「バスグラフィックVol.28」は先月20日位に書店に並んだが、少々遅くなってしまいました。
ニュースとしては、西武バスに導入された、新エルガの中ドアの幅が広くなったタイプの導入。ラッシュ輸送で効果が期待されるとの事だが、昔京浜急行バスが大森に導入していた両開きタイプは考えられなかっただろうか。ホイールベースが長くなったので、できない事はないと思われるが。
東濃鉄道のグレードアップされたエアロクイーン貸切車もあるが、ここでは出てこなかったが神姫バスが導入する「YUI PRIMA」もそうで、近頃の老舗の貸切バス事業者は、グレードアップの戦略で勝負という傾向があるのだろうか。
新エルガミオは試乗レポートが掲載されているが、性能もさる事ながら、前扉の座席を取り払った事でドライバーの負担が大幅に減るだろうとの感想は、そうかもしれないと思った。エルガ・ブルーリボンから標準になっているが、それ以前でも事業者によっては座席をなくしている事業者もあるにはあった(ジェイ・アール北海道バスなど)。AMT対ATでは、AMTの方に軍配を上げています。
第1号は一畑バスに導入されたが、まだ写真はない。この後山交バスが導入を発表しています。
花盛りの連接バス
ここへきて日本各地でチラホラだが連接バスの導入例が増えてきているので、総まとめ。
計算してみると、現在現役の連接車は39台。最大は京成バスの15台、次は神奈中バスが2メーカー・3営業所合計で12台。
ボルグレンは、西鉄バスもデザインを発表しています。白+黄色のツートンカラー。8日より試行運行を開始するそうです。
ここでは39台中5社で33台を占める、ベンツのシターロG O530を中心に紹介しています。思えばこの顔つき、欧州でも結構見かけた(単車型も含めて)。
外観はカラー以外はほとんど同じ。皆基本的に単色で、複数の色を使った塗り分けは行っていない。京成バスが帯の色を変えているくらい。
(京成バスはマリーンズラッピング車とイオンのラッピング車があるのだが、それらについては触れられていない)
車内は割と違う。特に京成バスは前車体にサイドシート、後車体も立ち席スペースに加えて三方シートになっていて、はっきり輸送力重視のレイアウトになっています。
何度も書いているが、どの車両にもあるボックスシート部の乗客の評価が大いに気になります。日本でも黎明期のノンステップ車の後輪タイヤハウス部で採用された例はあるが、やはりあまり評価が高くなかったよう。ただこれをクリアできると、国産ノンステップ車でも座席数をある程度確保できると思われるので、何とか解決できないかと思います。
運用路線を見ると、冒頭で詳細が記された近江鉄道が典型だが、大半が大学絡みの系統で、近江は土休日は運休、他も平日のみ、逆に土休日のみ運行の系統がいくつか見られるが、曜日を問わず終日ある程度の便数が運行されるのは、京成バス(と新潟交通のBRTボルグレン)のみ。大学路線は時間帯によって輸送量の差がかなり大きいので、最大ピークの輸送を賄うのが、メインの目的とされていると思われます。
本当は欧州などのように、高需要の団地・住宅路線などでガンガン走るのが理想的なのではないでしょうか。神奈中バス町田〔営〕では土休日もわずかながら〔町13〕系統で運行されるが、この区間は土休日の日中でも6分毎で走る神奈中屈指の高需要路線なので、もっと台数を増やして混雑緩和を図る方向も考えられて良いのではないだろうか。
ただ、これも何度も書くが、日本の道路事情では、広いスペースを必要とする連接車はあまり向かないと思っています。台数を増やすなら、走行路やバス停スペースの確保などは必須でしょう。
あと、ただでさえ外国車、しかも特殊な構造の連接車なので、メンテナンス体制はどうなっているのか、そのあたりも記されていればよかった。
日本の連接バスは、つくば万博輸送でボルボ+富士重5Bが20台導入され、その後は京成バスが幕張輸送用として10台導入。京成バスはシターロ置き換えでJRバス関東やいわさきバスネットに移ったが、そういえばいわさきは結局どうなったのか?移籍からかなり経つのに、何一つ音沙汰がないのだが。
レストランバスに乗りました
ウィラーが自社のエアロキングを改造して運行を開始した「レストランバス」。
現在は新潟駅を起点にランチとディナーの2コース。それぞれメニューも記されているが、正直敷居が高そうな文字が並んでいる。ツアーの最中に実際に収穫を行って、それらを使って調理を行っているようで、「地産地消」という面もあるのか。
最近は全国各地で「レストラン列車」が大ブームだけれど、バスだと鉄道以上に運転は不規則な要素が大きくなるから調理は大変じゃないのか?立ちながら仕事をする事になるので、高速道路は走れないのでしょうか?
今月は東京で期間限定運行中。4コースで夕方のスィーツ1コースと、ビール・枝豆などの3コースがあり、いずれも4,800円だから、そんなに大変な値段ではないとも言えます。ある程度は気軽に乗れるのではないでしょうか。あとはファミリー向けの企画も作られれば良いと思うが。
エアロスターKの記憶
私は神奈中バスの沿線に住んでいたからエアロスターはKで、モノコックだった「ブル」の比べて、洗練されてかつシンプルな車体デザインは好感が持てました。神奈川県内資本は神奈中の他相鉄や横浜・川崎の両市営もエアロスターはKだったので、比較的ポピュラーだったのではないかと思っています。
(京急・東急はMだったが、東急のワンロマはKベースだった)
でも、KとMの違いって、細部に留まりますか?私はかなり違うと思っているが。特に正面もやや平べったく見えるため、全体的にスクエアな感じがするMに対し、Kの正面は上部まで曲線なので、はっきり見分けがつくと思うのだが。それゆえ1993(H5)年、KもMと共通設計となった事は、個人的には少々ショックも感じました。
帝産湖南の「滋賀22き55」は「エアロスターK顔でないエアロスターK」、逆に備北バスの「岡山22か3208」は「エアロスターKでないのにエアロスターK」顔。帝産湖南はもう28年なのに、まだバリバリ現役なのか。京都~滋賀間長距離用に導入されたと聞くと、いい時代に造られたのだなあと思う。吸殻入れがあるのも時代か(撤去していないんだ)。
走り始めた リフト付き空港リムジンバス
国土交通省の実証実験の協力として、この春から空港リムジンバスで、リフト付きバスの実証運行が始まっています。この手の車両は貸切バスは例があるが、乗合(高速)としては初めてではないか。
リムジンバスはTCAT~羽田空港(国際線)、京急バスはYCAT~羽田空港(国際線)、京成バスは今の所運行が始まっていない(公式Webも告知がない)。
リフトの利用は予約が必要、となると障害者の方は電車のように、思い立ったらすぐ、という訳にはいかない。となると便数も少ないし、正直利便性はどうなの?と思う。これも既に何度も書いているが、リフト車のコストとか、先の連接バスの地上側の課題と合わせて考えると、もっと違う車両の導入があっても良いと思う。だから私は「シティバスとしてのダブルデッカー車の導入はどうですか?」と言い続けているのですが。1階部のノンステップ+2階部の座席数を生かさない手はない、と思っているのだけれどなあ…。
2号連続休載だった「九州 青春バス紀行」、前号で「熊本電鉄出ていないなあ」と書いたら、今号でさっそくやってくれました。地方都市とはいえ(今は政令指定都市だが)、九州では屈指の大都市だし、西工オンリーという訳でもないからバラエティも豊富。モノコックの4枚折戸も、貸切車への中ドア増設車も九州らしい。
巻末の折り込みポスターは、近江鉄道の「JOINT LINER」。
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当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
ドバイでエミレーツのB777の事故が起きました。原因は様々違うはずだが、アシアナのサンフランシスコ事故以降、どうもB777の事故・インシデントが目立つ気がします。
4年前の香港旅行で往復搭乗した、CXのB747-400の退役が発表になりました。10月1日の羽田発がラストフライト。
東京メトロは4月の九段下駅でのベビーカー引きずりインシデントを受けて再発防止策を検討していたが、昨日検討の結果を発表しました。その中には各駅の停車時間を基本20秒→25秒に拡大する事も含まれています。来年4月の半蔵門線以降順次実施としているが、単純計算では各路線の全区間所要時間が1~3分程度伸びる事になり、ほとんどの路線で相互直通を行っているので、影響はかなり広範囲に及びそうです。
《今日のニュースから》
3日 北朝鮮ミサイル発射 秋田沖に落下
4日 イングランド銀行 7年振り金利引き下げ 過去最低0.25%
5日 民進党蓮舫代表代行 代表選立候補表明
蓮舫さんって元々はタレントで、四半世紀前位には京阪電鉄のキャンギャルだった事もあるが、もし代表になった上で、今後の選挙で政権交代が実現するとしたら、日本初の女性首相?
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