№2452 私鉄名車列伝 151.北九州高速鉄道1000系

 また間が空いてしまったが、「私鉄名車列伝シリーズ」も、12年でようやく6周目が終わる事になります。
 今回は、北九州高速鉄道(北九州モノレール)1000系です。

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 北九州高速鉄道(北九州モノレール)小倉線は1985(S60)年1月9日、小倉(現平和通)~企救丘間に開業した九州初、そして九州本島では現在でも唯一のモノレール・新交通システムである。開業当時から使用されているのが1000系(1000N系)である。

 本格的な都市型のモノレールとしては、東京モノレールに次ぐ2番目の跨座式を採用したが、車輪は軌道上と床面の間に収まり、車内の床面はフラットな構造になった。当初は電機子チョッパ制御を採用、モーターの出力は75kw。最高速度65㎞/h。車体はアルミ製で、クリームとブルーのツートンカラーに着色されている。ワンマン運転対応のためATOを装備しており、ワンハンドルマスコンが供えられているが通常は使用せず、ATO運転用のスイッチによって運転する。

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 車内はオーソドックスなロングシートだが、中央部には仕切り板が設けられている。連結部の貫通路は広く取られ、編成全体で一体感を持たせている。

 開業は1985(S60)年1月9日だが、1981(S56)年3月には、試作要素を持つ第1編成が入線し、試験運転などを行った。その後開業を目前に控えた量産車両が8編成導入され、全9編成が開業を間近に控えた1984(S59)年11月、正式に竣工を迎えた。

 起点の小倉駅は、開業時は国鉄(~JR九州)の駅から離れた場所に位置していたが、JR九州の新駅ビルオープンと共に路線を延伸、駅ビルの中に乗り入れ、利便性が飛躍的に向上した(旧小倉駅は平和通と改称)。この時、1編成を増備して全10編成となった。この編成は、補助電源装置がMG→SIVとなった。当初から車いすスペースを設けており、在来車両も順次設置工事を行った。

 2008(H20)年からは制御装置の更新を開始している。3レベルのIGBTインバータ方式による、1C2M×3群×2ユニット制御となった。運転台直下の台車はT台車となり、4連で実質3M1Tとなった。またATC機器を更新し、ATO機器を廃止した。更新された編成は、記号番号にNを追加、1000N系となった。2016(H28)年10月までに対象の8編成(開業直前に入線)の工事が終了、対象から外れた第1編成は運用を離脱して、車籍を失った。この間、北九州市出身の漫画家・松本零士氏の代表作「銀河鉄道999」など、いくつかのラッピングが施されている。

 現在は1000N系×8・1000系×1の9編成により運行が行われているが、特に1000N系は、更新はされているものの、日本のモノレール車両の最古参で、唯一の昭和生まれとなった。北九州モノレールは3年後の2025(R7)年に開業40周年を迎える事になり、車両の動向が注目される。

【編成】
←小倉方           企救丘方→
 Mc1 1100 - M2 1200 - M1 1300 - Mc1400

 北九州モノレールが開業した時期は、全国各地でもモノレールの建設計画があり、北九州も他に2路線の計画があったらしいが、日の目を見る事はありませんでした。建設費もかかるし、北九州市の人口は、モノレールが開業した時点では既に、1979(S54)年をピークとした減少傾向の真っただ中にありました。2005(H17)年には100万人を割っているし、西鉄北九州線は全線廃止になって久しく、筑豊電気鉄道も年を追うごとに減便が繰り返されているようでは、モノレールの新線を造る余裕は、もはや失われたでしょう。現状の1路線も、このコロナ禍を免れる事は出来ていないはずで、如何に利用者をつなぎとめる事が出来るか、コロナ禍次第だが、数年は試練だと思われます。そろそろ新車も欲しいが、同社の公式Webを閲覧しても、そのような話は今のところないようです。しばらくは現状維持、でしょうか。

 今回の記事は、

「鉄道ピクトリアル 1985年5月臨時増刊号 新車年鑑 1985年版」(鉄道図書刊行会)
「歴史で巡る 鉄道全路線 公営鉄道・私鉄30」(朝日新聞出版)
「私鉄車両編成表」(交通新聞社) 等

を参考にさせて頂きました。しかし、この手のモノレールや新交通システムなどは、意外に車両について書かれ、まとめられた資料が少なく、今回は少々苦労しました。


「私鉄名車列伝」、この数年は少々ペースが落ちているが、このコロナ禍でもあれば、自宅にこもる時間が長くなるので、その時間を少し余分に費やして、もう少したくさんの車両を紹介する記事を書ければと思っています。次回は7周目に入り、再び東日本の大手私鉄になります。まず、京成の(新)3100形を予定しています。

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 今日は京急・京成・東京都・北総で、2月26日(都営は、浅草線以外は3月12日)ダイヤ改正についてのリリースが出ました。これで、東京23区を走るJR・大手私鉄・地下鉄のダイヤ改正の概要が、全て出そろった事になります(京王は具体的にいつとはまだ発表していないが、都営新宿線と同時のはず)。今回は種別の変更が多いが、他社も含めて、やはり減退ムードは隠せません(北総は新鎌ヶ谷以東の増発を行うが)。私鉄・地下鉄については、来月まとめて書く予定です。

《今日のニュースから》 
23日 元ヤクルト・ソフトバンク バレンティン 日本球界引退発表 
24日 東京都 自宅療養者3万1963人 初の3万人超え
25日 IOCバッハ会長 北京入り


 前回の「私鉄名車列伝」は四日市あすなろう鉄道の260系で、去年の4月13日、№2325にアップしました。この時ラストで、「大阪府の感染者数が1,000人を突破して、正直驚き」と記したのだが、昨日は4,803人、今日は8,612人と、「凄まじい」激増ぶりです。東京都は12,813人。去年末は全国で3ケタだったのに、今更ながらウィルスの感染って、こんなに簡単に、爆発的に起きてしまうのか。凄まじすぎて感覚がマヒしそうだ。そういいながら、一部を除いて街中は(マスク姿を除いて)普通に動いているように一見見えるので、よりそう感じるのかも知れない。それにしても日本では、ワクチン接種や病床確保等に対する批判や不満はあっても、全体的には穏やかに推移しているように見えるが、欧米では各種規制やワクチン接種義務化に反対する大規模デモが起きて、ブリュッセルなどでは暴徒化しているとも聞く。やはりカネだけドバドバつぎ込めば解決する問題ではなく、長期間、ロックダウンなどの行動制限が断続的に繰り返される事による人心の荒廃みたいなものが、一部では表面化しつつある、という事ではないか。日本は少なくとも、暴力的な事態で市中が混乱に陥る事だけは、食い止めなければならない。

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