№1732 パレオエクスプレス 初乗車

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 秩父鉄道のSL列車「パレオエクスプレス」は、これまで2~3回位見た事はあったけれど、乗った事はありませんでした。お盆休みの8月14日、平日ではあったが運転日だったので、この機会に初めて乗る事としました。日本でSL列車に乗るのは、いつ以来だっただろう?たぶん「C62ニセコ」以来…。
「青春18きっぷ」1日分使って熊谷へ。

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 秩父鉄道の1日乗車券、通常は土休日のみの発売だが、夏休み期間は毎日発売。「幸せを呼ぶ開運きっぷ」の名前で発売していました。

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 SL整理券。510円。これは2~4号車の自由席用
 1号車は指定席で、720円の座席指定券が必要になるが、発売はJR東日本の「みどりの窓口」などで、2日前まで。

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 まだ時間があるので、4月1日に開業したばかりの、ソシオ流通センター駅を見にいきました。
 この駅は熊谷市と行田市の市境にあり、駅は熊谷市だが、ホームの脇の駐輪場はもう行田市です。


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 駅前の交通広場には、熊谷市と行田市、両方のコミュニティバスが入ります。この朝日自動車のポンチョは行田市の西循環コース。

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 駅のすぐ近くの国道125号線沿いに、協同観光バスの車庫があります。CNGスタンドがあり、さすがにCNGバスが多い。スクールバスは皆夏期休業中。熊谷市・行田市両方のコミュニティバスも運行、駅前に入る熊谷市の「さくら号」は協同の運行(普通のポンチョらしい)。

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 熊谷駅に戻ります。既にSL列車を待つ行列ができています。普段は羽生寄り、事務室の先の屋根のない部分は立ち入れないが、SL運行時のみ解放されます。

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 10時01分入線。EL牽引で逆向きながら、早くも記念撮影。
 案ずる事はなく、窓際に座れました。逆向きだったけれど。

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 出発までの約10分、SLの前は記念撮影の人だかり。

 定刻に出発。低速だと「クィ、クィ」と引っ張られるような感覚が、SL列車ならでは、なのだろうか?ああ、SL列車ってこんな感覚だったんだっけ、という感じ。

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 車内では通常の弁当などの飲食物やグッズなどを売るワゴンの他に、地元の牧場のアイスクリーム車内販売もありました。

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 1号車から、SL連結部を見る。


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 車内は特に大がかりな改造は行なわれていないが(トイレ・洗面台は一部封鎖)、数年前にレトロ調に改装されたという事です。車内では、沿線出身の落語家、林屋たい平による列車そのものや沿線のガイドも流れます。

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 永田~小前田間では新駅「ふかや花園」駅新設工事が進んでいるが、開業は来年10月20日というから、1年以上先だ。行き違いはできないようだが、「パレオエクスプレス」停車を想定しているようです。

 沿線はどこも観客が多い。ほとんど皆さん、撮影はスマホなのね…。私みたいな、本格的なカメラを手にする人なんて、ほとんど見かけなかった。

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 桜沢でセメント列車と交換。ホームに反比例して線路の有効長が長いのが、貨物輸送が盛んな鉄道らしい。

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 寄居7分停車。まとまった時間の停車がある最初の駅で、さっそく大勢の人々が記念撮影。
 寄居を過ぎると山区間になり、元々高くはなかった速度が、さらに落ちていく。並行する道路のマイカーにどんどん抜かれていく。

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 長瀞でも長時間停車。この間の後続の普通1521列車に抜かれる。
 この駅は降車も多かったが乗車も多かった。ホームはごった返す。特にこの駅は踏切で構内を横断するので、やや危なっかしいかも。

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 1521列車が進出していく先の踏切もまた、ご覧の通りの鈴なり。

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 荒川を渡る。下流側から手を振る人々も見える。

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 秩父到着。降りる乗客が、予想より多かった。三峰口まで乗り通す乗客がもっと多いだろうと思っていたが。

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 という事で、車内は余裕が出てきました。車内販売で「さくらカステラ」「さくらマドレーヌ」を買います。「鉄道むすめ『桜沢みなの』」の包装紙。どちらも1個150円。秩父市のお菓子屋さんが作っています。さくらの味がほんのり。おいしいですよ。

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 終点の三峰口駅到着。ここへ来たのは、気づけば3年半ぶり、「豪雪」の直後、全線で運転を再開した当日の2014(H26)年2月26日以来か。駅のたたずまいは何も変わらないが、桜沢みなののボードが出迎えている。

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 大半のお客さんの目当てはこれ。列車から切り離されたC58 363が転線、給炭と給水作業を行なうが、その模様を見物しています。SL客だけではなく、マイカーで見に来た人も少なくなさそう。


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 後続の25列車が到着。西武観光バスはイラストバス。以前は贄川に駐車させていたが、今はここに定置させているのか。
 後方の鉄道公園はELを初め、どれも痛みが際立ってきていて、今後が心配。

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 給炭・給水作業を終え、ターンテーブルで方向転換して、2番線を転線していきます。

 今回久しぶりにSL列車に乗って感じたが、車内の乗客って、意外に「SL」にこだわっていないのかなあ。家族連れが多かった事もあるが、SL独特のサウンドやノイズを楽しむとか言うより(無論汽笛が聞こえてきたりすると歓声が上がる事もあるが)、それよりも仲間内で飲み食いしながらオシャベリ、という人の方が多いように見えました。SLは停車中、あるいは三峰口での給炭・給水作業やターンテーブルでの方向転換などを見て楽しめれば良い、そんな感じだったのかも知れません。
 私自身、秩父以降車内が空いてきたから冷房は効いていたけれど窓を開けてみたのだが、鉄粉が飛来して目がチクチクした、という久々の経験もありました(それがSL列車なのであるが)。トンネル区間がある路線だと(秩父鉄道は全線トンネルはない)煙が車内に入って煙い、と敬遠する向きもあるかも知れません。だから、とりあえず窓が開閉可能な構造の、12系や真岡鐵道の50系あたりは、SL列車としてギリギリOKなのかも知れないと、少し考え直しました。
 ただ、東武「大樹」の14系はやはり違うだろうと思うし、客車内をあまりアミューズメントパーク的なものにするのも、本末転倒でしょう。繰り返しになるが、SLを運行する事業者が共同で、SL列車に向いた客車を共同開発する、という事も、考えられて良いのではないでしょうか。「旧型客車のレプリカ」というレベルで構わない。車内も昔ながらのボックスシートが並んでいれば十分。「観光列車」のような豪華な食事は必要なく、「駅弁」(パレオエクスプレスでも限定で販売があり、先日は高校生が考案した弁当が販売されていたらしい)+お茶で十分過ぎるでしょう。ただ現代では、自動ドアや水洗トイレは必須になるが。

 帰りも「パレオエクスプレス」にしても良かったが、影森乗り継ぎで、電車で熊谷まで戻りました。ローカル線であっても、さすがに電車は早いよなあ、というのが正直な実感。

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 影森で乗換になる。左は熊谷からの29列車(「ジオパークトレイン」)だが、この列車は折返し羽生行ではない。

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 羽生行1540列車は、側線にいた5000系(元都営地下鉄三田線6000系)が出てきました。そろそろ先行きがどうだろう、とか思います。一気に熊谷まで乗り通しました。

 ともあれ久しぶりのSL列車、良い体験ができたのかなと思います。曇りがちではあったが、雨にならなかったのは、幸いでした。何のかんの言っても、東武「大樹」も見て、乗っておきたいし(秋口には運転日も増えて、普通の月曜日も運転日があるのがうれしい)、日程が合えば真岡も訪ねたいと考えています。その後に、それらを踏まえて、今一度SL列車のあり方を考えてみようか、と思います。

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 JR東海が、「スマートEX」サービスを来月30日開始すると発表しました。全国相互利用交通系ICカードが利用できるが、あらかじめC/Cと交通系ICカードを登録した上で予約、当日は登録した交通系ICカードで乗れるというです。運賃が若干割引になるが、「特定都区市内制度」は適用されない(上野~東京~(新幹線)~新大阪~大阪だと、上野~東京及び新大阪~大阪の運賃の支払いが別途必要)ので、場合によっては事前に乗車券を購入した方が安くなる場合もあるので、念のため。

《今日のニュースから》
25日 韓国・サムスン電子副社長 懲役5年の実刑判決
26日 仙台 36日連続降雨観測 夏の時期では観測史上最長

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