№1441 2015年冬 国際線ダイヤ総整理.1

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 今年1月から先月までに日本を訪れた外国人旅行者は推計で1631万人。これは既に昨年1年間の実績を上回る数字であると、日本政府観光局が発表しました。
 その外国人、そしてもちろん我々日本人が海外に行くにも、無論船便もなくはないが、ほとんどの人は国際線航空便のお世話になっているはずです。
 その航空便が先月25日、冬スケジュールに移行しました。
 これまでJTB時刻表上で、前の月及び前のスケジュールとの変化をチェックしてきたが、今回は変化が大きく、特に中国路線は羽田~広州線の開設などで対夏スケジュール比25%の増、なのだそうです。
 そこで、一度日本を発着する国際線航空便を整理する必要があるだろうと思い、JTB時刻表11月号からスケジュールを書き起こし、今回から3回に分けて、今冬スケジュールを基本的に全部並べてみようと思います。前スケジュール、そして少し昔と比較し、どんな変化が見えてくるでしょうか。地域ごとに取り上げます。
(20日に発売された12月号で反映されている分も、ある程度入れます)

1.アメリカがサマータイムを終了した、11月1日現在の情勢とした。ANAのシドニー線、JALのダラス線など12月以降新設になる路線・便、逆に運行が終了する路線・便、または運航日の増減が発生する路線・便もいくつかあるが、表には記さず、必要に応じて別に記す。
2.クリスマス・年末年始・サンクスギビングデー(USA)等のイレギュラーな欠航は記さず、ある程度単純化して表記する。
3.機種は、JTB時刻表上では結構細かく分かれているが、ここでは派生形は一本化し、B737・B747・B767・B777・B787、またはA330・A340・A380等と記す。本来、B777-300ERあたりは、他のB777とはかなり違うが…。
4.コードシェアは、表上では一切記さない。必要に応じて別に記す。
5.便は、航空会社の社名(英文)順に並べ、その中で日本発は出発、日本着は到着の時刻の順に並べた。

 なお、正直困った事に、JTB時刻表上では往復で機材、運航日などが食い違っている所が見られた。それらは一応、航空キャリア公式Webから調べて直したが、全部はできていないかも知れない。その点はご了承ください。
 LCCを中心に、これまであまり馴染みのないキャリアの日本就航が少なくなくなってきているので、海外キャリアについては、地域ごとに全て社名を記しておきます。

1.韓国

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BX … エアブサン KE … 大韓航空 7C … 済州航空 LJ … ジンエアー OZ … アシアナ航空 ZE … イースター航空 TW … ティーウェイ航空 UA … ユナイテッド航空(米)

 羽田~金浦線シャトル運行開始以降、成田~仁川線は縮小傾向にあり、日系キャリアはJALの1便だけになりました(一時期VNが就航していた)。ANAは同じスター・アライアンスのOZと日韓線全便でコードシェアを行っているので、これで十分という事なのでしょう。
 KEのソウル(仁川)路線は、DLとのコードシェアを行っている便が目立ちます。同じスカイチームであり、DLが成田と共に、仁川をもアジアにおけるハブの一つのみなしているのでしょう。
 日本の地方都市にも韓国側LCCの就航が目立ちます。特にTW。大邱から関空へデイリーの就航があり、韓国本土ではソウル(仁川・金浦)、釜山以外からの初の日本路線就航です。
 KEが運航していた済州島路線は、11月号では成田・関空発共10月25日を持って運休が記されていたが、KE公式Webでは、冬スケジュールも運航を継続するとしています。済州島発は成田行月・水・金・日曜日、関空行火・木・土曜日の運航、済州島行はその翌日の運航。機材はB737-800。12月号で再度掲載されています。

2.中国(本土)

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CA … 中国国際航空 MU … 中国東方航空 PK … パキスタン航空(パキスタン) ZH … 深圳航空 EY … エティハド航空(UAE) CZ … 中国南方航空 9C … 春秋航空 MF … 厦門航空 HO … 上海吉祥航空 JD … 北京首都航空 SC … 山東航空 FM … 上海航空 DL … デルタ航空(米) GS … 天津航空

 今回のスケジュール変更の最大の目玉となった中国線。無論便数の増加もあるのだが、何より日中とも、新規就航地点がこの数年で激増しました。中国に関してはかなり内陸の方まで路線が展開され、日本人にはなじみがなくて、どこにあるの?と聞きたくなるような就航都市が増えました。42都市(43空港)から日本への就航があります。静岡~合肥(南京の西にある、安徽省の省都)なんて路線、数年前には考えられませんでした。
 新路線をまとめます。

 羽田~広州(NH・7/W CZ・14/W JL・7/W)
 成田~長沙(CZ・2/W)・哈爾賓(CZ・2/W)・武漢(CZ・2/W)
 関空~南昌~海口(JD・2/W)
 中部~常州~銀川(9C・4/W)・福州(HO・7/W)・貴陽(9C・3/W)・杭州(MU・3/W)・哈爾賓(9C・3/W)・合肥(9C・3/W)・石家荘~フフホト(9C・4/W)
 福岡~大連~長沙(CZ・3/W)
 函館~杭州(MU・2/W)
 岡山~合肥(MU・2/W)
 この他茨城~杭州線が1月30日就航(CA・2/W)。
※広島~天津(CZ・3/W)が掲載されているが、「休航中」とされている。12月号では外れた。
(11月号で記載から外れた旭川~北京(MU)が、12月号で再度掲載)

 9Cの攻勢が目につきます。特にセントレア関係が一気に5路線、週17便就航。実は6月29日に既に就航済だが、時刻表への掲載は11月号が初めてになりました。
(12月21日セントレア~寧波線の開設も発表になっている。週3便)
 中国の新興航空は日本到着が深夜の到着が遅い便が目立ちます。特に9Cの西安→関西、フフホト・石家荘→中部は午前2時台です。
 南昌・海口・石家荘・フフホトは初めて日本路線が開設になりました。
 日本側では、静岡空港からの路線が急速に増えたのが目立ちます。5社により10都市へ、週32便が運航されています。やはり富士山人気、なのでしょうか。
 この他、MFが成田に新規就航しました。
 羽田~広州線は2013(H25)年に就航で合意が成されていたものの、その後の日中関係の悪化により、この時期まで就航が延期になっていました。日本側は予想通りANA・JALが1便ずつ、中国側はCZのみ2便になりました。
 羽田~北京線はANA・JAL・CA各1便が成田からシフトしました。CAはさらに週4便を増便しています。
 羽田~上海線は、増便の分は浦東空港発着になりました。虹橋空港はもう限界なのだろうか。
 公式リリースはまだ出ていないが、12月15日よりJALとCZが相互にコードシェア運航を開始する模様。
(全路線全便ではない)
 JTB時刻表には11・12月共掲載がないが、天津航空が天津~羽田線に就航しています。羽田発着火・木・金・日曜の週4便。深夜枠。

 全体的な運行内容を見ると、中国側の、特に新興会社の躍進が明白です。日本側は未だANA・JALの大手2社のみであり、就航先も10都市(11空港)に留まっています。春秋航空日本が成田~重慶・武漢路線の2月からの就航を申請しているものの、それ以外のLCC等のキャリアは計画自体がありません。日系2社はビジネス需要の取り込みをメインにしているはずだし、中国本土にはLCCが得意とするレジャー需要がある都市があまり思い浮かびません。
(せいぜい海南島だろうが、それなら台湾の方が遥かに訪れやすい)。
 現状では「バクガイ」に象徴されるように中国発の旺盛な需要に支えられている部分が大のはず、今後しばらくはこの傾向が続くでしょう。
 なお、11日より奥凱航空が天津~羽田線に就航している事になっている(国土交通省のリリースから)が、時刻表のみならず、羽田空港の公式Webでも時刻が表示されません(週3便で羽田は木・土・日発着。深夜枠)。

 次回は台湾、香港・マカオ、その他アジアです。

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《今日のニュースから》
20日 就職活動 6月1日解禁 経団連が決定
21日 探査船「ちきゅう」就航10周年 横浜港で一般公開

 大相撲の北の湖理事長が亡くなりました。夏場の元大関貴ノ浪もなのだけれど、元力士の方々は、早くに亡くなる方が少なくないような気がします。だいぶ前には幕内現役力士が亡くなった事もありました。体型のせいもあるのでしょうか?

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