№1814 JTB時刻表2018年3月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表2018年3月号」、先週土曜日に発売になりました。
 グラビア特集に関連して、青函トンネルを抜ける北海道新幹線H5系が表紙でした。

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祝★青函トンネル&瀬戸大橋開業30周年!
「一本列島」か。懐かしい、でも未だに強く記憶に残るキャッチコピーです。1980年代後半は、国鉄分割民営化に続いて、青函トンネル・瀬戸大橋が開業した、日本の鉄道にとって激動の時期でした。

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 青函については、私は辛うじて青函連絡船に乗った事があります。「青森ダッシュは危険です!」と書いてあるけれど、廃止直前の函館→青森航路に乗った時、青森に着くと、大勢の乗客が、当時運行が残っていた夜行急行〔八甲田〕の自由席をめがけて猛ダッシュ!していったのを見たのが、強く記憶に残っています(私は青森宿泊だったので悠々下船)。「津軽海峡冬景色」の歌詞の意味、もう解らないよーという若い人、多いだろうなあ。
 青函トンネルは、開通当時は世界最長のトンネルになった、というのは記されていない(今はスイスのゴッタルドベーストンネルに抜かれている)。

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 一方瀬戸大橋は、実は私が初めて四国に行ったのは、平成の世になった直後の1989(H元)年、従って宇高連絡船は乗らずじまいでした。社会人になってからの事だったので、(四国行自体)何とも遅かった。

「一本列島」とは何だったのか
「一本列島」、というより、青函トンネルが開業した1988(S63)年3月13日改正を中心とした、JRグループ各社の新しい動きを、再度振り返る内容と思います。
 カラーグラフ全体を眺めてみると、前年の民営化・JRスタートから1年足らずとあって、当時の右肩上がりの高揚感が感じられる気がします。といっても、私は昨年の3月号グラビアも書いたが、私鉄の乗務員をやっていたので、国鉄→JRのウラの醜悪な部分も、労組を通じて聞かされていたので、手放しでははしゃげない部分もありました。
 といっても、一般の大衆からすれば、(大げさに言えば)「鉄道新時代!」の到来を感じさせるものになったのも、また事実でしょう。背景には、国鉄が末期にはあまりにもネガティブな存在に思われてしまった事の反動があるし、それに無論JR各社の経営努力の始まり、もあったが、バブル経済の末期であった事も、あったのではないでしょうか。〔北斗星〕はその典型だし、ここには出てこなかったが、豪華寝台車「夢空間」の製造もまた、っその流れでしょう(「ななつ星in九州」に始まる、クルーズ列車の走りだったとも言える)。〔あさかぜ〕のリニューアル食堂車の写真もあって、夜行列車もこれから良い方向に行くんだろうなあ、と私も思っていたのでした。
 しかしあれから30年、本四海峡はまだ良いとしても、津軽海峡は、在来線時代は輸送量が減少し続け、快速〔海峡〕のテコ入れもあったが、在来線のままではいずれ頭打ちになるとみられていました。北海道新幹線の開業は、起爆剤となり得るか。札幌まで延伸しないと効果は完全には出ないかも知れないが。
 JRグループ全体でも、食堂車や夜行の相次ぐ廃止、特定地方交通線以外でもローカル線の廃止、幹線でも一部では本数の削減などが見られるようになり、近年ではJR北海道自身の経営危機が表面化し、路線の大半が存亡の危機に立たされるとか、今回の改正でJR九州が大幅減量を行なうなど、バブル崩壊・少子高齢化・他交通機関(特に高速バスやLCCなど廉価な交通)との競合の激化などの現実の厳しさが、(別に北海道に限らず)JR全体に重くのしかかってくるようになってきます。

「のりもの情報局」は、「つくばエクスプレス『車体更新場初公開記念乗車券』」「東武鉄道『鉄道娘&SLスタンプラリー2017in東武鉄道』」「京王電鉄『京王ライナー』運行開始」「西武鉄道 三代目『L-train』」「南海電鉄『あさひなぐ×九度山冬合宿スタンプラリー』」「終着駅サミット実行委員会開催」。
 つくばエクスプレスは、本文時刻表はまだ記載が無いが、JRと同じ3月17日にダイヤ改正を実施。
 東武の「鉄道むすめ」って、何人いるんだっけ?と調べてみたら、東武鉄道本体だけで4人もいる(他に東武商事2人、東武トップツアーズ1人)。
 九度山は一昨年大河ドラマで賑わったばかりだが、今度はコミックとコラボなのか。
「鉄道模型プレゼント」は、福井鉄道の「FUKURAM」。

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 改めて、3月17日改正の概要を掲載。なお、新潟駅の在来線(一部)高架切替は4月15日予定と発表になりました。
 会社線は、22日に運行が始まった「京王ライナー」と、3月10日に運行を開始する西武「拝島ライナー」の全時刻を掲載。「拝島ライナー」は「S-TRAIN」と違い、夜間の西武新宿発のみで、小平から先は乗車券のみで乗車可能。
 また、富士急行は逆に3月16日までの現行ダイヤを掲載。

「おトクなきっぷ情報」で、今春の「青春18きっぷ」を掲載。
 変更点としては、佐世保線・早岐~佐世保間も、この区間で完結する利用に限り、特急の普通車自由席に乗れるようになるという事(3月17日改正時~)。後述の通り新ダイヤではこの区間の普通列車が削減になるからその代替なのだろうが、それでも約30往復の普通列車が運行されるので、この措置は意外だった。宮崎~宮崎空港間でも特急料金が免除になっていて、「青春18きっぷ」でも同区間限定で特急に乗れるので、バランスを取ったのだと思われるが、それなら普通列車が激減する、日豊本線・佐伯~延岡間でも認められても良いのではないかと、思わないでもない。

「JR線 電化区間と複線区間」は、1月号に続いて再び掲載になりました。この1年間では、可部線・可部~あき亀山間開業と、黒磯駅構内のデッドセクションが、黒磯~高久の駅間に移動したのがの変更点。

本文
ダイヤ改正関連

 東海道・山陽・九州新幹線の〔ひかり〕〔さくら〕が細字表記になりました。特に〔ひかり〕は凋落著しい(特に山陽)。

 今回は特に、自ら「見直し」と呼んだ、JR九州について突っ込んで検証してみました。

○ 鹿児島本線は、日中の博多~大牟田・荒尾直通快速は鳥栖/久留米で系統を分断(鳥栖~久留米間でラップさせる形)、大牟田側は熊本へ直通し、八代まで運行(区間快速と呼称)。
 小倉~博多間は、快速の区間快速への立て替えで、小倉~博多間は毎時1本(小倉発毎時16分・博多発46分)、二日市~鳥栖間は毎時2本に削減。
 折尾~海老津(快速通過)間は、現行の毎時快速2本・準快速1本・普通2本、計5本→快速1本・区間快速2本、計3本に削減。日中は普通の設定なし。
 関門海峡区間は、門司発最終が16分繰り上げ。
〔きらめき22号〕は、列車番号上は定期列車扱いだが、改正以降は主に土休日運転。

○ 香椎線は、朝ラッシュ時を除き全列車、香椎で分断。

○ 三角線は、最終列車は熊本発が39分、三角発が37分繰り上げ。

○ 長崎本線は、県境を跨ぐ肥前大浦~小長井間が下り10本・上り9本→7往復に削減。特に下りの肥前大浦発長崎方面行最終は、22時06分→18時58分と3時間以上の大幅繰り上げ。確かに去年普通電車に乗った時も、県境を跨ぐ利用は少なかったけれどなあ。

○ 佐世保線・早岐~佐世保間の快速・普通は下り38本→30本、上り37本→29本に削減。特に佐世保線の電車列車が、下り10本→4本・上り9本→3本と大幅に削減され、日中は設定なし。
 肥前山口→佐世保の普通の最終が23分繰り上げ。

○ 豊肥本線の特急〔九州横断特急〕(特定日〔あそぼーい!〕)は、1往復のみ運転。
 5月17日・9月13日・11月15日・来年2月14日は、阿蘇~豊後竹田間の普通2往復が運休。工事と思われます。
(5月17日は〔九州横断特急〕もこの区間を運休。9月以降も普通列車と同じ日に運休になると思われます)

○ 久大本線・日田~豊後森間は、普通列車が11往復(1往復土休日運休)→8往復に削減。
(光岡~日田間の運休が続く影響があるかも知れない)。
〔ゆふいんの森〕は、91・92号は6月30日まで毎日運転、93・94号も特定日運行。いずれも所要時間が現行より大幅に短縮。さすがに、快速にまで抜かれるという事はなくなりました。〔ゆふ84号〕の別府発が約3時間繰り上げ。

○ 日田彦山線代行バスは、大行司折返し便は筑前岩屋まで延長。添田発日田行も、9時00分発1本のみ筑前岩屋経由に変更。
(東峰村役場の乗降も引き続き取り扱い)

○ 日豊本線・佐伯~延岡間の普通列車は佐伯~重岡間3往復、重岡~延岡間は下り1本・上り2本に削減。全列車電車に戻りました。下り2761Mは特急編成になり、グリーン車も営業(グリーン券は当日車内で発売)。上りでグリーン車を営業する列車はない。2762Mが特急編成と思われるが、グリーン車は回送扱いか。
 重岡~延岡間で上下の本数が一致しないが、下り4657M(亀川始発)が、重岡→延岡間で回送となるのではないだろうか。
 小倉口の普通列車は、日中の小倉~中津間が毎時1往復削減になり、小倉口では毎時3本(下りは小倉発14分新田原行・34分行橋行・54分中津行にパターン化)。下り夕方の快速は廃止。

○ 日南線は、志布志行最終となる1951D(現行1953D)の後の列車が1本削減。宮崎発で南郷行最終は17分、油津行最終は12分繰り上げ。

○ 肥薩線・八代~人吉間は快速含め3往復が廃止になり、特に午前中の下り八代発普通列車は、6時57分の次は12時49分までなし。なお、上りの人吉→八代の最終列車は40分繰り下げ。

 今回のJR九州のダイヤの焦点の一つが「最終列車の繰り上げ」だが、この結果、午前0時を過ぎて運行されるJR九州の旅客列車は、特急が9→6本、普通が55本→43本に削減。さらに午前1時を過ぎても運行される列車は、(定期では)特急はなくなり、普通も鹿児島本線の2本のみとなります。一番遅く終着駅に到着するのは、2360Mの門司港着1時09分。
 逆に、午前4時台に始発駅を出発する列車も、特急は〔ソニック〕短縮の結果2本→0本、普通は9本→5本となりました。一番早く始発駅を出るのは、筑肥線(唐津線)西唐津を4時44分に出発する、筑前前原行320C。
 JR九州自らも先日、各種データを示しつつ、要するに「どうかご理解を」とリリースを出す位なので、「ななつ星in九州」や株式上場で一件絶好調に見える同社も、内情が結構厳しいのは、間違いないようです。ローカル線はまだしも、北九州市と福岡市を結ぶ大幹線でも大幅削減なのだから。

 九州以外で目に付いたのは、こんな所。

○ アーバンネットワークの新快速は、土休日の下り2本が湖西線から直通→野洲始発となり、湖西線発は近江今津から時刻を繰り下げ、大阪まで運行。
○ 三江線は、3月17日以降は全列車、列車番号9000番台の臨時列車扱い。現行425Dが口羽まで延伸、現行427Dと1本化し、9425Dとして運行。31日までは益田始発で運行。現行428Dが浜原まで延伸、現行430Dと1本化し、9428Dとして運行。9420D(現行420D浜田直通)は、江津で分断。
○ 福塩線は、万能倉折返しが午後に1往復残りました(1249M→1252M)。
○ 八高線は、八王子→拝島間運行の1771Eが、そのまま箱根ヶ崎まで延長。折返し4770Eも、箱根ヶ崎始発延長運行。
○ 高崎線は、平日の高崎発通勤快速3938Mは普通850Mになるが、土休日の快速〔アーバン〕3938Mは変わらず。

 183系DC〔旭山動物園号〕は、3月24・25日の運行が最終運転になります。

下り
札幌8:24 → 10:10旭川

上り
旭川15:41 → 17:22札幌

停車駅:岩見沢・滝川 全車指定席
 下りは、〔ライラック旭山動物園号〕となる事もある〔ライラック5号〕に、岩見沢までのどこかで抜かれます。
 今後は〔ライラック旭山動物園号〕で定着する事になるだろうが、今後置き換えが予想される785系電車を改造する考え方は、ありえないだろうか。

 新潟駅在来線を一部高架に置き換える工事が4月14日実施、大規模な工事運休が発生。
〔いなほ〕は、下り9・11・13号、上りは全列車が運休し、豊栄始発の臨時快速を運転。下りの豊栄発は〔いなほ〕より44~59分遅くなり、上りも一部時刻変更あり。
〔しらゆき〕は、下りは全列車運転されるが、新津からは全車自由席の快速(9号は越後石山止まりの普通)に変更。上りの2・4号は新潟~新津間は全車自由席の快速で運行、新潟発が繰り上げ(新津からは所定)。10号は新潟~新津間運休。
〔らくらくトレイン信越〕は運休し、新津始発の一般の快速で運行。

 両毛線・あしかがフラワーパーク駅は、営業キロは設定されず、富田までの営業キロ数で計算。あしかがフラワーパーク~富田間は190円。
 南武線・小田栄や東武鬼怒川線・東武ワールドスクエアと同じ扱いで、どうしてなのかと思っていたのだが、ICカードのデータ書き換えに莫大な手間が掛かるためではないだろうか?特に今は全国相互利用も行なわれているので。何らかの機会(運賃改定・消費税率10%引き上げ時あたり?)に、正式にキロ数が設定されるのではないだろうか。

 会社線は、富士急行の改正ダイヤは本文に掲載。富士登山電車の河口湖午前発便が復便し、平日1.5往復・土休日2往復運行。
 伊豆急行駿豆線も3月17日改正。、夜間を15分間隔に統一。

JR線営業案内
 ICOCA近畿圏エリアは、3月17日から草津線・貴生川~柘植間、和歌山線・高田~五条間で利用開始。
(なお同日、広島のPASPYエリアと高松琴平電気鉄道が、全国相互利用ICカード受け入れ開始)

特別付録 JR全線特急列車運転系統図
 変更点は色々あり、ワンポイントで注釈が添えられているが(「エアポート成田」は快速なのだから、ここでは適当ではないのでは?)、系統そのものはこの1年間で大きな変化なし。〔有明〕が大牟田→博多に短縮になったのみ。
特別付録 ダイヤ改正 東西番付表
 今回はやや、「番付」編成に苦心した感あり。三江線廃止は大きいけれど。繰り返しになるが、終始不遇な路線だった、の印象はぬぐえません。
「西大関」は、元々地域の利用が極めて少ない区間で、普通列車は民営化時点で、既に5往復しかありませんでした。ここだけでなく、肥薩線「大畑越え」も3往復に減少(2往復は〔いさぶろう〕〔しんぺい〕)、「青春18きっぷ」で九州の北と南を行き来するのは、かなり困難になってきました。
「東大関」に関連するが、JRになってからデビューのE351系が四半世紀程度で引退するのに(転用先もなさそう?)、〔踊り子〕の185系がいまだバリバリ健在、しかも未だ置き換えの話が全く出てこない。インバウンド増加や「伊豆クレイユ」「THE ROYAL EXPRESS」運行開始、伊豆ではないが小田急GSEデビューといった動きを見ると、遅くとも東京オリンピックまでには、新型〔踊り子〕がデビューすべきではないだろうか。
「東前頭四」の羽帯駅は、現状でも普通列車さえほとんどが通過するようでは、先が見えていたか。

 次号のグラビア特集は栃木のSL。東武と、真岡鐵道か。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 昨年暮れの新幹線の台車の亀裂は、製造の過程で台車枠の鋼材を薄く削っていたため、強度が不足していた事が一因だったようで、昨日川崎重工社長が謝罪しました。直接の原因もさる事ながら、走行中に異常が感知されていたのに、なぜ名古屋まで運行が継続されてしまったのか、その点も調査が進められる事が求められます。
 JALは昨日、2020年までの中期経営計画を発表しました。詳しい事は譲るが、趣味的な目線では、2018年度から衛星テレビ、2019年度から国内線に個人TVを導入。やはりANAへの対抗策が採られる事になります。2019年度には米西海岸の新規地点に就航とあるが、どこだろう?シアトル?過去にはジャンボ機で乗り入れていた事がある。現在ANAが就航しているが、提携しているアラスカ航空の本社がある所なので可能性はあるでしょう。あるいは現在日本路線の就航がない、カリフォルニア州州都のサクラメントだろうか?
 関東地方は昼になって青空になり、かなり暖かくなったが、風が強い。全国的にも強風の被害が出ているようで、北海道では道南バスが風にあおられて対向車と衝突したり、瀬戸大橋では特急〔南風〕が立ち往生したとかいうニュースが聞こえてきました。

《今日のニュースから》
28日 裁量労働制適用業務拡大 法案から全面削除 安倍総理指示
 1日 ジャパンライフ 破産手続き開始


 さて、明後日3日から、ノルウェーに行ってきます。海外旅行は、去年はついに行けませんでした。一昨年の台湾以来、欧州は2014(H26)年10月のロンドン以来になります。何でこんな寒い時期に?と思われるだろうが、それゆえ少しはすいているかなあと思って。今回は往復ともLH便で、往路はA350XWBのミュンヘン便、帰りはフランクフルトからのB747-8です。現地ではベルゲンのLRTがメインになります。寒いのは我慢するから、とにかく晴れて欲しい、けれど北欧の早春は、どうなのかなあ。
 今まで、国内・海外とも長期の旅行の時期は、更新を休みました。しかし、海外のWi-Fi環境の整備が急速に進んでいる事と、デジタルカメラの購入という事もあって、新しい試みとして、その日に撮影した画像の一部を、画像処理ソフトで加工した上で公開する形で、現地から更新します。さすがにスマホのように撮ってすぐ送信、とは行かないけれど、可能な限り毎日(現地の夜に)、更新を試みます。どんな記事を書けるのか、楽しみにして頂ければ、幸いです。

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