№2446 バスラマインターナショナル189(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル189」、昨年末に刊行になったが、少々遅くなってしまいました。
 表紙は京福バスの一般路線車と貸切車、それに「バステクin首都圏」。京福バスは、一般路線車は、近年の新車は皆中型だろうと勝手に思い込んでいたがそうでもなくて、長尺車の新車導入があるとは知らなかった。

 関東バスがアストロメガを導入したが、今のところ、アストロメガの大半は夜行バスへの導入で、むろん昼行路線への導入も若干あるが、当初私が期待した、比較的短距離の路線で高需要、具体的には東京~鹿島とか、あるいは空港バスなどへの導入はほぼ見られないようです。この辺が一番効果的だと思うのだが(現状はそんな状況ではないだろうが)。関東バス〔やまと号〕は新宿~五条系統が運行を再開し、奈良~天理間は連絡バスが運行されているそうだが、イメージ的には逆なのではないか?と思いました。奈良発着の方が利用が多いはずと思っていたので。

100年に一度のエネルギー変革は 商用EVから始まる!
 EVモーターズ・ジャパンのCEO,佐藤 裕之氏の寄稿。今回は後編。
 前回、あるいは過去に書いた事の繰り返しになってしまうが、バスへの供給体制とか言う以前に、電力がキチンと、必要になる分だけ確保できる体制を作れるのか?そこが問題だと思う。日本だけでなく、欧州などでも去年の後半あたりからエネルギー不足が深刻になり、一部の国は石炭火力に回帰するとして大問題になっている事があらわになった。今年に入ってからも、EUは原子力発電をクリーンエネルギーとして認証する(積極的に活用せよ、という事だろうか?)としたが、これにドイツの新政権(特に「緑の党」)が反対するなど、混乱が見られます。まずこれをどうにかしなければならないが、どうも「何から電力を生み出すのか」という部分だけで、世界的に議論が止まっているように思える。エネルギーの消費そのものを抑え込む、という発想が見られない。そこで、EVバスの出番だ、という趣旨なのかもしれない。
 ここで私の考え方を記させていただくと、ここでは先に小型の、コミュニティバスなどからEV化を進め、やがて大型へ、というステップを想定しているようだが、去年、平和交通のBYDのEVに乗った時に思った事なのだけれど(№2425でも書いた事の繰り返しになるが)、それよりも駅と団地を結ぶ、比較的便数が多い路線で、1路線でも2路線でも(予備車両まで含めて)初発から最終まで全便をEVバス(この際海外製でもいいから)で固定して運行する、というのが、次のステップとして考えられるべきではないか。あるいはそこから、EV普及のための別の課題が見えてくるかも知れない。今のところはどのEV、どの事業者も「目玉商品的」な扱いに見えるが、それこそ、そこから次のフェーズに進むべきと思う。EV化でも、あるいはそこから公共交通そのものの地位を高めるためにも、利用者への訴求効果を高める必要がありますので。
 あとは既存の国内メーカーの反応・態度がどうか、でしょうか。日野ポンチョZ EVが間もなくデビューすると思われるが、そこから先は、水素バスやハイブリッドバスもあるので、どう発展していくのか。

バス事業者訪問 234 京福バス
 京福バスは初めてだったか。約10年前、2011(H23)年9月の127号では福井鉄道が取り上げられていて、そこで少しだけ、京福バスについても紹介されていた。エリアの棲み分けははっきりしていて、福井市中心部から北部が京福バス、南と嶺南が福井鉄道。
 輸送人員の推移は3年おきになっているが、路線は、1996(H8)年が8,641千人、2002(H14)年が7,306千人(旧京福電鉄の電車が長期不通になっていた影響だろう)、そこから確かに減少傾向にはあるが、一昨年2020(R2)年が一気に3,000千人を割ってしまっている。高速も、2017(R9)年が65千人が、13分の一のわずか5千人。貸切も半分以下。いかにコロナ禍が大打撃になったかが解るが、県庁所在地を地盤としてある程度路線があり、一方で高速バスが経営を支えている、という事業者が、ひょっとしたら一番堪えるのかも知れない。
 一乗谷は、一昨年の「麒麟が来る」で出てきたけれど、「大都会」みたいな賑わいが描かれていて少々ビックリ、という印象がありました(織田 信長に攻め滅ぼされる事になるが)。JR越美北線に一乗谷駅があるが、何しろ本数が少ないし、駅も、画像を検索して見た感じだと、単線でホームに小屋があるだけの無人駅なので、遠い昔の栄華、みたいなものは思い浮かばなかった。
 ICカードは、最近は「Visaタッチ」の導入が多いようだ(横浜市営でも入っているし)。ただ、当然クレジットカードのひも付きが必要、しかもマスターやJCBなど他ブランドでは当然利用できないので、地方だとどこまで普及するか。
 高速バスは、特に東京線は、去年の最初の緊急事態宣言発出時から、2年近く運休が続いている。今現在は東京と福井をダイレクトに結ぶ列車もなく、便利な高速バスのはずなのだが。
 この観点で行くと、今回一切文言がなかったが、再来年に予想される北陸新幹線の敦賀延伸は、京福バス、に限らず福井の交通に大きな影響を与えるはずだ。特に高速バス。新幹線が開通すると東京へは乗り換えなしになるが、逆に京都・大阪や名古屋へは、敦賀乗り換えとなる事が予想される(北陸本線が第3セクターに転換されるので)。まずはコロナ禍終息を待つしかないが、新幹線開業後は、福井鉄道も交えて、高速バスの再編成が予想される。一般路線バスの営業(特に観光面)にも影響を与えるはずで、どのような戦略を描くのだろうか。

低公害車の系譜をたどる

相鉄バス 三菱ふそうKL-MP337M.jpg
 第1回はハイブリッドバス、昭和40年代の黎明期から、20世紀の終わりまで。
 まず、バスに限らず、路上の交通機関で「ハイブリッド」という発想は、いつ生まれたのだろう?海外はどうだったのだろうか。
 初代のハイブリッド車はメーカーではなく、東京都と、車体メーカーの主導で生まれた、と読めるのが興味深い。一番長くて6年程度の稼働で終わったようだが、やはりこの車両も、どこかでキチンと保存されるべきだった…。
 その後、平成の世になってから本格的にハイブリッド車の開発が進む事になるが、この後の連載でおいおい書かれるはずだが、平成になってから20世紀が終わるまでの10年の間で、それ以降のハイブリッドバスの、メーカー毎の命運が決まった気がする。今回一番テキストが割かれていたのが最先発の日野HIMRで、その後ブルーリボンシティ・ハイブリッド、現行のブルーリボン・ハイブリッドと脈々と続いて、事業者によっては一大勢力にまで成長するのに対し、日産ディーゼルはERIPが最初で最後(21世紀にはいると、アドブルーで後処理するディーゼルエンジンで行く事になる)、三菱ふそうはノンステップのエアロスター・ハイブリッドを出すが短命に終わり、いすゞも車内にシステムを配置したエルガ・ハイブリッドを出すが、結局現行は(同じジェイ・バスの)日野と同型、という事になった。経験値の違い、だろうか。
 いずれにしろ、この時代は他にCNG車とかもあり、今にして思えばどの方式が最も低公害で、かつ運用がしやすいか、メーカーも事業者も行政等も手探りだったのか、と思う。この辺、今後の連載で整理されると良いと思います。

 次号は、事業者訪問の社名は予告されていないが、いよいよスタートした、阿佐海岸鉄道のDMVについて詳報されるようです。どのような評価が下されるか(過去の記事から見て、バスラマ誌はあまり高く評価していないように思えるが)。

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《今日のニュースから》 
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