№1511 思い出の海外旅行クロニクル 22.2003年ハンガリー 4

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 他の国の首都と同様、ブダペストもまた多彩な乗り物が中心部、そして郊外を網羅しています。2日間かけて乗り歩きました。市電に地下鉄、バス、郊外電車、登山電車、そして、旧共産圏ならではの鉄道がありました。

2003年11月26日(水)

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 今回購入・利用した「三日乗車券」(前日購入)。1950HUF(≒975円)で、日本人の感覚ではかなり割安です。

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 当時のブダペストの地下鉄は3路線あり、これは1896(M29)年5月2日に開業した1号線(だからまもなく開業120年)。ロンドンに次いで2番目、電気鉄道としては最古だそう(ロンドンはSLから始まった)。かなり小型。ユニークな構造になっています。前年2002(H14)年に世界文化遺産に登録されています(複合遺産)。

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 その車内。輸送力的には、市電の連接車より小さいと思われます。

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 2・3号路線は一般的な地下鉄になりました。オーソドックスな旧ソ連製の電車。2号線は5連、3号線は顔つきが異なる6連です。

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 その車内。薄暗い。駅に着く直前で一旦暗くなるのは、01系導入以前の銀座線と同じ。

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 市電の1500形(? 形式は番号から勝手に推測しただけなので念のため)。当時の最新鋭だが、ドイツ・ハノーファーの中古だそう。ステップが折り畳み式で、高床式ホームにも対応できるようになっているが、ブダペストの路線では意味がない。見た限りでは、3・62・69系統で運用されていました。

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 その車内。それにしても、中古車が最新鋭とはね。
(現在はコンビーノが導入されているよう)

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 それでは在来車はと、まず4000形。単車で、系統によって2~3連で走る。56・61系統などで見ました。いかにも旧共産圏の顔つき。

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 この車両は内外とも改装されてきれい。行先表示や、車内の表示もマグサインが使われています。ドアが閉まる時の音も優しい(たいがいバタン!とやかましいので)。

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 1400形(1300形かもしれない)。3連接だが、4・6系統では2編成連結されています。4・6系統は3~5分間隔で運行される、市電の中でも大幹線です。ドナウ川を2回渡ります。島式ホームが多いのが特徴。

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 3400形。3連の中間車は動力がなく、両端に動力車を連結しています。ブダペストの市電は前後に運転台があるシャトルタイプ。

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 地下鉄1号線の駅の入口。クラシックな装い。階段を降りたら、もうホーム。

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 モスクヴァテールは市電の系統が集中する一大ターミナルだが、それ以上に人がものすごく多い。

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 モスクヴァテールから市電56系統で着いたヒューヴェシュヴェルジ。この路線は中間の停留所に緑色のクラシカルな待合所があり、標識は市電の一般的な物とは異なっていたので、ひょっとしたら昔はローカル私鉄だったのかも知れない。ここもそんな佇まい。バスターミナルとして機能している。

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 さて、旧共産圏で多いとされるのが、「子供鉄道」。子供たちに鉄道について学ばせるためにあるそうだが、話には聞いていたが、実際に目の当たりにすると、「本当にあったんだ…」と感慨深いものがありました。

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 子供鉄道のヒューヴェシュヴェルジ駅。
 切符を買って(無論駅員は子供)、ホームに上がると、列車到着前にポイントの点検に出て来たのは、本当に子供だ。きちんとした制服をまとっているが、10歳そこそこ、という感じ。

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 セーチェーニ・ヘジに向かう列車に出発の合図を出すのも、子供。合図を出したこのあと、敬礼して見送るのが、らしいかなと。

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 車内改札も、もちろん子供。切符拝見だけでなく、「記念品はいかが?」と、商魂たくましい所も見せてくれます。

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「子供鉄道」である事を除いても、人里まれな山の中腹を、オメガカーブまでながら走って、車窓にも見どころがあると思います。

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 中間の駅の一つ、チッレベールツ駅の駅舎。壁面にハンガリーの国旗と、傍らに5人の子供が立つ壁画があります。(一人はラッパを吹いています)。これもまた、いかにも旧共産圏、という印象がありました。

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 もう一方の終点、セーチェーニ・ヘジ駅。

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 ここでも、子供駅員の出発合図を見る事が出来ます。ピリッとして好印象。
 なお、運転士はさすがに大人です。

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「子供鉄道」に限らず、腕木式信号機はハンガリー全土に相当残っていました。日本とは逆に、出発は腕木が上に上がります。

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 子供の「車掌さん」から購入した絵ハガキ2枚をご覧頂きます。2枚で100HUF(≒50円)。SLは夏のシーズンに走るようです。
 列車は日中のみ1時間毎、シーズン中は45分毎です。運賃は200HUF(≒100円)でした。MAVの運営なので、イーストレイルパスで乗れると思いますが(この日は他のHAV路線には乗らないので使わなかった)。

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 モスクワ広場のそばのヴァーロシュマヨオルからセーチェーニ・ヘジまで登る登山電車。全線ラックレール方式。自転車の利用が目立ちます。

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 電車の車内。クロスシート。

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 セーチェーニ・ヘジ駅。「子供鉄道」の駅は、100m位離れた所にあります。

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 セーチェーニ・ヘジ駅のホームから、ブダペストの市街地を見下ろす事が出来ます。

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 麓の終点、ヴァーロシュマヨル駅。
 所要16分。平日20分毎・土休日はシーズン12分毎・オフシーズンは15分毎。やはり休日の方が、行楽で利用する人々が増えるという事でしょう。160HUF(≒80円)だが、市内交通の三日乗車券等で乗れます。

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 もう一つ、クラーク・アーダム広場から王宮の丘を上がるケーブルカー。
 上り500HUF(≒250円)、下り400HUF(≒200円)。三日乗車券等では乗れません。

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 観光地名所めぐりもしてみました。ペスト側にある国会議事堂は、改修工事中のようでした。

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 ドナウ川に架かる「くさり橋」。両端にライオンの像がある、有名な橋です。

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 上流側の「自由橋」。解りづらいと思うが、中央部を市電が走っているのが見えるでしょうか。

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 ペスト側から見た、ブダ側の丘の上に立つ王宮。
 丘の麓に、ここでも市電が見られます。

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 同じく、ブダ側の王宮の近くに建つマーチャーシュ教会。
 王宮の丘付近は観光地が揃っているから観光客が多いのは当然としても、路駐がかなり多くて、この点がやや興醒めか。モスクワ広場から、王宮の丘の観光地を循環して走る「城バス」が頻発しています。

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 王宮の丘の展望台、「漁夫の砦」。広場の中央に建つのは、「イシュトバーンの騎士像」。

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 砦の展望台から眺める、ブダペストの市街地。真ん中をドナウ川が流れ、手前がブダ、反対側がペスト。
 
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 最後に、ライトアップされた夜の王宮。ハンガリー最後の夜を彩ってくれました。

 バスについては後日、本体で再公開したいと思います。少しお待ちください。

 明日は郊外電車でセンテンドレを訪ねた後、ミュンヘン行ECでついにハンガリーを後にします。
 その翌日、旅客機で帰国の途に就くが、ハプニングが待っているのでした。

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 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 2月のドイツ・バイエルン州の列車事故は、駅の運行管理者が逮捕されました。事故直前まで、ケータイのオンラインゲームで遊んでいたとか。もう少し様子を見ないといけないと思うが、この所日本でも事故に至らぬまでも、ケータイがらみの不祥事が交通事業者で相次いでいるけれど、こういうの、洋の東西を問わないものだなあ。

《今日のニュースから》
12日 新宿歌舞伎町「ゴールデン街」で火災 1人負傷
13日 ローソン・スリーエフ 合弁会社設立を発表

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