「バスラマインターナショナル190」、先月末には発売になっていたが、また少々遅くなりました。
各地の新車から
国産は、カラーリングは事業者毎に違うが、基本的には三菱ふそうとJBUSだけだから、形態的には似たり寄ったりなのは仕方がない。日立自動車交通のブルーリボン・ハイブリッドは、先日東京BRTを撮影に行った時に見ました。撮影はまたいずれと思うが、「晴海ライナー」は、元々はポンチョから始まったんだよねえ。「エアロスターが引退」とテキストにあるが、エアロスターは、元々は短命に終わった秋葉原~スカイツリータウン路線用だった。
国内バス事業者の 「電気バスに関する意識調査」
誰もやった事がなかったから、という「電気バスの意識調査」、私なりにちょっと考えてみました。
体験乗車のコメントで「車内の質感が劣る」というのは、EVバスの本質ではない。現在日本で実際に営業運行しているEVバスは、新車導入は全て中国産なのでそういう回答になったのだろう。欧州製のEVだったら、評価は違ったはずだ(私は平和交通で運行されているBYDのK8に、去年初めて乗ったが、側窓付近の造作は垢抜けないが、車内の雰囲気は日本や欧州のそれとあまり変わらないと感じた)。
「導入へのハードル」は、「コスト」「充電投資」はほとんどの事業者が〇を付けている。唯一「EVに興味なし」としている「保有450台」者は、ハードルが「充電設備」のみとした唯一の事業者だ。地上設備のハンデを抱えているのかも知れない。一方、「整備体制」は意外に少ない気がした。
「普及のプロセス」では、「幹線」はゼロ回答だったが、「幹線」と「一般車両」の線引きはどこだろう?「幹線」とは、後述する名古屋市営バスの基幹バスのような路線と考えていいのだろうか。「その他」というのはどういう車両か解らないが、企業や学校などの特定輸送だろうか。
後は、EV以外の低公害車、特に燃料電池水素バスは現在、協力事業者の内8者(東京都・西武・京成(東京BRT)・京王・東急・京急・JR関東・名鉄)が運行しているが、それとの比較はどう考えているのか。他者はどうだろうか。
私個人の考えとしては、以前にも少し書いたが、EVバスが次のステップに進むには、「営業所毎」というよりは、特定の路線、例えば駅と団地の間を、日中でも10~15分毎くらいで走るような路線で、予備車両まで含めて全部EVで固定して運行するくらいの所まで持っていきたい。事業者や行政だけでなく、何より利用者も、ちょっとは意識を変えてもらう必要があるので。EVだからではなく、公共交通そのものの維持のためにも。「脱炭素」の叫び声は高いが、何度も書いているように、再生可能エネルギーだけで陸上交通のエネルギー源全てを片っ端から転換するのはたぶん不可能(他にも電力を必要とする分野は多々あるし)で、優先順位付けが必要になると思う。自家用から公共交通への転換を図る意味でも、利用者層の意識の底上げも、必要ではないだろうか。
実際の導入としては、やはり個々の事業者の努力だけでは、広範囲な普及は時間がかかってしまうかも知れない。補助金制度の限界・問題点も指摘されているが、この先は行政が音頭を取って、事業者の垣根を超えた共同購入というのは、できないものだろうか?
さて、今号発売の直後、いよいよ日野といすゞが、EVのフルフラット路線バス(両社は「BEV」と呼称しているが、「B」とは何かがちょっと解らなかった)を、2024(R6)年に生産開始すると発表しました。待望の国産の大型EVという事になり、「フルフラット」のノンステップという部分も期待されるが、この発表は、事業者各社の意識や計画に、どの程度影響を与えるでしょうか?
DMVが徳島・阿佐海岸鉄道で待望の運行開始
DMV転換工事開始直前の牟岐線には、3年前に乗りました。DMVも早く、とは思うが、徳島からも結構遠いからねえ。JR牟岐線も大半が普通列車なので、アプローチが大変。当面は「DMV」そのものを売りにする、という事だろうか。輸送力がJRのDCと違いすぎるので、直通運転は牟岐あたりはまだしも、徳島はさすがに無理だろう。
他の鉄道への展開は?輸送量が多いと運びきれなくなるので、ちょっと思い浮かばない。ローカル鉄道と言えども、特に通学時間はなんだかんだ言っても利用が多くなるので。阿佐海岸鉄道の今後の動向に左右されるだろう。
バス事業者訪問235 名古屋市交通局
序盤で触れられている通り、名古屋市営バスは、バスラマ誌創刊からまだ間がない1992(H4)年の№10(当時は「ユーザー訪問」)と、2003(H15)年の№75で取り上げられていました(3回目というのは、過去には横浜市営バスがある)。
輸送人員の推移は、パンデミックが本格的になるより前の2019(H31~R元)年までで、2005(H17)年を底として、以降は増加傾向にありました。1986(S61)年からは、年間利用者数は1億人を切った事はなかったが、「対前年度比30%減」という事は、1億人を切ってしまった事になり、確かに一大事でした。
(去年公表された「交通局事業概要」によれば、「令和2年度決算見込み」に記された、2020(R2)年度の「1日のお客様数」は、市営バスは26万人だったそうで、単純計算では26万人×366=約9,516万人)
ただそれでも、コロナ禍の特殊要因を除けば、利用者は増加傾向にあるそうなので、頼もしいと言える。実際、写真もある徳重のバスターミナルに先日行ってきたのだけれど(地下鉄桜通線の、11年前の延伸が未乗だったので)。どの系統の乗り場も、かなり賑わっていました。名鉄バスも入るし、バス停も映っているように、JR東海バスの東京行〔ドリームなごや(6・9)号〕も入るので(運休にはなっていない)、南東部の地下鉄⇔バスの拠点として、定着している様子が伺えました。
車両面では、一時多数導入していたCNG車は全滅、ハイブリッド車も「メ~グル」予備のBRCハイブリッド1台のみで、昨今の政令指定都市の公営バスとしては異例だと思う。先の「EVバス意識調査」の事業者には名古屋市営バスは連なっていないが、テキストには現行車両の良し悪しや今後の希望についての発言がなかったけれど、避けられない低公害車の導入は、どういう方向を目指すのだろうか。トヨタのおひざ元に近いから、「SORA」の可能性も、あるのだろうか?
乗車ルポは〔栄758〕と〔高速1〕。〔高速1〕は、過去には専用仕様のエアロスターがあり、77号では写真もあるが、そういう車両は、もう入れないのだろうか。
名古屋市営バスはインフォメーションが比較的充実している所が、バスラマ誌創刊当初から評価されているが、個人的には、各系統毎の営業係数が公表されているのが評価されると思う。一時期のような、全国的な公営バスの民営化の流れは一段落したようだが(民営側の体力も落ちているし)、「なぜ公営でなければならないのか」の説明は、今後も名古屋市に限らず、公営バス全てで求められる、と思うので。2020(H2)年度の影響係数は、確かに黒字が〔幹藤丘1〕〔平針11〕〔中村13〕の3系統だけになった。営業係数が300を超えた系統は4→13に増加し、特に〔港巡回〕は169→306、〔瑞穂巡回〕は198→314と、急激に悪化しました。最も悪かったのは〔中巡回〕(492)で、〔志多味巡回〕(445)と共に、営業係数が500に近づく大幅な赤字になっています。とはいえ、今後の名古屋市営バスは、是非アフターコロナにおける、日本の公営バスのリーダーの先頭に立って(東京都はやや特殊だし、大阪市は民営になってしまったから)、頑張って欲しいと思います。
(上の画像は、一昨日8日に名鉄堀田駅の近くで撮りました)
低公害車の系譜をたどる
第2回はトヨタコースター、日デの試作車、NZのタービンEV、三菱ふそうの歴代ノンステップハイブリッド。日デのモーターショー出展車は3ドア車でもあって、市販まで漕ぎつけられたら、どういう反応になったのか。なぜ市販に至らなかったのかは、記載がなかった。
三菱ふそうは、今現在走っているのはどの程度?(両備バスの「SOLARVE」はまだ走っているようだ)
次号はいよいよ現在のハイブリッドの本命、日野ブルーリボンシリーズ、となるのだろうか。
「あの頃のバス」に、「黒白」行の産交バスがある!私は10年ちょっと前に乗って、終点の写真を本体の産交バスTOPページで公開しています。沿線は棚田が多かった。黒白の地名はそれよりも前に知っていたが、残念ながら地名の由来は、解らずじまいのままです(現在は産交バスとしては廃線になり、球磨村のコミュニティバスが入っているが、土休日は運休)。
さて次号だが、コロナ禍以上にウクライナ危機が一大事になってしまった。燃料代が世界的に高騰しているので、特に欧州の公共交通の現状が少しでも解る記事があるといいです。事業者訪問の東洋バス(千葉県)は、ちょっと楽しみです。割と(少なくとも路線バスでは)地味な事業者だが、それだけに小規模な事業者はバス業界全体の課題にどう向き合おうとしてるのか、という点で興味が持たれます。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
ANAは8日、新LCC「エアージャパン」の就航を発表しました。会社自体は既にあって、ANA便の一部受託(一部は共同運航)を行っていて、これを長距離路線中心のLCCに生まれ変わらせる、という事でしょうか。デザインは、現行のANAトリトンブルーより濃いブルーで、ピンクの「R J」の2文字はいいアクセントになっていると感じます。先行するZIP AIRや海外勢に、どこまで立ち向かえるか。しかしそれ以前に、2023(R5)年度下半期という就航時期までの約2年、コロナ禍とウクライナ危機が、まだ世界全体に暗い影を落としている、という事になっていなければ、良いのだが。国際線LCCは観光利用が中心になるので、特にこういう不安定要因は弱いはずだから。
《今日のニュースから》
6日 漫画家水木 しげる生誕100年 境港市で記念祭
7日 東京株式市場 終値25,221円 今年最安値
8日 SNS誹謗中傷対策強化 刑法改正案閣議決定
9日 龍ヶ崎市官製談合事件 元副市長に有罪判決
10日 「ふるさと納税」泉佐野市への交付税大幅減は違法 大阪地裁判決
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