新宿と渋谷、大都会東京を代表する町からの鉄路が交わる街、下北沢。それゆえか、ここはいつの世も若者たちの文化の発信地として、昼も夜も賑わいを見せています。
新宿からの鉄路、小田急小田原線の複々線化事業で最後に完成したのは、この下北沢駅を挟む代々木上原~梅ヶ丘間、2018(H30)年3月の事でした。平成の30年の大半を費やした事業の中でももっとも、様々な意味で困難を極めたのが、この下北沢駅付近だったと思われます。もう5年も経ったが、今回は地下駅として再生した、小田急線下北沢駅の、今の姿をご覧いただきます。
新宿から各駅停車で7つ目。快速急行や急行だと2つ目の駅になるのが、この下北沢です。2021(R3)年度の乗降人員は96,539人、前年度比16.6%増だったそうだが、まあ2020(R2)年度は言うまでもなくコロナ禍で散々な年だったから、簡単には比較はできないでしょう。とはいえ、小田急全体で11位、重要な地位にある駅である事は間違いありません。東京都世田谷区に位置します。駅ナンバリングOH07。ロマンスカーは通過だが、通勤列車は快速急行以下、全て停車します。
小田急の駅、という感じがあまり出ていないショボイ画像しかなくて申し訳ないが、30年位前、複々線化事業が始まったかどうか、という頃の下北沢駅です。京王井の頭線3000系が映っているが、戦前は、前進の帝都電鉄と小田急は同じ系列下にありました。その影響か、当時は小田急と井の頭線の間には改札口がなく、小田急のホームからそのまま、井の頭線のホームに行けました。小田急は、下りのホームは島式でした。
新しい下北沢駅には改札口が3か所あるが、メインとなるのは、東口でしょう。駅は完成して時が経つが、付近はまだもう少し、開発が進められるようです。東口の券売機。
東口の改札口。左手に有人ブースがあります。
他の2つの改札口には精算機があるが、東口はICカードのチャージ機能のみ。有人ブースがあるからか。
東口の発車案内表示。
現在の下北沢駅は、小田急と京王の改札が分離されました。小田急は中央改札になります。左手が、京王井の頭線の改札口。京王もホーム拡幅などが行われているが、北口はまだ工事が進行中です。
中央改札の券売機。
中央改札。
中央改札の精算機。2台目を設置できるスペースがあるが、使われる事は、もうないだろう。
中央改札を入って、目の前にある発車案内表示。
南西口の駅舎。こちらはやや出入りが少ない。東口もそうだが、特にここは、小田急線専用の改札口で、井の頭線は利用できない旨、大きく書かれている。昔は小田急と井の頭線が一体だった事もあって、井の頭線の乗客が間違って入る事が、少なくないのだろうか。
券売機。やはりどこも、券売機の数が少なくなりました。
南西口の改札。ここは駅員がいない(遠隔操作)。
南西口の精算機。
南西口の発車案内表示。
発車案内表示は、B1F(3・4番ホーム 各駅停車と千代田線直通)とB2F(1・2番ホーム 快速急行・急行)が一緒くたに表示されているが、(ホームに関係なく)急行系と各駅停車を分けた方が、良かったのではないだろうか。
この3つの改札と連なる、コンコース。
東口改札の近くに、大きな陶板のレリーフ「出会いそして旅立ち」があります(画像サイズを大きく取っています)。初代ロマンスカーSE3000形と、箱根ロープウェイが描かれている(登山電車とかはなかったのかな?)。男女2人が見つめあう様、私は何となく、大瀧 詠一の「ナイアガラ」シリーズを連想してしまった。気のせい・歳のせい?
駅の構内案内図と、周辺の地図。ホームが地下、それも上下に分離された構造になったためか、複雑になってしまったというイメージがあったのだが、歩いてみると、構造自体は案外シンプルでした。目的によってどの改札口から出るのかを間違えない、それがポイントだと思います。
小田急のエキナカではお馴染みの「箱根そば」(うどんもあり)。
「おむすび権兵衛」と「SWEET BOX」。「SWEET BOX」は10時開店。
スマホの充電設備もあります。ここは「充レン」。
「ベビーケアルーム mamaro」。Trimという会社が展開しているもので、授乳やおむつ交換などが行えます。小田急では他にもいくつかの駅にあります(他に埼玉高速鉄道での導入例あり)。
コンコースにある、ホームに連なるエレベーター。
エスカレーター近くにも、発車案内表示があります。
コンコースと、各ホームとの関係を表す案内図。
続いて各ホームです。まず、B1F(3・4番ホーム)のエスカレーター。
エレベーター。
ホームの案内図と、時刻表。
B1Fホームの発車案内表示。B1Fは、基本的には各駅停車が発着するが、千代田線直通の急行・準急もここからです。
ホーム。B1F(緩行線)は開削工法で造られています。ホームドアは最初から設置。JRのE233系が停車中。
こちらはB2F(1・2番ホーム)のエスカレーター。これは地上まで直通。B1Fホームに通じる所もあります。
エレベーター。
B2Fホームの案内図と、時刻表。この駅では、B1Fは青、B2Fはオレンジ色で区別して、案内しています。
B2Fホームの発車案内表示。B2Fは、新宿発着の急行系(快速急行・急行)が発着。
最後に、B2Fホーム。B2F(急行線)はシールド工法で造られているため、B1Fとは断面が異なっています。
これで、小田急線下北沢駅を一回りしました。複々線化事業自体に様々スッタモンダもあって、やむを得なかったとは思うけれど、「シンプル」だったとはいえ、やはりこの地下2層の形態で良かったのかなあ、とは、正直今でも思います。利用者の立場からすれば、緩急結合(急行⇔各停相互の乗り換え)ができないし、特にB2Fから井の頭線への乗り換えが、かなり面倒な事になってしまった。去年のダイヤ改正で、日中の急行は2本に1本が千代田線~向ヶ丘遊園間に変更(準急からの立て替え 新宿~小田原間急行の代替措置)されたため、同じ急行が上下2か所から発車する事になってしまったのも、利用者にとっては不便と感じる部分、多々あるのではないか。ダイヤについては作り直しも効くので、今後も需要の回復を見ながら改変されていくのだろうが、駅についてはそうは言っていられないので、せめていかにして構造から来る不便を和らげるか、これが今後も課題としてあり続けるのだろうと思います。
最後に、下北沢駅そのものと直接関係はないが、列車到着時のエスカレーターの様子です。№2652で書いた事の完全な繰り返しになってしまうが、乗客は皆、わざわざ行列を作ってまで左側に集中し、右側を空けています。「2列でご利用ください」の床面の表記も、完全にお構いなしです。見知らぬ赤の他人と隣り合うのがイヤだ、という意識が自然と働いた結果ではないかと推測するが、啓発する側は、この現状を分かっているのだろうか?という疑問を、どうしても払拭できません。このままマナー啓発に多額のコストを費やし続けても、全てムダに終わるだろうと思う。一度マナーに関するキャンペーンは全て取りやめ、まずは実態、そして利用者の意識(ホンネ)を探る事から始めるべきでは、ないだろうか。
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東海道線大船での貨物線誤進入の一件だが、むろん運転士が信号を見落としたのが一番問題、となろうが、なぜ線路が貨物線側に向いたままになっていたのか、も調べられなければならないのではないか。(直前に貨物列車が走っていたのか?)これは、「重大インシデント」の扱いとはならないのだろうか?
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