№1616 普悠瑪とLRTを訪ねて 2年ぶりの台湾 4.高雄LRT 乗る!
この旅行記のスタート時、「5回に分けて書く」と書いてしまったが、3日目の画像数が予想外に多くなりそうなので、この日は2回に分け、合計6回とします。
今回の台湾旅行のもう一つの目的、高雄に新規開業したLRTに乗ります。LRTは将来的にはメトロや地下化された台湾鉄道幹線と連絡する外環状線的な路線となるが、とりあえずは南部の短区間で暫定的な開業となりました。実態が解らなかったが、ともあれ楽しみです。朝食の後、早速乗りに行きました。
11月 9日(水)
ホテルは駅の北側だが、地下鉄の駅は南側にあり、東側にある仮設の跨線橋を渡る必要があります。8時を回り、地下化工事のこの日の作業が始まりました。
鳳山方からの列車は、旧型車両を連ねた客車列車だが、乗客の姿がない。事業用か?
地下鉄レッドラインの高雄駅、その改札口。今の所、出入口も改札口も1ヶ所しかありません。台湾鉄道が地下化すれば、また変わるでしょう。
一日乗車券を購入。150TWD(≒510円)。ICカードです。
(実はこの後、ちょっと失敗だったな…と思う事になるが、それは次回)
高雄の公共交通は全て飲食禁止です。日本円で5,000円以上とかなり高い罰金が課せられます。ご用心。それにしてもこのキャラ…。
凱旋駅。今の所、LRTへの乗り換えが出来る駅はここだけです。到着時、日本語のアナウンスもありました。
駅を出て目の前の道路の真ん中に、LRTの前鎮之星電停があります。
さっそく電車が来ました。路線は中山三・四路と交差していて、電車が近づくとスタッフが車道や横断場で手を広げて、注意を促していました。
路線は、基本的には専用軌道。始発の籬仔内まで歩いてみました。2区間なので。
籬仔内から乗ります。車内はシンプル。ムードは欧州のそれと変わりません。プラスチックのシートが並んでいます。
2-2のボックスシート。
両先頭車体のタイヤハウス部は、1-1のボックスシートです。
サイドシート。薄緑色になっているのは優先席。
天井部の車内案内表示。
乗務員室の仕切り。欧州と同じく、乗務員は運賃収受はノータッチです。ガラス張りで、前方を見る事ができるのはうれしい。
運転台。
車内の路線図。初期の段階では籬仔内と、2年前に訪れた西子灣に近い哈瑪星の間を走る、と聞いていたのだが、この日の時点では、高雄展覧館までの開通でした。路線図は既に哈瑪星まで書かれているのだが。
先の前鎮之星の手前、中山三・四路の交差点を車内から。
専用軌道上でのすれ違い。時速は50㎞/hくらい。
終点の高雄展覧館での並び。籬仔内から約15分。
後ろに見える高層ビルは「高雄85大樓」。高さ378mで、台北101開業までは台湾最高層だったそうです。ランドマークタワーよりも高い。
今の所、終着の電車は一旦哈瑪星方の引上げ線に進出し、転線して折り返す格好。この引上げ線がそのまま、今後の哈瑪星までの本線になるのだが、工事中の段階。運河を渡るので、橋を架ける工事が遅れているのかも知れない。
高雄展覧館駅の近くには、明らかに通常の鉄道のホームの跡と思われるものが見つかりました。ご丁寧に点字ブロックまで残っている。この「ホーム」に繋がる「線路跡」は遊歩道に転用されているが、どんな路線が走っていたのだろうか?
現状の開業区間の電停を全部撮影しました。改めて、籬仔内→高雄展覧館の8駅を全部ご覧頂きます。
C1 籬仔内 Lizihnei
電停の上屋には広告が掲げられているが、右上の方、伊豆急リゾート21「黒船電車」があるのが解るでしょうか?東急グループの広告です。
この電停に隣接する交差点の先に、車両基地があります。将来の延伸路線は、基地の右側を走る事になるよう。賑やかな商店街の近くです。
C2 凱旋瑞田 Kaisyuan Rueitian
C3 前鎮之星 Cianihen Star
地下鉄凱旋駅に隣接。基本的に電停の造りは皆同じなのだが、この駅だけかなり違います。今の所、地下鉄と接続しているのはここだけ。
C4 凱旋中華 Kaisyuan Jhonghua
非常用の渡り線があります。
C5 夢時代 Dream Mall
「夢時代」とは大型ショッピングセンターの名前で、ユニクロやABCマートも入っています。
C6 經貿園區 Commerce and Trade Park
C7 軟體園區 Software Technology Park
C8 高雄展覧館 Kaohsiung Exhibition Center
この電停の名称から推測出来るように、籬仔内側と高雄展覧館側では沿線のロケーションが大分違います。庶民的な商店街と、近代的なオフィス街を結んで走っているようです。
この先は、
C9 旅運中心 Cruisse Terminal
C10 光榮碼頭 Glory Pier
C11 真愛碼頭 Love Pier
C12 駁二大義 Dayi Pier-2
C13 駁二蓬萊 Penglai Pier-2
C14 哈瑪星 Hamasen
と既に名前が付いています。英文名からして、港の中を走るのか。クルーズ船の利用で乗る機会もありそうです。
お気づきのように、このLRTは架線がありません。フランス・ボルドーのような地表集電方式ではなく、JR烏山線・筑豊本線のように一定の場所で充電する方式です。ここは全ての電停に架線があり(上屋と一体)、電車は停車の度にいちいちパンタグラフを上げて充電します(だからどの電停も、乗降がなくても必ず停車するようだ)。
どの電停にも、周辺の地図があります。
電停の横断場にも、スタッフが手を広げて注意を喚起している所があります。台湾では初めての交通システムなので、公衆が馴れていない、という事もあるのでしょう。
LRTは、現状では15分間隔(4運用使用)、運行時間帯が7時~21時位とまだ短い。ラッシュの時間帯を見ていないからなんとも言えないが、日中に関しては、お客さんもまだそれほど多いようには見えず、夢時代への買い物客などが、取りあえず目当てでしょうかね。後は展覧館でイベントがある時に、どの程度の利用があるのか。立つ客も出て混み合うシーン、というのは、今の所はあまり見られないと思います。
ともあれ、早い内の哈瑪星への延伸が期待されます。その他の区間は、台湾鉄道の地下化を待って整備が進められる事になります。地下鉄2路線に台湾鉄道も加えた、郊外への鉄道路線をつなぐ外環状線としての機能が強化される事が、大いに期待されるところです。
次に訪れる機会を作るとしたら、環状線全線完成時、となるはずです。
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《今日のニュースから》
10日 フィギュアスケート羽生結弦 グランプリファイナル4連覇達成
11日 津波被害で廃止の市営バス路線 1便限定で復活運行
昨日は常磐線・相馬~浜吉田間で列車の運行が再開しました。来春(ダイヤ改正と同時?)には浪江~小高間も再開の予定で、まだまだ完全復旧までは、道はあまりにも長いが、少しずつでも元の姿が戻ってくれればと思います。それにしても、相馬~新地間は水戸支社とは知らなかった。