前回は、5年前の地下複々線化完成と前後して供用を開始した、小田急小田原線の世田谷区内の地下駅のうち、東北沢駅をご覧頂きました。
今回は下北沢を挟んで小田原方の、世田谷代田です。
世田谷代田は、新宿から各駅停車で8つめの駅。2022(R4)年度の平均乗降人員は9,041人。前年度比13.3%だが、小田急全体では61位。東京23区の駅としてはやはり少ないでしょう。小田急では東北沢~喜多見間の10駅が世田谷区内にあるが、今回取り上げた東北沢・世田谷代田の両駅のみ、1万人に届いていません。やはり下北沢の吸引力が強いからか(両駅とも、下北沢までの営業キロは0.7㎞)。駅ナンバリングOH08。各駅停車のみ停車。
駅付近は全体的に、公園風に仕上げられているようです。広場もあるが、ここは車は入りません
こちらも比較の対象にさえなり得ないと思うが、地上時代の世田谷代田です。この時期、むしろ郊外の狛江あたりは既に複々線化工事がある程度進行していたが、世田谷区はかなりモメた(裁判沙汰にまでなったほど)ので、割と遅くまで、この姿が維持されていたと思います。
という小駅ではあるが、東北沢同様、ストリーマーコーヒーが入っています。むろん鉄道利用者だけが全てではないし、東北沢~下北沢と回遊してくる人が少なくなさそうなので、この人たちが目当てになるのかも知れません。
西口の券売機。東北沢と共通しているのは、駅の入口のいわゆる「駅名標」は、屋根の上に目立つように、というのではなく、屋内の券売機の上に掲げられている事です。景観に配慮、という事なのでしょうか?
西口の改札口。
西口改札口の、発車案内表示。
ICカードチャージ機。一般的な清算は、窓口で。
一方、東側は、下北沢方向から続く、地下線上に整備された公園風の道を外れた所から入ります。
東口は、完全にIC専用と割り切っています。紙券・磁気カードでは出入りできません。
改札口も当然IC対応機オンリーだし、内も外もチャージ機すらない。
横浜銀行のATMは、この駅では改札の外・屋外にあります。
コンコース。ここも天窓が採用されています。
この駅のコンコースにも樹木が立っているが、何の木かは失念しました。
ホームのエスカレーター。意外と長いです。
ホームのエレベーター。
ホームの発車案内表示。
最後に、ホーム。構造上からか、1・2番ホームの間にはかなり厚い壁がこさえられていて、やや狭く感じるかも。このためか、東北沢にあった待合室は、ここにはありません。
この先は駅そのものから外れるが、いくつか。
西口のすぐ先にある、代田富士見橋。この橋で「環七」と交差します。地下化前の小田急線と同一レベルのはずです。
当初の小田急と環七の立体交差への経緯は分からないが、元々小田急との立体化のために環七の側が「アンダーパス」方式で立体化したのではないかと思われます。が、さらにその真下に地下鉄道を敷設する必要が出てきた事で、急勾配の設定・急行線の深度化など、小田急線側には相当設計に無理が生じたのではないかと考えられ、事業の遅れにもつながってしまったのだろうと思われます。世田谷代田駅の構造には、それが現れていると感じました。
このすぐ先に、「世田谷代田キャンパス」があります。平成末期の2019(H31)年4月に開業した地域交流の拠点で、東京農大のオープンカレッジや大学運営のショップ、カフェが入っています。
最後に、地下線が地上に出てくる部分にある、「代田富士356(みごろ)広場」です。ただ、鉄道を見るための広場、というのは、違うような気がする。地下線の開口部の上部にはスペースがあるが、ここには一般の公衆は立ち入れません。
たぶん分かりづらいが、上り緩行線に電車が止まっているの、分かるかなあ?梅ヶ丘駅になります。東北沢から豪徳寺まで、きれいに0.7㎞間隔になります。
という事で、№2660の下北沢、前回の東北沢に続いて今回の世田谷代田で、地下複々線化に伴う地下化3駅は、全てご覧頂きました。やはりこの区間は様々スッタモンダもあった事もあってか、完成後の利便性の向上(特に駅舎の前後の回遊性)や、景観の保持という点では、かなり気を使っている事が窺い知れました。今の時期は殺人的猛暑なので大変かも知れないが、もう少し気候が落ち着いたら、この3駅の界隈を歩いて巡る散策、というのも、アリかも知れません。東北沢から世田谷代田でも、わずか1.4㎞でもあるし。
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台風7号は、当初は今日の内に関東地方直撃なのかと言われていたと思うが、スローダウンの上、関西の方に向かっているようです。東海道・山陽新幹線の名古屋~新大阪~岡山間は、明日は終日運休、在来線もJRはほとんどの路線で朝から運休。運行される路線も、ダイヤ通りの運行は見込めないはず(JR京都・神戸線(東海道・山陽本線)は普通のみ)。私鉄も近鉄は特急が全部取りやめの上、むしろ青山町より東の名古屋・三重側の全路線が取りやめになる模様。他の大手私鉄も特急などの運転が取りやめになるという事です(京阪は特急・快速急行は朝夕のごく一部が運行されるが、「プレミアムカー」は営業しない)。交通以外でも高校野球の他、京セラドームのオリックスvsソフトバンク戦は中止。その他各種イベントも相次ぎ中止が発表。「4年ぶり」のはずが悔しい、という所も多いだろうが、この程度で済むならまだいいかも知れないが、もっと酷い被害が発生しなければ、良いのだが。最低、人的な犠牲が出ない事と、鉄道を中心とした交通の被害がない事、いつもながらだが、この2点は何とかお願いしたい。
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