№1907 JTB時刻表2018年10月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2018年10月号」が、先月20日、発売になりました。

「よん・さん・とお」大研究
「よん・さん・とお」とは、1946(S43)年10月1日に行われた国鉄の白紙改正で、鉄道史にもその名が刻まれている、オールドファンにはとても有名なできごとでした。
 寝台電車583系がデビューしたのもこの改正で、なので今号の表紙も、奥羽本線(白沢~陣場)を走る583系が飾っています。ただし1989(H元)の撮影。臨時〔あけぼの〕としての運行で、「よん・さん・とお」の時点では、この区間はまだ電化されていなかったし、〔あけぼの〕もまだありませんでした(1970(S45)年7月1日スタート)。
 私はこの改正をライブで実感していないけれど、後の様々な文献などを読むと、その時点ではかなり高揚感があったものだったのは、間違いないようです。ただ、今現在各鉄道趣味誌でも検証が成されているけれど、「国鉄第3次長期計画」の一環で行われた事で、相当お金を使っているので、後の国鉄財政悪化もあって、やや否定的な論調もあるようです。「戦後史の中の国鉄労使 ~ストライキがあった時代~」の著者、升田嘉夫氏は、「今にして思えば、国鉄最後の陽気なお祭りだった」と、やや厳しいのだが(国鉄はこの直後の「マル生闘争」を機に、財政だけでなく人心まで荒廃する「暗黒の時代」に突入する事になる)。
 全国規模の改良だったが、一番大きかったのはやはり東北本線、特に盛岡以北となろうか。それは私自身、この数年でIGRや青い森全線に乗り、各駅に乗り降りして感じた事でもあります。それだけに現状が第3セクター鉄道にしてはもてあまし気味に映るのは、複雑ではあるのだが。
 この改正で新設になった特急は10あるが、現在も途切れず残っているのは〔にちりん〕〔ひだ〕〔しなの〕のみ(〔ひゅうが〕は一旦途切れている)。寝台特急が6あるのも時代か。

 なお、特別付録として、「よん・さん・とお」の時刻表をダウンロードできる、2次元バーコードが記されています。これを読み取って、「たびのたね」のサイトにアクセス、クーポンコードを入力すると無料でダウンロードできるというもの。実は私も今回ダウンロードしてみました。長らく使っていた「ガラケー」が故障で修理不能となり、これを機についにスマホに乗り換えたもので。半世紀も前の話であれば現代とは簡単に比較はできず、いずれ機会をみてじっくり研究してみたいと思う。一部を除いて、普通列車は幹線区でも極めて少なく、特急・急行偏重なのは明らか。三江線がまだ全通していなかったり、千歳線がルート変更前で、定山渓鉄道直通があったりする。

「のりもの情報局」は、「京王電鉄『京王れーるランドアネックス』10/11オープン」「わたらせ渓谷鐵道・上毛電気鉄道・上信電鉄『頑張るぐんまの中小私鉄フェア2018』開催」「近畿日本鉄道『足湯列車』運行開始」「南海電鉄『さよなら高野山ケーブルカー記念乗車券』発売中」「神戸新交通 六甲ライナー3000形デビュー」「JTBパブリッシング『乗りつぶしログブック』発売中」。
 鉄道模型プレゼントコーナーは、キハ52(-100)形(盛岡色・赤鬼)セット。

黄色のページ
 通常1月号に掲載になる「ひと目でわかる!JR線 電化区間と複線区間」が、グラビア特集と連動して、今号にも掲載になりました(9月1日現在)。
 50年も経ってしまえば「よん・さん・とお」とは比較にもならないが、幹線区はほぼ全線電化され、複線化も進んだが、一方でローカル線は大挙廃止、整備新幹線の並行在来線の分離で、結構スカスカになった所も。

 会社線は、19~21日にツインリンクもてぎで開催される「FIM Moto GP 日本グランプリ」のアクセスとなる、JRバス関東の宇都宮駅東口~ツインリンクもてぎ(TRM)間臨時直行バスの時刻を掲載。運行は20・21日で、20日は5往復、21日は宇都宮駅東口発 13本・TRM発8本。片道500円。事前予約制。なお他に水戸・TXつくば・東京・新宿~TRM間の路線もあるが(別会社が運行)、ここには掲載なし。

本文
 11月3日(土・祝)、川崎駅の工事(東海道線ホーム拡幅)のため、普通電車は東京・橫浜で折返し運転が行われるが、特急〔踊り子〕系と、下り〔サンライズ瀬戸・出雲〕は、品川~横浜間を武蔵小杉経由で運転。
 通常川崎停車の列車は代替で武蔵小杉に停車するが、川崎通過の列車は、武蔵小杉も通過。下りは東京発が繰り上げ。〔サンライズ瀬戸・出雲〕は21時53分発。
(普通も深夜に武蔵小杉経由で運行の列車あり)

 先月号にも掲載されていながら今月初めて見つけたのだが、常磐線で11月18日、臨時〔ときわ98号〕を運転。

勝田16:26 → 17:54上野(⑯番線)
途中停車駅:水戸・友部・石岡・土浦・柏 E657系(全車指定席)

 11月18日は、大洗で「あんこう祭り」が行われる日です。去年(品川乗り入れ増の改正があった直後)からの設定らしい。一昔前ならどうという事はなかったろうが、今は…理由を記す必要は、もうない、ですよね?
(脱線するが、水戸駅からバスで20分近くかかる茨城県庁近くのホテルが、前日17日の宿泊料金をかなり高めに設定しているのが笑った。一週間後の3連休よりも高い。それでももう満室のクラスもあるので、行きたい方、予約は今のうち!)
 関連で、普通436Mも、土浦~松戸間で時刻を変更。

 昨日1日は、会社線、特にバスで変更点が多々あります。
 東野交通は関東自動車に合併。バスの他、那須岳のロープウェイも関東自動車の運営になりました。
 関東自動車では、運賃の改定も行っています。
(JRバス関東・水都西線も運賃改定があるが、宇都宮市内のみで、時刻表掲載区間は変更なし)

 高速バスは、〔ドリーム鳥海〕は羽後交通の単独運行に変更。時刻は変わりなし。
 東急トランセ・瀬戸内運輸の渋谷~今治線は、今治市内の発着地点を、国際ホテルから今治駅前に変更。
 三重交通の京都~伊賀上野線は9月一杯をもって休止。
 なお、中国JRバスの高速路線は、1日から関西方面路線で全便の運行を再開。

 秩父鉄道は、平日の急行〔秩父路〕運行区間を、熊谷~影森間に統一(羽生~熊谷間1往復は普通に代替)。
 ふかや花園駅は20日に開業。「パレオエクスプレス」に対応した施設になるようだが、今改正での停車はなし。

 JR四国バス大栃線は、3往復を美良布折返しに短縮。美良布は「アンパンマンミュージアム前」の一つ手前の停留所、というかかつてのバス駅で、去年訪れました。JR四国バス公式Webで、美良布→ミュージアムの道順を記しています。

 空港バスは、9月1日開業済みの新松戸・松戸~羽田空港線が、今号で掲載になりました。空港行5本・空港発6本(うち新松戸発着は各2本)。松戸新京成バス・京成バス・京浜急行バスの共同運行で、松戸新京成バスは、高速路線初参入です。

 次号は25日発売。グラビア特集が何になるかは記されていない。災害被災路線はどこまで復旧しているか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


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《今日見た・聞いた・思った事》
 昨日の台風24号は、今度は関東地方も無傷とは行きませんでした。前の晩からJR線は全部止まったが、昨日も東海道線などで運転再開が遅れたし、全体的にダイヤが混乱気味だったようでした。私鉄・地下鉄も例外ではなく、特に多摩地域の路線で影響が出たようでした。都営三田線が倒木で一部不通、って、地下線と高架線しかない路線でどうして?と思ったが、高架線より高い位置の樹木が倒れてしまったようです。
 関東地方はまだこの程度で済んで良かったが、東海地方は「平成最大規模」の停電とか言っているし、飯田線や身延線も一部が不通になっています。豊肥線も、大分側で大規模な路盤流出が起きてしまいました(明日の夕方には阿蘇~大分間が全部再開できそうだが)。せっかく30日に全線で再開になるはずだった山陽本線は、先行して再開していた柳井~櫛ヶ浜間がまた不通になってしまいました。今度は一週間程度で回復しそうだが。6月の大阪の地震以来、毎日のように何かしらの災害が起きていて、交通にも悪影響が出て、規模がだんだん拡大してきています。JRだけでもフォローが大変なのに、中小までは正直チェックしきれません…。
 こんな事態は、「よん・さん・とお」の頃にはなかったはず(地方私鉄では南部鉄道などのように、散発的に廃線に追い込まれる所は出てくるが)。「計画運休」云々については検証も行なわれる様だが、基本的には鉄道、ひいては交通事業者側だけではどうにもならない位、災害の規模が大きく、しかも破壊的になっています。これが、今年だけの特異な傾向、としてはもう終わらないだろうという気がしてなりません。「あいつが悪い、こいつが悪い」と罵り合うのはやめて、皆で知恵を絞って対策を考える方向に行くべきだし、根本的には災害を引き起こす要因、特に台風・豪雨を引き起こす異常気象は、何としても止めなければなりません。

《今日のニュースから》
30日 沖縄知事選挙 玉城デニー氏当選
 1日 第四銀行・北越銀行 経営統合
 2日 中日 岩瀬仁紀投手 引退表明

 沖縄の知事選挙は、予想通りの結果になったと思います。ただ、必ずしもワンサイドの勝利でなかった事は、心すべき。根本的には、普天間だけ、沖縄だけ、でなく、日本全体の安全保障、特に「日米安全保障条約」の存在そのもののあり方を論議すべき(普天間もオスプレイも、条約あればこそ、だから)。むしろ、野党の方に問いたい。ホンネとして条約は反対ですか?やむなしですか?ドナルド・トランプは費用負担で不満タラタラらしいが、ならなおさら条約見直しのチャンス、ではないですか?ただ、「日本自らが軍隊を持たない」「米など他の国の軍隊にも頼らない」で、平和で安定した他国との関係を築きたいのなら、何をどうすべきか、そこまで示すべき。

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