№1372 思い出の海外旅行クロニクル 18.2001年中国・広州 4<終>
JALのMD-11は1994(H6)年に国際線機材として導入され、B747-400をサポートする形で世界各地に就航して来ました。
「思い出の海外旅行クロニクル」でも、欧州路線(全部アムステルダム路線だった)の搭乗記を数回書いてきたが、様々な事情により、早々と全機退役が決定していました。
今の香港発成田行JL736便はB767-300ERで固定されているが、当時は他の路線との込みの運用だったのか曜日によって機材が異なっていて、香港発土曜日にMD-11が就航していました。具体的な全機退役日はまだ解らなかったが、これを機会に全体の日程を調整して、このJL736便でMD-11の「お別れフライト」とするプランを組んだのでした。
2001年12月 1日(土)
帰りは「エアポートエクスプレス」(AE)を利用してみます。ホテルニッコー香港は九龍サイドだが、香港島にある始発の香港駅から乗るべく、船で渡ります。九龍サイドにも九龍駅があって、そこからも乗れるのだが、ちょっとは香港のムードも味わいたくて。
中環行の高速船。4.5HKD。
とにかく行く手の香港島のベイサイドは、ひたすらビル・ビル・ビル。真新しいオフィスビルが大半、これだけ見たらとてもアジアとは思えない。いや、これこそアジアなのか?
AEの香港駅。ここも新しい。
この駅では、航空便のチェックインができて、荷物を預けてしまう事も可能です。ただし、AEの切符を買わないとダメ。100HKDと、かなり高い。この駅もオフィス街にあり、どちらかというとビジネスユース向けではないだろうか。JALのほか、QF・SQ・ANA・TGのマークも見られます。
AEの乗車券。
AEの乗り場は地下深く、完全ホームドアなので、車両の撮影には向きません。
海底トンネルを渡って、九龍に停車すると、後は空港まで完全にノンストップ。
途中通過する青衣もまた、高層ビル群がニョキニョキ。
所要24分で空港到着。この駅は上下線が上下に分離され、到着ホームは出発ロビー、出発ホームは到着ロビーと同じレベルになっているのが特徴。エスカレーターやエレベーターなどの利用の必要がないわけ。乗車券は回収されません。
JALのチェックインカウンターだが、既に市中でチェックイン済みで荷物も預けてあるから、ここは素通り。
出発ロビーの天井の装飾。
ターミナルはガラス張り。旅客機が離陸するシーンを見る事もできます。
JL736便が出発する47番ゲートはやや遠いのだが、行きに来た時のような「新交通システム」は使わず、上の道を、時々ムービングウォークも使いながら歩いて行きました。
JL736便が出発する、47番ゲート。待っていたお客さんは案外少ないかなあ、と思っていたが、それでも搭乗が始まると、結構行列になります。キャビンのアナウンスでは、満席に近くなるそう。
この機材は前夜香港に到着してステイしたもので、なので機内誌や機内販売は11月のもののまま。新聞のサービスも回るが、これも前日のもの。日本から搭載してきたものなのだろう。
定刻よりやや早く出発。左手に香港ドラゴン航空のA320。ランタオ島の山々がそびえています。
離陸。巨大なターミナルが、あっという間に後方に遠ざかっていきます。
左手に見えてきたのは青山、だと思うがどうだろう?
しかし香港全体が今日も天気が悪くて、もう少しで香港の中心部が見えるか…と思った所で、雲海に突っ込んで窓の外は真っ白。
台湾の上空は快晴でした。香港から約1時間で台北上空。
私にとっては最後となる、MD-11のキャビン。何度か乗ってきたわけだが、少なくともエコノミークラスに関しては、終始同じ仕様で通しました。無論「MAGIC」搭載もないまま。
オツマミ。
機内食は今日から新メニュー。「若鶏の蒸し煮 アンチョビクリームソース」がメイン。
スクリーンでは、機内でできる体操のプログラム。「エコノミークラス症候群」が問題になっていて、その対策だと思われます。
MD-11の特徴は、主翼端のウイングレット。JALではMD-11を“J-Bird”と称して、胴体とウイングレットに、1機ずつ異なった野鳥のイラストが描きこまれていました。JA8588は「オジロワシ」。
香港から2時間で、左手に桜島が現れました。噴煙が結構上がっています。
スクリーンはプログラムの合間にデータを表示するが、この付近では、対地速度が1126㎞/hに達しています。行きのジャンボが800㎞/hそこそこだったから、300㎞/hも違う。なので所要時間が往復で1時間20分も違う。そんな長距離でもないのに。
この後、皇太子妃雅子様がご出産(愛子内親王)された、とキャプテンアナウンスがありました。キャビンは割りと平静だったような。
成田が近づき、夕陽が沈んでいきます。ただ、成田も天気はイマイチか。
九十九里。すぐ下には片貝漁港。
かなり大回りして成田へアプローチ。利根川を掠めていきます。
定刻に成田に着きました。外に出ると、ややひんやりする。
MD-11は昨年、KLMオランダ航空から退役、旅客機としては姿を消しました。私はこの香港からの帰国以降、他キャリアでもMD-11への搭乗経験がありません。従って、このフライトが全キャリアにおけるMD-11の「お別れフライト」ともなりました。
「郷に入れば郷に従え」が正解ではあるが、だとしたら現状は解らんが、今回の広州旅行の経験からすると、中国メインランドは魅力的な旅先には、少なくとも当時の私には成りえないと感じざるを得ませんでした。地下鉄駅でも感じたが、どうも中国の鉄道の旅は、精神的な窮屈さがある事を否定できない。
少なくとも、次に広州に来る機会があったとしたら、やはり香港からのダイレクト特快列車にしたいと思いました。数年後には高速鉄道も開通するし(香港の工事はかなり遅れているようだが)。
次回のクロニクルは、再び欧州に戻ります。2002(H14)年5月のノルウェーです。
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大韓航空(KE)に続いて、アシアナ航空(OZ)も日本路線の運休を発表しました。OZは羽田・成田便も含まれていて、総運休便数はKEを上回っています。KEも鹿児島線の運休を発表しました。LCC勢や日系各社は今の所減便の発表はないが、今後はどうなるか。
《今日のニュースから》
21日 川越「菓子屋横丁」で火災 5棟全焼
22日 マグロ飼育・展示再開 都立葛西臨海水族園
川越の火災は火元の菓子店の主人が死亡。店舗は倒壊の可能性があって復旧は数日かかる見込み、東武バスは川越~若葉線の迂回運転を行っています。