

お気づきの方、多いと思います。この数年で、大手を中心とした私鉄や地下鉄の定期券発売窓口が、かなりのペースで減少しています。
特に大手私鉄の場合、定期券の発売は、旧国鉄のような各駅でその駅から、というのではなく、主要な駅に集約し、その窓口で大半の区間を発売するというのが一般的です。その窓口の閉鎖が、相次いでいるのです。
ここで、関東地方の地下鉄や、大手を中心とした主な私鉄の、定期券発売窓口の現状をまとめてみます。今こうして書いている間にも、閉鎖や営業日・営業時間の短縮を発表している所もあります。(窓口の名称は各事業者で様々・共同使用駅で他社に委託する駅は除いた)
東京メトロ 7時40分~20時00分:赤坂見附・新橋・銀座・日本橋・上野・中野坂上・新宿・霞ケ関(土休日休業)・大手町・池袋(丸ノ内線・有楽町線共あり)・恵比寿・茅場町・高田馬場・飯田橋・浦安・明治神宮前・新御茶ノ水・北千住・綾瀬・小竹向原・豊洲・錦糸町・王子
新橋・日本橋・霞ケ関・新御茶ノ水は2022(R4)年1月22日を持って終了 池袋(丸ノ内線)は2022(R4)年1月23日より土休日は休業
都営地下鉄 8時00分~20時00分:五反田・三田(土休日休業)・日本橋・東日本橋(土休日休業)・浅草橋・日比谷(土休日休業)・神保町(土休日休業)・巣鴨・高島平・新宿・馬喰横山(土休日休業)・大島・一之江・本八幡・上野御徒町・門前仲町(土休日休業)・練馬
京成 7時00分~20時00分:日暮里・京成高砂・京成船橋・八千代台・勝田台・京成成田・京成千葉
東武 7時30分~20時00分:浅草(駅旅行センター)・北千住・草加(12時00分~)・新越谷(12時00分~)・春日部・大宮(12時00分~)・柏・池袋・志木(12時00分~)・川越・坂戸
(伊勢崎線和戸・日光線栗橋以北では、一部の駅の窓口で、原則自駅発着分のみ発売)
西武 平日7時00分~20時00分・土休日10時00分~18時00分:池袋・大泉学園・西武新宿・高田馬場・田無・所沢
京王 7時30分~20時00分:新宿・千歳烏山・調布・高幡不動・京王八王子・京王多摩センター・渋谷・吉祥寺
小田急 6時30分~20時00分:新宿(7時30分~)・成城学園前・新百合ヶ丘・町田(7時30分~)・相模大野・海老名(8時~)・本厚木・秦野・小田原・大和・藤沢
海老名は2022(R4)年2月28日を持って終了
東急(世田谷線除く) 13時00分~20時00分(コロナ禍のため短縮営業中):渋谷・自由が丘・日吉・横浜・三軒茶屋・二子玉川・溝の口・鷺沼・あざみ野・青葉台
京急 8時00分~20時00分:品川・横浜・上大岡・横須賀中央
相鉄 7時00分~20時00分:横浜・二俣川・三ツ境・大和・海老名
りんかい線 7時00分~20時00分:新木場・東京テレポート・品川シーサイド・大井町
つくばエクスプレス 7時00分~20時00分:浅草・北千住・守谷・つくば
北総 7時00分~20時00分:東松戸・新鎌ヶ谷・千葉ニュータウン中央
新京成 7時00分~20時00分:松戸・八柱・北習志野・新津田沼
東葉高速 7時00分~20時00分:北習志野・東葉勝田台
埼玉高速 7時00分~20時00分:鳩ヶ谷・東川口
横浜市営地下鉄 平日10時00分~20時00分:土休日10時00分~17時30分:センター南・新横浜・横浜・上大岡
横浜高速 線内にはない(横浜の東急の窓口に委託)
その事業者にとっては主要と思われる駅でも、案外なかったりします。無論、最近閉鎖された所もあるでしょう。
今年に入ってからここに来るまでにも各社で窓口の閉鎖が相次いでいて、東急では4月を持って、武蔵小杉・長津田など一気に6か所が閉鎖されているし、東武でも船橋・上福岡が4月に閉鎖されました。小田急の湘南台も、(上に掲げた如く)先月に閉鎖されたばかりです。
理由ははっきりしていて、いくつかあるが、
1.自動券売機の多機能化 券売機でも定期券(ICも、磁気も)が購入できるようになった。クレジットカードも受け付ける(駅によっては発売時間、クレジットカード受付時間に制限がある所も)。
2.事前予約サービスの普及 例えば東急では、スマホ画面上から必要事項を入力して送信し、QRコードを入手、後日券売機でQRコードをかざし定期券を入手する。通学定期券の場合は通学証明書を駅係員に提示する必要があるが、京王の「定期券らくはやサービス」では、通学証明書の画像ファイルをアップロードすればよい。PASMOのアプリ定期券でも、今月から、通学証明書は電子ファイル形式での送信も可能になり、今後他社でも追従する所が多くなるだろう。
3.そもそも定期券利用者自体の減少 通学定期の場合は、少子化による生徒・学生の減少。通勤も、元々「働き方改革」やオリ・パラ対策で在宅勤務が推奨されていた所へ、コロナ禍でリモートワークが強力に要求されるようになった。いつかコロナ禍が完全に終息したとしても、以前のレベルに戻る事はないだろう。
コロナ禍が決定打となって、対面での発売が敬遠されるようになったという事が、もちろん大きいでしょう。鉄道事業各社も、(定期券以外でも)モバイルの利用を強力に推奨している状況でもあるから。
一方、JRの方は、「定期券発売窓口」というものは存在しないものの、みどりの窓口で定期券も対面の発売をするようになり、状況は私鉄に近づいているかもしれない。自動券売機の多機能化も同じだし、JR東日本は今後、みどりの窓口の大幅な削減を発表しています。みどりの窓口は長距離の特急券や乗車券もあって対面販売もある程度は残さなければならないと思うが、私鉄においては今後、そんな遠くない将来に、「定期券発売窓口は全て廃止します(自動券売機・モバイルに一本化)」という事業者が出てきそうな気がします。新年度・新学期の窓口の前の行列は、過去のものになりつつあるのでしょうか。
ところで、廃止になる(なった)定期券発売窓口だけれど、その後はどのように活用されるべきか。東急では武蔵小杉や長津田の旧定期券発売窓口をシェアオフィスとして活用していて、今後他社も同様の方向に行くのかも知れない。しかし私は、もっと違う利用法を検討して欲しいと思う。だいぶ昔、ちょうど10年前の№422で、バスの案内所について考察していて、同じ駅からなのに事業者によって設置場所がてんでバラバラ、肝心のバスターミナルから遠いのは、何とか解消されなければならない、と書きました。残念ながら10年経ってもそのまんま、という所ばかりなのだが、廃止によって空いた定期券発売窓口(JRだと、みどりの窓口に併設されていた「びゅうプラザ」跡になるか)を活用し、事業者の垣根を超えたバス案内所を、駅の構内に集約する、という事は、できないでしょうか?Webとかも良いのだけれど、現地に着いてからのバスのインフォメーションがどこにあるのか解らない、不備な点があまりにも多いと思う。この点が、欧州とかに比べて劣っていると思われる点で、バスが鉄道のフィーダーサービスも担っている事を思えば、改札を出たすぐ目の前に、ワンストップで情報を得られる情報提供施設が整備される事は、首都圏以外でも是非、必要と思われます。特に観光需要が見込まれる場所だと、アフターコロナでインバウンドが戻ってきた時にも、必要になる機能です。定期券の窓口の縮小は時の流れでもあろうが、インフォメーションの必要性は変わらないはず。この機に、設備の整備の在り方を考えて頂ければ、と思っています。
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東武は今日、「スペーシア」の後継となる新特急車、N100系(6連×4本 24両)を、2023(R5)年より導入すると発表しました。概要はリリースに任せるとして、イメージイラストを見ると、コンパート車と思われる先頭車両は、江戸の工芸品をイメージしたとされる、X字状の窓枠が印象的です。カフェカウンターも置かれるという事です。愛称など、詳細は後日という事。アフターコロナの日光・鬼怒川路を引っ張る存在になって欲しい。
《今日のニュースから》
10日 レギュラーガソリン 1リットル169円 約7年3か月ぶり高値水準
11日 ファイザーワクチン 厚生労働省 3回目接種を国内初承認
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