№2254 バスマガジンvol.104(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジンvol.104」、先月末発売になりました。

おじゃまします!バス会社潜入レポート Vol.104 北海道中央バス

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 当然北海道では最大手、全国規模でも大手の一社、だが、意外にも初登場になりました。
 さすがに範囲が広く、本州でいうと都府県の3~4つくらいは楽に入るエリアを走るので、走行風景はバラエティに富んでいる。全体的に、やはり北海道らしい雄大さが出ていると感じます。
 車両面では、何度か、特に札幌市で感じるけれど、大手事業者としては、本州からの移籍車両が結構多くて、バラエティがありますね。趣味的には面白い。北海道らしく長尺車両が主力だが、対照的と言える9m車が相当数入っていたのは、興味深い。
 しかし北海道、特に札幌市も先月からコロナ禍が深刻で、感染者が再び急増、「Go To トラベル」も札幌市は除外されてしまった。高速バスも相変わらず運休便が少なくないし、年末年始に向けて、不安があります。北海道のバスのリーダーとして、乗り越えて欲しいが。
 なお、小樽市の色内営業所は、旧おたもい車庫に移転して、今月からおたもい営業所として再スタートしているそう。地名が「オタモイ」、アイヌ語で「砂浜の入り江」という意味だそうです。

バスで?ゼロヨン大会 in富士川
 スミマセン、「ゼロヨン」の単語の意味、知りませんでした。0m~400mの加速性能を争うもの、らしい。この点、「ベストカー」の別冊から始まっているバスマガジン誌らしい企画だろうか。
 技術的な面はよく解らんが、テキストを読んだ感触では、EVはやはり、市街地を走る普通の路線バスが一番向いているだろう、高速道路を長時間、平均して100km/h以上で走る、貸切バスや高速バスにはどうかなあ、と感じました。この点、「バスラマインターナショナル179」の日野自動車・下 義生代表取締役社長へのインタビューでも、「シティバスにはEVが、大型トラックには燃料電池が向いているような感触がある」というコメントがあって、長距離バスも性能的には、大型トラックに近いものが求められるのだろうから、この「ゼロヨン」の結果は、そのコメントを裏付けているとも、考えられます。

上高地用 セレガハイブリッド 再登録列伝
 前号予告で「転属を繰り返すバスを追う」とあって、どこだろう、どういう事だろうと思っていたのだが、アルピコ交通のセレガハイブリッド、だったか。
 予告にあった「15枚目」のナンバーを付与されている12205号車は、一度東京に行っているが、基本的に新島々〔営〕と長野〔営〕の転属を、毎年繰り返している。他車両も大半がそうで、両営業所を管轄する陸運支局が違うので、こういう事が起きるという事だろう。夏と冬、シーズンが異なる大観光地を両方持つ事業者、ならではだろうか。
 ただ、冬の長野〔営〕移動は白馬を目指すインバウンド対策であるわけだが、今冬は、スキー場自体はどうなるか解らないものの、少なくともインバウンド来訪は、間違いなく期待できない。となると、今冬は、大規模な転属劇は少なくなるのではないか?大半は新島々でおとなしく越冬、だろうか?

移籍バスの行方を追跡
 第3回は国際興業のその1で、北東北の3社。いずれも以前は国際興業グループの有力企業だったが、近年国際東北グループとなり、「国際」の2文字は入っているものの、国際興業との資本的な関係は、もうないようだ。
 とはいえ、今回の3社はいずれも、国際興業からの車両の移籍は、今でも一定数あるようだ。エルガのノンステップ車も、中古流通で出回りつつあるよう。
 少々驚いたのは、旧秋北カラーをまとったキュービックで、元をたどれば江ノ電バス、国際興業では旧塗装を復刻して最後の1台となったが、まさか3度目の奉公をしているとは思わなかった(国際興業9501←江ノ電114→)。「小野沢」の行先からして、能代で見られるようです。
 この車両のように、一般路線車だと過去のカラーに戻すケースもあるようだが、国際興業から離れて久しいのだから、今でも国際興業色を維持する貸切・高速バスも含めて、オリジナルカラーを模索する動きがあっても、良いのではないだろうか。

帰ってきた 路線バス全方位レポート Vol.36 静岡県 Part 2

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 PART2は、伊豆半島を中心に、薩捶峠より東側となるだろうか。
 まず、今回のエリアで最大の都市が富士市、というのは意外だと思った。間違いなく沼津市だろうと思っていたのだが、近年はなだらかな減少傾向で、最近20万人を割り込んだようだ。一方の富士市は、工業地帯を抱えている事もあるだろう。富士宮市が約13万人、三島市が約11万人、御殿場市が約8万8千人、伊東市が約6万8千人、熱海市が約3万6千人、このあたりが、PART2のエリアでは有力な都市、という事になるだろう。静岡・浜松のような図抜けた大都市はなく、中規模の都市が連携しあっている、という構図でしょうか。
 前回(2007(H19)年3月 Vol.22)の時点では、東海バスは分社で、伊豆・南伊豆・西伊豆・沼津登山(後のオレンジシャトル)・中伊豆(後の新東海)に分社になって数年、一方で伊豆箱根グループは、下田の伊豆下田バスがなくなり、新たに伊豆箱根バスが発足して間もない、という頃だった。東海バスは今年になってまた、運行は1社体制に戻っている。富士急モビリティが10月にスタートしたばかり、というのが最新のトピックスだろうか。
 関東地方に近くて、早くから東京からの特急・急行列車が入り込んで、観光地として発達してきた事もあるだろう、小田急資本の東海バスと、西武資本の伊豆箱根バス、関東の資本が強いという印象があります(電車の伊豆急行も東急資本)。
 前回、取り上げるべきと書いた山梨交通は、今回はありました。写真1枚だけであるが。昔は甲府~静岡間の一般長距離路線バスがあったらしいので、その名残だろうか。
 このエリアで考えて欲しいのは、ICカードの導入。東海バスは全く入れていないし、伊豆箱根バスも、このエリアでは、神奈川県の影響が比較的強くなる熱海付近のみ(近年三島〔営〕持ちになったが、車両の運用が区別されたまま)。ここで他にICカードが利用できるのは、富士急行グループの各社と山梨交通、それに御殿場に入る箱根登山バス(Sky Lightの写真があれば良かった)と、県の外の資本の事業者だけ、という事になる(電車も、伊豆箱根鉄道の駿豆線は入っていない)。すでに(入れるなら)PASMOと、JR東海のTOICAの相互利用が始まって久しく、機は熟しているはず。ましてこのコロナ禍で、非接触のICカードが改めて注目されている上、政府が打ち出している、交通事業者向けの感染対策費用補助の条件として、感染症対策も踏まえた利便性の向上も要求されている(このコストも一部補助するという)事もあります。ローカル線中心だと難しいかも知れないが、今回のエリアの外からだと、圧倒的にJRからの乗り換え客が多いはずなので、行楽・観光客の誘致という点でも、この機にぜひ考えて欲しいと思います。
(東海バス「ゆめちゃんバス」は3台ではなく、3種類のラッピングが2台ずつで、合計6台)

鈴木 文彦が斬る!バスのいま 第30回
 再び、コロナ禍におけるバス業界の現状。
「フォトラン」をはじめとするツアーは、参加はした事はないが、バス事業者のSNSなどを開くと、こういう事をやりましたよ、みたいな報告も散見します。「全方位レポート」の東海バスも、10~11月にかけて「バスの車庫めぐり撮影ツアー」を催行し、フェイスブックに乗せています。10月17日は熱海の紅葉ヶ丘車庫と多賀車庫、伊東の萩車庫を巡り、東海バス唯一のガーラミオや、「あまんちゅ!」ラッピング車の撮影、途中小室山レストハウスでの昼食があったりして、多少マニアックかなあとも思ったが、皆さま十分堪能されたとの事でした(悪天候のため、「フォトラン」はやれなかったそう。バス事業者単独ではなく、京成電鉄・成田空港交通・ジェットスター・ジャパンで共催したツアーも見かけました。
 とにかく、11月になった途端、感染者が急増し、「Go To トラベル」どうなんだ?という事になると、ここまで手元にある資源、できる範囲でなんとか頑張ってきた事業者の努力も、水泡に帰する事になるのではないか(東海バスのツアーも、「Go To トラベル」対象だった)と、心配になります。バスの感染対策も、春の「緊急事態宣言」発出の前に、SNSでネガティブがコメントが拡散している事も、悪い印象を与え続けているのではないか。先に久大本線代行バスの高速便を利用した感触だと、バス側に一定の対策があれば、極端に恐れる必要なないと思いますけれどねえ。むしろ、乗客の行動の方に、引っかかる部分が散見されるような気がしました。
 事業者そのものについては、やはり「業界再編成」的なものも、必要になりそうな所が出てきそうな気がする。これは貸切バスだけでなく、路線バスもそう。神奈川県でも、以前深夜バスの減少について書いたが、日中のバスについても、コロナ禍以降、減便が加速しているような感触があります。こうなると、もともとドライバー不足で体力を消耗している事もあったし、1事業者単独でなにもかも解決するのは、不可能だろう。リーダー的な大手事業者でも行政でもどこでもいいが、どこかが音頭を取って、単なる便数の増減だけでない、抜本的な運行形態の再編成に踏み出すべき時ではないだろうか?
「リモートワーク」「巣ごもり」「おうち〇〇」、皆聞こえはいいが、結局それは全て、バス(に限らず交通システム全体)にとっては、マイナス材料でしかない。移動のニーズがあってこその交通システム、なのだから。

終点の情景を求めて
 関越交通の湯の小屋。水上駅前は先日、JRの乗り継ぎの間にちょっとだけ駅前に降りてみたが、バスの姿がありませんでしたねえ。今の水上は定期特急列車もないし、やはり新幹線の上毛高原が玄関口という事に、なるのだろうか?湯の小屋は通学客も少なくなっているそうで、そうなると、穴場として(伊香保ほどの賑わいにはならんだろうし、コロナ禍の時代にはいいのかも?)、観光客の来訪に期待をかける、という事になるのだろうか。

 次号の潜入レポートは関東バス。ここもコロナ禍で全社的にバスの便数が減少傾向にあり、かなり遅くまで深夜バスがあったりするのだが、JRなどの終電の繰り上げで、どうなっていくのだろうか。全方位レポートの福井県は、新幹線延伸には期待がかかるだろうが、開通の延期が発表になっていて、影響はどの程度出るだろうか。年末年始も、高速バスの運休が続いたりして、雰囲気は良くありません。何とか明るい話題が欲しい。バスに限らないが。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 江ノ電からは、年末年始の運行のリリースが出ました。今年度は終夜運転を行わず、藤沢~江ノ島間・極楽寺~鎌倉間の上下で、初電を繰り上げるのみ。
 また東葉高速鉄道からは、来春ダイヤ改正時の、最終電車の繰り上げのリリースが出ています。平日の西船橋→東葉勝田台間を10分程度繰り上げ。

《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
 2日 視覚障害者転落事故発生 東陽町駅ホーム 赤羽国土交通大臣視察
(ニセ確定申告書で持続化給付金詐取容疑 甲府税務署職員逮捕)
 3日 NTTドコモ 月額2,980円 若者向け携帯料金プラン発表
(大阪府吉村知事 「医療非常事態宣言」発出)

 とにかく、感染者数が〇〇県で過去最多、とかいうニュースばかりで、気が重くなって、イヤ…。「緊急事態宣言」再発出だけは、どうか御勘弁。イギリスではワクチン接種、という所にこぎつけそうだが、果たして日本は、いつになるのか。

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