「バスマガジンvol.113」、発売はいつも通りだったのに、こちらの都合で1ヶ月も遅れてしまいました。
おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.113 鹿児島交通
鹿児島交通は、2012(H24)年5月刊行のvol.53で「いわさきグループバス事業」として取り上げられていて、No.731で書きました。グループ外だった旧林田産業交通も取り込んだ再編成の真っただ中で、だいぶゴチャゴチャした印象もありました。それからちょうど10年経って、本島の方は鹿児島交通に一本化された、という所か。
鹿児島は4年前に行って以来なので現状はよく解らない部分もあるが、10年前は「市営バスとは仲が悪いのか?」とも書いたが、2年前には一部路線の移管も受けているとか(ただし、コロナ禍の影響で、今年になって譲渡路線の一部が減便になっている模様)。
車両面は、これも10年前には「一般路線の新車導入が途絶えていて、同じ民営の南国交通との格差が広がっているのではないか?」と書いたのだが、やはりそれ以降も、一般路線の新車導入はないらしい。中古導入でノンステップ化は進んでいるようだが、現状では新車導入で若返りというのは、難しいのかも知れない。しかし鹿児島は一応九州では大都市の一つであり、地方部はともかく、中心部はやはり積極的な若返りも必要になるだろう。後はやはり他事業者、南国・市営・JR九州バスとの協調も、もっと進めて欲しい。コロナ禍で苦しいのは他も同じなので、狭いエリアでいがみ合っている場合ではないだろう。ICカードが南国・市営・JR九州バス(Rapica)と別々になっているのもマイナス(バスは相互利用ができるが、いわさきの高速船や垂水フェリーは利用できないし、バス同士の乗り継ぎ割引が適用されない)。
オールド鉄道ファンとしては、鹿児島交通は=鉄道(南薩線)のイメージが強く、保存されているSLやキハ103の写真もあるが(他に、国鉄に先駆けて、キハ10形と同型のキハ300型を導入していて、伊集院から西鹿児島まで直通運転を行っていた)、乗る機会がないまま終わってしまった。今の目で見ると人の流れにあっていないような気がして、恐らくは水害がなくても、昭和の内に廃線になってしまっただろうと思われるが…。今のバス路線は、伊集院~枕崎間全区間の通しは、8往復しかないようだ(一部加世田乗り換え)。加世田~枕崎間は鉄道時代から同じ本数のようだが。
バス作りの新勢力から
ときがわ町にオノエンスターのEV5台を一気に導入した、イーグルバス。EVは良いのだが、ときがわ町路線は今月に入って、「緊急的な乗務員不足」を理由として、平日で一部の便が運休している。イーグルバスは東秩父村でも、一部路線が土休日に全便または一部便が運休している。既に以前から夜行バスが廃止になったり、羽田空港路線が休止になったり、「小江戸巡回バス」も平日運休・土休日減便になったりしている。この辺はコロナ禍による需要の減退が理由になるが、東秩父村やときがわ町の運休・減便は、コロナ禍(ドライバーの感染など)だけが原因なのだろうか?別に何か理由があるような気がしてならないが。いずれにしろ早く通常運行に戻って欲しいです。そうなったら(腰の具合とも相談して)乗りに行ってみようかと思う。
移籍バスの行方を追跡
第8回は都営バスの2004~5年度車。日産ディーゼル車の移籍がないのは、既に製造を中止して10年以上経っているので、アフターケアの懸念があるのではないだろうか。
この年代のいすゞエルガ・日野ブルーリボンⅡは、クーラーの形状もあって、基本的にはモデルチェンジまでのデザインと同じ。なので色が変わると、一気に新車的なイメージが出るのが面白い。
「都営中古」に限らないが、「二段サッシ」の車両は、全国にあとどの位残っているだろうか?
帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.45 高知県
前号の予告(和歌山県)と違っている…。高知県は、前回は2010(H22)年3月刊行のvol.40で取り上げられていて、こちらも№180で書いています。
やはり大きいのは、土佐電氣鐡道と高知県交通の事業を吸収したとさでん交通の成立で、公主導の再編劇として、一般にも注目されました。
他にも小さい事業者がいくつかあって分かりにくいが、土佐電・ドリームサービス・県交通がとさでん交通として一本化し、その子会社として、県交北部交通・高知東部交通・高知西南交通があるという事だろうか。コーポレートカラーの緑とオレンジはいろいろイメージも書かれているが、やはり緑=旧土佐電、オレンジ=旧県交通を表しているものだと思う。両者が一つになって、高知県の交通の主力を担う意気込み、と理解したい。モノクロページに一覧表があるが(一般乗合車だけ)、Uー規制が相当残っている一方で、できる範囲で体質改善を図ろうとしている事が伺えます。でもこの表、年式の年号が明らかに狂っている。最新のレインボーが「H32」「H33」とかだし、U-規制車もおかしい。
「全方位レポート」もほとんどの都道府県が取り上げられたと思うが、対象として出てくる(こない)事業者の選定には、疑問も少なくない。高知県で言えば、JR四国バスがない(12年前はあったのに)。大幅に運行区間を縮小しつつも大栃線(もう大栃には行かないので路線名は実態には合わないが)の運行を維持し、「アンパンマンバス」も引き続き運行されているのに。また、愛媛県の宇和島自動車は、宿毛の営業所がなくなったのに掲載が続いているが、それならvol.111の「鳥取県・島根県」で、島根県の津和野に営業所を構える防長交通がなかったのは、どうしてなのだろうか?
鈴木 文彦が斬る!バスのいま
通算の回数がなくなっているが、今回が39回目のはず。
JR牟岐線と徳島バスの高速路線の「共同運行」は、地域交通維持の在り方の一つとして、一般のニュースにもなっていました。JRの列車では海南からの徳島バス高速便の時刻の案内があり、駅の表示にも出るそうだ。阿南は3年前に泊まった事があって、№2012で書いているが、この時点ですでに、高速バス側は阿南~甲浦間の一般路線バスとしての取り扱いを行っていました(ただし、当時は6往復あったが、現在は橘以南が2往復減便)。阿南はバス乗り場が商工業振興センターで、駅からは少々離れているのが難点ではあるが。
バス側のダイヤを検証した感じでは、高速バスと言っても路線バス区間は全線一般国道なので(一部は「日和佐道路」と称する高規格区間もあるが)時間がかかり、後続の列車に抜かれたり、上りでは阿南の接続が後から来る列車と同じになるケースがほとんどで、純粋に鉄道のダイヤの空白を埋めているのは、現状では阿南→浅川(→甲浦)間の下り2便のみ。根本的に牟岐線と高速バスでは性格が異なるので、ダイヤの調整は難しいだろう。高速バスは、結局は対大阪の需要を基準にダイヤ編成を考えるはずだから、あまり動かせなさそう。変えるとしたら、むしろ鉄道側になるのかと思われる。
この方式が他の地域で可能かどうかは解らないが、ここでの課題として考えられるのは、①完全には並行しないため、比較的利用が多くても、バスが走る道路から遠くて取り残される事になる駅(牟岐線では〔むろと〕も停車する桑野・新野あたり)の利便性はどう維持するか ②高速バスはコロナ禍など、鉄道以上の不特定多数の要因で運行便数が左右される事が多いが、鉄道を補完する区間に影響を与えたりしないだろうか ③鉄道との直接の関係はないが、HD・SHDを使用する高速バスを一般路線として運行する場合(関東でもJRバス関東の館山で見られる)、バリアフリーの面で問題にならないか という点ではないだろうか。
鉄道の側でJR北海道に続き、JR西日本・JR四国でも利用状況の公表が行われた事で、一気に地方の公共交通の在り方が全国的な議論になる事になりました(参議院選挙での争点にはなりそうもないが)。都市部も含めてになるけれど、どのような形態になるにしろ、まずは鉄道とバス、あるいはバス同士、キチンと話し合って、譲れる所は譲って、協調できる所は協調してもらいたいと思う(その点で、一番上の鹿児島はやや心配もあるのだが)。
終点の情景を求めて
鹿児島交通特集だったからか、同じグループの種子島・屋久島交通が運行する、屋久島の路線の大川の滝。屋久島は、道路は島を一周しているが、バスは西側の永田と大川の滝の間はつながっていない。道幅が狭いそうだが、集落がなさそうだ。バスの時刻表はJTB時刻表にも掲載されているが、大川の滝に入るのは一日3往復のみ。折返し時間が最低でも38分あるので、その間に滝を見に行く事は可能か(見学に配慮したダイヤになっているのかも知れない)。屋久島は雨が非常に多い島(だから世界自然遺産に登録されるほどの森林が育つ)だが、晴れ模様の写真が多い。海岸沿いは雨はそうは降らない、という事だろうか。大川の滝と直接関係がないが、鹿児島行の一番の高速船は通常安房港(7時00分出発)から出港するが、宮之浦港発に変更される日に限り、臨時バスが運行されるそうで、伊豆諸島の大島を連想させるのだが、島はその時々の気象条件で、港を変える事が良くある、という事だろう。
平成初期のバスを振り返る
鞆鉄道。社名の通り昔は鉄道会社だったが、廃線が1954(S29)年3月というからもう68年も前で、私が生まれるはるか前。よく「鉄道」の2文字を維持していると思う。若い人は「何で?」と思うかも知れない。バス会社としては、短距離高速バスはあるが、案外地味、かも。今は「トモテツグループ」の一員、という事になっている。ボンネットバスの動態保存が有名なのだけれどなあ。周辺の事業者の激変(ここにはないが、尾道市営バスの民営転換もあった)の中、案外しぶとく生きている事業者、と言えるだろう。
「バス社会の女子力」では「バスターミナル東京八重洲」が取り上げられていた。恐らく、東京駅付近に分散している、JRバスが関わらない路線(京成・平和交通・東北急行バスなど)の乗り場が集約されるのだろうが、京王電鉄バスが運営するという事は、京王バス路線の新設もありうるだろうか。現在渋谷~新宿~新橋間を運行する「SORA」の乗り入れも、考えられるかも。
次回刊のバス事業者は徳島バスだそうで、上にも書いたJRとの共同運行の様子も、取り上げられる事になるだろうか。全方位レポートは、今度こそ和歌山県、だが、奈良県と一体になるようだ。いすゞ本社はGW明けに移転しているが、「横濱ゲートタワー」は、京浜急行の本社ビルの隣。この付近は資生堂のグローバルリノベーションセンターも立地して急速に開発が進んでいるようです(みなとみらい線の新高島駅の利用という点ではどうなのか、興味がもたれる)。
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《What' New》
19日 石川県珠洲市で震度6弱の地震 春日神社の鳥居倒壊
20日 3歳馬ダート3冠レース 再来年から開催 地方競馬全国協会など発表
21日 韓国 国産ロケット「ヌリ号」2号機 打ち上げ成功
22日 ネットカフェ立てこもり犯 身柄確保 従業員女性保護
参議院選挙が告示されました。今回は、コロナ禍対策は直接の争点にはならず(この所、感染者数が微増傾向なのが気がかりだが)、インフレ・物価高対策、ウクライナ危機を受けた安全保障体制や、背景とした憲法の在り方を中心に争われる事になりそうです。
今回私が各候補者、各政党に、聞けるものなら聞きたい事項は、次の点です。
① 今年8月の広島・長崎の平和祈念式典は、共にロシア・ベラルーシの大使を呼ばない事になったが、この両市の判断は正しかったと思うか?
② JR恵比寿駅で、ロシア語の案内表記にクレームが付き、JR東日本が一時ロシア語を隠す騒ぎになった。この事はどう考える?JR東日本の姿勢はどう思う?
③ (去年の衆議院選挙と同じ質問)ウクライナやアフガニスタン、シリア等の難民の受け入れを増やす意向はあるか。その場合、日本での生活の質をどのように保証するか。
④ ツィッターを、情報の発信で使用しているか。している場合、イーロン・マスク氏がツィッター社を買収したら、使用を継続するか。
⑤ 去年は、小田急・京王の車内で刺傷事件が相次いだ。それ以前の〔のぞみ〕放火等の事件も合わせ、走行中の列車内の安全対策はどうあるべきと考えるか。列車内の防犯カメラの新設・増設には賛成?反対?
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