表紙は岩手県交通のエルガ(元神奈中のようだ)と名古屋ガイドウェイバスのBRCハイブリッド、一番上はオリ・パラ輸送のようだが、JR九州バスも来ていたのか。遠くから見に来られれば良かったのに…。
東京2020大会 バス輸送はこうして完了した

ちなみに私の場合は、結局期間中は東京に行く事がなかったから、都内の様子は見なかった。上は7月27日、根岸線電車の車内から見た、横浜スタジアムの前の名阪近鉄バス。この他、江ノ島に行く機会があり、むろんセーリングの会場も無観客だったが、江ノ島海岸の駐車場に観光バスが数台いるのを見かけたりしました(期間中は江ノ島に渡る道路の利用が制限されていたため、江ノ電バスによる無料シャトルバスの運行はあった)。
本来なら夏休み期間だから、貸切バスの動員は大変だったようだが、パラリンピックの場合は、1年延期の間にリフト付き貸切車が増車されたのは、あくまで結果論だがプラスに働いたと言えるのかも知れない。輸送形態について考える時間が増えた、貸切需要の減少で台数を確保できた、という点も。
「暑さ対策で競技時刻が急に変更になった」のは、無観客になったからというのもあるだろう。外野では柔軟さを評価する向きもあったように見えたが、現場はやはり大変だった。
車両の写真の中に、近鉄バスの姿もあるが、リフト付きという事だが、カラーと白色LEDの行先表示から見て、本来は高速車なのだろうか?(通常は空港バスらしい。空港バスも運休が多いからパラリンピックに回せたのだろうか)
輸送に携わった事業者のアンケートもあるが、課題を指摘する声も多かったが、外野から言われていた程の事はなかったという意見もあった。宿泊施設は、それ自体は快適だったが、バスが待機するデポから遠かった、という声が多かったようだ。それよりも、感染が拡大している都内に地方から赴く事の「リスク」が、事業者の内で外で、様々なトラブルになった、というコメントが気になった。首都圏にいては、解らない事か。
総論としては、「一生にあるかないかの国家的輸送に携われたのは誇り」と感じるドライバー・関係者が多かったという事だろうか。何よりだと思う。大規模な開催反対の署名活動やデモも行われた事だし、オリ・パラ開催をネガティブにとらえる人が多くなったのは仕方がない。が、こういう人たちが大会を、プライドを持って支えていた事は、外野の私たちも、忘れてはいけない事ではないか。メディアの報道だけが、全てではない。
100年に一度のエネルギー変革は 商用EVから始まる!
EVモーターズ・ジャパンのCEO,佐藤 裕之氏の寄稿。前後編の前編。
今グラスゴーでCOP26をやっていて、地球温暖化対策について議論されているが(どうも外野の方が目立っているように見えて仕方がないのだが)、ここでは温暖化を含めた環境面よりは、そんな遠くない未来に石油は枯渇してしまうから、今のうちに対策を考えろよ、という観点から記されているように読めます。
EVのコスト面については、トータルではディーゼルエンジンのバスより安上がりになる、としています。現状の日本のEVはディーゼルエンジン車をベースとしているので、コストが割高になってしまうのかも知れない。私は、コスト面に関してはそんなに心配していません。たとえ高くついたとしても、何のかんの言っても日本が世界有数の経済大国である事は間違いなく、コスト増になったとしても、吸収は可能だと考えるから。それよりも、しつこいようだが、バスだけでなく、マイカーもトラックも、路上交通を片っ端から全部EVにしたら、電力の供給そのものが大丈夫なのか?という懸念がぬぐえない。「年鑑バスラマ 2020→2021」の三崎 浩士氏の寄稿でも、太陽光発電の問題点についていくつか指摘していて(特に経年化した太陽光パネルの後始末)、これはどう受け止めるのかと思う。バスそのものだけでなく、交通全体、ひいては生活全体で考える事ではないか。
バス事業者訪問
232 岩手県交通
前回、1999(H11)年の54号で取り上げられていて、22年ぶりという事になります。当時は国際興業グループで、車両はボンネットバス1台を除いて全部いすゞ、銀色とブルーの旧塗装のモノコック車が相当残っていたという状況でした。
路線概要は22年前も今号も高速路線を含んでいるっようだが、ネットワークがだいぶ荒くなった。特に南部、JR東北本線より東側はかなりの空白域が生まれています。盛岡から唯一北東部に延びていた、龍泉洞への路線もなくなっているし、湯田温泉(ほっとゆだ)の路線も、最近全てなくなってしまいました。
輸送人員は、2020(R2)年度はどうしてもコロナ禍の影響を免れず、対前年度比30%以上の大幅な減少になってしまいました。22年前は実写キロと収入の数字はあるが、輸送人員については記載がなくて、比較の使用がない。ただ従業員数は、22年前は約1,200人いたそうで、現在は半分以下。
この22年間で最も大きかったのは、国際興業を離れて、地元資本の国際東北グループになった事だろう。しかし、高速バスの共同運行や、中古車両の導入では、今も国際興業との一定の結びつきはあるのではないかと思われるが、どの程度のものか。
「Iwate Green Pass」は、JR線との乗り換えの機会がある乗客が多い、と言っても、JRの鉄道やIGRではまだ導入がないし、岩手県北自動車は、また別のICカードになってしまった。「IGUCA」と称し、やはりSuicaの機能があるので、「Iwate Green Pass」との相互利用は可能だと思うが(来年春スタート予定。県北は、共通サービスの実現について検討するとしている)、基本的にエリアが分かれているとはいえ、特に盛岡市内では、県北バスとの関係がどうあるべきか、何か考えがあるのだろうか?(文中には一切記載がなかったが)
貸切バスは、22年前は「分社化も検討せざるを得ない」とされていたが、実際には逆で、この2年後に岩手観光バスを統合している。この経緯と、宮城県内に宮城営業所を開設したが、その理由、目的みたいなものも、コメントがあれば良かった。
車両面ではまるっきり傾向が変わり、BYDのEVはもちろん、一般の路線バスも、5メーカーが全部入るようになった。ほとんどが中古導入だが、西工車体が国際興業カラーをまとうなど、考えられなかった事だった。国際興業から以外は、譲渡元はぼかしてある。自社発注のエルガを出して欲しかったです。
「でんでんむし」は、この11月1日から、15→20分間隔に減便になっています。夜行高速バスは〔けせんライナー〕のみ年末年始の運行が予告されているが、一番の柱だろうと思われる盛岡~東京路線は、未だに2便とも運休中。感染者は激減しているが、先のオリ・パラ輸送でも、感染の中心の首都圏を走る事への懸念が地方の人にはあったように読めた(岩手県は感染者が最後まで報告されなかった県だった)し、もう少し様子見、という事だろうか。
親会社となった国際東北についても、いつかどこかで訪問記事が欲しいです。みちのりHDに代表されるように、近年は持ち株会社の元での再編成の例が増えているし、特に国際東北傘下の3社は例外なく厳しいので、経営戦略を知りたい。
バス事業者訪問
233 名古屋ガイドウェイバス
名古屋ガイドウェイバスの現状が報告されるのは、バスラマ誌ではもちろん初めてだし、鉄道趣味誌も含めて、そういう記事は、あっただろうか?
まず利用者数は、確かに去年は26%、というから1/4の大幅な減少だった。15年前のレベルに戻ってしまった事になる。ただその前の2009(H17)年も0.5%の減少になっているが、これは何が原因だったのだろう?
ガイドウェイバスならではの悩みが多々連ねられているが、名古屋ガイドウェイバスは、元々は将来の新交通システムへの意向が想定されていた事もあるし、他の計画があったのかどうかは知らないが、ガイドウェイバスシステムの全国的な展開も想定されていたのではないだろうか。「ディーゼルバスは繋ぎ」という意識もあったのかも知れない。輸送人員等が開業当初の想定の60%に留まっているというのが、誤算だったのかも知れない。
バスと鉄道(軌道)、両方の免許の取得が必要だから、ひょっとしたらドライバーは敬遠してしまうのかと思っていたがその逆で、ガイドウェイバスを運転したいからと、名鉄バス大森営業所を希望する人が多いとか。全国的には他にも「○○を運行できるから△△を志望する」というケースもあるようで、案外、こんなものかと思った。
これを踏まえて、「各交通システムの垣根の弊害が表面化している。法に(無理に)適合させるだけでなく、柔軟な運用も必要だ」という趣旨の、和田編集長の指摘もあります。これは、まもなくDMVがスタートする阿佐海岸鉄道(予定より遅れているが、今日になってDMV技術研究会が開催され、安全性に問題ない事が確認されたとリリース)にも言えるだろう。ガイドウェイバス同様、鉄道と路上交通が両方入る事になるので。一方で、「バスの整備のための税金投入は、マイカー利用者の理解を得られないだろうと思われた」という分析は、愛知という土地柄が出ていると思った。ガイドウェイバスに限った事ではなく、「上」の方の法の問題だけでなく、「下」の方の人々の意識がもう少し変わらないと、なかなか公共交通への転移は進まないだろう(今グラスゴーで議論されている地球温暖化の問題も、そうなのではないかと思うのだが)。
車両は、日野ブルーリボン改造車の1型式のみだが、過去にも4型式しかなかったので(日野ブルーリボン・三菱エアロスター、それぞれリフトあり・なし)、過去の車両を掲載しても良かったのではないか。
国内ニュースの京王バスの新路線(渋谷~新宿~新橋)は、最初に聞いた時は、少々驚きでした。どのような経緯で生まれたのだろうか?(1979(S54)年までの〔橋63〕系統は、都営バスとの相互乗り入れだった)新宿~新橋間の停車場所が少ないし、「インバウンドに配慮して…」という事は、アフターコロナのインバウンドの利用を期待、という事なのか?SORAを使用している事もあるし、どこかでレポートを読みたいです。
次号の事業者訪問は京福バスが予告されていて、北陸新幹線敦賀延伸が迫っているから、そのあたりが語られるのだろうか(なら、福井鉄道とセットの方が良いのではないか?)。
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京成は今日、今年度の設備投資計画を発表しました。そういえば、関東大手では京成だけが、春先に計画の発表をしていませんでした。
総額156億円は、去年は176億円だったそうだから20億円の減少。車両面では3100形2編成の新造(3156Fは既に9月より運用を開始している。3155Fは今月12日から)、京成立石駅付近の連続立体化は、下りの仮線の工事を推進。本線荒川橋梁の架け替えは、来年の工事の着手に向けた準備と、用地の取得を推進する。宗吾参道~公津の杜間で法面補強工事を行う。京成大久保・西登戸両駅は駅舎の耐震補強と補修を行い、千葉中央駅はリニューアル工事を実施。菅野駅のバリアフリー工事は今年度で完成。全体的に地味という感はあるし、ホームドアに関しては、今年度は整備は行われないのか。また去年の6月に北総編成で台車が亀裂を起こしたという事態が起きたが、その辺の対策も、今年度は盛り込まれていない。運輸安全委員会の事故調査がまだ行われている(まだ相当かかりそう。少なくとも今年中には終わらない)段階では、どこをどうすれば良いのか、見極められないだろう。
《今日のニュースから》
3日 「飛鳥2」茨城港に寄港 大型クルーズ船は2年ぶり
4日 「ハンプ」実証実験 茨城県つくば市で開始
「ハンプ」は、春先の八街の事故を踏まえて、通学路の速度抑制の効果を見るために設置されているものだが、古い鉄道ファンだと、貨物の操車場にあった、貨車の仕分けのための仕組みを連想するのではないか?
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