№1892 昭和の路線バス オールカラー ララバイ(ネコ・パブリッシング)

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「バスグラフィック外伝」と称し、去年発刊された、昭和のバスを並べた「バスグラフィック」の姉妹誌の第3弾。今回は主に、首都圏の10事業者の、特に昭和の「モノコック」車両がカタログ形式でふんだんに並べられています。

 特に、序盤の都営バスと東急バスが手厚い。共に16ページ。
 都営バスは、白+水色帯の「美濃部カラー」、黄色(ここではマルーンとしているが)+赤帯の「スズキカラー」、白地に緑+グレーの「ナックルカーブ」に分けられている。それと、廃止になった大塚・目黒両営業所と今井支所(今井支所は、前身はトロリーバスの車庫だったはずだ)。ナックルカーブの方が見ている期間が長くなったはずなのだが、やはり都営バスというと、「美濃部カラー」の印象が強いです。先日エルガで復刻したけれど、やはりラッピングでなく、全塗装で本気を出して欲しかった(他のカラーもだが)。
 あとは「グリーンシャトル」初代車両がどこかで出てきたら嬉しかったが(「昭和青春バス紀行」にあるが)。
 東急バスは、車両そのものもだが、新羽営業所の写真が多かったのがウレシイ。このブログをスタートさせた当初に、新羽のバスで通学していた頃の思い出話を書いていたもので。車庫の片隅に廃車車両を置いていたのも、何度も見ました。他所からの車両も多かった。東急は、首都圏では最後まで「サイド板」を使っていたのが特徴で、正面の系統板もだが、本来、ドライバーが交換するものだから手間ヒマかかって面倒なもののはずで、逆に言うと、東急バスは、複数の系統を同じ車両・同じ運用で賄う事がほとんどなかった、という事でしょう。小学生の時の新羽もそうだったのだから。

 その他で言うと、京王は、中型系も大量に導入された現代と違って、長尺の車両、しかも3ドアが目立つのが注目。特に桜ヶ丘〔営〕は、今は確か全部が中型系なので。モノレール開通はるか前で、需要が極めて多かったという事。こちらは、復刻が全塗装なのがウレシイ。
 国際興業はほとんどがモノコックで、このウグイス色だったらやはり「KKK」だろ?とは思うのだが、国際情勢で消さざるを得なかった事情はあるにしろ(悪名高きアメリカの白人至上主義団体の略称と同じなので)、やはり残念。
 東武は、今でも東武バスとして走っている路線の車両がほとんどのようだが、首都圏では珍しい前後扉車が多いのは、やはり長距離路線が主体だったことがあるのか。今の埼玉県の登録番号は「大宮」「所沢」「熊谷」「春日部」「越谷」「川越」と分かれているが、昭和40年台までは全県で「埼」の1文字で通用していたのか?
 京成は、やはり京成車体だよね。同じバス窓でも、他メーカーとは大分違って、車体だけでなく、窓の開口部も「かまぼこ」状だ。一方でリアの行先表示部あたりの形状は、オリジナルの西工ともまた違っている。
 京急は比較的新しく、スケルトンの5Eも見られる。いすゞのナロー車が多かったのも特徴的で、首都圏で大量に導入していたのは、京急ぐらいだったかも知れない(他に相鉄などで見られたが)。
 逆に横浜市はテキストにもあるように大分古く、まだスケルトンが発表になっていない時期だ。北村車体は日デも本牧〔営〕あたりにあったような気がするが、写真はなかった。0-4758の写真の左にある三角屋根は、旧市電の工場ではないか?
(生麦〔営〕は、以前は市電の車庫だった)
 神奈中は、北村車体、「なまず」にモデルチェンジする前のかまぼこ状のモノコックだが、2段サッシ、冷房車とは貴重だ。首都圏では神奈中だけだったはず。方向幕が皆横長で、電動での切替だから、こちらは皆比較的新しいが、「バスカード取扱車」のプレートが懐かしい。となれば、夏場の「ペンギンマーク」(冷房車)も見たかった?

 車両そのものもだが、表示されている行先も、ものによっては興味深い。車庫内の撮影で「回送」が比較的多くなっているものの、それでもなくなってしまった行先も結構見られる。
 全体的には、事業者によって撮影されている車両の年式に差が見られ、とことん古い所と、割と新しい所が混在しているように見えるが、ともあれ、今ほどバス撮影が一般的ではない(ましてデジタルなんて夢のまた夢)だった時代に、これだけの車両の記録が残され、今こうして眺める事ができる、という、ウレシイ1冊であるのは間違いないでしょう。昔のバスをふんだんに見たい向きにはオススメの1冊だと思います。
 今後は、今回発表がない(過去の「バスグラフィック」で取り上げられている所もあるだろうが)西武バスや関東バス、臨港バス、相鉄バスあたりも、いずれかの機会に取り上げられる事を、大いに期待します。
 それにしても、モノコックの路線バス群、もう一度乗りたいよねえ。大半は非冷房車だから、今の感覚では夏場に乗るのはややシンドく感じるかも知れないが。

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「ちびまる子ちゃん」原作のさくらももこ先生が亡くなったと、昨日発表がありました。お悔やみを申し上げますが、53歳って、早すぎます(そういうお歳だったんだ)。静岡鉄道からもお悔やみのリリースがありました。「ちびまる子ちゃん」ラッピング電車、今年の正月に撮りに行きました。運行あと1年延長と、先月リリースがあったばかりだったのだが。

《今日のニュースから》
26日 新宿駅ホームでアルミ缶破裂 女性ケガ
27日 ロヒンギャ迫害問題 国連調査団 ミャンマー軍指令官ら訴追要求
28日 多摩市ビル火災 安藤ハザマ本社家宅捜索


 今月は火・土の週2回更新でやってきて、本来なら今日が今月最後の更新になるが、8月はまだ3日残っていて、最後とするにはやや早い。なので31日金曜日も更新し、「今月のできごと」を振り返ります。その後9月は、週3回(火・木・土)更新に戻す予定。

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