№1437 元近鉄ナロー 日帰りで訪ねて<前>

画像

 近鉄にはかつて、三重県に2つのナロー(762㎜)期間の路線がありました。北勢鐵道を前身として、桑名駅に隣接する西桑名と阿下喜を結ぶ北勢線、そしてかつては三重交通の運営だった、近鉄四日市の高架下から内部及び八王子へ延びる内部・八王子線です。
 どちらも昭和の終わりには新車両を導入して近代化を進めたものの、経営は次第に大手私鉄には手に余るものになり、21世紀になって、両路線からの撤退・廃止を相次いで表明する事になります。
 北勢線は、朝明川の右岸に鉄道を走らせていた三岐鉄道が北勢線運営に名乗りを上げ、2003(H15)年4月1日に転換されました。以降車両の性能の向上や、一部車両の冷房化、駅施設の統廃合などの近代化を進めています。
 そして内部・八王子線も今年になり、車両・施設を四日市市が保有し、四日市市と近鉄が出資した新会社「四日市あすなろう鉄道」が運行する形態に変わる事となり、今年4月1日より営業を開始しました。
 ロケーションからして北勢線以上に厳しいものになる事も予想されるが、先月になって新車両の導入が行われ、積極的に旅客を獲得しようとする意気込みも感じられます。

 先月13日、この両路線を訪ねてきました。北勢線は転換後の2009(H21)年1月に乗った事があるのだが、今回、現在は近鉄湯の山線となっている三重交通から転属してきた3連接車両202Fが、その三重交通色を再現して走り出したので、どこかで撮りに行きたいと考えていたのでした。
 また、四日市あすなろうも、新車両を撮って、そしてできれば乗りたいと思います。空模様に左右され、全線は乗れず、北勢線に関しては三重交通色の編成に乗るという所までは行かなくてやや中途半端な訪問になっているのは申し訳ないと思うが、改めて両路線の現状も見て、将来も展望してみたいと思います。

画像

 今日は小田原経由で東海道新幹線に乗ります。新横浜始発の〔ひかり493号〕。東海道線の下り初発で小田原に着いたら、スーツ姿のビジネスマンがゾロゾロ降りて少々ビックリ。皆この列車の利用なのでしょう。神奈川県御用達。

画像

 初冠雪を迎えたばかりの富士山。
 静岡でもビジネスマンの行列が長く、自由席は座れない人も。

画像

 名古屋から関西本線。303Mは313系4連で、車掌が乗務。

画像

 蟹江で211系の区間快速を待ち合わせ。0番台です。今のJR東海で国鉄時代の電車は、211系0番台4連2本だけ、のはずです。

画像

 西桑名駅。
 一般三岐色の8時23分発で出発します。
 三重交通色復刻の202Fとは、在良で行き違いました。この後撮れると良いが…。ただ、適当な場所がない…。

画像

 先走って、楚原駅。ここは近鉄時代に建て替えが行われています。

画像

 今秋運行されている「ナロウィーン」。271Fの3連にハロウィーンの装飾を施しています。楚原~大泉間。
 楚原までに限ると、編成全体をキチンと撮れる場所って、ほとんどないです。両脇を架線柱ががっちり固めている区間がほとんどなので。
 それに、早朝は快晴だったのに、山の方から雲が押し寄せ、時々太陽を遮るようになってきました。

画像

 旧長宮駅の近くにある神社で、長宮駅の駅名票が立っていました。駅の跡って、どこだったっけ…?

画像

 大泉駅の西側に広がる、コスモス畑。

画像

 東員~大泉間の明智川橋梁。
 この長短混じった小型車の編成を見ると、いかにもナローの電車の装い。

画像

 旧北大社の駅の跡地に今も残る変電所。

画像

 この北大社駅の跡地の踏切で、阿下喜から折り返してきた202Fを撮りました。空は雲がやや多くなってややヒヤヒヤしたのだが、何とか成功。ここは昼位が、光線状態が良い。

画像

 現状の旧北大社駅の跡はこんな感じ。車庫所在地でありながら、東員駅に統合される形で、旅客駅としては廃止になった北大社駅だが、人家はこちらの方が圧倒的に多いので、残しておいても良かった気も、しないではない。

画像

 その東員駅。役場に近い事で、ここに駅が造られたのでしょう。駅員が終日配置されています。
 駅前には東員町コミュニティバスの他、イオンモール東員経由山城駅行の三岐バスが乗り入れるようになりました。買い物だけでなく、北勢線と三岐線を結ぶ路線バスとして、ファンにとっても利用価値が高い路線かと思います。ただ、平日は本数が少ない。
 この路線は、イオンのICカード「WAON」が使えます。「WAON」が利用できる交通機関は、ひょっとしたら全国でもここだけ?

 そのまま西桑名まで戻りました。旧塗装編成をもう一回撮りたかったけれど、適当な場所が見当たらず、北勢線に関しては、今回はここまでとします。

 北勢線は転換から早12年、この間車両の冷房改造(今の所T車のみ)や高速化、駅の配置の見直し、ダイヤの改善などが行われてきました。
 ただ、列車や線路、駅の佇まいを見ると、やはりナロー鉄道そのものだよなあ、という印象はありました。
 利用者を繋ぎとめるための次の一手は、何になるでしょうか。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《今日のニュースから》
12日 セウォル号事故 船長の無期懲役確定
13日 転落死亡事故相次ぐ有料老人ホーム運営施設に行政処分 川崎市

この記事へのトラックバック