№1798 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 17.名鉄犬山線 犬山<後>

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 名鉄犬山駅の時刻の変遷、後半は21世紀に入って現在に至るまでです。セントレア開港を筆頭に、小牧線の市営地下鉄上飯田線との相直開始、一方でローカル支線廃止と、犬山近辺を巡る名鉄線は、ダイヤ改正の度に明暗様々交錯するようになります。

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2001(H13)年10月1日改正(Vol.18)
 上小田井駅が、ようやく正式な急行停車駅になりました。
 関東や関西では、路線の途中で地下鉄が接続するようになると、同時に急行停車駅に格上げになるのが普通です。関東では小田急小田原線の代々木上原や東武東上線の和光市、関西でも近鉄京都線の竹田があります。ただ上小田井駅は乗降人員が今でも2万人に満たないようで、地下鉄接続駅としては少ない、という事も、正式な停車駅にするには難しい部分だったかも知れません。
 扶桑駅が改良工事により、待避駅となりました。
〔北アルプス〕が廃止になりました。8500系は会津鉄道に移籍する事になります。
 各務原線は、日中の急行は犬山始発・終着となり、犬山線から直通の急行は、各務原線内は普通で運行になりました。
 名鉄ではこの前日9月30日を持って、八百津線に揖斐線(黒野~本揖斐)・谷汲線・竹鼻線(江吉良~大須間)が廃線になっています。

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2003(H15)年3月27日改正(Vol.19)
 名古屋市営地下鉄上飯田線・平安通~上飯田間が開業。小牧線との相互直通運転が始まりました。
 平安通~上飯田~味鋺間は「上飯田連絡線」として地下線工事を行なっていたもので、同時に味鋺~小牧間は全区間複線となり、名城線と接続する事で、小牧線沿線(特に南部)から都心への便が飛躍的に向上する事になります。
 また、磁気式ストアードフェアカード「トランパス」が、小牧線からサービスを開始しました。この後導入範囲を拡大していく事になります。
 小牧線は全列車が上飯田線に直通、15分間隔に増発になりました。
(小牧~平安通間は平日朝方7~8分毎、夕方10分毎)。
 各務原線は、三柿野から普通で運行していた急行が、市民公園前が通過となって、新那加~新岐阜間を普通として運行。
 広見線の特急が可児川に新規停車。

 2004(H16)年3月一杯を持って、三河線の非電化区間(吉良吉田~碧南・猿投~西中金間)が廃線になりました。非電化区間は全て廃線です(全て元は電化路線だった)。

2005(H17)年2月17日、常滑沖に中部国際空港「セントレア」が開港しました。

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2005(H17)年1月29日改正(Vol.20)
 開港に先立って行なわれた改正で空港線(常滑~中部国際空港)が開業、同時に種別体系に大幅な変更がありました。
 列車種別を再度細分化し、特別停車を減らす事で解りやすさを狙ったもので、新たに快速特急快速急行を設定した他、本線の準急が復活しました。
(快速急行は1990年代に名古屋本線で設定されていた事があるが、性格は大きく異なっていた)
 犬山線は、基本は快速特急特急急行準急普通の4本建てとなり、平日朝方のみ快速急行が設定されています。栄生に停車しない列車が快速急行、栄生に停車するが扶桑は通過が急行、扶桑に停車する列車が準急、となります。
(ただし扶桑に特別停車する快速急行あり)
 快速特急は、2000系「ミュースカイ」で運行、神宮前~中部国際空港間がノンストップで、日中の犬山→中部国際空港間は53分。
 河和・内海方面への特急は、半分が名古屋発着となり(河和行・内海発)、快速特急と合わせても、犬山線内では、運転間隔でややバランスを欠く感がありました。下りの西春特別停車は取り止め。
 新可児~常滑間の急行準急となり、中部国際空港まで延長しました。常滑線内は急行で走ります。
 各務原線は、最終電車が三柿野から急行となりました。
 広見線の学校前駅が廃止になった他、新名古屋→名鉄名古屋、新岐阜→岐阜、ナゴヤ球場前→山王、各務原飛行場→各務原市役所前、徳重→徳重・名古屋芸大前に改称。
(他に新那加の「那」の字を常用漢字に変更)

 この改正の直後の3月31日を持って、岐阜県内の600V線区(岐阜市内線・揖斐線・美濃町線・田神線)が全て廃線になりました。名鉄全体では、10年で約100㎞の路線が廃止になった事になります。

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2006(H18)年4月29日改正(Vol.21)
「ミュースカイ」を順次4連化しました。中部国際空港駅線増も行なわれ、空港アクセスの増強が図られていきます。
 早朝に中部国際空港行快速特急を増発、夜間には内海行特急を増発(名古屋から延長)しています。
 各務原線は、初電となる急行を、普通の前に増発。
 広見線は土休日の最終を繰り下げました。

 この年、特急の政策が再度変更され、全車特別車の列車は「ミュースカイ」のみとし、快速特急特急は全列車特別車・一般車併結とする方向へ行く事になりました。2200系増備の一方、1000系の4両固定(全車特別車)編成は順次廃止となり、通勤車5000系への更新が進められます。

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2007(H19)年6月30日改正(Vol.22)
 その第1弾として、新鵜沼~河和間の特急が一部特別車編成の運行に成りました。平日朝の広見線特急も、一部特別車編成です。
 平日朝方の河和・内海行特急を、中部国際空港行快速特急に変更しました。

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2008(H20)年6月29日改正(Vol.23)
 この年は2回に渡って改正が行なわれました。
 西尾線の運転形態の変更がメインになったが、同時に広見線・新可児~御嵩間でワンマン運転がスタートした事で、運転系統が新可児で完全に分断されました。
 
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2008(H20)年12月27日改正(Vol.23)
 特急政策変更の総仕上げとなる改正です。
 全車特別車の列車は2000系「ミュースカイ」のみとなり、独立した種別名称となりました。ミュースカイは中部国際空港~岐阜及び新鵜沼間を交互に運行する事になります。夜間は特急に代わり、広見線新可児へ直通。本数も増えています。
 快速特急特急は全て一般車併結編成となりました。運転系統が変更になり、日中は豊橋発着になります。なお、下り…快速特急、上り…特急とアンバランスだが、名古屋本線内(豊橋~神宮前間)の停車駅の違いだけで、犬山線内は同格。両者とも、柏森に新規停車。
 河和・知多新線内は原則特急(名古屋発着)…河和発着、急行…内海発着に統一となり、犬山を発着する急行は大半が内海行で運行。
 準急が岩倉まで各駅に停車となり、普通を統合して削減。鶴舞線直通は、犬山発着は朝方のみ(平日は深夜に1本あり)となりました。
 各務原線は、朝方の一部を除いて犬山線との直通がなくなり、急行も犬山発着で運行されています。夜間の準急急行(新那加~岐阜間普通)に変更になり、三柿野~岐阜間の区間運転が削減されています。岐阜~新可児直通急行は廃止になりました。
 この前日をもって、モンキーパーク・モノレール線が廃線になりました。名鉄の路線は全て1500V・1067㎜軌間に統一された事になります。また、7000系パノラマカーが引退しました。名鉄の一大転換点となる出来事でした。

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2011(H23)年3月26日改正(Vol.25)
 前回の改正から2年以上間が空きました。
 犬山線は、平日朝方の特急2本がミュースカイになりました。
 河和・知多新線の特急急行の運転形態が結局元に戻って、共に河和発着と内海発着を交互に運行する形態になりました。犬山を発着する急行も、河和行と内海行が交互に発車します。
 広見線は、朝方の特急急行が取り止め。広見線の急行がなくなり、優等列車は朝方上り・夜間下りのミュースカイのみ。土休日も最終電車が繰り下げになりました。
 直前の2月11日、ICカード「manaca」がスタートしました。名鉄は基本的に全線利用できるが、広見線・新可児~御嵩間(および蒲郡線)は対象外で、新可児に絡む利用のみ、新可児駅で処理する事で利用可能になっています。

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2011(H23)年12月17日改正(Vol.26)
 太田川駅の立体化に伴う改正で、犬山駅関連は小規模な修正に留まりました。

 以上全く簡単ながら、名鉄犬山駅を巡る31年間のダイヤの変遷をたどってみました。まだまだ書き足りない事も多かったはずで、この点はご了承ください。
 名鉄はこの改正を最後に6年間、本格的なダイヤ改正が行なわれていません(工事の進捗による修正はあったようだが)。大手私鉄では一番古いダイヤになっています。今の名鉄のダイヤはセントレアへのアクセスにかなりの重きが置かれているが、この間のセントレアの利用者は2011(H23)年度8,890,731人(内際計)から、2016(H28)年度10,962,596人と、23.3%も増加しています。インバウンドとLCC便の増加が理由として挙げられると思われるが、そうなるとそろそろ、アクセスのダイヤの見直しが行なわれて然るべきと考えますj。中部国際空港駅の時刻表について書いた№1007の繰り返しになる部分も多いが、現状でも完成度はある程度高いとは思うけれど、さらに増発(特に特急)や、運行時間帯の拡大も検討されるべきでしょう。
 それが犬山にはどの程度波及するかは解らないけれど、名鉄は21世紀に入って減量傾向にあり、犬山付近も例外ではありません。セントレアの好成績が名鉄のダイヤに、ひいては犬山駅のダイヤにも良い影響を与える事が期待されます。無論、通常の通勤・通学や行楽の需要の増加も求められるが。

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 大手私鉄のダイヤと言えば昨日は京王(と都営新宿線)、今日は西武(とメトロ有楽町線)のダイヤ改正がリリースされました。どちらも、有料通勤列車の新設・増発がメインのポイントになります。次回書きます。

 JALは昨日の取締役会で、4月1日より植木義晴社長が会長に就任し、赤坂祐二氏が新社長に就任する人事を発表しました(大西賢会長は取締役となり、6月の定時株主総会を持って退任の見込み)。赤坂氏は技術畑のよう。「ご被災者相談部長」とは、ジャンボ機墜落事故の対応なのか?

《今日のニュースから》
24日 夏の甲子園100回大会 外野席有料化決定 
25日 円相場一時1$=108円台 4ヶ月半ぶり円高水準

 夏の甲子園では3年前(清宮幸太郎出場))から6時30分の開場を待つ観客が5000人を越えるようになって、安全面で懸念があったとの事。この事は、早朝に臨時急行を運行している阪神電車には、なにか影響を与えるだろうか?
(春のセンバツは無料を継続)

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