№2242 「コロナ」と「豪雨」の四国~九州 陸海空立体旅行 4.7月豪雨後 由布院のいま
本当はもっと日数が欲しいが、3日目は一気に久大本線を抜けて、福岡へ向かいます。久大本線もかなり久しぶりなのだが、7月豪雨によってまたも手ひどく被災し、この日の時点では由布院を挟む、豊後森~庄内間がバス代行輸送となっていました。1月の豊肥本線と同じで、全区間列車、とはいかなくて残念無念だが、現状を見ておくのも悪くないだろうと、気を取り直して乗り通します。豊後森からは〔ゆふいんの森〕で、一気に博多へ。
10月27日(火)
別府に泊っていたが、一度亀川に寄り道します。亀川は橋上駅舎だが、思いのほか狭い。
亀川駅で購入した、久大本線経由で博多までの乗車券。
JR九州は新型コロナウィルスの影響で、11月から特急の減便が行われています。その予告のお知らせで、大分県関連では〔ソニック〕〔にちりん〕が一部運休。
(亀川駅発着は影響なし)。
3番ホームから望む、鶴見岳と伽藍岳。さすがに、由布岳は見えない。
亀川に寄り道したのは、数少なくなった415系の627M(土休日運休)に、始発から乗り通したかったからなのでした。
亀川駅のホーム。右の787系は、小倉からの〔にちりん3号〕。
車内はロングシート化されていて、座席の地は最近のJR九州らしいデザインだが、何かアンバランス。
亀川発車時点では、思ったほど大した混雑ではなくて、次の別府大学からの乗車が多かった。この列車は当然4連だが、日豊本線は、基本的にはラッシュ時でも815系のワンマン2連が大半で、やはり首都圏などとは事情がかなり違う。
別府湾沿いに、前日八幡浜から着いた港が見える。大阪からの「さんふらわあ」が着いていました。
大分駅。
コンコースの発車案内表示。左の一番上に、これから乗る久大本線庄内行が表示されています。
コロナ禍の今における、KUROからのメッセージ。
久大本線代行バスの時刻表。8月29日に、庄内~向之原間の列車の運行が再開され、時刻が変更になっています。
左が、久大本線庄内行4826D。キハ220-206の単行。右は豊肥本線の犬飼行。
この並びは1月に豊肥本線に乗車した時にもご覧頂いて、あの時の4826Dは由布院行で、キハ200の2連でした。
大分駅のホーム。右の787系は〔にちりん5号〕。
賀来までは大分市内の近郊区間、という感じだが、その先はローカル色が濃くなる。正面に由布岳が見えてきた。
向之原で1823Dと交換。向こうはキハ220の2連。
この先、豪雨の被害から復旧したらしき所が何か所か見られて、鬼瀬先では、50㎞/h制限がかかっている場所もあった。
鉄道は良くても、天神山の近くでは、脇の道路がえぐれて、片側交互通行になっている場所もありました。
庄内に到着。ここまで車内では、庄内からの代行輸送に関する案内は、何もありませんでした。自動放送も、運転士も何も言わない。
庄内駅。古風だけど、最近改築されたのかも知れない。駅員はいない。
代行バスがちょっと驚いた。こんな小型なの?国東観光バス(大分交通系)のエアロミディ。当然、JRの乗車券で乗れます。
車内はこんな感じ。全員座れたけれど。ドライバー席の後ろに代行バスの時刻表が貼ってあるから、専用車として運用しているようだ。
(この車両は、元々ドライバー席の真後ろには座席がない)
基本的には国道を走るが、庄内駅から国道に出る区間が狭隘なので、大型車は入れられないのだろう。でもこのサイズで間に合ってしまうとはねえ。一応列車から通しの観光客の姿も少なくなく、後部ではオバサマ方がこのご時世なのにペチャクチャオシャベリしていたのだけれど(マスクはしていた)。
南由布で、久大本線と踏切で交差する。湯平・南由布の両駅は、駅から離れた、由布市のコミュニティバスのバス停に発着。
由布院の中心部に入って、右手に由布岳を見る。ちなみに由布院は当然由布市最大の町となるが、市役所はここにはない。「平成の大合併」の結果、今の由布市役所の最寄り駅は天神山。由布院に置かれているのは、旧湯布院町役場の湯布院庁舎。
由布院は、バスターミナルに到着します。若干遅れた。
入れ替わるように、庄内行の代行バスが出発しました。日田バス(西鉄色)の中型車だった。
由布院駅は、バスターミナルのすぐ近くです。
代行輸送の案内。
由布院駅構内は、乗車券か入場券があれば入れます。入ってみました。
構内には、両側の区間が被災した結果、身動きが取れなくなった車両が留置されています。〔ゆふいんの森〕の71系4連と、キハ200・220形の10両が取り残されてしまいました。JR九州としては、大幅な戦力ダウン…。
当然しばらくは由布院の外へは走れないはずだが、キハ200-105の編成は、エンジンの空ぶかしを行っていました。メンテナンス?
キハ71系と、由布岳。
豊後森方、列車が走らなくなって久しい線路。
鉄道が走れなくなったので、今の由布院の交通の要衝は、由布バスターミナル。亀の井バスの博多行高速バスが、出発目前。
もっともバスもコロナ禍の影響を免れる事は出来ず、大分空港行など一部の長距離便は運休になっています。一般路線は、亀の井バスの別府行のみ。
由布院で、シンクトゥギャザーのEVによるスローモビリティ「nolc」が走っているそう。時間的に乗車は叶わないが、11時過ぎに駅前に来るようなので、撮影くらいはしたいと思っていたのだが…。
駅前のバス停には、「故障のため運休」と記されていたのでした。
駅前の辻馬車。
由布院は、観光客がとても多かった、と思いました。普通の火曜日、ましてコロナ禍の現状にしては。「Go To トラベル」などもあるだろうが、コロナ禍前、インバウンドの来訪も多かったはずの由布院は、どんな盛況だったのだろう?とか感じました。
豊後森行代行バスの時刻が近づいてきました。〔ゆふいんの森2号〕に接続する、高速道路経由のノンストップ便です。それは次回。
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一昨日、東急から、「事業構造を変革し、サステナブルな鉄道サービスを提供します」と題する、大層なタイトルのリリースが出ました。
コロナ禍の現状では、ラッシュ時間帯と深夜帯の利用が大幅に減少し、今後も完全に回復する事はないだろう、という前提で、今後の運営方針が記されています。利用状況のデータもあるのだけれど、コロナ禍によって、特に今年4月後半~5月前半位は、前年比ー75%の大幅な落ち込み、現在もコロナ禍前より30%位のマイナスで推移している、また深夜帯は、武蔵小杉、溝の口両駅の利用が半分以上の大幅な減少になっていて、確かにこれはちょっと、看過できない状況だろうと思われます。
来春にはほぼ全線規模(元々終電が早いこどもの国線は除く)で、15~30分の終電の繰り上げを実施(具体的な内容は12月中に発表)するが、東急はさらに踏み込んで、運行ダイヤの適正化を図るとしています。この状況では「適正化」=減便と考えて、間違いはないと思う。あるいはダイヤ体系そのものにも手を付けるのか。
ワンマン運転の拡大も検討する、とあり、今の東急でワンマンでないのは東横線、田園都市線、大井町線だけだが、まずは編成が比較的短く、他鉄道会社との直通運転がない大井町線から、となるのだろう。東横線と田園都市線は、コロナ禍の影響でラッシュ時も乗客が減少している今なら可能とも思われるが、(大井町線もだが)運転士を支援するシステムを構築する必要があり、他鉄道との直通があって、他社に協力してもらう必要があるから(特に田園都市線)、少し時間がかかるのではないか。
同時に、今年度の設備投資計画も発表になっています。車両面では2020系を引き続き導入して8500系の置き換えを推進、車内の防犯カメラは、東急所属の鉄道線車両1,247両全てに設置完了、池上駅も橋上化が完了しています。東急新横浜線は2022(R4)年度下期の開業を予定(この前新横浜で陥没があったから、遅れるのではないか?)、合わせて目黒線の8連化に向けた準備を行う(車庫やホームドアの整備)。投資総額250億円は、前年2019(H31~R元)年度が619億円だったそうだから、6割近い大幅な減少になりました(ホームドアや、オリ・パラに向けての集中した整備が終わった事もあるだろうが)。
ついこの間まで田園都市線に6ドア車を連結していたり、「オフピークキャンペーン」を展開して「時差Biz」の臨時特急を走らせたりしていたのに、180度方向が変わってしまった印象があります。どの鉄道も同じような傾向のはずだが、純通勤鉄道の東急が、もっともコロナ禍の影響を受けたと言えるのかも知れません。
また、昨日は京成も、今年度の設備投資計画を発表しました。。車両面では、3100形2編成は既に導入済み、成田空港駅のホームドアの設置も完了、押上線・四ツ木~青砥間の連続立体交差事業を引き続き推進。176億円は、昨年度(227億円)より約2割減少。
これで、関東大手8社の今年度の設備投資計画が全て出そろった事になるが、投資額は(カッコないは前年度比)、
京成 276億円(△51億円)
東武 219億円(△187億円)
西武 198億円(△118億円)
京王 225億円(△72億円)
小田急 265億円(△62億円)
東急 250億円(△369億円)
京急 175億円(△123億円)
相鉄 178億円(△24億円)
となって、程度の差こそあれ、どこも大幅な減少になっています。コロナ禍は目に見えないもので先が見通せず(震災・豪雨災害は悲惨だが、辛く苦しくても、一つ一つ積み上げていけば、いつか先が見てくる)、特に観光・行楽需要は、短期間でのV字回復は間違いなく見込めない(特にインバウンドがいつ還って来るのか全く解らず)ので、この分野への投資は、相当控えざるを得なくなっている。また、通勤需要の減退で、これまで比較的投資が回っていた混雑緩和対策も、一転してほぼ必要のないものになりつつあり、これも投資額の減退につながっています。東急が典型です。
したがって、この先短期的には、立体化の推進やホームドアの整備、バリアフリー対策の推進など、見た目には地味な分野に、少ない投資の大部分が費やされる傾向が続くでしょう。通勤需要が元の水準に戻る事はないとしても、せめて今のこの投資が、数年後、数十年後の首都圏の鉄道輸送にとって、安全で快適な輸送につながって、実りが多かったと言えるものになる事を、期待したいと思います。
JR東日本は、来年春ダイヤ改正時より、〔踊り子〕を全面的にE257系に置き換えると発表しました。また、現在の各ライナー列車に代わるものとして、新しい特急〔湘南〕(〔おだわら〕とかになるかと思っていたけれど)が、東京・新宿~小田原間で運行を開始します。普通車は全車指定席になり、〔ひたち〕〔あずさ〕のような着席サービスが提供される事になります。いよいよ185系の終焉が見えてきました。また、215系はどうなる?この他、総武快速・横須賀線のE235系が、12月21日より営業運転を開始します。今年度は8編成120両を導入。
《今日のニュースから》 カッコ書きは新型コロナウィルス感染関連
11日 東芝 石炭火力発電所建設の新規受注停止
(イギリス 新型コロナの累計死者5万人超 欧州初)
12日 プロ野球楽天 石井一久GM 監督就任を発表
(製薬ベンチャー・IT大手など新会社設立 新型コロナ治療薬開発)
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