№2416 ロマンスカーミュージアム ついに行った

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 今年の4月、海老名にオープンした、小田急の「ロマンスカーミュージアム」。
 早いうちにとは思っていたが、新型コロナウィルスの感染の急激な拡大による緊急事態宣言が繰り返されて、なかなか足を運べない日々が続きました(休館していたわけではないが)。
 10月になってとりあえずあれやこれやの制限のほとんどがなくなり、そろそろいいかな、と思って、仕事が休みだった昨日、ようやく足を運びました。
 駆け足になるが、画像中心で一気に行きます。

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 ロマンスカーミュージアムの建物。JR相模線の海老名駅の方からの撮影だが、案外そっけない印象。ミュージアムと書かれているわけでもないし。

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 入り口。

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 現在のミュージアムは事前予約制、なのだけれど、絶対必要、ではなくて、枠(10時00分から15分刻み)に空きがあれば、当日の入館もOK。昨日は普通の平日だったからそんなに混みあう事はないだろ、と思ってフリで行ったのだけれど。
 時間になって、スタッフの案内で入館するが、先に氏名、住所、連絡先などの用紙への記入が求められる。万が一(あってもらいたくないが)「クラスター」が発生してしまったら、追跡のために必要、なのだろう。

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 券売機。大人900円・小児400円・幼児100円。

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 インフォメーションデスクもロマンスカー、特にNSE・3100形を連想させる。

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 ロマンスカーの海老名通過時刻も書かれています(一部は停車)。

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 コンコース。中央部の行列は、シミュレーターの抽選の受付。

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 まず、そのシミュレーター。LSE・7000形。有料(500円)なのだけれど、やはり人気が高くて抽選制になっています。入口左手のモニターに、当選番号が表示されます。
 なお12月1日より、当日先着順に変更になるという事。

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 鉄道ミュージアムの定番、鉄道模型「ジオラマパーク」。特に時刻が決まっているとか、説明のアナウンスとかはなくて、終始淡々と列車が走っているよう。朝→昼→夜→朝と繰り返されていきます。

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 小田急沿線の風景が模されているわけだが、当然ムード本位。これは町田。横浜線が交差するが、よく見ると横浜線(は走らない)は103系!しかも非冷房の低運転台!

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 ロマンスカーだけでなく、通勤車の3000形も走っています。背後は代々木上原にある、「東京ジャーミィ」(トルコにおけるモスク)。

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 相模川、なのか。右側にミュージアムの建物があるのが解るでしょうか。背後の山はケーブルカーがあるから、大山なのか?

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 箱根湯本駅。本当は、小田急が発着するホームは行き止まりだが、ここはスルーします。ドーム状の屋根がキチンと表現されています。

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 スマホのパノラマ撮影機能で撮ってみた、新宿付近。小田急百貨店のライバルのはずの京王百貨店のロゴマークも、キチンと表現されています。小田急百貨店本館は来年9月に閉館、この後はまだ未確定のようだが、この模型も変わる事になるのか?

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 夜景。

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 別室には、小田急そのものの歴史も記されています。2070年代までは、新しく書きこむスペースが用意されています。

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「59」とは、新宿~小田原間で目指した所要時間(現在、土休日の〔スーパーはこね〕で実現、「72」とは、「走る喫茶室」から連なる車内販売の期間(今年3月で終了)、「2」とは、ロマンスカーの由来、2人並んで座れる「ロマンスシート」。

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 下北沢付近の地下複々線の模型も展示。

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 複々線化事業についても展示があります。ロマンスカーで与えたかった「夢」と、下北沢で直面した「現実」のはざまで苦悩もあったのが、平成の小田急だったのではないだろうか。

 1Fへ降りて、いよいよロマンスカーの現物と対面します。

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 …の前に、10号。

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 RSE・20000形。新宿~沼津間直通〔あさぎり〕用。

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 RSEの解説。RSEは結局小田急では短命、平成の間しか走らなかった(3両が富士急に移籍)。

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 先頭側の台車。

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 RSEは先頭車と2階建て車が保存されているが、2階建て車は車内には入れない。デッキ部から撮影。2Fはスーパーシート(JR線内ではグリーン車)。RSEは今の所、小田急では唯一の複数クラス編成。

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 1Fのコンパート。これもデッキから。

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 車内販売のカウンター。「焼酎お湯割り始めました」の貼り紙が楽しい。

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 先頭車。こちらは車内に入れます。

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 ので、先頭部の運転台も撮ってみました。

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 入口の「禁煙車」のプレートも、今となってはどこかレトロ。何より、もう必要もない表示だしね。

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 次に、HiSE・10000形。

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 HiSEの解説。

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 HiSEは連接車で、普段は見る事が出来ない連接部を見る事が出来ます。

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 HiSEはデッキしか立ち入れない。展望室。

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 一般の車内。座席は禁煙車が赤系、喫煙車だと青系だった。昭和の終わりのデビューなのに、リクライニングシートではない。

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 SE・3000形。SEは長らく海老名で保管されていて、イベントなどで公開されていました。
 更新後の正面。

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 原型の正面。

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 SEの解説。狭軌での最高速度を樹立した、小田急のみならず、日本の鉄道における金字塔を打ち立てた名車です。

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〔乙女〕(箱根と御殿場を隔てる峠の名前)のヘッドマークと、原型の前照灯。
 最近の、どこかギラギラした顔つきが目立つ新型車両を見慣れた目には、なぜかホッとさせられるデザインに思えました。若い人には、どう映るだろう?

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〔あさぎり〕時代の、区間表示のサボ。

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 SEも車内への立入はできず、デッキからだけ。今の目で見てしまうと古めかしいというか、質素にも見えてしまうのだが。東武博物館とかでも思ったのだけれど、戻れるのなら、近年の至れり尽くせりの観光列車とかではなく、こういうシンプルな列車で遠くに行きたいなあと思う。SEは平成に入ってもしばらくは走っていたのだから、チャンスはあったのだが、乗る機会を作れぬまま終わったのは、数多い後悔の一つです。

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 車内に入れないので、外側から車内のプレート類を撮影。ブルーリボン賞のプレートが、今とは異なる。

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 NSE・3100形。

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 NSEの解説。

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 NSEもデッキからの撮影。まだリクライニングシートではない。ロマンスカーはリクライニングシートの採用が意外に遅くて、初採用はLSE・7000形だった。その次はRSEになった。

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 昭和のロマンスカー三代。手前からLSE、NSE、SE。
 実はウッカリして、LSEはキチンと撮影していない。車内も見ていない。申し訳ない。また機会を作ってみてみたい。

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 なのでLSEは解説のみになってしまいました。多少意外だが、これまで引退したロマンスカーの中で最長寿は、LSEだ。

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 SEをバックに記念撮影。平日ながら子供が多かった(ベビーカーもそのまま入れる)が、一方で、高齢の方も目立ちました。

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「マチカメ」というのがあって、本来展示されているロマンスカーを見下ろす場所はないのだが、見下ろした環境で記念撮影ができるというサービス。撮影料金そのものは無料だが、ダウンロードは500円の課金が必要(クレジットカード決済)。少々面倒くさそうなので、今回はパス。3月いっぱいまで。

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 改めて、ロマンスカーギャラリーの内部。中も案外質素だなあ、敢えて言ってしまうと殺風景と言えてしまうかも知れない。それは、車両を引き立てるために、敢えてそうしているのかも。

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 キッズロマンスカーパーク。子供向けのお遊び施設。工作のワークショップの他、延期になっていたアスレチックも、緊急事態宣言の終了で先月からオープンになっています。

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 屋上階には、海老名駅の全景を見られるステーションビューテラスがあります。ただ、海老名駅自体が近年橋上駅舎の増築を行っている事もあって、駅に発着する列車はやや見づらいのは、仕方がないか。

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 入り口には、ここにもロマンスカーの通過(停車)時刻の記載があります。

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 ちょうどVSE〔スーパーはこね9号〕が通過して行きます。

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 残念なのは、南側の丹沢は、近年建設のタワマンに完全に隠れてしまっている事。海老名の町自体、武蔵小杉ほどではないにしろ、東も西も、平成の30年の間にえらく変ったよなあ、という印象を強く持ちます(神奈川県で「済みたい街」第2位なのだそう)。だから一部でもロマンスカーが停まるようになったのだろうが。

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 これも定番、ミュージアムショップ。ここはGSEのオレンジでまとめられています。子供向けが多いかなと思うが、探せば大人向けも、少なくないです。
 その左側が、出口。チケットをなくしたりしなければ、当日の再入館は可能。行列はアンケートで、タブレットにポイントペンで入力する方法。お礼にロマンスカーのカードを1枚いただけます。

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 最後に、クラブハウス。喫茶・軽食が楽しめるコーナーです。
(これは入館前に撮影)

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 その内部。

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「走る喫茶室」の写真の展示も。

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「走る喫茶室」とは違ってここではセルフサービスになるのだが、注文時のソーシャルディスタンス2mを守ってもらうための目標が、鉄道の豆知識的で面白い。

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「走る喫茶室」でも人気だったという、クールケーキと日東紅茶のセットを頂きました(クールケーキの中央部はアイスクリーム)。700円。

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 最後に、入場券と、アンケート御礼のカード。入場券のデザインはランダムなのか?私はHiSEでした。お礼のカードは、NSEを選択しました。

 こうして、無意識でもやや駆け足になってしまったのだろうか?(だからLSEをキチンと見なかったのか)ロマンスカーミュージアム訪問は、終わりました。正直なところ、入館の料金900円は、心持ち高い気がしないでもない。東武博物館が210円(IC200円)、東急の電車とバスの博物館も200円だから。お遊びの施設だからよほどの高額でなければ目くじらを立てるほどではないし、展示車両の保守にかかる費用も必要だから(特急車だし)やむを得ないかも知れない、が、できれば6~700円くらいに抑えてもらえれば、コロナ禍終息後には、もっと気軽に足を運べるかも知れない。
 最後に今後のミュージアムを展望すると、まだまだ先の話になるはずだが、10~20年位先には、EXE・30000形やVSE・50000形も展示の対象となるはずで、そのスペースは用意できるだろうか。また、これはアンケートでも簡単にコメントした事だが、ロマンスカーだけが小田急の歴史を支えてきたわけではないので、一般の通勤電車の展示の在り方も、どこかで考えて欲しい。長らく保管されながら解体されてしまった車両もあるらしいが、今は山梨県にあるらしい2200形や、相模大野に保管されている9000形なども、小田急の保存車両として日の目をみる日が来て欲しいと思います。

 それにしても、「ロマンスカー」人気恐るべし。それが、今回の訪問の結論でしょうか。

 ところでたまたま、小田急は昨日、「子育てパートナー宣言」の一環として、来年春よりIC小児運賃を全区間50円均一にすると発表していて、一般にも話題になっています。現在、新宿からロマンスカーミュージアムのある海老名まで、両親と子供2人のファミリーで往復しようとすると、(IC運賃で)3,020円になるが、これが2,212円という事になります。小田急に限らず、既に企画きっぷなどで子供向けを割安に設定している例は少なくないが、ICオンリーとはいえ、普通運賃では、画期的と言えるかも知れません。少子化の進展で子供の利用が少なくなることが十分予想できるので、子供のうちからもっと鉄道に親しんでもらおう、という意図があるかも知れません。もっと遠くの箱根とかならより効果が大きくなるので、マイカーから鉄道への転移も、(環境問題もあるから)期待したい所でしょう。ロマンスカーもより利用しやすくなるし。注目したいと思います。後に続く事業者が現れるだろうか。
(小児用記名PASMOを保有する必要がある。Suicaなど他の全国相互利用ICカードが対象になるかは、現時点では不明)

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 JR東日本の深澤社長は今日の記者会見で、来年春のダイヤ改正で、首都圏も含めた新幹線・在来線で列車の運行本数や編成両数の削減を行うと発表しました(今日現在では、公式なリリースとしては確認できない)。先月の鉄道利用者数がコロナ禍前の比較で、新幹線は54%・在来線は60%に留まっているそう。混雑する時期には臨時列車の運行で対応するという事だが、先月にはJR西日本が減便を行ったばかりだし、大手私鉄でも関東の東急や京急、関西の近鉄や京阪などで減量が行われていて、来春はもっと大規模な減量が各社で行われる事になるかも知れない。JR東日本は加えて、一部路線でのワンマン運転も行われる事になりそうで、みどりの窓口の削減もあるし、鉄道の運行・営業にかかる人手は、大幅に少なくなっていく事になりそう。まずは減量ダイヤがどの程度の規模になるかだが、12月17日と思われる正式なダイヤ改正の発表を前に、各社から予告的なアナウンスがありそう。小田急はどうなる?

 今度は九州新幹線で放火未遂事件がありました。今回は愉快犯・模倣犯的な犯行のように見えるが、どうしたものか。

《今日のニュースから》 
 7日 コロナ感染者 全国で162人確認 1年3か月ぶり死者発表なし
 8日 100人超の飲食会合でコロナ対策実証実験 新潟市
 9日 イプシロン5号機 打ち上げ成功

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