№1943 JTB時刻表から見る日本の乗り物 2018年

 今年も残すところ、今日を含めてもあと3日、完全に年末年始モードに入りました。
 今年もJTB時刻表から見た、JRを中心にした日本の交通の1年を振り返ってみようと思います。
 といっても今年も、JRグループに関してはあまり大きな動きはなく、しかも今年は九州で全体的に大幅な列車の減便があり、この所北海道にばかり目が向きがちだった所、九州だって内情は厳しいだろう?と認識させられる事になりました。三江線の廃止も、改めてローカル線の危機が全国規模である事を思い知らされる出来事でした。
 今年の注目はやはり小田急、だったでしょう。念願の複々線化完成に新ロマンスカーのデビューと、小田急に取って転機、となる一年だったと思います。
 今年もまた自然災害の脅威から逃れる事はできず、しかも年を追う毎に、被災の規模が拡大しつつあります。平成の世の内には再開できない路線も。
 JTB時刻表は、12月号になってモデルチェンジがありました。

《2018年の十大ニュース》
 
◆ 小田急新ロマンスカー70000系「GSE」デビュー

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 今年の鉄道界の主役は、ソフト・ハードの両面で小田急でした。
 3月17日改正と同時にデビューした新ロマンスカー70000形「GSE」(Graceful Super Express)は、ロマンスカーとしては2008(H20)年の60000形「MSE」以来、そしてロマンスカーの本来の「売り」の展望室付き、となると、2005(H17)年以来13年振りとなりました。
 最大のセールスポイントは展望室以外も含めた、車内からの展望。天地方向に大きくなった連続窓となり、先頭車は荷物棚を省略して、客室全体から前方の風景を楽しめる様に設計されています。
 また、マップや展望ライブカメラ映像、オリジナル動画と言ったコンテンツを提供する「Romancecar Link」を搭載しています。
 なお、展望室付きロマンスカーでは、5代目にして初めて、一般的なボギー車になりました。VSEのような個室タイプの席はなく、最初から〔ホームウェイ〕運用にも入るなど、VSEと比べてやや汎用的になっています。
 夏に1編成を増備・2編成体制となって、〔はこね〕を中心として活躍を見せています。今後、小田急グループの箱根観光開発への大規模投資プロジェクトの中で、増備というのはあり得るだろうか? 

◆ 小田急線複々線化完成 輸送力増強
 ハード面では、長年の懸案だった下北沢の複々線化が完成、大幅なダイヤ改正を実施し、輸送力の増強が図られました。
 快速急行を増発し、ラッシュ時の通勤急行・通勤準急を整備、千代田線直通を増発した事で、ラッシュピーク時の混雑率が、2016年度192%→2017年度151%へと、劇的に改善されました。
 また、ラッシュ時の所要時間も短縮、町田→新宿の朝方の快速急行は40分弱程度になりました。複々線化工事の前は、急行でも、最も遅い列車で59分掛かっていた所です。
 恩恵はロマンスカーも受ける事になり、休日の〔スーパーはこね〕は、新宿→小田原間の所要時間が、ついに1時間を切りました。小田急が長年目標としていた数値です。朝方上りは〔モーニングウェイ〕と改称、早朝発、新宿8時台着も新規に設定されています。

◆ 「京王ライナー」 運行開始

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 有料の列車にはあまり縁がないように思われていた京王で、2月22日より運行を開始。
 クロス⇔ロング転換座席の5000系を導入、新宿→京王八王子と、新宿→橋本に設定。夕方~夜間の運行だが、土休日にも運行があります。平日・土休日とも、京王八王子行・橋本行を共に5本ずつ運行。
 京王は「ライナー」を行楽輸送でも積極的に活用する方向で、新宿~高尾山口間ノンストップの「Mt.TAKAO号」「高尾山ハイキング号」を運行、今シーズンの終夜運転の「迎光号」も、座席指定のライナーとして運行されます。今後は、朝方の設定があるだろうか。これで、東京都内を走る大手私鉄は全て、何らかの形で有料の列車が走る事になりました。
 この他、西武新宿・拝島線「拝島ライナー」が運行を開始したほか、東急では大井町線急行の編成中1両のみ座席指定となる「Q SEAT」の設定が始まりました。有料座席指定サービスの新しい方向性として注目されます。

◆ 三江線廃止
 島根県の江津と広島県の三次の間、108.1㎞を結んでいた三江線は3月31日の運行を持って廃止となりました。100㎞を越える路線が廃止になるのは北海道以外では初めてで、一般のメディアにも大きく取り上げられる事になりました。
 全通が1975(S50)年8月31日と比較的最近(山陽新幹線博多全通より遅い)で、42年7ヶ月での廃止でした。
 翌日より代行バスが設定されたが、全線通しの便はなく、乗継ぎの便も良くありません。しかも、JTB時刻表6月号では、早くも中間部の路線の時刻の掲載がなくなり、索引地図からも消えました。
 この事は、三江線は地域内で完結する輸送がメインで、地域を越えた利用がほとんどなかった事を意味しています。特急・急行の設定も行われた事がないし、終始不遇だった路線の印象が否めなかったと思います。

◆ JR九州 大幅減量ダイヤ改正
 この数年はJR北海道の動きに注目が集まっていたが、実はJR九州も内情がかなり厳しいだろう事が、今春のダイヤ改正で明らかになりました。
 新幹線・特急・普通いずれも全体的に減便、特に、これまでJR九州を支えていた在来線特急は、運行本数ベースでは8.66%削減、鹿児島本線では〔有明〕〔きらめき〕が大幅に削減され、〔有明〕は平日上り朝方のみとなって実質「ライナー」化、普通列車も幹線・支線関係なく削減され、日豊本線・重岡~延岡間は1.5往復のみとなりました。肥薩線も削減されて、「青春18きっぷ」で九州の南北を移動するのは、かなり困難になってきました。
 普通列車に関してはさすがに行き過ぎもあったようで、7月14日には一部修正があり、来春ダイヤ改正でも復便が行われる区間もあるが、JR九州自ら「見直し」と呼称していた程の、相当厳しい内容になりました。

◆ 「L特急」消滅
「L特急」とは、それまでの1日1~2本程度で運行されていた特急とは異なり、規格ダイヤなどを導入し、フリークエンシーを高めて、気軽に利用出来るようにと名付けられた愛称でした。
 しかし、急行の特急格上げなどがあり、特に民営化以降は「L特急」でなくても、高規格のパターンダイヤを導入している特急がほとんどとなりました。わざわざ違う名称を付ける必要はなくなった、という事でしょう。
 JR東海がらみの〔しなの〕〔ひだ〕〔しらさぎ〕が、最後の「L特急」でした。

◆ 〔旭山動物園号〕運行終了
 2007(H19)年4月より札幌~旭川間で、土休日を中心に運行されていた〔旭山動物園号〕は、183系DCを改造した列車で、旭山動物園へのアクセスとして人気を博していました。
 1両毎に異なるテーマが与えられ、座席の背もたれには動物のキャラクターが描かれ、動物キャラクターとの記念撮影コーナー「ハグハグチェア」がありました。
 183系の老朽化に伴って3月末で運行終了。4月からは定期特急〔ライラック〕1往復を〔ライラック旭山動物園号〕の名称として運行、「ハグハグチェア」はグリーン室を記念撮影スペースに転用する事で設けられています。
 この他、〔オホーツク〕〔大雪〕も7月より編成を変更、国鉄時代の初期型183系は全て消滅しました。

◆ 地震・豪雨・台風相次ぎ 各地で鉄道長期不通
 今年は世界的に異常気象や大災害が相次いだが、日本では6月の大阪の地震に始まり、7月の西日本豪雨、9月の台風に北海道の地震が、殺人的猛暑も交えて、各地に甚大な被害をもたらしました。
 犠牲者も増大し、企業各社の公式Webのトップページの「お悔やみ」の文言も、だんだん長くなっていきました。
 交通に於いて特に被害が甚大だったのは西日本豪雨で、鉄道はJR旅客鉄道4社に第3セクター鉄道なども交えて、一時は合計1,300㎞を越える区間が不通に追い込まれています。鉄道だけでなく、道路も広範囲に被災してバスの運行にも影響を与え、また代行輸送確保のため、特にJRグループの高速バス路線で運休や他社代行などが行われました。
 9月には台風が関西地方を直撃し、関西空港が大きな被害を受けました。船舶の連絡橋衝突の影響で、JR・南海が一時不通になっています。直後には北海道胆振東部地震が発生、震源中心近くのJR線が被災したほか、電力不足による計画運休の可能性も取りざたされました。
 被災区間は徐々に復旧し、特急運行区間については11月23日の高山本線を最後に、全て復旧しました。しかし、芸備線・三次~狩留家間と、筑豊本線・桂川~原田間は、再開が新しい元号の世にまで持ち越される事になります。 

◆ 久大本線・南海高野線 全線運転再開
 一方、昨年の九州北部豪雨で不通になっていた久大本線・光岡~日田間が、7月14日、1年振りに運行を再開しました。
 特急〔ゆふ〕が全列車運行を再開、秋以降小倉経由で迂回運転を行っていた〔ゆふいんの森〕も、久留米経由に復帰しています。
 なお、日田彦山線は復旧のメドが立たず、廃線の危機もささやかれています。
 やはり昨年から不通になっていた南海高野線・高野下~極楽橋間は、3月31日に運行を再開しています。

 東日本大震災・九州北部豪雨など、この10年は毎年と言っても良い程大規模な災害が発生し、日本の鉄道は被災と復旧のいたちごっこに陥ってしまっています。
 今日現在、日本の鉄道で長期不通となっている区間をまとめてみました。
(気仙沼線・大船渡線BRT区間は除いた)

JR北海道 根室本線:東鹿越~新得間 41.5㎞※ 
       日高本線:鵡川~様似間 116.0㎞
JR東日本 常磐線:富岡~浪江間 20.8㎞
        山田線:宮古~釜石間 55.4㎞
        只見線:会津川口~只見間 27.6㎞
JR西日本 芸備線:三次~狩留家間 46.0㎞
JR九州  筑豊本線:桂川~原田間 20.8㎞
       豊肥本線:肥後大津~阿蘇間 27.3㎞
      日田彦山線:添田~夜明間 29.2㎞
大井川鐵道 井川線:閑蔵~井川間 5.0㎞
南阿蘇鉄道 立野~中松間 10.5㎞

※ 実際は東鹿越~上落合(信)間17.4㎞

 果たしてこれらの路線が全て復旧、全鉄道路線が通常に運行されるようになる日は来るのだろうか?と、ため息が出てしまう…。日高本線は、日高門別以東はこのまま廃止、という方向になりそう。

◆ 大阪市営地下鉄民営化

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 公営バスの民営化は各地で相次いでいたけれど、公営地下鉄の民営化は、初のケースとなりました。
(2004(H16)年に民営化された営団地下鉄は、特殊法人だった)。
 新会社の正式な名称は「大阪市高速電気軌道」で、「軌道」とは?という所だが、ほとんどの路線が軌道の特許で敷設されているので、この名前になっています。通常は「OSAKA METRO](大阪メトロ)と呼称します。
 また、市営バスも「大阪シティバス」に移行しています。元々市営バスの一部を受託する形で運行していた関連会社で、大阪メトロの子会社の形になります。
 先日乗る機会があったが、今の所マークが変わったなど以外、大きな変化は感じられないように思えます。プロセスにおいて、政・労のかなり先鋭的な衝突も起きているので、ともかく穏やかな運営が求められます。

◆ その他
○ 新潟駅在来線一部高架化 新幹線⇔〔いなほ〕同一ホーム乗り換えサービス開始
○ 小田急~JR直通特急 〔あさぎり〕→〔ふじさん〕に改称
○ 黒磯駅デッドセクション移設 黒磯~新白河間折返し運転開始
○ JR北海道 キハ40「北海道のめぐみ」運行開始
○ JR東日本:両毛線 あしかがフラワーパーク駅、JR西日本:JR京都線(東海道本線)JR総持寺駅・おおさか東線衣摺加美北駅、あいの風富山鉄道:高岡やぶなみ駅開業
○ JR北海道:根室本線 羽帯駅廃止
○ 叡山電鉄「ひえい」デビュー
○ 小田急ロマンスカーLSE引退
○ 関西電力トロリーバス EVバス転換で廃止
○ 関東自動車 東野交通を吸収合併

《表紙の写真・グラビア 及び特別付録》

 1月号 三江線 式敷駅
● 今、乗っておきたい列車
● 三江線 最後の乗り鉄ガイド

 2月号 中央本線 青柳~茅野間 E353系 新型〔スーパーあずさ〕
● 3月17日(土) JRグループ ダイヤ改正のあらまし

 3月号 北海道新幹線 奥津軽いまべつ~木古内
● 祝★青函トンネル&瀬戸大橋開業30周年!
● 「一本列島」とは何だったのか
特別付録:特急運転系統図&東西ダイヤ改正番付表

 4月号 真岡鐵道 〔SLもおか〕
● 全国おすすめお花見路線♪
● SLに乗って、春の栃木へ出かけよう

 5月号 小田急ロマンスカー・GSE(70000形) 栢山~富水
● 最新列車の ココがスゴイ!
● 姿を見るのが待ち遠しい…! これから登場予定の車両

 6月号 紀勢本線 新鹿~波田須
● 新緑の車窓を求めて-
● この時期乗りたい!北の鉄路

 7月号 大糸線 白馬~信濃森上
● 「青春」のシーズン到来 18きっぷで巡る 今行きたい絶景スポット
● 18きっぷで行ける!レトロ車両・観光列車を楽しむ 乗りまくりモデルコース

 8月号 東海道新幹線 岐阜羽島~米原
● 「ちょい足し」でもっと面白くなる 新幹線旅

 9月号 土讃線 箸蔵~佃 特急〔四国まんなか千年ものがたり〕
● 時刻表的 食欲の秋の過ごし方 ご当地グルメに出会う列車旅
● 愛知の鉄道のココがおもしろい

 10月号 「よん・さん・とお」でデビューした583系 奥羽本線 白沢~陣馬(1989年撮影)
● 「よん・さん・とお」大研究
特別付録:電子書籍 昭和43年10月号時刻表復刻版 無料ダウンロードコード

 11月号 岡山~新倉敷 山陽新幹線500系
● 今こそ!!魅力あふれる西日本へ
 この号から特急以外でも、指定席連結の快速・普通列車や、ライナー列車の形式が表記されるようになりました。

 12月号 東海道本線 大船~倉敷〔湘南ライナー〕
● ココが使える!新しくなった時刻表
「超リニューアル号」と称し、乗車券類のページを特集ページの直後に一本化、索引ページに、旅客列車が経由する短絡線を追記しました。また、路線によっては掲載位置や内容の変更が行われた他、旅館・ホテルのページがなくなりました。営業案内は、本文と同じ色になっています。

《裏表紙の広告》
1月号 東京モノレール おかげさまで20億人
2月号 ダイワロイネットホテル
3月号 ダイワロイネットホテル
4月号 ダイワロイネットホテル
5月号 ダイワロイネットホテル
6月号 ダイワロイネットホテル
7月号 ダイワロイネットホテル
8月号 カゴメ 「つぶより野菜」
9月号 ダイワロイネットホテル
10月号 BS朝日 新・鉄道・絶景の旅
11月号 MAEMUKI KURASHIKI
12月号 スーパーラジコン

《定価》
1~12月号 1,183円(本体1,095円)

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◆ その他 交通以外 今年の主なトピックス
 今年も「社会」「政治」「経済」「国際」「スポーツ」「文化など」に分けて、5つずつ記します。単純に分別できない出来事もあるが、主観で選別しました。ご承知置き下さい。西日本豪雨や台風、北海道の地震は上で挙げたので、ここでは除きました。

社会
● 晴れ着レンタル「はれのひ」経営破綻でトラブル(今月社長に実刑判決)
● 日大アメフト部 危険タックル事件
● オウム真理教元代表ら 全員死刑執行
● 築地市場 豊洲に移転
● 日産自動車ゴーン会長 金融商品取引法違反で逮捕

政治
● 財務省の決裁文書改ざん 前理財局長証人喚問
● 成人年齢 2022年4月から18歳に引き下げ 改正民法成立
● 中央省庁など 障害者雇用水増し発覚
● 沖縄県翁長知事死去 知事選 玉城デニー氏当選
● 「外国人材法案」成立

経済
● CPTPP協定締結・発効(明日) EPA承認
● スルガ銀行不正融資 行政処分
● 携帯電話 料金論争
● 米中「貿易戦争」 高額関税・報復合戦
● ソフトバンク 東証一部上場

国際
● フェイスブック情報漏洩 CEO米議会で証言
● 史上初 米朝首脳会談
● タイ洞窟少年ら閉じ込め 救出作戦で全員救助
● 地球温暖化警告の特別報告書 国連公表
● サウジアラビア人ジャーナリスト 大使館で殺害

スポーツ
● 平昌冬季オリ・パラ開催 羽生結弦 男子フィギュア連覇
● サッカーW杯ロシア大会開催 日本ベスト16・フランスV
● 大坂なおみ 全米オープン優勝 シングル日本人初
● 武豊 JRA通算4000勝達成
● 大谷翔平 MLB新人王

文化
● 是枝裕和監督「万引き家族」 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞
● 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」 世界文化遺産登録
● 安室奈美恵 引退
● ノーベル医学・生理学賞に本庶佑教授 文学賞は発表なし
● 4K・8K 本放送開始

プロ野球日本シリーズ ソフトバンク4-1広島(1引き分け) MVP:甲斐 拓也
日本ダービー優勝馬 ワグネリアン 鞍上:福永 祐一


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● 来年の乗り物はどうなる
 平成から新しい元号の世に変わる(こういう事が解りきっているというのは、昭和→平成の頃を思い返すと、奇妙な感じ)来年は、2016(H28)年の北海道新幹線開業以降やや小康状態、あまり明るい話題がないなあと思っていたJRグループで、久々に大きな動きがあります。3月16日のダイヤ改正と同時に開業する、おおさか東線(新大阪~放出)が、平成最後の鉄道新線になります。また、山田線(宮古~釜石)が7年振りに復旧・同時に三陸鉄道移管で、盛~釜石~宮古~久慈間が一体で運営されるのも、大きな出来事です(3月23日)。この他、中央東線特急のE353系統一と、富士急直通〔富士回遊〕運行開始、ライナー列車の特急格上げも注目点でしょう。私鉄を含めてライナー列車のあり方が多様化しつつあり、来年もこの流れを引き継ぐ事になります。
 一方、石勝線夕張支線が3月一杯で廃止となり、札沼線(北海道医療大学~新十津川)の再来年の廃止の決定(JR北海道が廃止届を提出したけれど、「平成32年」5月7日と書いてあるね…)もあり、さらには北海道以外でもローカル路線の危機が伝えられていて、バスなども含めて、地方交通のあり方が問われ続ける年となるでしょう。
 他に予告されている所では、JR西日本新快速の「A SEAT」導入、西武新特急車「Laview」デビュー、ゆいレールのてだこ浦添延伸(新元号下の最初の鉄道新線となるだろう)、ANAのA380「フライング・ホヌ」(5月24日)にJALのA350就航、ピーチとバニラの統合(バニラとしての運航は10月26日まで)、茨城交通と日立電鉄交通サービスの合併(5月1日・新元号スタートと同時)が挙げられます。
 秋の消費税増税は、運賃・料金体系にどこまで影響を与えるか。ICカード運賃は、関東地方以外にも広がるだろうか。JTB時刻表は1,200~1,220円程度になるのか。
 毎年書いているけれど、来年こそは災害で被災・長期不通に追い込まれる路線が出ないよう祈りたいけれど、災害は世界的に規模が拡大しつつあり、今から覚悟を決めなければならないのか…。
 いずれにしろ、東京オリンピック・パラリンピック開催を翌年に控え、いや、その前にラグビーW杯が開催される2019年、全ての交通事業が量も質も充実が図られる事が、大いに期待されます。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 神戸市は昨日、北神急行電鉄について譲渡(神戸市営地下鉄に組み込み)の可能性があるか、親会社の阪急電鉄との協議を始める事になったと発表しました。高額な運賃による利用の伸び悩みを理由としていて、阪急も協議に応じるという事。1999(H11)年より兵庫県・神戸市からの補助金で運賃が引き下げられているが、それでも新神戸~谷上間は360円(神戸市営地下鉄なら270円)、三宮~谷上間は540円(北神・神戸市合算額から30円引き)と割高なのは事実。ほとんどの区間が六甲を貫くトンネルなので、建設費の減価償却に今なお苦しんでいる、という事でしょう。事の成り行きが注目されます。

《今日のニュースから》
28日 東証大納会 終値20,014円77銭 対前年年末比7年振り値下がり
29日 北方領土墓参り団携帯電話 ロシア裁判所 没収命令


 次回は大晦日、31日に更新を行います。今月の出来事を振り返ります。その後、新年は1月2日に更新予定です。

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