先日の小田急のダイヤ改正では新しい形態の列車がいくつか現れ、千代田線直通でも存分に見られるようになりました。基本的に日中は向ヶ丘遊園折返しの準急が中心、あとはラッシュ時の通勤準急や各駅停車となるが、改正前の多摩線直通に代わり、朝晩には小田原線で神奈川の県央へ直通する急行が設定されるようになりました。
その中でも今回は、土休日ダイヤの早朝のみ設定の「急行取手行」から、終点取手駅の表情を書いてみたいと思います。
直通先の常磐緩行線は、我孫子までは終日運行があるが、さらに取手まで行くのは朝夕のみ。しかも小田急線が始発となる列車は限られ、さらにそれが本厚木から、となると、土休日早朝の急行3本しかありません。
最も早い5時48分発2200(→511K)列車は、JRのE233系2000番台になります。2年前から小田急にも乗り入れるようになったが、JRの通勤電車が大手私鉄を走る、初のケースとなりました。「急行」の2文字が、JRとなると違和感ありあり。「急行 取手」は、JR編成では唯一の組み合わせになります。この編成は海老名滞泊で、一旦伊勢原まで回送して、折り返してきたようです。
(本厚木の引上げ線は、各駅停車の編成でふさがっている)
E233系の側面の表示。
本厚木駅のホームの表示(JR編成入線前)。本厚木駅において「取手」の2文字が表示される事自体は、初めてではない。「急行」となると初めて、という事。
本厚木始発取手行急行3本は、通常はJRと小田急4000形、メトロ(今は16000系のみ)が1本ずつ。
ところが、一番見たかった小田急運用の6時10分発2204(→645E)列車は、なんと撮影日(本厚木駅での画像は全て7月16日 海の日撮影)はメトロ16000系の代走でした(切れかかって見辛いが、運行番号45Eと表示されている)。理由が解らないが、これには少々ガッカリ…。仕方がないけれど。
参考までに、16000系の側面の表示。
取手駅
改めて、取手駅。ここは以前№1474で、小田急多摩線唐木田行の始発駅として取り上げました。今回は逆になります。
(撮影日:8月13日)
常磐線で上野から来ると、茨城県で最初の駅になります。2017(H29)年度の乗車人員が27,741人、だから倍にして1日あたり約55,000人の乗降があると考えられます。南柏より少ないのはやや意外。JR東日本全体で152位。
駅ナンバリングが導入されていて、常磐線快速JJ10、各駅停車はJL32。
本厚木始発・小田急線内急行の直通列車では、取手まで2時間6~10分。
西口には駅ビル「ボックスヒル」が建ちます。駅の北側に位置します。
西口には関東鉄道バスが発着します。一番多いのは江戸川学園行で、日中は平日15分・土休日20分間隔。他に谷田部方面行、医療センター行が発着。取手競輪場へのシャトルバスも運行されます。大半の系統は今年取手(TK)・水海道(MK)両営業所を統合した守谷営業所(MR)の運行になったが、TK・MKの標記が残った車両も相当数あります。ただ、登録番号は皆つくばナンバーになりました。
西口ペデストリアンデッキに掲げられていた、常磐線の東京・品川直通増強を要求する看板。
いやでも、気持ちは解るけれど、全列車ははっきり無理、でしょ?ここに限らないけれど、人のカネであれやれこれやれ、と一方的な要求を掲げるのは、そろそろヤメにした方が良いのでは…。
(カネだけで済むならまだ良いのかも知れんが)
この駅では関東鉄道常総線に接続します。現在、日中は01・16・31・46分出発に統一されているが、全列車単行…。TX開業は、常総線にも多大な影響を与えました。たぶん、JR取手駅にも。
JRの取手駅西口。橋上駅舎状ではあるが、東口とは繋がっていません。
一方、東口はホーム下にあります。こちらは駅の南側。
東口は関東鉄道の他、地元の大利根交通自動車が入ります。北方車庫行が15~20分間隔位。ICカードは利用できないので注意。
他に関東鉄道が井野団地行や竜ヶ崎行など。他にコミュニティバスも発着。
東口は遠隔操作で駅員がいません。「青春18きっぷ」など自動改札を通れない切符の場合は、券売機脇またが精算機のモニターで見せなければ通れません。名鉄の無人駅でよくあるシステムだけれど、この駅は西も東も乗降が少なくないのだから、東口も駅員を常駐させたままで良かったのではないでしょうか?
取手駅の全体は、こんな感じ。北側の陸橋から撮りました(比較的最近開通したらしい)。手前が関東鉄道常総線、真ん中の2面が快速、(見えないが)各駅停車のホームは一番東です。
東西は地下通路で結ばれているが、全体的に回遊性があまり良くない気がします。駅を巡る地形も関係しているのだろうが。
東口の発車案内表示。一番右の「向ヶ丘遊園」が、新鮮。
快速線ホーム。3~5番線の2面4線で、E231系折返しの他、特急待避もあります。こちらは下りホーム5・6番線。
各駅停車は1・2番発着。2番線の成城学園前行E233系2000番台と、向こうは折返しの快速E231系。
もう一つ、E233系で向ヶ丘遊園行の表示。
成城学園前も向ヶ丘遊園も、取手駅(に限らず常磐線、ひいてはJR線内)では3月17日改正で初めて見られるようになった行先だが、「学園」だの「遊園」とは、やはりJR線の列車の行先としては、違和感があります。
小田急4000形が入ってきました。JRE233系とは、兄弟の関係。
小田急4000形は、3年前のダイヤ改正より常磐線に乗り入れるようになりました。大手私鉄の通勤電車がJR線に乗り入れるのも初、また茨城県を走るのも初のケースになっています。3月17日改正時では、取手発着は平日朝夕各2往復、土休日は朝夕各1往復です。
3月改正では千代田線⇔小田急多摩線直通は基本的になくなったが、平日の取手発1本のみ、設定が残っています。取手7時42分発754E→6901列車で、小田急線内も各駅停車。
唐木田行のホームの表示。
各駅停車のホームの時刻表。逆方向で本厚木行というのはないのだが、平日の夕方でさらに遠く、伊勢原まで行く列車があります。
利根川橋梁を渡り、唐木田へ向かう小田急4000形。茨城県内といっても、ほんの数百メートルに過ぎないのだが。
取手駅の北に位置する、取手ウェルネスプラザ。コミュニティバスの結節点でもあります。関東鉄道運行のポンチョが見えます。
利根川橋梁の上流側には、ゴルフ練習場が広がっています。
今回は、利根川を渡る渡船「小堀(おおほり)の渡し」を取り上げたいと思います。本来、利根川の対岸は千葉県我孫子市になるが、飛び地のような感じで、取手市域(小堀・取手(一部))があります。元々は地続きだったが、明治時代の改修工事で利根川のルートが変わり、結果この地域が孤立する形となって、大正になって地元住民による渡船の運航が始まりました。その後取手町→取手市の運営となり、現在に至っています。
(水曜日・年末年始は休み)
常磐緩行線橋梁のすぐ脇の、取手ふれあい桟橋。
小堀の渡しの利用案内書き。ここからは9~16時台の35分に出発(12時台はお休み)。利用料金は大人200円・子供100円。自転車・原付も1台まで乗せられます。
9時35分の便が近づくと、どこからかオジサンがクルマで乗り付けて、閉じられていた鍵を開けて扉を開きます。やがてエンジン音が近づいて、渡船が来ました。
しかし、降りてきた客はなし、乗船も、私独り…。ライフベストの着用が義務づけられています。
利用料金を船頭のオジサンに支払うと、このような領収書をもらえます。現在は市が民間事業者に委託する形。
出発も、他に船員とか居るわけでなし、船頭さんが独りで桟橋を蹴っ飛ばす感じです。ちょっと危ないかも、と思ったりする。
利根川を下る。風は心地よいが、太陽が雲から顔を覗かせると、やっぱり暑い…。
(冷房が効いた屋内のベンチもあります)
小堀桟橋付近の風景は、こんな感じ。真ん中よりやや右手が、乗り場になります。
小堀からは9~16時台の00分に出発(12時台はお休み)。11時の便で戻る事にして、少し歩いてみました。「利根水郷ライン」と称する道路の交通量が多く、やや耳障り。
現在の小堀地域の交通の主力は、取手駅から来るコミュニティバス「ことバス」の小堀ルート。折返し場所があります。バスの開通自体は1999(H11)年だが、「ことバス」に編入されたのは2年前らしい。1~2時間に1本、日中は対岸にある「かたらいの郷」まで行きます。途中我孫子市に越境する事になるが、我孫子市内にはバス停はなく、次は利根川を渡って取手駅東口またはウェルネスプラザになります。バスも決して利用者は多くはなさそう。10時20分発も乗客は乗っていないようでした。
古利根沼。これが、遠い昔は利根川でした。対岸は我孫子市で、直線距離では成田線湖北駅の方が近そう。
成田つくば航空専門学校。
ニュー東豊の観光バスの車庫もあります。本社は我孫子駅の近くらしく、ここは車庫機能のみのよう。一般的な観光バスがほとんどの中、(右側しか見えないが)明らかに元神奈中バスのエアロスターがいます。契約輸送用だろうか。また、一番右に我孫子市コミュニティバス「あびバス」用のローザがいます。昨年から「根戸ルート」を受託しているようだが、今日は運行していないのか、あるいは別車両が代走しているのか?
(帰宅してから調べてみたが、お盆期間中運休、とかとは書かれていなかった)
取手市内なので、全車土浦ナンバー。
「利根水郷ライン」の交通量は多いが、全体的には田舎ムード。ちょうどお盆休みに入った事もあって、墓参りの姿もあり、お墓のお花も皆、きれいに供えられていました。
銚子の河口から、83㎞。
11時の便で、取手駅方面へ帰ります。普段利根川を見慣れているわけではないからシロートには解らないが、この日の利根川は増水していて、運行が可能かギリギリの水位、なのだそう。取手が晴れでも上流の群馬とかで大雨だと欠航にせざるを得ず、油断はならないそう。
帰りの便も、客は私独り。領収書の番号から見て、10時台の1往復は誰も乗らなかったはずだ。
ふれあい桟橋まで乗りました。行く手には、常磐線の利根川橋梁。
緑地運動公園駐車場の桟橋も乗降、なし。それでも船頭さんはキチンと、時間になってから、他に客が来ないかと見に行って、それから出発させました。
お盆休みのせいもあるのか、この時期の利用者はほとんど居ないそう。土日だと観光利用がチラホラあるそうだが。バス開通までは通勤・通学利用も多かったようだが、今は観光・行楽の利用に期待がかかっているよう。ただ、かなり細々とした体制でもあり、正直な所いつまで…、というのが、実感としてありました。存続の是非を論じる立場にはなく、乗れる内に乗りに行きましょう、という所でしょうか。利根川の渡船はもう2ヶ所しかないし(ここと、上流の赤岩渡船)、通勤電車の駅から歩いて乗りに行ける、かなり貴重な渡し船でありますので…。
取手駅は、快速線は直流電車の終点でこの先に交直セクション、緩行線はここまで、後は関東鉄道常総線乗換駅、鉄道ファンだとその位しか認識はないかも知れないかなあ。私も、特にバスの撮影で何度も降りた事があるのに、小堀の渡し以外、正直何があるかあまり知らなかった。今回は他の名所・名跡をまわる機会がなくて、もう少し取手を知る余地はあったのかと思います。それでも、小堀の渡しの乗船は、貴重な体験でした。今後も、こんな体験ができる、電車の「終点」を探し、訪ねて行こうと思います。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
《今日のニュースから》
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山口県で行方が解らなくなっていた2歳の男の子、無事見つかって本当に良かったです。私は親ってやった事がない独身だけれど、息子・娘や孫、といってもおかしくない位の子供が行方不明になってしまった、というニュースには、敏感になる歳にはなりました…。
ジェノバの高架道路崩落は、内外に様々な波紋を投げかけています。直接の原因ではないと思われるが、残った部分の高架橋を支える橋脚が、ずいぶんと貧弱に見えました。かなり高いので、景観を重視したのだろうか?早くも責任を追及する声が政府から聞こえてくるようだが、まだ救助作業が続いていて、原因の究明もこれから、という段階で、いくら何でも早過ぎはしないか?なにか右派政権の政治的思惑が透けて見えるのは、気のせいでしょうか?
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