№1449 思い出のトライジェット搭乗記 1.ANA L-1011トライスター
№1446で、3発ジェット旅客機について取り上げました。
私は、マクドネル・ダグラスMD-11は6回搭乗した事があり、JALの4回は№894・№929・№957・№1372で、旧スイス航空の2回は№1157・№1340で書いています。
また、ボーイングのB727には1回も乗った事がなかったくせに、旧ソ連ツポレフのTu-154は1回だけ、旧バルカン・ブルガリア航空で搭乗経験があり、№186で取り上げた後、№1162でももう少し詳しく書いています。
それなのに、日系キャリアでメジャーな存在にもなり、平成になってからも飛んでいた、ANAのロッキードL-11トライスター、JALのDC-10-40は、共に1回ずつしか乗らずに終わってしまいました。
両機種とも、海外キャリアも全部引退しているから、もはや改めて乗る機会も作れません。
その両機種に搭乗した思い出話を、2回に分けて書きたいと思います。偶然ながら、どちらも羽田発長崎線でした。
トライスターの搭乗は1994(H6)年5月8日、ANA661便でした。
JA8509は1986(S61)年ANA国際線定期初便(グアム線)に投入された、元国際線機材でした。私が搭乗した翌年、1995(H7)年11月30日のラストフライトにも起用される事になります。
羽田で搭乗中のキャビンの様子。「やはり古いな」の印象はありました。特に禁煙(当時はまだ喫煙席があった)やベルト着用のサインのフォントに年期が感じられる気がしました。
面白いのはトイレで、便器に中国語でも注意書きが書かれていました。現代では珍しくないはずだが、中国路線で使われていた機体だったからだろう。
格納庫の脇にウズベキスタン政府機(イリューシンIl-62!)を見ながらタキシングして行くが、前方のスクリーンに目をやると、離陸待ちの機体が4機、これは時間がかかりそうだなあと思っていたら、男性の声のアナウンスが流れてきた。キャプテンアナウンス。
「離陸の順番待ちのため、5分遅れて滑走路34番(当時は新C滑走路供用前)より離陸します。丹沢山系から富士山の北側、琵琶湖、京都、広島から福岡の上空を経由して長崎へ向かいます。高度は9500mで所要1時間43分の予定、長崎は曇りで気温15℃…」
なんだかキャプテンというより、田舎のバスのドライバーの口調に近くて、旅客機の中である事を忘れてしまいそうだが、それだけに離陸前の緊張がほぐれたような気がしました。
出発から20分でようやく離陸、大井競馬場や新幹線の基地を見ながらグングン上昇、地上では曇り空だったが、低く垂れこめた雲を抜けると、青い空と、まぶしい朝日!これが、旅客機の離陸の醍醐味か。
「富士山がご覧になれます」のアナウンスに下を眺めると、雲海から顔を出した、雪を被った富士山が、ゆっくり後方に下がっていきます。やがて雲海も途切れ、御前崎や浜名湖も見る事が出来ました。
改めて、トライスターのキャビン。トライスターは中央部のストウェージがないので、広々とした感じはするが、当然手荷物の収容力はガクンと落ちる事になります。座席は前方が赤、中央が青、後方がオレンジと色分けされています。
名古屋の上空で朝食サービス。当時はどのキャリアも、国内線でも軽食や茶菓の無料サービスがありました。箱詰めの中身はサンドイッチとあずきのデニッシュ、こんにゃくゼリー。今ではとても信じ難い、いい時代だったですねー。
モニターでは、この日の朝のNHKニュースを放映。スポーツニュース。
途中瀬戸大橋とか、今治や国東半島の北を通過してきたのだが、写真がないのはゴメンナサイ。福岡上空。右上に見えるは福岡空港。着陸する機体も見えました。この付近からディセンドが始まります。
長崎が近づき、経ヶ岳や多良岳を見ます。有明海の向こうに雲仙岳も見ました。ベルトサインが付き、諫早の上空を経由してアプローチ。
フライトタイム1時間46分で長崎空港着陸。この空港に降り立ったのはこれが初めてだったのだが、四方を海に囲まれていて、好天もあって爽やかな印象を受けました。
機体から降りると、コクピットには、先の機長も含めたクルーの安堵の表情がありました。
機内で頂いた絵葉書から、まずトライスター。
そして、トライスターと直接関係ないけれど、CAの絵葉書。当時はこんなユニフォームだったんだ、という所で。
既に引退までのカウントダウンもささやかれていた頃のトライスター搭乗だったが、どうかその日まで、安全運航をやり遂げて欲しい、そう願わずにはいられない、この日のフライトでした。
次回はJALのDC-10-40です。
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昨日の晩、大阪から帰ってきました。2日間とも快晴になってくれました。南海と阪神、阪急の電車を中心に撮ってきました。後日書きます。
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《今日見た・聞いた・思った事》
国土交通省各局や成田空港会社、JR東日本・京成・京成バス・リムジンバス・ビィートランセ、東日本高速道路会社、千葉県警などは、「成田空港のアクセス利便性向上等に関する連絡協議会」を結成し、空港アクセスに関する共同PRを展開する事になりました。
平成に入ってから空港アクセス鉄道の開通、高速道路の整備、低運賃高速バスの運行開始等で利便性が向上しているはずなのに、未だに「成田は不便」のイメージが拭えていないため、今回のPR作戦となった、との事です。
今後首都圏の駅やバス乗場、SA・PAや国内線就航17空港、アウトレットモールなどでPRを展開する、との事です。
それもいいのだけれど、各交通機関の中身の精査、本当に利便性の向上につながっているのか、利用者が満足できているのか、今一度検証する必要もあるかと思います。私は3年前、鉄道に関して今後はこうあるべきだと、独自の考え方を記しました(JRは№774、京成は№775)。改めて全体的にどうあるべきかと考えると、
1.安全性・正確性の確保は当たり前。輸送障害も極力0を。先日の横須賀線地下線の浸水なんて事態は非常にまずい。
2.高速性。全列車が平均的に早い事。
3.フリークエントサービス。待たずに乗れる事。いくら早い列車でも、1本逃したら次の列車は1時間後、では困る。
4.航空運航時間帯への的確な対応。早朝・深夜便もできる限り利用できるように。
というあたりに落ち着こうかと思います。
この観点で言うと、しつこく書いてしまうのだが、特にJR線が一番まずいと思う。有料の〔成田エクスプレス〕偏重で低廉な快速が少なく、その快速はただでさえ遅いのに、昨今は停車駅が増えてきて、列車によっては東京まで1時間30分はかかってしまう。〔成田エクスプレス〕も、日中は1時間間隔が空いてしまう(京成〔スカイライナー〕もだが)。日本は線路容量が小さく、通勤通学輸送を優先しなければならない事情もあるが、逆に言えばその両立を図るべく、設備投資をもう少しやって、線路容量を増やす事も考えるべきだと思います。これはJRだけではなく京成もだし、さらに言えば成田だけではなく、羽田も関空も中部も、その他全国各地の鉄道アクセスがやるべきでしょう。
その他、案内面では多言語への対応も、全交通機関で必要になってきています。英中韓は最低限。
ともかく成田空港の位置自体は変えようがないし、第三滑走路の新設が現実味を帯びてきています。羽田空港の地位が高まってきてはいるけれど、日本の空における成田の重要性は未だ変わりがないと思います。それ故、空港と運命共同体にある各交通アクセスが、この機に今一度現状を点検し、全ての面で全世界に誇れるサービスの提供を目指すべきでしょう。
《今日のニュースから》
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