、この後の特集のページで再度記載されている内容と変わりはない。カラー写真と図を使ってより分かりやすく、という意図だろう。
「おもな駅のご案内」は、敦賀駅が新規に掲載になったが、福井駅がない。構造が単純みたいだし、掲載スペースがないからか?
特集のページ
「NEWS」の四文字は、北陸新幹線のE7orW7系で、「S」の字だけ、バックがグランクラスのマークになっている。
今号では、朝夕の快速をやめますやめないで、のスッタモンダが全国的な一般のニュースにもなってしまった、京葉線の全列車(平日・土休日とも)の全列車が、〔さざなみ〕〔わかしお〕も含めて掲載されています。
一番の焦点となる朝方上りの通勤快速は、現行ダイヤでは(勝浦・成東始発)蘇我7時44分発→東京8時26分着(2784A)・(上総湊始発)蘇我7時58分発→東京8時39分着(2806A)の2本が設定されていて、所要41~42分。それが各駅停車となる新ダイヤでは54~57分と、大幅に増大する事になる。
JR東日本のリリースでは、「快速通過駅の乗車機会が増える」「快速退避解消で各停の所要時間が短縮」とあるが、朝に関しては、元々数年前の改正で、通勤快速の前後の快速がほぼ全部各駅停車になっていたため、説得力がない。43.0㎞と比較的長距離の路線であり、通勤に1分1秒が貴重な朝ラッシュ時としては、はっきり配慮に欠けた編成、と言わざるを得ない。
日中の快速も、平日は去年の改正で30分間隔と削減されている(土休日は15分間隔)。確かに途中の快速通過駅の配慮も必要な所はあるのだろうが(物流関連の企業の立地が多いようだ)、曜日に関わらず、終日で15分間隔くらいの快速の設定が必要な路線なのではないか。京葉線に限らず、JR東日本の首都圏では、埼京線の快速運転区間の縮小があったし、今改正では宇都宮線(東北本線)・高崎線の快速運転時間の縮小も行われて、長距離の移動にだいぶ時間を要するようになってきているように感じられる。コロナ禍で全体の需要が減少している、という事情もあろうが、(JR東日本以外も含めて)緩急のバランスを取ったダイヤ編成を心掛けてもらいたいと思う。
臨時列車は、札幌~富良野間の〔ふらの〕を掲載。3月30・31日の運転で、今月いっぱいで廃止になる根室本線・富良野~東鹿越(~新得)間の利用者の便宜を図っているのか(ただし下りは、富良野での直接の接続がない)。「はまなす編成」での運行が予告されている。
会社線は、福井鉄道とえちぜん鉄道、それに上田電鉄の、16日からの時刻を掲載。福井鉄道は、2往復増発。たけふ新5時30分発福井駅行急行は福井駅に6時15分に到着し、6時32分発〔かがやき502号〕に乗り換えが可能。また田原町23時12分発は福井駅発が23時25分で、東京から22時52分に到着する〔かがやき517号〕から乗り換えが可能。下り(武生→福井)初列車は約30分繰り上げ・上り(福井→武生)終列車は約1時間繰り下げになり、上り終列車の終着は24時を過ぎる。現状を考えると思い切ったダイヤ編成と言えるが、実を結んで欲しい。なお、増発分は上り1本を除いて急行だが、この急行は商工会議所前・足羽山公園口は通過。
「本文の訂正」という形で、伊予鉄道「坊っちゃん列車」の運行の再開が予告されました。20日から土休日に運行。
本文
JR西日本の681系は、新ダイヤでは〔しらさぎ〕〔らくラクびわこ(1・2号)〕のみ。683系との混用。(〔サンダーバード〕は全列車683系だが、681系を連結する場合があるとしている)。
〔やくも〕は、4月6日から新型車両(273系)での運行が確約されているのは、下り5・7・11・21・23・27号、上り4・6・10・20・22・26号。なお下り13・17・29号、上り12・16・28号は、「3月16日~9月30日運転」の注釈が入った、臨時列車扱いの列車番号7000番台。
また〔スーパーはくと〕も、下り13号、上り10号は列車番号7000番台で、毎日運転ながら臨時列車の扱い。〔はるか〕は全列車、定期列車となった。
熱海での乗り換えについて、№2762でブーイング?を書いたばかりなのに、夕方の直通が縮小になってしまった。現行の下り1891E~327Mと1595E~329M、上り332M~1660Eと334M~1664Eは、熱海で分断(下りで329Mに相当する時刻の列車は、熱海から豊橋(土休日は浜松)まで運行)。
また、現行の下り1585E(土休日1581E)~325M、上り336M~1672Eは国府津で分断され、国府津~沼津間はグリーン車なしで運行。325Mは沼津17時41分着、336M改め332Mの沼津発は20時40分と時間が空きすぎるが、熱海~沼津間の区間運転に運用されるのではないか?
静岡付近は、日中は熱海~浜松間と、興津~島田間区間運転(上り一部は静岡で乗り換え)を交互に運転する形態に整理されている。
いすみ鉄道は、土休日の急行が廃止になった。大多喜~上総中野間が8往復に削減になり、最終列車は1時間ほど繰り上げ。平日は、大多喜乗り換えになっている下り1本が全線通しになるのみ。あとは時刻の変更だけ。
飯田線は、日中の豊橋~豊川間区間運転が減便され、その代替で天竜峡・飯田方面への長距離列車も船町・下地に停車になっている。豊橋14時38分発岡谷行は途中94駅に停車するが、全線通しでなおかつ通過駅がない列車は、だいぶ久しぶりの設定ではないだろうか?通過駅なしで94駅、という途中の停車駅の数は、確認を取ってはいないが、たぶん日本の全鉄道の旅客列車で最多(上りの上諏訪発豊橋行544Mは、下地・船町通過で同じ94駅停車)。
小浜線は、上りの午前中が平日と土休日で時刻が変わり、現行の924M(敦賀6時48分発→小浜)は土休日が運休になり、代わって敦賀を9時50分に発車する、土休日運転の930M(敦賀9時50分発)にシフト(〔かがやき501号〕から接続)。現行の926M(敦賀→東舞鶴)は、土休日は約20~37分繰り上げ。
〔SL人吉〕は、3月23日を持って、一般の営業運行が終了する。3月16・17・20~22日は熊本~鳥栖間1往復、23日はダイヤが変わり、熊本~博多間の1往復を運行し、熊本着17時33分で終了。なお時刻表上には記載がないが、23日の下り(熊本→博多)はDLが牽引。3月24日は熊本→八代間で沿線住民を招待しての終了式典運行を行うが、一般の販売は行わない。「人吉」と言いながら、最後は人吉へ行く事なく終わってしまう…。
南阿蘇鉄道は、上りは木・金・土休日運転の高森発現行8列車が、高森10時28分発→9時00分発に変更になり(木曜日は運休になる)、毎日運転の現行10列車を、現行8列車の時刻で運転。下りの現行9列車は、立野11時40分発→11時10分発に繰り上げ。〔ゆうすげ〕が今シーズンの運行を開始。JR肥後大津直通は変更がない。
北陸本線・米原~敦賀間と湖西線の普通列車は、あるいは運行形態の変更があるかと思われたが(敦賀側のJR在来線の電車が交直両用である必要がなくなるので)、今回は、少なくとも時刻表上では変化は認められない。長浜や近江今津での乗り換えも、現行と同じ。
ハピラインふくいは、基本的には福井で分断。敦賀側は、基本的には約1時間間隔+武生~福井間区間運転の設定で約30分間隔。朝夕には快速を下り5本・上り4本設定。敦賀~金沢間40分弱。途中南条・武生・鯖江に停車(今庄に停車しないのは多少意外)。敦賀→福井の最終は快速になる(現行の〔しらさぎ65号〕に近い)。大聖寺側は、朝夕に芦原温泉折返しがある他は、IRいしかわの金沢まで直通。やはり約1時間間隔。
IRいしかわの新規転換区間は、基本的には福井(一部は敦賀)~金沢直通+小松~金沢間区間運転で約30分間隔(1往復は土休日のみ運転)。大聖寺折返しの設定もある。金沢以北へは、下りのみ津幡直通が2本新規設定されたが(どちらも土休日運休)、その先あいの風とやまやJR七尾線への直通はない。
金沢以東~あいの風とやま~えちごトキメキ(日本海ひすいライン)は、一部時刻の変更はあるが、大きなパターンの変更はない。
JR東海の中央西線は、日中の区間快速は名古屋~多治見間を37~38分で走り、現行の快速と1~2分程度しか変わらない。ただし、下りの区間快速は3本に1本(名古屋発毎時42分)は高蔵寺で〔しなの〕通過待ちがあり、退避がない普通列車とほぼ同じ所要時間になってしまう。多治見まで逃げ切れるダイヤは作れないものか。普通列車は、退避がないと名古屋~多治見間が日中は42~43分、早朝・深夜の最速は40分ちょうどになって、現行より2分前後早い。
JR東日本の中央東線は、東京からの中央特快の大月延長が増えた結果、甲府方面への中距離列車は、日中はほとんどが大月乗り換えになる。高尾14時09分発長野行441Mは、新ダイヤでは甲府始発になり、唯一の東京都内発長野行普通列車が消滅。中央快速のグリーン車サービス開始で予想されるダイヤ形態変更の先取り、なのだろうか?
常磐線・土浦~水戸・勝田間はワンマン運転が始まるが、このためだろう、土浦での列車の分断が進み、下りは上野9時06分発345M(土休日は品川8時56分発1145M)と品川3時35分発(土休日13時36分)発1173M、上りは勝田9時14分発1162Mが、土浦で分断。なお1162M改め622Mは、高萩→水戸間の現行532Mと一本化し、高萩→土浦間で運行。
磐越西線では、快速〔あいづSATONO〕が運行を開始する。
下り 郡山10:05 → 12:01喜多方
上り 喜多方15:32 → 17:16郡山
停車駅:磐梯熱海・猪苗代・会津若松
全車指定席(グリーン車あり) 普通車の指定席は840円。
4月6日~6月9日の土・日曜日(4月27・28日除く)と5月3~6日運転。
また左沢線では、〔さくらんぼSATONO〕の運行が開始になる。
下り 山形11:15 → 12:02左沢
上り 左沢14:06 → 14:47山形
停車駅:北山形・羽前山辺・羽前長崎・寒河江
全車指定席(グリーン車あり) 普通車の指定席は840円。
6月15~30日の土・日曜日運転。
3月いっぱいを持って廃線になる、根室本線・富良野~東鹿越~新得間は、富良野~東鹿越間は全列車列車番号9000番台の臨時列車として運行。また全列車富良野発着になる(最終日の東鹿越発最終のみ、全区間臨時列車の扱いで滝川まで直通)。また、午前中に1往復増発(代行バスも増発)。
会社線は、JRと同日3月16日に改正を行う所が多いが、改正時刻を掲載しているのは関東など東日本がほとんど。西日本も北大阪急行の箕面萱野延伸(3月23日)の他、名鉄・近鉄・西鉄などが改正を行い、名鉄と西鉄では新駅の開業もあるが、今号では掲載がない。西武の〔小江戸〕は、平日下りは午前中2本が取りやめ(西武新宿7時40分~15時40分まで毎時40分発)、上りは午後の2本が所沢始発に短縮。
困った事に、再三書いている、昨年9月30日を持って廃止になった根室交通の厚床~中標津路線が、「1月26日現在」として、未だに掲載されたまま。現状はどうなっているのかというと、中標津~別海高校(今春センバツに21世紀枠で出場)前間は阿寒バスが引き継いで、平日4往復・土休日2往復を運行。土休日は中標津発8時00分と12時00分、別海高校前発9時30分と13時30分発。この他、根室市内~厚床~別海~中標津~根室中標津空港間は根室交通の空港バスが引き続き4往復運行されていて、10月1日より一部ルートを変更、厚床~中標津路線が停車していたバス停の一部に、追加して停車している。だから全くバスなしになったわけではない。
「列車の編成ご案内」では、現行の〔びわこエクスプレス1・4号〕は〔サンダーバード〕と共通の9連だが、改正後の〔らくラクびわこ1・2号〕は、〔しらさぎ〕と共通の6連になる。〔しらさぎ〕編成も吹田基点の運用になるので、送り込み・返却を兼ねているのだろう(〔らくラクびわこ〕は土休日運休だが、回送列車が走るのかも知れない)。また、指定席を連結する〔F直通快速〕〔Q区間快速〕も掲載。どちらも、1号車の半分が指定席「うれシート」(〔Q区間快速〕の天王寺→大阪は全車自由席)。
まだまだ書き足りない部分が多いし、見落としている部分も多々あるはずだが、できるだけ次の4月号で拾いたいと思います。特急料金の変更(新幹線⇔在来線間乗り継ぎ割引廃止のほか、〔成田エクスプレス〕が(成田空港関連の区間を除き)B特急料金に変更)は、次回に整理して記します。
最後に。
北陸新幹線の高崎~長野間(当初は長野行新幹線または長野新幹線と呼称)が開業したのが、長野の冬季オリ・パラを間近に控えた1997(H9)年10月1日。
それから四半世紀以上かかって、ようやく福井県の嶺南までたどり着きました。
一方で信越本線・北陸本線は並行在来線として、原則県単位で第3セクター鉄道に移管されたほか、横川~軽井沢間は完全に廃線ともなり、北陸新幹線をめぐる鉄道網は激変しました。
26年半となると、若い人は長野開業以前を知らない人がほとんどとなるはずです。なのでここで、高崎~長野間開業前日の1997(H9)年9月30日現在、そして今回の敦賀延伸開業日の2024(R6)年3月16日時点の、北陸新幹線の並行在来線となる信越本線・北陸本線を比較してみようと、今回かなり簡略化したが、路線図を作ってみました。
当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
黒部峡谷鉄道は今日、能登半島地震で被災した鐘釣橋について、付近の山の落石防止対策を施したうえで鉄橋の修復工事を行い、10月1日を目標に全線の運行を目指すと発表しました。それまでは、例年通りのGW直前の営業再開時より、宇奈月~猫又間で運行するとの事。秋の紅葉シーズン前には、なんとか全線再開をさせたい所でしょう。私は、できたら今年、初の乗車をしたいと思っていたのだが、残念ながら来年以降に見送り、かな…。
《What's New》
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