№2375 バスマガジンvol.108 (講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.108」、先月27日発売でした。ただ、他はどうだかわからなかったが、神奈川県下の書店は、店頭に並ぶのが少々遅かったような気がします。
 防長交通のレインボーが表紙。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.108 防長交通

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 防長交通はほとんど利用した記憶がない、というか、山口県自体、この数年、いや十数年訪問の機会がなくて、これではいかんとは思っているが、今の状況では、行くとしても来年、かなあ?
 山口県は中国JRバス、いわくにバス、船木鉄道、宇部市営バスがあるが、基本的に防長交通は県の東側全域をカバー、西側のサンデン交通とエリアを分け合う、という構図になるだろうか。
 元々近鉄の系列ではあるが、中古導入が高速・一般乗合共に近鉄バス色のままだし、タクシー会社の貸切車も、近鉄バスの貸切車に近いデザイン。もう少し独自色があっても、良いのではないか。一般路線の大型の自社導入車は近年はないようで、皆近鉄バスからの中古で賄っているのか。大型車の防長交通独自色も、見てみたい。
 旧山口市営、旧防石鉄道の復刻カラー車があるが、山口市営の1233号車が山口〔営〕ではなく、小郡駐在の在籍というのは意外。今の小郡(新山口)は、今は山口市だが、それ以前は小郡町という、独立した町だった。ただ、旧山口市営も市町境を越境して小郡駅に乗り入れていたので、間違いという事ではないが(市営バス事業廃止時に引き継いだ車両とは、若干デザインが違うようだが)。あとはやはり、一般系統・急行系統の旧塗装復刻車も出して欲しかった。緑系はかろうじて残っているが、急行系統は赤系で、一般系統が青系、だったっけ。いずれも、正面の白い逆台形が印象的でした。
 旧国鉄とはやや確執も見られたようだが、今の中国JRバスや、市営バス廃止後の山口市との関係は良好と思われる。あとは、ここでは名前が挙がらなかったが、サンデン交通との良好な関係の構築だろうか。今は、どのような関係だろうか。エリアが割とはっきり分かれているので、一般路線に関しては敵対的なものはないが、夜行高速バスの大阪線は競合になったので、引きずっていなければ良いとは思う。ICカードの導入はあり得るか。サンデンと同じnimocaか、JR西日本のICOCA、どちらかだろう。
 なお、コロナ禍のため、8月10日より福岡線が運休に入ると、リリースされています。

 防長交通そのものからは若干離れるが、防長交通が山口市営バスから引き継いだ、山口~宇部空港線は2018(H30)年に廃止になっているが、サンデン交通の下関~宇部空港線も、9月いっぱいでの廃止が予告されています。「下関~空港間のアクセスは、バスに代わるものを別途検討中」とはしているが、このままだと、県を代表する空港と、山口・下関の県内2大都市を結ぶ空港バスが、そろってなくなってしまう事になります(バスのアクセスは、宇部市営バスによる新山口行と、一般路線的な宇部中央行のみになる)。下関線の廃止は、コロナ禍による航空需要の減退もあるのだろうが、さすがにまずいのではないだろうか?

移籍バスの行方を追跡
 第5回は都営バス。中古車の流通は一時中断していたが、近年はまた活発になっているらしい。東日本大震災や、福島の豪雨災害関連の譲渡車両が目立つのが、「東京都営」らしいところだろうか。その時々の都政(特に知事)の動向によって、譲渡をする、しないの判断が左右されるところも、また都営らしいかも知れない。
 近年の都営バスはいすゞ・日野が中心になっていたので、譲渡車両もいすゞのエルガ、日野のレインボーがほとんど。一方で日産ディーゼルがない(リストにも記載がない)。それにしても毎度のことながら、良く調べてある。調査手法は、どうなっているのだろう?

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.40 埼玉県 Part 2

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 前回はVol.47で掲載があり、当ブログでも取り上げました。ちなみにこの号ではイーグルバスのポンチョが表紙を飾っていて、会社自体、若干詳しく紹介されていました。
 今回は、秩父鉄道観光バスの名前がないが、熊谷市コミュニティバスからは撤退し、貸切に専念している。グライダー号・ムサシトミヨ号・さくら号を運行していたが、現在は共同バスの運行に代わっている。
 丸建自動車がコロナ禍の影響で経営が破綻した、というのは、一般のニュースになったけれど、丸建つばさ交通としての運行開始は、今年の1月16日。前号の東部でも書いたが、埼玉県は、平成の30年の間の新規事業者の参入が多かったが、出入りも激しいなという印象(神奈川県はフジエクスプレス・大新東・天台観光の参入はあったが、大きな路線の展開はない代わりに、撤退もない)。
 このエリアでは近年、朝日自動車のグループの2社、国際十王交通と川越観光自動車の健闘が目立つ気がします。どちらも画像がないが、国際十王はラグビーW杯を機に新造の大型車が、川越観光はハイブリッド車が導入されています。国際十王の伊勢崎〔営〕の路線が本庄早稲田駅にまで入ってきている所まで、触れて欲しかった。
 西武観光バスは、「あの花」のラッピングバスがあるのならば、放映10周年の今年は、何かイベントに関わったりはしないのだろうか?秩父鉄道は割と大々的にやっているようだし。西武バス「S-tory」新色は、西武観光バスにまでは波及しないのだろうか?
 大河ドラマの臨時バスについては、記載がありました(深谷観光の元都営エルガで、画像は「移籍バスの行方」の方にある)。
(東武バスセントラルは、前号に記載があったが、見落としてしまいました。でも扱いが少々小さかったよね)

鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第34回
 ICカードを中心とした、バスのキャッシュレス決済。
 スマホアプリなどの決済は正直よく解らないのでICカードに絞ってしまうが、ICカードに関しては、同じ地域なのに互換性がないケースがあるという指摘は、その通りだと思う。例として挙げられた水戸(茨城交通「いばっぴ」と関東鉄道のPASMO)、金沢(北陸鉄道の「ICa」と西日本JRバスのPiTaPa)は、エリアが重複している部分が多いのに、互換性が全くない。「いばっぴ」と「ICa」は、JRなどの鉄道も利用できない(ICaは今の所、自社の電車にも導入されていない)。また、長崎バスの「エヌタスTカード」はTポイント(TSUTAYA・ファミリーマート等)と提携したので、長崎県営や長崎電軌が導入したnimocaのポイントサービスとは相容れないと考えたのだろうか。しかしその結果、長崎バスはnimoca等の全国共通カードは受け入れるようになったが逆は不可で、共通だった磁気式「長崎スマートカード」からは逆行する事になってしまった。
 近年のICカードは、単に旅客の利便性の向上だけでなく、導入事業者の経営戦略の一つに組み込まれるようになった事があるのだろう。JR東日本のSuicaもそう。「地域連携ICカード」も、そういう部分があるのではないだろうか(青森や秋田は自社の鉄道への導入がなく、山形も今の所は、地域の利用には向いていない)。しかし、たぶん一度導入してしまうと、数年はシステムを変えられないと思うので(その点実際にはどうかは解らないが)、導入前に各事業者間で、もっとキチンと話し合いはして欲しいと思う。
 単独ではICを導入できないだろうという事業者への支援が必要になるケースも、あるだろうと思う。上で上げた埼玉県も、その一つではないか。広島県のPASPYが、割と小規模の事業者(主にアストラムラインに接続する路線を運行)にも導入されていて、システムや収入の精算などの仕組みはどうなっているか解らないが、参考になるのではないか。
 それと、同じ事業者なのに、ICカードが導入されている路線といない路線が、かなり長期間続いている事業者もある。埼玉県では、国際十王交通は、熊谷〔営〕の路線は導入からかなり経つのに、伊勢崎〔営〕の伊勢崎~本庄路線は未だ導入の気配がない。元々は別々の会社だったからだろうか?しかし群馬県でも、朝日自動車や関越交通がPASMOを導入(関越は、自治体から委託の路線では導入していない路線もある)している上、先の「地域共通カード」が導入されると、いつまでも未導入というわけにはいかなくなるだろう。PASMO事業者でも他に数社あり、特にローカル路線が多いエリアだと導入コストが大変なのかもしれないが、「一社二制度」は、可能な限り廃して欲しいと。
 あとは、ここでは出てこなかった、買い物系ICカードの可能性はどうだろうか。三岐鉄道やくしろバスの一部路線、埼玉県では前号で取り上げられた埼玉観光が、イオンの「WAON」が導入されていたが、北海道では一昨年から、くしろバスに阿寒バス・十勝バスも加えて、一部の多区間運賃路線にも導入されているという(ただし、各事業者公式Webでは確認できなかった)。帯広や釧路は、恐らくJR北海道のKitacaや、札幌市営を中心としたSAPICAの導入は難しい(地域的なメリットがあまりなさそう)と思われるので、買い物客の誘致という点でも、注目できるかもしれない。ただ、鉄道(特にJR)の運行があまり頻繁ではない地域に限られるだろう。その点では、北海道では普及するかもしれない。

短期集中連載 キャメル号 33年の変遷

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 今年の3月15日を持って、運行が終了した、東京~鳥取・米子間の夜行高速バス〔キャメル〕(実際にはコロナ禍の影響で、既に長期間運休していて、再開できずに終わった)。京急バスでは〔ノクターン〕などと同時の廃止で、夜行高速バスブームの先頭を走っていた路線及び事業者だったから、やや衝撃的でもありました。
 車両面では、「現在の常識を真っ先に取り入れていた先進的なバス」と大きな見出しがあるが、既に阪急・西鉄の〔ムーンライト〕が先鞭をつけていたし、京急バスは〔ノクターン〕の先例があったから、その流れに沿ったものと言える。今はなくなってしまったサービスも、少なくないが。
 この路線の大きな意義としては、時には敵対関係にもあった、日ノ丸自動車と日本交通が手を組んだ、という事ではなかっただろうか?「八十年史」にも記されているそうだが、それ以前の両社は、鳥取駅前のバスターミナルも別、砂丘への路線でも競争関係にあったりしたが、〔キャメル〕で雪解けムードになり、その後の広島線〔メリーバード〕などにもつながる事になる。鳥取駅のバスターミナルも統一、砂丘への路線も共同運行になったりしたから、県内のバス事業の構図を変えた、という点でも、〔キャメル〕の功績は大きかった。ただ、「幹事会社」が日ノ丸だとは意外だった。京急だとずっと思っていたので。だから通常の運行の割合は日ノ丸:日交:京急は2:1:1だったそうで、当時のルールからすれば、日ノ丸に一番収入が入る事になったはずです。多客期の増便で調整していたのだろうか。
 今回の車両は日ノ丸と日交の両社で、日ノ丸は終始日野、日交は、当初は三菱ふそうだったが、21世紀になったあたりから、日野に代わった。京急バスに合わせた面もあったそうだが、ただし、鳥取の2社は途中からハイデッカーになり、最後までSHDだった京急バスとは、この点では異なる道を歩む事になった、と言えます。
 現在の東京~鳥取県間の夜行バスは、調べた限りでは、オリオンバスの東京駅鍛冶橋~米子・松江・出雲、WILLERのバスタ新宿~米子・松江・出雲、杉崎観光の池袋サンシャインシティ・YCAT・海老名・秦野~鳥取路線が運行されているようです(倉吉発着はないようだ)。〔キャメル〕は、これら旧ツアー組に後れを取った部分も、あったのだろうか?

終点の情景を求めて
 小湊鐵道の栗又・ごりやくの湯。序盤の日野の大型車は元横浜市営バスで、HMC東京(1枚は撮っておきたかった)を経由しての導入。養老渓谷は、普段は静かなのだろうが、紅葉シーズンはマイカーが多く、定時運転が難しいようだ。今年も、「マイカーなら」という観光客が多いのではないかと思われるし、加えて現在、小湊鐵道の鉄道線が水害の影響で一部不通になっていて、全線の再開は紅葉シーズンに間に合うか、という状況と思われる。バスは大変そうだ。本当は積極的に、公共交通の利用を推進したい所なのだが。

平成初期のバスを振り返る
 士別軌道とは、ずいぶんマイナー?な所が取り上げられました。士別~上士別間は、現在は全国版時刻表の掲載はないが、平日は2路線で10往復(一部デマンド)、土休日は1路線で4往復。前回の東京オリンピックの1964(S39)年の時点では30~60分間隔だったそう。唯一現存するモノコック車は、平日は10月15日までの川南線1往復で、デマンドなので事前予約が必要、土休日は9月14日~10月11日の朝比線1往復になるとの事。各種グッズも販売している。他は過去車両になったが、現状はどうなっているのだろうか。

 前号で「31社の一覧が欲しかった」と書いたつくばEXPOの連節バス、今号に記載がありました。地元茨城の事業者は、入っていなかったんだ。一般車によるシャトルバスに専念していたという事か。貸切専門の事業者が多く、今はなくなった事業者も少なくない。現存する事業者でも、いまはない営業所が目立つ。一般の路線バス事業者ですぐ思いつく所では、関東バスや立川バスが入っていない。この31社でつくばから一番遠いのは、常磐交通と神奈中バス、東武バス(沼田〔営〕)あたりとなるだろうか(箱根登山は、当時存在した東京観光営業所)。神奈中と京成は、後に自社路線で連節バスを運行する事になるが、なにかノウハウは生かされたのだろうか。
 ユニバースのコロナ対策の記事もあったが、とにかくいくらバスを初めとする交通のコロナ対策がしっかりしていても、そもそも「移動はやめてください」「外出は自粛してください」では、交通事業者は、いかんともしがたい…。

 次号は、長電バスと千葉県。業界のウラ話が載る、という事だろうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》 カッコ内は新型コロナウィルス関連
 2日 保育園児死亡事件 福岡県・中間市 保育園に特別監査
(福岡市 高島市長記者会見 全国知事会「ロックダウン」検討要求意見に異議)
 3日 ASEAN・日中韓外相オンライン会議 茂木外相 債権国の規則順守必要性強調
(大阪府 通天閣・太陽の塔 赤色にライトアップ)
 4日 小山田 圭吾氏インタビュー雑誌 発売休止発表
(タイ 感染者2万200人・死者188人 1日では過去最多) 

 次回は土曜日に更新、首都圏交通事業者の、コロナウィルス対策について書きます。日本も同じく、のっぴきならない、事態だねえ…。今日も、関東地方は猛暑でした。ウィルスと熱中症のダブルパンチ、無理に外出しないで、涼しい場所でおとなしく過ごしていた方が、身を護るという点でいいでしょう。交通事業者には大変申し訳ない事だが…。

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