№2497 ひと昔・ふた昔前 私鉄の駅 関東鉄道
ひと昔・ふた昔前くらいの私鉄の駅のシリーズ、今回は茨城県から、関東鉄道の駅を取り上げたいと思います。
関東鉄道は、常総線・竜ヶ崎線の合計が55.6㎞あり、全線非電化の私鉄では最長です(昔は筑波鉄道・鹿島鉄道も関東鉄道だったからもっと長かった)。常総線は首都圏に近い事から戦後は開発も進んで、取手~水海道間では複線化も行われました。現在でも、国鉄・JRから転換された第3セクター鉄道以外で、旅客線の非電化複線区間がある私鉄は、関東鉄道だけです。利用増に伴い、車両も国鉄からの中古も含めて通勤型に転換が進み、一時は最長5両編成も走るようになったが、2005(H17)年のつくばエクスプレス(TX)開業は、常総線の様相を一転させる事になります。
一方の竜ヶ崎線は、延長4.5㎞のミニ支線で、終始常磐線佐貫駅(現龍ヶ崎市駅)と、龍ヶ崎市中心部を直結する役割を担っています。1971(S46)年には、日本では初の、旅客列車のワンマン運転が始まりました。3駅ともホームが(佐貫→竜ケ崎方向で)右側にあり、このため竜ヶ崎線車両は、今に至るまですべて、竜ケ崎側の運転台が右側にあるという特徴があります。
今回は、TX開業はもう少し先の話、たぶん一番に賑わいになっていた頃の、各駅の画像を並べてみました。1996(H8)年頃の撮影です。
(鹿島鉄道の駅については、№94で書きました)
常総線 取手~下館
取手 とりで
JR常磐線との接続駅。関鉄の駅施設は、駅ビルの中にあります。
戦後の取手~水海道間は、複線化と前後するように、新駅も多数造られました。中間9駅(ゆめみ野は除く)のうち、5駅は戦後の開業です。
西取手 にしとりで
1979(S54)年12月1日の開業です。
寺原 てらはら
以前は関鉄バスの車庫がありました。
新取手 しんとりで
1968(S43)年4月1日の開業です。
ゆめみ野駅は、まだありませんでした。開業は2011(H23)年3月12日です。
稲戸井 いなとい
戸頭 とがしら
1975(S50)年3月26日の開業です。
南守谷 みなみもりや
1960(S35)年11月15日の開業です。
守谷 もりや
TXが開通するまでの守谷駅は、木造駅舎で田舎そのものでした。あまりにも変わりすぎ。
新守谷 しんもりや
逆に、新守谷は1982(S57)年3月27日、ニュータウン開発で出来た駅で、撮影時点では一番新しい駅でした。大手私鉄にも負けないような、近代的な橋上駅舎です。2面3線で、TX開業までは朝ラッシュ時、取手からの折返し列車の設定もありました。現在は、折返し列車が使用していた3番線は使われず、駅も無人化されています。
小絹 こきぬ
ここと水海道の間に、南水海道信号所があり、水海道車両基地が設けられています。30年前の1992(H4)年に、水海道駅構内から移転してきました。
水海道 みつかいどう
2面3線。かつての基地の跡地は、現在はホテルなどに転用されています。
取手方向からの列車は大半がここで終点。単線になり、さらにローカル色が濃くなっていきます。
北水海道 きたみつかいどう
中妻 なかつま
行き違いが可能。駅舎は次の三妻とほぼ同じ形。揃って比較的最近立て替えられたようだが、住宅然としているようにも見えて、洗濯ものを干しているのが見えます。駅員が住み込みだった、のか?(今は共に無人駅)
三妻 みつま
行き違いが可能。
南石下 みなみいしげ
石下 いしげ
行き違いが可能。
玉村 たまむら
宗道 そうどう
行き違いが可能。今は駅舎が建て直されています。
下妻 しもつま
水海道以北の中間駅では、石下と並ぶ主要駅です。関鉄バス(現関鉄パープルバス)の車庫があり、つくばセンター経由で土浦駅へ行く路線があります。
大宝 だいほう
撮影時点では、行き違いはできませんでした。後の交換設備設置と同時に、ほぼ待合室の駅舎が建てられています。
騰波ノ江 とばのえ
行き違いが可能。この木造駅舎も、老朽化が著しいという理由で立て替えられる事になり、今は「とばのえステーションギャラリー」として活用されているそう。
黒子 くろご
行き違いが可能。
大田郷 おおたごう
行き違いが可能。旧常総筑波鉄道鬼怒川線分岐駅だったが、遠い昔に廃線になっています。
下館 しもだて
JR水戸線・真岡鐵道との接続駅だが、関鉄も独自の駅舎があります。
竜ケ崎線 佐貫~竜ケ崎
佐貫 さぬき
JR常磐線接続駅。JRは2020(R2)年3月改正で「龍ヶ崎市」と改称するが、関鉄はそのまま。
入地 いれじ
竜ヶ崎 りゅうがさき
市の名前は「龍ヶ崎市」、先のJRの新駅名も「龍ヶ崎市」なのに、関鉄は線名・駅名とも「竜ケ崎」です。コミュニティバスを中心とした関鉄バスの発着が割とあって、わずかだが取手にも行きます。
常総線は、TX開業によって、守谷~下館間の快速の開始もあったりはしたが、全体的には輸送量は減少傾向になり、今はよほどの混雑するイベント等がないと、2両を超える列車の運行はないようです。常総線は撮影後の1997(H9)年に水海道~下館間で始まったワンマン運転が、TX開業時より、全線に拡大されています。加えてコロナ禍による利用減少もあり、取手~水海道間でも単行運転が行われるようになって、便数も減少しました。竜ケ崎線や、未だに直営で残るバス部門(分社もあるが)共々大変な状況にはあると思うが、PASMOの導入や(ちなみに関鉄の鉄道は今のところ、全国相互利用までは行っていない。PASMO以外で使えるのはSuicaのみ)、JRやTX、真岡鐵道等との連携で、利用を呼び込もうという姿勢も見えます。茨城の私鉄の雄として、今後とも健闘を期待したいと思います。
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GWの真っただ中ではあるが、京王が2日に今年度の設備投資計画を発表しています。
車両は5000系1編成を追加導入。この車両は、日本では初めて、リクライニング機構を備えたクロス⇔ロング転換機構を備えた編成になる(既にリリース済み)。8000系10連1編成のインバータ制御装置を更新。去年10月31日の事件を受けて、車内防犯カメラの全車両への導入を、2023(R5)年度末を目標に、また全駅の上屋へのホーム上防犯カメラを、2023(R5)年度までに進める。駅構内情報提供ディスプレイを多機能化。笹塚~仙川間の連続立体化は、今年度は新たに千歳烏山駅付近で工事に着手する。ホームドアは笹塚などで整備し、今後全駅への導入を検討する。投資総額288億円。
なお、現状として2期連続の経常損失を計上し、今後も利用は以前の水準には戻らないという判断の下、設備投資の継続のため、運賃改定(早い話、値上げのはず)の検討を行うとしている。参考資料があり、運賃水準は関東大手8社の中でも最も低廉な水準を1995(H7)年から続けてきているが、一方でコロナ禍による輸送人員の落ち込みも、関東大手8社では最大だとしています。1年で約1/3が失われたというのは、相当きつい。サービス改善やコスト削減などの対策も行っているので、運賃改定にどうぞご理解を、という含みがあるのは、間違いない。「今後の取り組み」の中には、座席指定列車の終日運行の検討が盛り込まれています。一部指定席列車の運行が構想に入っているようだが、実現するなら、どのような姿になるのか。京急の「ウイングシート」みたいなものか?
なお別リリースで、都村 智史氏が新社長に就任、現社長の紅村 康氏が会長になり、現会長の永田 正氏が相談役に退く、代表取締役の異動も発表されています(6月予定の株主総会後の取締役会で正式に決定)。
《今日のニュースから》
4日 米ブリンケン国務長官 新型コロナウィルス検査陽性反応
5日 英中央銀行 政策金利1.0%に引き上げ 13年ぶりの高水準
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