№2423 JTB時刻表 2021年12月号(JTBパブリッシング)

 前回書いたとおり、23日の晩から山陰の旅に出かけていて、先ほど帰ってきたばかりです。来月書くが、帰り道にスマホのニュースアプリを開いたら、バス停に乗用車が突っ込んで、死傷者が出たとあってびっくりしました。私の自宅から、そんなに遠くない場所です。これもまたいつか書くかも知れないが、最近この手の事故が多発しています。事故の背景も見極めなければならないが、クルマに頼る生活は、私たち自身が進んで変えなければならない、上からの押し付けじゃなくて。環境だけでなく、いろいろな面で。そう思えてならないです。
 帰りの飛行機から見下ろした東京の夜景、はっきり目が眩みました。

「2021年」としては最後となる「JTB時刻表2021年12月号」、先週発売になりました。

「のりもの情報局」は、「広島電鉄 神戸市電車両広島電鉄移籍50周年企画 リバイバルKOBE」開催中」「えちごトキめき鉄道 鉄道開業150周年記念 ホリデーツアーパス発売中」「青い森鉄道 青い森鉄道でGO!GO!縄文キャンペーン実施中」「大阪モノレール 鉄道むすめ『豊川まどか』記念乗車券発売」。
 広電の旧神戸市電は582号車と1156号車が該当し、1156号車は広告ラッピングが施されているが、582号車は神戸市当時のカラーをそのまま残しています。582号車は1960(S35)年製でもう61年経つが、広電時代が圧倒的に長くなってしまいました。
 今号では、カレンダー「新幹線2022」のプレゼントがあります。

観光列車セレクション

キハ48形 花嫁のれん.jpg
 最近はやりの「観光列車」。「車窓も食もごちそう!」のサブタイトルの通り、食事と一体になった列車が取り上げられています。
 そういえば、去年まではJR・私鉄を問わなければ、毎年少なくとも日本のどこかに1編成は、この手の「観光列車」がデビューしていたと思うのだが、今年はついに、新規デビューがありませんでした。コロナ禍の影響である事は今さら言うまでもなく、「不要不急」の外出の自粛が強く叫ばれるご時世では、鉄道の各列車でも、一番弱い立場にあるなあと思わされます。
 一般の利用もできて、時刻表にも公示される列車(「花嫁のれん」「ろくもん」等)と、旅行会社等の旅行商品として発売される列車(「或る列車」「52席の至福」等)に大別できます。後者は、JTBの時刻表で書く列車としてはどうなんだろう、という気が、しないでもない。

 以下はあくまで私個人の好みの問題でしかない、事をあらかじめお断りしておくが、正直この手の列車は、張り切って乗りに行きたい、とは思っていない。無論サービスの良い事は評価するが、それを超えた「至れり尽くせり」というのは、少々苦手なので。それに、食事やスイーツが立派過ぎて、どれもこれもかなりの高額。一部を除くと10,000円以上するので、簡単には乗りに行けないと思う。
 むろんこれも、たぶん飛行機やバスではできない、鉄道ならではの試みであって、鉄道人気に一役買うものである事は認めるのだが、何度か書いているけれど、私は、鉄道復権の道は、「トータル的に向上させた車両そのもののアコモデーション」+「α」だと、今でも思っています。前半の各列車は水戸岡 鋭二氏デザインである事が共通しているが、彼の出世作となったJR九州787系〔つばめ〕がそうだった、でしょう?過去には私鉄の特急、小田急ロマンスカーの「走る喫茶室」とか、東武の特急で昔のDRCにあったサロンコーナーとかもそうだったと思います。だから、国鉄・JRの食堂車を筆頭にそれらがどんどんなくなっていく現状は、いろいろ理由があってやむを得ないとしても、やはり寂しいと思う(東武が再来年デビューさせるN100系にはカフェコーナーが設けられるらしいが)。
 どの会社・どの路線でもやれるものではない、だろうが、やはりどこかがもう一度、はっきり言ってしまえば「富裕層向け」の観光列車ではなく、もう少し大衆性を持たせた列車を生み出して欲しいと思う。食事サービスももちろん歓迎するが、それにしたって、「B級グルメ」でいいのではないですか?大阪だったらたこ焼き、香川ならうどん。札幌はもちろんラーメン。日本各地、どこにでもあるものだから。座席はともかく、付帯サービスは、乗車した乗客全てが気軽に利用できるものを、もう一度期待したいです。
 あと、これも以前どこかで書いたが(「36ぷらす3」の時だったっけ)、時刻表に公示される列車、特にJRでは大半が特急になっているのだが、特急というのは有料であれ無料であれ、車両の質も大事だが、とにかく早く目的地に行きたい人のためにあるはずだと思う。大半の観光列車の特急は定期特急に抜かれてしまうが、払う料金は同額なのに、それでいいのかと思う。それに、食事サービスがない列車も含めて、大半がキハ47などの旧式の車両で、中身は良くても「特急」としては?と思う(ここにはないが、近鉄「青の交響曲」もそう)。付帯設備に対する料金が欲しいのなら、特急料金とは違った、別の料金体系を考えるべきではないだろうか。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、東京メトロ半蔵門線の18000系。
 終夜運転の案内は、去年に続いて今年も、今12月号ではナシ。一昨年2019(R元)年の12月号ではあったのだが、今現在では感染者数は大幅に減少してはいるものの、「第6波」の警戒は怠れず、JRの公式リリースにもないから、様子見なのだろう。私は、今シーズンも(私鉄・地下鉄含め)終夜運転はやらない事になるだろうと見ているが、今後のリリースに注目したいと思います。
 終夜運転の記載はないが、初詣や初日の出観賞の列車は記載があります。関東地方では、快速でもE257系の列車が多いです(全車指定席)。

 今号は、私鉄の時刻表もいくつか掲載がありました。伊豆箱根鉄道駿豆線、静岡鉄道、一畑電車、ことでん(高松琴平電気鉄道)3路線全てが掲載されています。
 伊豆箱根鉄道駿豆線は去年の12月号にも掲載がありました。〔踊り子〕は、毎日運転の2往復のみになりました。全車指定席で、駿豆線内でも指定席料金が必要になったから、前後の普通列車の時刻の調整が行われるのかなあと思っていた(去年もそう書いた)のだがそんな事はなく、普通列車が最大25分空いてしまっている所もある。コロナ禍の影響で終電が繰り上がっているが、これも「当分の間運休」、のまま。現状の終電がこのまま固定化される事になると思われるのだが、来年あたりにダイヤ改正をやって、そこで正式な終電の時刻となるのだろうか。
 一日乗車券「旅助け」の案内も書かれているが、スマホアプリ「RYDE PASS」で購入できるようになった事は、記されていない。スマホより、アニメやゲームを描いた特製「旅助け」の方だよ、という若い人も、少なくないだろうけれどねえ。
 静岡鉄道は、コロナ禍の影響で全体的に減便が行われ、日中は10分間隔運転になっていたが、10月10日より一部復便し、日中は8分間隔、最終電車の繰り下げも行われている。ただし、コロナ禍前に運行があった、平日朝ラッシュ時の急行・通勤急行は復活していない(集中による「密」の防止を理由に挙げている)。
 ことでんは、11月27日改正の志度線の時刻が掲載になっている。この路線もコロナ禍の影響で30分間隔に減便されていたが(それ以前は20分間隔だった)、これが24分間隔(平日朝の瓦町~大町間は12分間隔)に復便する。でも24分間隔というのは、中途半端な気がする。いつか20分間隔に戻ってもらいたいが。琴平線は、伏石駅が開業した去年の改正の時刻。
 今後もこのように、定期的に地方ローカル私鉄の時刻の掲載をやって欲しいです。それが、ローカル私鉄の利用の促進にもつながるでしょう。

 この他会社線では、関東の各ライナー列車、白樺湖・北八ヶ岳の観光路線に、一部高速バス。

 冬の「青春18きっぷ」が、今年もあります!発売12月1~31日、利用期間12月10日~1月10日。夏はついに購入・利用する機会がなかったが、冬は買います、使います!

本文

 日南線は台風被害の影響で、青島~志布志間が運休となっている(青島・宮崎~志布志間で代行バスを運行)が、今号では記されていない。〔海幸山幸〕は今月鹿児島中央~宮崎間で運行があり、次の土曜日・27日にも運行があるが(鹿児島中央10:10 → 13:28宮崎13:53 → 16:44鹿児島中央)、これも本文の記載はない。

 ところで、今回行った山陰地方では、〔やくも5・9・13・17・21・25・29号〕〔やくも4・8・12・16・20・24・28号〕〔スーパーはくと6・9号〕が、コロナ禍の影響で運休になっていました。しかし、時刻表には列車毎の注釈がありません。確かに欄外に「新型コロナウィルス感染症の影響に伴い、一部の列車が運休している場合があります」と記されてはいるが、特に長距離の特急は、運休になってしまうと影響が大だと思う。〔くろしお〕や、東日本の〔成田エクスプレス〕もだが、運休そのものは致し方なしとしても、キチンと列車毎に運休の告知を記しておくべきではないか?JR西日本に限っても、〔はるか〕で取りやめになっている列車は時刻表から抹消されているのに、バランスを欠くのではないか。

 会社線は、京成〔スカイライナー〕が全列車、運行を再開しました。一部列車の青砥停車は、本文では書かれていない(京成の公式WEBでは、下り3~13・21・29・37・45・53・61・69・77号、上り8・16・24・32・40・48・56・64・72~82号が青砥停車)。〔臨時ライナー〕も引き続き運行されているが、記載はない。
 高速バスは相変わらず減便が多いが、東海バスの新宿~三島線は、土休日のみ新宿18時40分発・三島駅8時35分発(大平車庫始発)の運行を再開。夜行便では、年末年始限定で運行を再開するとアナウンスしている路線がいくつかあります。新宿~岡山・倉敷線は2路線が統合して〔ルミナス・マスカット号〕となっていながら「当面の間全便運休」となっているが、11月18日に再開しています。

営業案内
 東北新幹線〔はやぶさ〕〔はやて〕〔やまびこ〕〔なすの〕、上越新幹線〔とき〕〔たにがわ〕、北陸新幹線〔かがやき〕〔はくたか〕〔あさま〕は、11月22日より⑧号車を「新幹線オフィス車両」として運用(土休日・年末年始などの繁忙期を除く)。必要な乗車券等を所持していれば誰でも利用できるが、事前予約は不可。

 これで今年(2021(R3)年)分の発売は終わりました。
(来月に2022年1月号の発売がありますが…。)
 例年通り、今年の更新最終日(12月31日の予定)の一回前、12月29日に、JTB時刻表に見る日本の交通の総まとめを行う予定です。
(年末は変則日程になる予定)
 と言っても今年もまた日本の交通は新型コロナウィルス禍を逃れる事は出来ず、3月の首都圏各鉄道各線の終電一斉繰り上げに代表されるダイヤの減量が全国的に行われるなど、苦しい年が繰り返される事になりました。「オリ・パラ」輸送も、首都圏は無観客開催となったため中止になってしまったし。
 明るい話題を探すのは難しく、明るくないものを含めても、〔踊り子〕の全面E257系置き換えと〔湘南〕運行開始、新幹線シェアオフィス車両設定開始、〔ムーンライトながら〕運行終了、上越新幹線E4系「MAX」引退、日高本線・鵡川~様似間廃止、JR北海道で合計18駅廃止、日南線・アルピコ交通が豪雨災害で長期不通、一方で久大本線・水郡線・上田電鉄が運行再開(くま川鉄道も28日に肥後西村~湯前間が再開)、「ロマンスカーミュージアム」オープン、などはあったが、正直探すのに苦労するなあ、という1年でした。あとは新幹線の車内公衆電話サービス終了、京浜急行バスの夜行バス廃止、とかでしょうか。純粋な新型車両も結局、JR東日本のE131系(3月に房総、11月に相模線)、だけです(京急1890番台は、1000形のバリエーション)。あとこの後の年末になるが、12月25日より、阿佐海岸鉄道のDMVがスタートします。

 来年の日本の交通は…。1年を通して引き続き、コロナ禍を引きずる事は間違いない。去年・今年のような一大事にはならない、と思いたいが。その中で秋には西九州新幹線・武雄温泉~長崎間が開業の予定です。これが来年の交通業界で、最大の話題となるはずです。鹿児島ルートの時と同様、先端部が先行して開業するので、在来線リレー特急で博多方面と接続、となるが、その他の路線も含めて、この機にJR九州の特急はどう変わるか。特に783系の去就が注目されると思います。
 また、10年前の豪雨で長らく不通が続いた、只見線・越後川口~只見間が、来年には運行を再開する予定です。再開区間は福島県が線路・施設を保有する「第3種鉄道事業者」、JR東日本が列車を走らせて営業を行う「第2種鉄道事業者」の「上下分離方式」になります。被災前から利用が極めて少ない区間なので、再開させるからには、JRも、県など自治体も、地元住民も、一体となって只見線を盛り立てていく意気込みが必要でしょう。
 あとは今の所目立った、特に明るい話題は聞こえてこない。JR北海道が既に来春のダイヤ改正の方針を発表、また列車の廃止や特急の減車、駅の廃止ばかりが目立つ(一方でロイズタウン駅新規開業や、名寄高校駅移転開業、H100形追加導入によるローカル列車のスピードアップ、とかもあるのだが)けれど、JR東日本も来春の減量ダイヤが表明されているし、他のJRも、JR以外も、ダイヤがどうなるのか、懸念材料は少なくないです。また、運賃・料金面でも様々動きがありそうです。値上げが多くなりそうだが、小田急の「ICこども運賃50円均一」はどのような評価が下される事になるのだろうか。
 来年一年もまたコロナに振り回される事になろうが、その先の「アフターコロナ」に向けた、明るい燭光が見える年になって欲しいと願います。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 
24日 移民乗船のボート 英仏海峡で転覆 27人死亡確認 
25日 普天間基地辺野古移設の設計変更 沖縄県知事 不承認を国に通知

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