№2537 JTB時刻表2022年9月号(JTBパブリッシング)

 月曜日に起きた名古屋の空港バスの事故、やはりショックではあるのだが、十分な調査がまだ終わっていない現状では、軽々しく原因がどうのこうのとは言えないと思う。事故当日、既に会社側に捜索が入ったそうだが、少し早すぎはしないか。今日は茨城でも路線バスの事故があり、こちらはもらい事故っぽいけれど、またバスの運行の安全性について議論がなされる事になるのだろうか。一つ一つの原因について切り取ってああだこうだ、だけでなく、もっと本質的な議論、バス業界の在り方、政治・行政の関わり方までが話し合われて欲しい。

 西九州新幹線N700S系が華々しく表示を飾る「JTB時刻表2022年9月号」、月曜日に発売になりました。

「のりもの情報局」は、「津軽鉄道『鈴虫列車』」「広島電鉄『広電宮島線 開業100周年』」「JTBパブリッシング カレンダー『新幹線2023』『懐かしの列車2023』9月中旬発売」。

9月23日開業!西九州新幹線の魅力
 西九州新幹線の指定券は昨日発売開始になったが、開業初列車となる〔かもめ〕下り1号・上り2号はどちらも、10秒で売り切れたそう。
 N700S系の指定席2-2アブレスト・自由席3-2アブレストは、九州新幹線の800系と同じだ。この程度の区間ならグリーン車は必要なく、指定席のワイド化で十分だろう。
 武雄温泉・嬉野温泉両駅は、北陸新幹線の黒部宇奈月温泉に次いで、新幹線の駅で「温泉」の2文字が入る。嬉野市に開業する嬉野温泉駅は、市中に在来線・私鉄等の他の駅が全くなく、近隣に対応する在来線の駅もない、完全に独立した駅となる。これは日本の新幹線では初のケースとなる。これまではJR在来線の直接の接続がなくても、すぐ近くに私鉄や第3セクター鉄道の駅があったり、営業キロで対応するJRの駅があった(上越新幹線の上毛高原駅は、上越線の後閑と同じ営業キロ、など)。
 武雄温泉駅の「佐賀牛すき焼き弁当」がおすすめ駅弁、と記されているが、新幹線区間が最速23分では、食べ終わらない内に長崎に着いてしまいそう。それに、乗り換え時間3分で、購入の時間はあるのだろうか。〔リレーかもめ〕など在来線の方が、落ち着いて食べられそうだ。
 ここでは当然、華々しい事しか書かれていないが、やはり「片肺」開業、の印象は否めない。熊本~鹿児島中央間開業から7年後に全線開業を迎えた九州新幹線と違い、博多~武雄温泉間のルート自体が決まっていなくて、全線開業がいつになるやら、メドが立っていない状態。何のかんの言っても各地で着工されている北海道新幹線・新函館北斗~札幌間はもちろん、下手すると、リニア中央新幹線より遅くなるかも(こちらも南アルプストンネル次第になるが)。相当な長期間、N700S系8000番台4編成24両(西九州新幹線専用編成に限定すれば、JR北海道のH5系を下回る、全新幹線で最少勢力)の孤軍奮闘が続く事になるだろう。
 私としては、何とか10月には乗りに行くつもり。福岡から長崎日帰りとする予定で、たぶん往路が〔リレーかもめ〕→新幹線、復路が在来線になると思う。長崎本線のローカル列車の時刻はまだ公表されていないが、現状をある程度踏襲するのなら、往路を在来線にするのは難しそう(長崎での時間が少なくなりすぎる)なので。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、当然ながらか、西九州新幹線N700S系。
 JR北海道のキハ281系が9月いっぱいで〔北斗〕での運行を終了し、10月に臨時特急〔スーパー北斗〕でラストランを迎える、とあるが、今号では時刻の掲載はない。
(JR北海道のサイトには掲載されている)
 9月1~3日開催の「おわら風の盆」の期間中の、富山駅での列車利用の注意が記されているが、今号には臨時列車の時刻は掲載されていない。昨日、JR西日本の公式サイトに掲載がありました。富山~越中八尾間で臨時快速17本が設定されるが、定期列車も含めて普通列車は全て2両編成となり、富山乗車時には基本的に事前に整理券の入手が必要。あいの風でも帰宅時に富山→黒部・金沢間各1本の臨時を運行。

 まず、新幹線開業と同時に行われるJR九州のダイヤ改正のあらましを記載。既に№2512で書いた事の繰り返しになるので、特に追加する事はない。
 長崎本線・江北(現肥前山口)~諫早間は、一般の特急〔かささぎ〕は肥前鹿島までとなり、普通列車も電車運転も取りやめ。D&S特急〔ふたつ星4047〕の往路が経由し、多良・小長井に停車するものの(この両駅は、現行〔かもめ〕の停車はない)、一気にローカル線に転落する事になります。特に県境を挟む肥前大浦~小長井間(現行の普通列車は下り6本・上り7本しかない)は、〔かもめ〕が全部なくなったら、輸送密度500人/㎞未満の区間の仲間入りをするのではないか?

 JRの秋の臨時列車が発表になっているが、コロナ禍に加え、北東北は豪雨で在来線が寸断された状態にあって、運行が危ぶまれる列車が少なくない(既に本文掲載の快速〔田んぼアート〕(秋田~弘前間 9月10日運転予定)は取りやめになり、快速〔レトロよねしろ〕(秋田~大館間 9月25日運転予定)は、秋田~鷹ノ巣間への短縮が発表になっている)。秋田~鷹ノ巣間・弘前→鷹ノ巣間はは9月17・18日に〔秋田キャラバンMF〕と称する列車が設定されているが、弘前→鷹ノ巣間1本は取りやめが予想される(今日現在では発表なし)。秋田~鷹ノ巣間は、下り4本は全部快速で7号はノンストップ、他は泉外旭川・土崎・追分・八郎潟・東能代に停車。上り7本中、8号はノンストップの特急(E751系使用で全車指定席)、14号は東能代・八郎潟のみ停車、他は下りと同じ停車駅。秋田CARAVAN MUSIC FES 2022は今回が初開催のようで、大館能代空港に隣接する「ふれあい緑地」で開催との事。

 東武の〔SL大樹〕〔SL大樹ふたら〕〔DL大樹〕は、12系の展望車(オハテ12 1)は今日現在、不具合により連結されていない(オハ14 1に変更)。
 鈴鹿サーキットでは10月8・9日、F1のレースが行われるが、今日現在では特急〔鈴鹿グランプリ〕2往復のみ掲載(臨時快速は3年前も10月号の掲載だった)。

 会社線は、富山地方鉄道の富山~立山間及び宇奈月温泉→立山間の臨時列車を掲載。富山~立山間は10月30日までの毎日運転で、下りは寺田・五百石のみ停車、上りは各駅停車。宇奈月温泉→立山間は10月30日までの土休日運転で、新黒部・電鉄黒部・新魚津・電鉄魚津・中滑川・上市・寺田に停車。「アルプスエキスプレス」使用(2号車は地鉄が募集するツアー専用)との事。富山地鉄は、今ダイヤでは特急が取りやめになっているので、代替という事だろう。来年以降の特急の復活につながればいい(この臨時列車は全て、特急料金は不要)。

本文

◆北陸新幹線〔はくたか〕のグランクラスは、10月1日より全列車座席のみ提供となり、アテンダント乗務によるフルサービスは取りやめ。

◆秋の臨時列車を、全部は書けないがいくつか。

●上越線は11月、〔特急とき〕(という愛称)を上野~新潟間で運転。

下り
 上野8:30 → 13:47新潟 11月3日(木・祝)運転

上り
 新潟12:46 → 17:35上野 11月6日(日)

停車駅:高崎・水上・越後湯沢・長岡・東三条・新津(大宮は通過)
 E653系で運転。全車指定席(グリーン車連結)。JR東日本のリリースでは、国鉄特急色復刻編成を運用との事。

 また、9月まで運行計画がある〔谷川岳もぐら〕〔谷川岳ループ〕は、10~11月は特急で運行。

下り
谷川岳もぐら 大宮10:37 → 13:38越後湯沢

上り
谷川岳ループ 越後湯沢15:19 → 18:24大宮

運転日:10月30日及び11月3・6・13日
停車駅:熊谷・高崎・湯檜曽・土合(上下とも土合で長時間停車あり)
 E257系で運転。全車指定席。

●只見線は10月1日に全線の運転を再開。今号ではまだ再開区間(越後川口~只見)の時刻の掲載はない(代行バスの時刻を掲載)が、臨時快速列車を先行して掲載。

会津若松~只見間
下り
只見線満喫号 会津若松10:15 → 12:36 只見 10月8~10・15・16・22・23日運転
風っこ只見線紅葉号 会津若松10:15 → 12:40 只見 10月29・30日運転

上り
只見線満喫号  只見13:40 → 15:54会津若松 10月8~10・15・16・22・23日運転
風っこ只見線紅葉号 只見13:40 → 15:54会津若松 10月29・30日運転

停車駅:全列車西若松・会津坂下・会津柳津・会津宮下・会津川口
〔只見線満喫号〕はキハ110系(指定席2両+自由席1両)。「150周年記念ラッピング車」使用か?〔風っこ只見線紅葉号〕は全車指定席。
〔風っこ〕の会津川口~只見間は〔満喫号〕より3~4分時間が余分にかかっている。リリースには記されていないが、紅葉の鑑賞で、鉄橋上での一時停止サービスがあるのだろう(ただし、窓枠を取り付けて運行)。

新潟~只見間
上り
只見Shu*kura 新潟7:07 → 10:35只見

下り
只見Shu*kura 只見13:20 → 16:09新潟

停車駅:新津・東三条・長岡・小出・大白川 全車指定席

◆近年は昼間に列車を運休させて保守工事を行う路線が多くなったが、特急が運行される区間でも運休になるケースがいくつか見られる。
 JR西日本では、舞鶴線が10月17~19日が日中工事運休になり、〔まいづる1・3・5号〕〔同6・8・10号〕が全区間運休。播但線・福崎~寺前間は10月24~26日・31日~11月2日が日中工事運休になり、〔はまかぜ3・4号〕が全区間運休。
 JR北海道では、石北本線・北見~網走間が9月26~30日・10月3~7日が日中工事運休になり、〔オホーツク1号〕が北見→網走間運休(〔大雪〕2往復は元々運行日ではない)。JR北海道では釧網本線・網走~緑間も10月17~21日・24~28日が工事のため、快速〔しれとこ摩周号〕1往復がバス代行。日高本線は11月7~11日が日中工事運休。

◆愛知環状鉄道は欄外に、運転計画を変更する場合があると注釈あり。ただし今日の時点では、変更はない。

◆会社線は、8月27日に東京メトロ銀座線・丸ノ内線・東西線・千代田線、28日に西鉄(天神大牟田線系統)・9月17日に名古屋市営東山線でダイヤ改正を実施。本文上では解らないが、全て減便。西鉄は春日原付近の高架切り替え工事完了後。平日は9時台も特急が減便になる。名古屋市東山線は全体的に減便。平日日中が5→6分間隔に削減。最終電車が大幅に繰り上がり、土休日と同じ時刻になる。なお東京メトロは、次の土曜日が改正日なのに、公式サイトでも時刻がまだ公表されていない。
 なお、先月書いた、既に廃止済みの西日本JRバス路線、箱根登山バス路線の時刻がまだ掲載になっている。

 次号10月号のグラビア特集の内容は予告されていないが、当然10月14日に迎える、日本の鉄道150周年が特集となるでしょう。時刻表との関連も書かれる事になるか。九州の全列車の時刻が掲載になるが、普通列車の具体的な運行形態は注視したいと思います。高速バスなど会社線はどうなるだろう。「暫定開業」レベルだと、そんなには変わらない気もする。むしろ、まだ続いていそうなコロナ禍の影響の方が不安だろう。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 ANA・JALと、九州の離島路線を運行するORC・AMX・JACは昨日、10月(冬スケジュール開始の30日)から、「資本関係を枠を超えた共同運航を行う」と発表しました。長崎のORCにJALの、熊本のAMX(天草路線)と、鹿児島のJAC(種子島・屋久島・奄美等の路線)にANAのフライトナンバーが付く形になります。既にマイレージサービスのマイル特典で実績があり、提携がさらに深度化する事になります。でもORC・AMXはまだしも、今のJACはJALと同じカラーで尾翼にも鶴丸が描かれているし、共同引き受けでJAL便としての運行なので、ANAのナンバーが付与されるのは、少々違和感を覚えるかも。

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