№2721 いすゞ「エルガEV」見に行った

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 すぐ書くと書いておきながら、もうショーが終わった後になってしまったが、先月10月26日~今月5日までの間行われた「TOKYO MOBIRITY SHOW」で、かねてよりリリースがあった、初の国産大型EVとなるいすゞ「エルガEV」が発表になったので、一般公開初日の先月28日、仕事帰りで見てきました。
 今ショーにおいて、いすゞはUDトラックスと共同で出展したが、開催前の時点では、いすゞの公式WEBのショー特設サイトで2か所、シークレットになっている所がありました。この内のどちらかがEVバスになるのではないかと思っていたところ、公開初日の26日になって、予想通り、片方が「エルガEV」である事が明らかになりました。という事で、これはやはり見に行かねばと、仕事が終わった後、直行で東京ビッグサイトに向かったのでした。「ショー」と名の付く催しに、しかも金を払って入るのは、たぶん初めて。

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 行きはりんかい線利用で、国際展示場駅に着きました。

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 ショーと全然関係ない所から始めるが、コンコースには陶板壁画「Osamu Tezuka, Characters on Parade」がありました。4年前、2019(H31)年の3月18日に公開されたそうです。手塚 治虫先生がなくなったのは平成の世になって間もない頃で、もう34年経ってしまいました。すぐ思いつくキャラクターは、皆入っていますね。

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 何のイベントかは分からないが、ビッグサイトに通じる道には、スポーツカーがずらりと並んでいました。

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 東京ビッグサイト。近年はコミケなどでもお馴染みだが、中に入るのもまた、今回が初めてでした。

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 今回は、16時以降の入場で有効な「アフター4」チケット(1,500円)での入場。会場でのチケット販売はないので、行きがけにコンビニで買ってきました。時間前には、これだけの人だかり。
 でも、時間が来てからの入場は、スムーズでした。リーダーでチェックされるだけで、チケットが回収される事はない。

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 エルガEVなどの商用車は、東1ホール。そこに向かうコンコースの天井にも、エルガEVなどの幕が並んでいました。

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 東1ホールに着きました。いすゞ・UDはすぐ目の前。

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 エルガEVの姿がありました。大きくラウンドした前部が印象的。

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 正面。

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 前照灯。最近はやりの、くの字形をしている。

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 非公式側の側面。
 車内に入るには、こちら側から、後部を回り込む形。

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 液晶式で、エルガEVをPR。

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 …なのだけれど、主要スペックについては、まだ未公表の部分も多い。全長は、エルガハイブリッドのS尺(11,255㎜)よりも長い。バッテリー容量は、BYDのK8(287kwh)よりも小さいが、出力(K8は75kw×2)は大きく、こうなると未公表の航続距離がどの程度のものになるのか、気になる所ではないだろうか。

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 早速車内へ。運転台回り。やはり割とすっきりしている。

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 前方から見た車内。出展車両では、前方のタイヤハウス部は左右とも座席を設けていない。

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 最後部は向かい合わせのボックスシート。乗客としては、EVであるかどうか以前に、こちらの方を気にするのではないか?EVでなくともフルフラットノンステップ車では、後方タイヤハウス部の処理をどうするのかは難問、欧州などでは当たり前で、日本でも連節バスである程度見られるようになってはいるものの、鉄道でもそうだがボックスシートは敬遠されがちなので。といってフルフラットで座席数を確保するためにはこうならざるを得ないだろうから(都営バスのスカニアはボックスシートにはなっていないが、タイヤハウス部は着席が一苦労)、あとは営業で走りだす時点で、どこまで旅客を「説得」できるかどうか、となるのではないだろうか。

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 その後方から見た車内。タイヤハウス部は、やはりかなり狭い。もう少し小型化できないか。
 気になったのは、今回の出展車両では、旅客の座席数が21とかなり少ない事で、このままでは、営業車両としては実用的ではないのではないか。走行面だけでなく、この点も改良が重ねられて欲しい。

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 降りると、こんなカードをくれます。裏面のQRコードを読み取ると、いすゞのWEBのショー特設サイトを閲覧できます。

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 リア部にも、走行に関する機器が収納されている模様で、窓がありません。

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 非常に簡単ながら、エルガEVの見学、終わりました。
 2024(R6)年度販売目標、とは記されているが、今回の感触では、実用化はもう少しかかるのではないか、というのが正直な印象。航続距離などのスペックが公表されていないし、バッテリーや走行ユニットなども公開されていない。何より、走っている姿をまだ見せられていない。既に(フルフラットではなくても)BYDやEVM、アルファバスのEVが相当数走っている上に、韓国ヒョンデのEVも発売になりそうとも聞いていて、開発のペースがあまり遅いと、国産フルフラットといえども、市場に食い込む余地がなくなってしまう懸念があります。やはりできるだけ早いうちに、どんな形でも良いから、まずは実際の走行シーンを披露しなければならない、と思います。バスは「走ってナンボ」なので。

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 いすゞ・UDトラックスのスペースの全景。

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 他の展示も数点。エルガEVと共にシークレットになっていた、「EVision Cycle Concept」。EV車のバッテリーの交換システム。

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「GIGA FUEL CELL」。水素で走る大型トラック。

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「エルフEV」。前照灯はエルガEVと共通。

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 グッズショップもあった。現金は取り扱わない。

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 日野自動車のブース。燃費の不正問題から早く立ち直らなけらばならないが…。

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 今回のショーでは「2024年問題」も意識されている、事もあってか、DJスタイルでこの問題について話し合う公開放送もありました。

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 三菱ふそうのブース。

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 最後に、三菱ふそうのトレーラー「スーパーグレート」。
 日野と三菱ふそうは統合に向けて動き出しているが、それが実際の車両という形で目に触れる事ができるのは、いつになるのか。特にバスは?(日野は、いすゞとの関係はどうするのだろう)
 
 こんな感じで、本当に駆け足だったが、エルガEVを中心に、商用車の展示を見てきました。もはや車一辺倒ではない、交通全般を扱うんだ、というコンセプトで、JR東日本の「HIBARI」とか、ドローンの類とかも別のホールでは展示されていたそうだが、バスに関しては結局のところ、東1ホールの出展車両は、エルガEVのみでした。事前にわかっていた事ではあるけれど、やはり残念。メディアもトラックなどが中心でバスに関してはほとんどなかったが、エルガEVそのものの一般の関心は、決して低くはなかった、と見えました。今の日本のバス業界は、作る方も、それを動かす方も元気が出ないが、何としても新車両・新技術が暗闇を吹き飛ばし、一般世論の関心をさらに高めて、社会の中でのバス業界の地位を向上させる事が、たくさんの意味で必要だろうと思います。エルガEVが是非、その先陣を切って欲しい。一日も早く、路線バス事業者のカラーをまとったエルガEVの姿を見たいと思います。

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 阪神タイガース、やっちゃいましたねえ。日本一、おめでとうございます。阪神電鉄では早速、記念ラッピング列車が走りだしているそうです。今回もやはり、道頓堀川に飛び込む輩は少なからずいたようで、渋谷のハロウィンもだけれど、どんなに警告を発しても、やるヤツはやっちゃう、という事だよねえ。
 JR東日本は今日の記者会見で、来春のダイヤ改正予定で、上越新幹線の最終列車を20分程度繰り上げると発表しました。設備更新や地震対策の工事が必要だが、人員が減少しているため、夜間の作業時間を確保する必要があるとしています。現在の上越新幹線で一番遅い終着時刻は高崎着23時56分(東京発〔たにがわ477号〕)だが、23時30分頃くらいには全部の運行が終了する、という事になりそう。国鉄時代の東海道新幹線では「リフレッシュ工事」と称して、半日ほど全面運休させて工事を行った事がある(在来線の臨時の運行や、東名ハイウェイバスの増便を行った)が、現代ではローカル線ではできても、新幹線では不可能、という事か。東北・北陸新幹線については、状況を見極めたうえで検討、としています。

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