№1412 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 12.東武伊勢崎線 とうきょうスカイツリー駅(後)
2003(H15)年3月19日、押上~曳舟間に建設されていた連絡線を開始、旧営団地下鉄(現東京メトロ)半蔵門線~東急田園都市線の相互直通運転が開始。これ以降、伊勢崎線・日光線のダイヤは激変を繰り返しながら、東京スカイツリー・スカイツリータウンの開業を迎える事になります。
それにしても、つい最近始まった事に思えた半蔵門線相直運転も、気付けば早いもの、もう12年になりました。
2003(H15)年3月19日
半蔵門線直通は、日中は区間準急(曳舟~北千住間ノンストップ)20分間隔のささやかな形で始まりました。
浅草始発の準急と曳舟で接続、下りは先に出発するが、せんげん台で再度追いつかれる(上りは逆)「追い抜き合戦」が見られるようになりました。
(平日最終の浅草発区間準急は、北千住まで各駅に停車)
平日朝夕は、曳舟~南栗橋全区間急行運転の通勤急行として運行されます。
準急は「A」が廃止になり、全列車が東武動物公園以北各駅停車で運行される事になります。
半蔵門線相互直通開始により、13年間続いた業平橋発着列車の設定が廃止になりました。10連では、曳舟の4両切り離しが北千住に変更されています。
この他、特急「スペーシア」全列車が栃木・新鹿沼に、〔りょうもう〕全列車が東武動物公園に停車。両者とも、時間帯による料金割引制度が導入されました。
亀戸線・大師線でワンマン運転開始。
2006(H18)年3月18日
通勤輸送の主力が半蔵門線直通に転換した事を告げる、大改正になりました。
●種別名称の変更(停車駅は変わらない) 直通か否かで種別が分けられました。
急行←通勤準急 ⇒ 半蔵門線直通
区間急行←準急 ⇒ 東武線内列車
準急←区間準急 ⇒ 半蔵門線直通
区間準急 ⇒ 東武線内列車
●急行が伊勢崎線の主力となって日中は10分間隔で運行、南栗橋行に加えて新たに久喜発着列車が設定される事になりました。
(久喜も貨物線跡地を利用してホーム増設)
浅草発着の通勤列車は一気にローカル化、日中は久喜行区間準急と、北千住折返しの普通が交互に接続する形態になりました。いずれも原則曳舟で急行と相互に接続。
区間急行は朝夕に走るものの、夕ラッシュ時は10分間隔に削減されています。伊勢崎線は北部が久喜・太田で運転系統を分断(太田~伊勢崎間はワンマン化)、伊勢崎への直通がなくなりました。
●JR直通特急(新宿~東武日光・鬼怒川温泉)運行開始。〔しもつけ〕〔きりふり〕は特急に編入(料金は変わらず)、快速は朝方下りを除き、区間快速に変更(東武動物公園以北各駅に停車)。
この改正の直後の2006(H18)年3月31日、貨物線(折返し列車用ホーム)跡地に、新電波塔(東京スカイツリー)の建設が決定しました。
2009(H21)年6月16日
初発で残っていた東武日光行区間急行が新栃木行に短縮されました。
2011(H23)年3月11日の東日本大震災では、東武線内は施設の被害はなかったものの、翌日以降の電力の大幅な不足から「節電ダイヤ」の実施を余儀なくされるようになりました。
日中の久喜行区間準急が、平日のみ一部東武動物公園折返しに短縮。
(他に南栗橋~新栃木で一部運休なども実施)
いよいよ東京スカイツリーが2012(H24)年2月29日に竣工、開業は5月22日に決定。
これに先駆け、伊勢崎線の内、浅草・押上~東武動物公園間には「東武スカイツリーライン」の愛称がついた他、業平橋駅は「とうきょうスカイツリー」と改称する事となりました。
2012(H24)年3月17日
駅名改称と同じ日の改正ダイヤです。
特急のとうきょうスカイツリー停車が始まりました。下りは昼間の〔きぬ〕4本、日光・鬼怒川方面への観光客の回遊を考慮していました。上りは全列車が停車。
(この時点では快速・区間快速は通過)
この他には、会津鉄道〔会津マウントエクスプレス〕の東武日光直通が始まっています。
一般列車はほぼ変更なし。ただし前年の節電ダイヤを引きずって、平日日中の久喜行区間準急の東武動物公園折り返し運転を引き続き実施しました。
(スカイツリー開業の5月22日に通常運転に復帰)
とうきょうスカイツリー駅は4月20日にリニューアル工事が完成し、スカイツリー&スカイツリータウンのオープンを迎える事になります。
2013年3月16日
現在のダイヤです。
(この後2014年6月21日に半蔵門線直通列車で一部修正があるが、とうきょうスカイツリー駅には影響なし)
下り特急は浅草10時発以降全列車、快速・区間快速が上下全列車停車となりました。
(区間快速は日中2時間間隔に削減の上、東武動物公園~新大平下間は板倉東洋大前のみ停車に変更)
一般列車に関してはトータルで若干の削減になり、日中の区間準急は、竹ノ塚折返しの普通に変更になりました。東武動物公園以北で若干パターンの変更があり、急行は久喜:南栗橋発着が1:1→2:1の割合となって、久喜行の一部が、南栗橋まで延長になった日比谷線直通の普通に接続する形態になっています。
10連運転は半蔵門線直通急行・準急のみとなり、区間急行・区間準急は最長で8連になりました。ロングシート車の途中駅での増結・切り離し作業が、全て廃止になっています。
土休日ダイヤでは、最終電車が繰り上げになりました。
以上、本当に簡単ながら、業平橋(とうきょうスカイツリー)駅の時刻を中心に、伊勢崎線(スカイツリーライン)関連のダイヤを振り返ってみました。まだまだ書き足りない部分も多かったはずだと思います。
オープンから3年、スカイツリーやスカイツリータウンもある程度は落ち着いてきているようだが、まだまだ国の内外から、多くの人々を惹きつけています。伊勢崎線(スカイツリーライン)に関しても、ここでは記さなかったが、634系「スカイツリートレイン」の運行など、相乗効果を期待する施策がいくつか見られます。さらに発展させて、下町の新名所と、日光・鬼怒川を中心とした関東北部の観光地を結ぶ国際的な大動脈として成長する事が期待されます。
一般列車に関しては、伊勢崎線が東京23区を走る関東大手私鉄の本線級路線では唯一山手線に接続していない路線形態もあって、どうしても途中から接続、直通する地下鉄線に利用が流出する傾向にあるのは、仕方がない傾向でしょうか。20世紀後半は施設の問題(特に浅草)もあって、日比谷線に集中しがちな利用をどう分散させるかが課題であり続けたが、北千住の重層化に加えて半蔵門線直通が始まって以降は、浅草~曳舟間はさらに支線化が進んだ感があります。浅草発着は日中全部普通列車になったが、曳舟での急行接続がメインの役割になっていると言えます。元々曳舟~北千住間の中間駅はどこも利用が少ないし(堀切に至っては4,000人に満たない)、活性化も難しい所か。また編成内容の見直しなどは行われるかも知れないが、現状の10分間隔は維持してほしい。北千住折返しは、竹ノ塚まで走らせても良いのではないかなあ。
東武全体としては「南高北低」の傾向がさらに強まり、運転系統の分断が進んでいる事が、この駅の時刻に現れた列車の設定でも伺われます。スカイツリータウンが、北部の利用者を鉄道利用に惹きつける存在であり続ける事が、何としても期待されます。
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ドローンの事件は、今日操縦者が警察に出頭したそうです。
「安保法案」は決着がつきました。しばらくは高ぶった感情が日本全国を覆いそうだが、あくまで私的には、そろそろ穏やかな社会に戻って欲しい。戦争も反対だが、駅前で日ごと大音量の演説を聞かされ続けるのもイヤなのです。そんな私って軍国主義者?