「JTB時刻表2023年12月号」、先週発売になりました。
表紙が何と、石勝線・新夕張~占冠間を行く、DF200形牽引のコンテナ列車。貨物列車が旅客列車の時刻表の表紙を飾るとは、前代未聞?撮影時期が冬で、撮影場所にたどり着く(むろんクルマだろう)、また撮影そのものが、大変なんだろうなあ。クマは…冬眠している(はずだ)から、大丈夫…?
「のりもの情報局」は、もうやめてしまったのかなあ?今月号の裏表紙は、過去の時刻表の復刻版のPR。今のところの最新は、東北新幹線が大宮~盛岡間で暫定開業した、1982(S57)年6月号。次はいつを取り上げるのだろう。山陽新幹線博多全線開業の1975(S50)年3月、あるいは「国鉄最後のダイヤ改正」の1986(S61)年11月、あたりだろうか?
貨物鉄道輸送150年! 南田マネージャーに学ぶ 貨物鉄道ウォッチング超入門
って、お客さんを乗せる列車が対象のJTB時刻表で、お客さんを乗せない貨物列車を扱うとは驚いた。この所鉄道模型など、旅客列車とはほとんど関係なさそうなものを取り上げる事が多くなった近年のグラビアだが、これも国鉄・JRのしばりがなくなって30年以上経つJTB版ならでは、という事だろうか。しかしJR貨物の紹介が簡単に書かれているが、同じJRながら、JR版時刻表でさえ出てこない(だろう)のではないか?
ところで、ナビゲーターの南田 祐介マネージャーは、JTB時刻表にもこれまでにも何度か出てきているが、ホリプロでも「スポーツ文化部」の部長なのだそう。改めて調べてみたけれど、ホリプロというと何となくアイドルやタレント(特に女性。和田 アキ子・榊原 郁恵・堀 ちえみなど)のイメージが強い(私の世代だと、特にそうだろう)のだが、「スポーツ文化部」はそうではなくて、名の通り、元プロ野球選手やJリーガー、その他アスリートや、中央競馬の福永 祐一調教師や藤田 菜七子騎手など、さらには作家の鴻上 尚史氏や漫画家の江川 達也氏(「まじかる★タルるート君」とか)、元NHK解説委員・元朝日新聞記者などもいたりして、これは相当幅広い。そういう部署のマネージングとは、どのようなものなのであろうか?
本題に移って、機関車はここでは、JRになってからの新形式のみ掲載されているが、やはり国鉄時代からあるEF65やEF81、DD51などがあっても良かったし、旅客列車つながりで、EF510の500番台(元東日本で〔カシオペア〕〔北斗星〕牽引の経験あり)も欲しかったかな。青函トンネル専用で、北海道新幹線との供用区間を走るEH800型の存在も挙げられるだろう(青函トンネルそのものはあるが)。
隅田川駅はコンテナの取扱量が東京貨物ターミナル(T)・札幌貨物T・福岡貨物Tに次いで4番目だそうだが、大阪が入っていないのが意外。大阪も吹田Tや百済T、M250系が発着する安治川口駅などがあるが、それらはどのくらいの位置になるのだろうか。
環境問題やトラックドライバー確保など様々な面から、鉄道貨物輸送が見直されつつあり、政府も国策として鉄道貨物輸送に力を入れる方向にあるようだが、そのためにはやはり、鉄道側の運行体制が、荷主=客の信頼に足るものでなければならない。国鉄時代末期に貨物輸送が大幅に減って、ヤード輸送が廃止に追い込まれた(新鶴見や武蔵野(新三郷駅は、開業当初はヤードを挟むように、上下に大きく離れてホームが設けられていた)などに名残が残る)のは、1975(S50)年暮れの「スト権スト」を頂点とした労使紛争の過激化で安定した輸送が行えなくなり、荷主の信頼を失った事が、今でも大きな理由とされている(ちょうど高速道路の整備が進んでいた時期だったし)。この点、輸送の担い手であるJR貨物自身、労も使も真剣に考えなければなるまい。まあ線路は旅客会社の所有がほとんどだからその動向にも左右される事になるが、その点では、北海道新幹線延伸時の函館本線が、長万部より南側も廃線になってしまうのではないか、という懸念もチラホラ聞こえてきます。札幌Tが取扱量全国2位につけているほどだからこのルートも極めて重要な地位にあるはず、第3セクター転換ができず、JR貨物も保有できない、のであれば、国策というからには、国自身が線路を保有し、貨物輸送ルートを維持する事も、考えられなければならないのではないか。
そういえばグラビア特集は、今年は宇都宮ライトレールの開業があったから、どこかで路面電車・LRTの特集があると思ったのに、結局やらなかった。来年あるだろうか?それに、先月11月号の付録のカレンダーに見る通り、JTBの時刻表はもうJRを中心とした、一般的な2本の鉄製レールの鉄道にはこだわらなくなってきている。だから今後は、航空や船の特集とかも、あったりするかも。
特集のページ
「NEWS」の4文字は、12月10日をもって完全引退する、小田急50000形「VSE」。実働が20年に満たず、歴代ロマンスカーでは最短という事になりました。今後の事は聞いていないが、先頭車両はロマンスカーミュージアムでの保存展示、という事になるのではないか。
JRの「大みそか終夜運転のご案内」の路線図は、前年度(2023年1月号が終夜運転初掲載)は掲載がなく、2019~2020年シーズン以来になります。首都圏は、JR東日本のリリースがまだ出ていないが、運行区間は前年度と同じ。コロナ禍前と比べると、大幅に縮小されている。運行させる人手の問題もあるし、大規模な参拝場所が沿線にないと、もう終夜運行は行われないと考えて良いのだろうか。関西圏は、JR西日本は既にリリースを出している。こちらも運行区間は前年度と同じ。3時前後で終了するのも前年度同様。こちらは全列車の時刻が掲載になっています。
初詣用の臨時列車は、首都圏は全部が特急になった(全て全車指定席)。〔開運高尾山初詣群馬号〕(高崎~高尾)は、今年はE653系で運行、グリーン車も設定される(去年は〔高尾山初詣ぐんま号〕として、全車普通車のE257系で運行)。〔犬吠初日の出〕は、今シーズンの銚子行は3本の設定がある。大宮→銚子間の3号が185系、というのが注目ではないだろうか。〔開運初詣号〕(新宿・秋葉原~鹿島神宮)も185系。
会社線は、本日ダイヤ改正を行った京急の、明後日27日からの〔モーニングウイング〕〔イブニングウイング〕の時刻を掲載している。〔イブニングウイング〕の14・16号は、一般の快特の後部に連結(1890番台「La Ciel」使用)に連結される、品川→金沢文庫間の設定に変更(編成の図説あり)。〔イブニングウイング〕は、コロナ禍以降急速に規模を縮小する傾向にあります。
また、宇都宮ライトレールは、11月23日に臨時列車を運行していた。下り3本(1本は平石止まり)・上り1本運行。3日にも運行されていたが、行楽ではなく、通勤対策ではなかったか(宇都宮に限らず、祝日は操業する企業も多いので)。
高速バスは、関東バス・関越交通の吉祥寺駅~草津温泉間の高速バスが、20日より運行されています(「伊香保」の文字があるが、伊香保温泉は経由しない)。1日2往復。所要3時間40分。
なお、「本文の訂正」という形で、弘南鉄道弘南線の11月7日からの時刻が掲載されている。レール不具合で一部区間運休になっていたものが、全線での運行を再開している。弘前発・黒石発とも、最終電車が10分繰り下げ。なお同様にレール不具合で全線が運休になっていた大鰐線は、20日より津軽大沢~中央弘前間で再開したとの事(大鰐~津軽大沢間は引き続きバス代行)。
本文
米坂線は、来年1・2月の金曜日は、一部の列車・代行バスで時刻の変更が行われるが、今号ではまだ掲載されていない。前シーズンも行われていたが、米沢での車両点検に加えて、除雪作業を行うため、としています。
いすみ鐵道は9月の大雨で、小湊鐵道同様、大多喜~上総中野間が不通になっているが、今月号になっても、注釈すらない(バス代行が行われているが、便数は少なく、平日は下り2本・上り3本、土休日は下り4本・上り3本のみ)。
高速バスは相変わらず、夜行を中心に運休が多い。9月にダイヤ改正を行ったばかりの、東京・池袋~八戸・十和田・七戸線〔シリウス〕は、12月1日に再度改正を実施。ここには名前が出てこないが、軽米の乗降場所が軽米インター→かるまい文化交流センターに変更。十和田市中央は廃止(十和田市まちなか交通広場で乗降)。
また、羽後交通の東京~田沢湖線〔レイク&ポート〕は、11月17日より関東バスとの共同運行になり、新宿駅西口に延伸(バスタ新宿ではなく、駅前の⑭番乗り場発着)。この路線、最初は横浜発着だったから「ポート」(港)の名があるが、横浜に行く事がもうないなら、名前を変えた方が良いのでは?
会社線は、11月になって、あちこちでダイヤ改正が行われています。JTB時刻表に現れない部分が多いが、全体的に減便が目立つ。
伊予鉄グループは11月1日に鉄道・バスともダイヤ改正を実施。「坊っちゃん列車」運休だけでは済まず、郊外線は、(ここでは記述がないが)郡中線は土休日の日中が15→20分間隔に削減。市内線は、本町線(松山市駅~本町6丁目)は朝4往復・日中3往復にまで削減(全便土休日運休)、道後温泉発着系統も運行間隔を拡大。バスは、松山~三崎間の長距離路線が2往復に削減(内1往復は八幡浜~三崎間に短縮・他に伊予鉄南予バスの八幡浜~三崎間ローカル便が1往復運行)。
また、とさでん交通の電車も、11月1日にダイヤ改正。桟橋線は、日中は10分間隔に削減。
さらに、11日には筑豊電鉄もダイヤ改正を実施済み。ここでは分からないが、平日・土曜日も日中は土休日と同じく、黒崎駅前~筑豊直方間全区間通しを20分間隔で運行。
京急・京成・北総・都営地下鉄浅草線は、本日11月25日にダイヤ改正を実施。京成は〔スカイライナー〕が成田空港発22時40分発を増発し、22時台から23時00発は20分間隔で出発。
島原鉄道は運転士不足のため、諫早~島原港間2往復・諫早~本諫早間1往復が、平日のみ運休(12月15日までの予定)。
金剛自動車の富田林駅~千早ロープウェイ路線は、12月20日限りでの廃止が予告されました(翌日からは南海バスと村営の自家用有償運行により、途中で系統を分割の上、富田林駅~金剛登山口間のみ運行)。
9月いっぱいを持って廃止となった根室交通・厚床~中標津路線が、今月号も掲載されたまま(「10月25日現在」となっている…)。
これで、今年2023(R5)年のJTB時刻表の発売が終わりました。来月には2024(R6)年1月号の刊行があるが、例年通り、今年の更新最終日’(今年は今のところ未定)の一回前に、JTB時刻表を中心にした、鉄道を中心とした日本の交通の総まとめを行う予定です。
今年は都市部での新線の開業がいくつかあり、中でも東急・相鉄の新横浜線開業と、両社の相互直通開始によるネットワーク拡大が、新幹線へのアクセス整備と合わせて、一般にも大きなトピックスとなりました。また宇都宮ライトレールや大阪駅「うめきたエリア」開業、福岡市営地下鉄七隈線博多延伸、東武「スペーシアX」デビュー、南阿蘇鉄道全線再開といった出来事もありました。日田彦山線不通区間はBRT「ひこぼしライン」で再開しています。一方で留萌本線が一部区間廃止となったほか、また今年も災害で、山陰本線・美祢線・小湊鐵道・いすみ鉄道が長期間の不通に追い込まれています(全て今日現在、再開の見込み立たず)。この他、〔SL銀河〕〔奥出雲おろち号〕の運行が終了しています。東海道新幹線はビジネスパーソン向けのサービス拡充の一方で、車内ワゴン販売が廃止になり、サービスがさらにビジネスユース中心に向いてきているようです。運賃・料金改定が各社で相次ぎ、JR東日本は「オフピーク定期券」を新発売。コロナ禍「5類」移行で需要は確実に戻りつつあるのに、今度はドライバー不足の問題が、特にバスで深刻になってきていて、それは時刻表上にもはっきり表れるようになってきました。
来年はやはり、3月16日と発表になっている、北陸新幹線・金沢~敦賀間の延伸開業が最大のトピックスになります。同時に北陸本線がハピラインふくい・IRいしかわ鉄道に転換されます(大聖寺が境界)。特に福井県の交通全体に、大きな影響を与える事になりそう。また、〔やくも〕の273系デビュー、北大阪急行の箕面萱野延伸もあります。一方で根室本線・富良野~新得(正確には上落合(信))間廃止で、同線は2つに分かれてしまう事になる。北陸本線もそうだが、理由は異なるけれど、JR在来線は「本線」と言えども安泰ではない、という事になるのでしょう。それと、ドライバーを始めとする輸送の担い手の人材不足の深刻化、いわゆる「2024年問題」が、各交通の運行に、深刻な影響を与えてしまう事になるのではないか(上越新幹線の最終繰り上げの発表も、これが影響していそうだ)。ひょっとしたら、新幹線開業と同時になるはずの、JR各社を中心とした各社の来春ダイヤ改正で、さっそく見えてくる事になるのかも。12月15日と予想される、ダイヤ改正のリリースは注視したいです。JRではこの他、新幹線~在来線特急・急行の乗り継ぎ割引が全面的に廃止になります(九州は既に廃止)。広島のスカイレールサービスは、EVバス転換で4月末に廃止になります(本当は今年いっぱいだったが、バス運行の準備が遅れているため延期)。鉄道以外では、今年の就航が見送りとなりそうなトキエアにJALのA350-1000、大分空港で復活するホバークラフト、といったあたりが、注目ポイントとなるでしょうか。去年も書いた事だが、とにかく一つでも二つでも、明るい話題が数多く欲しいです。
当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
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