№1883 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 19.南海空港線 関西空港駅

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 1994(H6)年9月4日、大阪府南部の泉南沖に、関西国際空港が開港しました。
 日本で初めて人工島を造成して建造された24時間空港で、大阪空港(伊丹)から国際線が全便移転、国内線も発着し、内際の乗継ぎの利便性の良さを売り物としていました。
 大阪からのアクセス鉄道として、JRと南海の空港新線が建設、連絡橋を介して、旅客ターミナルに隣接した新駅に発着します。両社とも全車座席指定の特急と、一般の快速タイプの列車を設定しました。なお、りんくうタウン~関西空港間の連絡橋区間は、JRと南海で線路を共用します。
 今回は、開港以降の南海線の関西空港駅の時刻を、簡単に振り返ってみます。

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1994(H6)年12月18日修正
 手持ちには開港時点の時刻表がありません。開港から3ヶ月後の12月18日修正の時刻表から作成しました。当時の土曜日は平日ダイヤでした。
 50000系特急〔ラピート〕が1時間に2本。難波まで完全ノンストップの「α」と、主要駅に停車する「β」を交互に運行していました。αは最速29分、βは、日中は34分で難波まで結びました。
 一般列車は、泉佐野または羽倉崎発着の急行の運行区間を変更、「空港急行」の種別名で運行されていました。
 12月18日の修正では、難波6時30分発(α)・関西空港23時05分発(β)が増発されています。この他、多客期運転のα2往復が設定されていました。

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1996(H8)年10月26日改正
 この改正より、土曜日は休日ダイヤと一本化されています。
 天下茶屋駅への優等列車の停車が始まりました。天下茶屋は高架化の後、1993(H5)年3月に、大阪市営地下鉄(現大阪メトロ)堺筋線が乗り入れています。
 ただこの時点では全列車ではなく、特急〔ラピート〕はβのみ、空港急行区間急行は停車するが、
特急〔サザン〕や和歌山市発着の急行は通過、高野線(11月24日~)も特急急行は通過のままと、やや変則的でした。
 2年前の修正で増発されたラピートは、結局この改正で取り止めになっています。

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2001(H13)年3月24日改正
 特急〔ラピート〕の新今宮・天下茶屋停車が始まっています。下りは朝方2本が停車、上りは夜間の2本を除いた全列車が停車です。
 この事もあるのか、日中のαの発車時刻が変わりました。

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2005(H17)年11月27日改正
 南海線のダイヤパターンが全面的に改変されました。
 特急〔ラピート〕は、αは平日朝方の下り3本のみとなり、大半がβとなりました。共にりんくうタウンに新規停車。αは新今宮・天下茶屋に全列車停車。
 難波~泉佐野間は、特急〔ラピート〕β〔サザン〕空港急行区間急行(みさき公園発着)、普通(関西空港発着と和歌山市発着)を、15分のサイクルで運行する形態になりました。空港急行が減少しているが、関西空港発着の普通が泉佐野で区間急行と接続、一般列車のチャンネルは増えた事になります。
 普通列車が減少してしまったが、待避駅がパターン化されるプラス面もありました。
 泉佐野駅の高架化により、和歌山方面からの乗継ぎの利便性が向上しました。乗り換え専用ホームが新設、和歌山方面⇔関西空港方面が、同一ホームで乗り換え出来るようになっています。〔ラピート〕は、泉佐野~関西空港間で100円の特定特急料金が設定されました。

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2014(H26)年10月18日改正
 21世紀に入ってやや低調気味だったかなと思えた空港輸送だったが、この改正では久しぶりにプラスに転じました。
〔ラピート〕は、20時台以降発の6本がαになりました。上りのαは9年振りの設定です。
 一般列車で種別・運転区間の入れ替えがあり、区間急行空港急行に変更、原則毎時4本体制になりました。逆に関西空港発着の普通は、和歌山市発着に変更されています。

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2017(H29)年1月28日改正
 昨年から使われている時刻表です。23時00分発の〔ラピート〕が復活しました(土休日は22時55分発)。
 現状の〔ラピート〕は難波~関西空港間で、日中のβの下りは37分、上りは38分で運行されています。

 以上、南海関西空港駅のダイヤを振り返ってみました。今回は資料が少なめで、いつも以上に舌っ足らずになってしまったと思います。空港駅発の時刻を中心に記してみました。
 開港当初は、都心から遠い成田空港にとって代わって、内際一体のハブ空港になるとの期待も一部にはあった関西空港だが、国際線中心だと海外の情勢の影響を受けやすいし、東京(羽田・成田)ほどの安定性はないのかなあとも感じます(東京の両空港の拡充もあった)。最近は内際ともLCCの就航が増えて、再び上昇基調にあるのは何よりだと思います。
 となると、今後の空港輸送の方向性はどうなるか。LCCの利用者はたぶん二次アクセスも低価格指向になるだろうから、一般列車の充実が欠かせない。この点で言うと、現行の空港急行は停車駅がやや多く、時間が掛かる(現状の日中は難波まで44~46分)のは難点だと思う。〔ラピート〕も、βは有料の空港特急としては停車駅がやや多い。αに統一して大阪の都心との間の輸送に専念し、堺や岸和田は、空港急行を現行の特急と同じ停車駅にしてカバー、全体的な速達化を図るのが望ましいのではないだろうか。イメージ的には№1007で取り上げた、名鉄のセントレア輸送に近いものになろうかと思います。
 南海本線とのバランスもあるし、JRとの共用区間もあるのでダイヤの策定は苦心も多いだろうが、特に空港アクセス鉄道は、「バランスの取れたフリークエントサービス」と「適切に早い事」が求められると考えます。南海に限らない事だけれど、今後もこの2点の追求は、南海の空港アクセスには欠かせないものだと思います。

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《今日のニュースから》
29日 農家から逃走のエミュー 美濃加茂市内で捕獲

 非常に心配された台風12号だが、今の所は人的な犠牲は出ていない模様で、交通への新たな被害も聞こえてはこない。ただ、今後状況が精査されると、新たな被害が見つかる事になるかも知れない。少なくとも、これ以上は酷くならないで欲しい。被災地には非常に申し訳ないが、関東地方は午後になったら天気が回復、とたんにまた猛暑…。

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