「バスマガジンvol.116」、先月末に発売になりました。
表紙は、鶴岡八幡宮への参道にある二の鳥居の前を走るエアロスター。表紙にある解説のテキストにもあるが、今年の大河ドラマはなんだか、例年以上に盛り上がっているようだから、江ノ電バスも少しは恩恵を受けたかも?
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.116 江ノ電バス
その江ノ電バスは、戸塚もエリアにしているので地元、と言えるが、神奈中バスと違って乗る機会は、正直あまりないなあ。江ノ電バスも、バスマガジン誌では初登場。
鎌倉駅~七里ヶ浜間は土休日早朝1往復だけ便があるが、元々は「あゆみ」にも記されている通り、鎌倉駅~江ノ島海岸~辻堂駅を結ぶ路線があった。1時間に1~2本は走っていたが、テキストに記されている通り、国道134号線が慢性的に渋滞するものだから、どんどん便数が減っていって、ついには全廃になってしまった。現状の1往復はその名残だが、大半の区間で海を見る事ができた路線だけに惜しい。現在は、国道134号線の小動より東は、江ノ電の大型路線バスの運行がなくなってしまった。
定期観光バスも、専用車まで導入しただけに廃止は惜しい。頑張っていれば、前述の通り今年は大河ドラマが盛り上がっているから、あやかる事も出来たのかも知れない。
夜行高速車は、エアロクィーンは比較的新しかったはずだが、他社に譲渡されたのだろうか。
車両面では、ひと昔前は、横浜と旧藤沢両営業所が日産ディーゼル、鎌倉〔営〕が三菱ふそう、と割とはっきり解れていたと思うが(たまにポツンポツンといすゞが入る。ユニークな車両も多々あった)、日産ディーゼル(UDトラックス)がバス製造をやめてしまったので、横浜〔営〕は三菱ふそうにシフト、湘南〔営〕はいすゞに加えて日野、そんな傾向になってきていると思う。リエッセはもうなくなってしまったのか(京浜急行バスには若干残っている)。
「あゆみ」の写真を見ると、江ノ電の併用軌道区間を辻堂行バスが走るシーンがあるが、昔は路線があったのか。この区間で辻堂行は方向が違う気がするが、どこが始発で、どのようなルートだったのか。ここに並んでいる写真の江ノ電バスは皆モノコック車で、もう10~20年位新しい写真があっても良かった。
今後の江ノ電バスに直接影響を与えそうなのが、少し先の話になるが、JR東海道線の村岡新駅の開業で、モノレール湘南深沢駅付近にかけた大規模な再開発とセットになっている。再開発エリアは江ノ電バスのエリアとは少しばかりズレているが、その規模によっては、江ノ電バスの営業にも影響が出るだろう。いい方向に行って欲しい。
バス作りの新勢力から
誌面では具体的な地域名は伏せられていたが、どうやら現在スカイレールサービス(SRS)が走る、JR瀬野駅に隣接する広島市安芸区の住宅地の事らしい。今回記事を見て、検索してみて初めて知った話でお恥ずかしい限りだが、来年11月初旬にEVバスを導入し(芸陽バスが運行)、SRSは来年末を持って廃止する、という方向のようだ。
(という事は、そろそろ廃止の申請が出されるはず。今日現在では出ていないようだが、SRSは公式WEBサイトを持っていないので、本当のところは解らない。)
なお、今回オノエンジニアリングのWEBサイトも初めて覗いてみたが、6年前の2016(H28)年に開設したのに、以降更新なくほったらかし、というのはいかがなものか?(パトレイバーどうのこうのと書いてあった)
三菱ふそうMR430復活
何度も書くが、遠い昔の車両がピカピカにレストアされて姿を現すというのは、やはりいいなあ!
こうなると、すぐ近くの士別軌道のモノコック車と並べてみたくなるし(ただし両車は同じモノコックでも20年位違うが)、神奈中の「三太号」や沖縄の「730」車や、その他各地に残るボンネットバスやモノコック車も並べて、クラシックバスのショーなんてやって欲しい、などという夢、というか妄想も広がります。排ガス規制があるから東京などの大都市ではムリだろうが、やるというなら、絶対見に行きます。
移籍バスの行方を追跡
第10回は神奈中バスの続きで、東海・北陸・関西編。東海バスは同じ小田急の資本下にあり、昔は神奈中バスからの移籍車も相当数見かけたが、今の東海バスの中古導入は圧倒的に箱根登山バスからで、元神奈中バスはほぼ見かけなくなりました。逆に、「ライバル」関係にあるはずの伊豆箱根バスに譲渡があるのが面白い。
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.48 北海道(道北・道東)
前号の道央・道南の続き。ただし前回の記載は、創刊号だった道央・道南と違って、道北は2007(H19)年のVol.24になってから。旭川電気軌道が一時、春光〔営〕をあさでんバスという分社にしていたのを再統合して、間もない頃だった。また道東は、2012(H24)年のVol.52だった。今回は両エリアを一体で記載しています。
どこも経営は厳しそうだなあという印象。旭川エリアはまだマシなほうだろうが。特に根室交通はコロナ禍もあるだろう、近年どの路線も便数を大幅に減らしていて、特に土休日は納沙布線・中標津線を除くと、15時前には最終バスになってしまっている。このままだと、少なくとも民営の形態のままでの維持は難しいのではないかと、思わずにはいられない。
あとはやはり、JR北海道のローカル線の行方が、各バス会社の運営にも影響を与えるだろう事は、間違いない。留萌本線・石狩沼田~留萌間が来年廃線になり(届け出では9月30日いっぱいだが、春への繰り上げの公算大)、代替輸送の在り方が注目されるが、他のJR路線も、全部がなくなるとも思わないが、逆に全部が残るとも、残念ながら思えない。十勝バスや北紋バス、宗谷バスあたりは旧国鉄特定地方交通線代替路線を運行して実績があるが、今後はバス会社側も、鉄道代替を引き受けるだけの体力があるだろうか?その時にはまた新たな事業者の参入、あるいは引き受け手が見当たらなければJHBの再参入(このエリアではJR北海道のバスの時代、帯広や厚岸付近に路線があった)も、ありうるかもしれない。
鈴木 文彦が斬る!バスのいま
「アフターコロナ」を見据えた、高速バスの再展開、という所でしょうか。近年は都会と、郊外(と言っても少々遠いが)の行楽地、特に温泉を結ぶ路線の新設が目立つ、西鉄の福岡~長門湯本間の路線が礎となり、先月は横浜~軽井沢・草津温泉路線の開業を見た、という流れになっています。
横浜~軽井沢・草津温泉というのは多少意外な形態という感じもするし、3往復とも横浜発午前・草津発午後、というダイヤから見て、都会側から行楽・滞在のための利用に特化していると言えます(地方側から都会へ、という利用はあまり考えられていないようだ)。ひと昔前は、高速バスは元々需要の多い都市間路線の開設・参入が多かったと思うが、特に長距離路線だと、コスト面に加えて近年は旧ツアー組事業者の台頭で、運行の継続が難しいので(東急も相鉄も、長距離夜行バスを廃止している)、そういう新規参入組が入らない、地方の著名な温泉場などに目をつけるのかも知れない。関東だと伊香保温泉とか、温泉ではないが富士山(イエティとか)あたりもそうだろう。御殿場を筆頭とした、各地のアウトレットモールもそうだと言えるかも。地域に強い地方バス会社が加わる事も、旧ツアー組にはない強みかも知れない(もっとも上田バスは、上田~草津温泉路線はあるものの、軽井沢や草津は本来は地盤ではないのだが)。
後はやはり、観光客がマイカーでなく、バスを選んでくれる事が何より望まれます。コロナ禍でバスは感染しそうだからイヤ、マイカーがいい、などという方向になってもらいたくはない。この点はバス事業者だけでなく、観光客を受け入れる地元側も真剣に考えて、バス(を始めとする公共交通)の利用を優先してPRして欲しい。
終点の情景を求めて
MR430を出して、「全方位レポート」も道央だったからか、ここも今回は、ふらのバスの麓郷。富良野は、観光はした事はないが、2年前の6月末、最初の緊急事態宣言が終わった直後、JR富良野線で訪れています。何より観光客が皆無で閑散としていたのが悲しかった。旭川へ行くふらのバスの利用は多いように見えたが。今はどうなんだろう。「北の国から」は正直見た事はないのだが、田中 邦衛さんが亡くなって久しく、作品世界も、だんだん遠くなっていくのか。ふらのバスは、一般路線は4路線あるが(旭川線「ラベンダー号」は、一般路線とは別の扱いになっている)、一部便を除き毎日運行なのは頼もしい。富良野のJRは3方向とも運営は厳しく、富良野線は何とか残るはず(と思っている)だが、鉄道の行方も、ふらのバスの行方を左右するかも知れない。
「割安」とはいえ、プリンスホテル宿泊とは、いいなあ?
平成初期のバスを振り返る
ジェイアールバス関東。民営化してからまだ数年しか経っていなくて、国鉄時代の特徴ある型式がまだ相当数残っていた。中古車両導入なんて、考えもしなかった。K-U31Lの「水源地」という行先は今はない(高峰高原への路線上にあり、路線そのものはあるが、水源地バス停があるかどうかは、WEBでは解らず)し、K-CJM410の「佐原駅」行も、土浦ナンバーなので霞ケ浦の方から県境を越えてきた事になり、JRバスとしては存在していない。車両もだが、一般路線だと車両に掲げられた行先もまた、今となっては見られず、貴重になっているものが相当数あるのではないだろうか。P-MS725SAはひょっとしたら、JR四国に移籍しなかった?
次号の潜入レポートは豊鉄バスと知多バス、どちらも名鉄系列だが、特に知多バスは確か、どのバス趣味誌も取り上げた事がない。名古屋に近いところを走りながら多少地味だし、ご多分に漏れず路線の縮小が続くが、一方、常滑市のコミュニティバスでBYD J6の運行を始めたので、楽しみな事業者ではないだろうか。
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《What's New》
4日 中村 哲医師銃撃事件から3年 アフガニスタン大使館で追悼式
5日 JAM 春闘要求方針案発表 8年ぶり要求水準引き上げ
前回書くべきだったが、W杯の日本の逆転劇は凄い。正直私は、ドイツ・スペイン両方に勝つとは思っていなかった。申し訳ない。逆転ゴールを決めた田中 碧、アシスト(海外でもかなり話題になったようだが)の三笘 薫、共に川崎出身、鷺沼(田園都市線)の学校卒業なので、彼の地は他以上に盛り上がっているようです。さて今晩はクロアチア戦。W杯は初出場の1998(H10)年を含めて2回対戦して1引き分け1敗、2試合とも得点できていません。クロアチアに勝つか否かという事は、目標「ベスト8」とはまた違った、日本のサッカーの進化がどこまで成し遂げられたか、を測る物差しにもなるような気がします。それと、日本戦の直後には、韓国がブラジルと対戦します。日韓両方勝てば、準々決勝では(たぶん)W杯史上初のアジア勢同士の対決が実現します。両チームの健闘を、大いに期待します。
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