先月25日、「BUS Life」第1号が書店に並んでいるのを発見、購入しました。
雑誌ではなく「SAKURA MOOK」の3号、という事らしいが、どうやら「バスマガジン」(講談社ビーシー/講談社)にVol.68まで携わっていたスタッフが編集・制作しているらしいのです。
手に取った瞬間は、紙質があるのか、軽いなと思った。
とりあえず全体的な構成は、「バスマガジン」と大きくは変わらんなと感じました。
冒頭に風景と絡めたバスの走行シーンが並んでいるのは大きな違いか。
今月の1台 川崎スマートEVバス
(「今月」という事は、月刊になるのか?)
巻頭で型式写真を載せ、後半でテキストで具体的に紹介しています。
実は、昨日実際に乗ってみました。テキストの通り、車内の雰囲気はサイネージ以外は通常のエルガミオとほぼ変わりません。とにかく走行音は極めて静か。通常のディーゼルエンジン車、特に昨今のアイドリングストップ車に乗り馴れた立場からは、起動を感じさせる物音の変化が何もないまま動き出すのは、相当戸惑いも感じさせました。
5周(往路と復路でルートが違うので実質循環)した時点で、電力の残量が約50%でした。営業所へ帰庫すると40%強になると思われるが、これだけならあと1~2周は余裕で回れるとも思う。ただ、ドライバーのハンドル時間も考えればこんなものだろう。これから猛暑を迎えると電力使用量の変化もあるのかも知れません。
こうなると、共同運行の川崎市営バスもEV導入が期待されます。現行の専用車が2001(H13)年導入でそろそろ代替も考えられる時期であり、代替車両で導入されれば良いと思います。後は他の路線での導入も、いずれは期待したいです。
初期型KC-代 ノンステップバス 徹底ガイド
初めにKC-規制(1990年代)に生み出されたノンステップ車について総括したテキストがあり、続いて各地の注目車が並んでいます。黎明期とあってか、特に内部の座席配置に苦心の跡が見られたり、ここにはないが富士ボディの初期車両(試作型式)は窓が小さくて低く、試作車然としたスタイルだったりしました。後部はボックスシートになっていた車両も少なくなかったが、「酔い」もあるだろうが、昨今の日本ではボックスシートは好まれません(鉄道なども)。欧州のノンステップ車では当たり前だが、新潟に入るスカニアの連接バスにはボックスシートは無いようで、今後のモデルも、特に座席配置は難しくなるのではないでしょうか。
今後注目されるのは富士ボディと、いすゞキュービックではないでしょうか。
熊本と那覇が変わる
熊本は今年3月、那覇も一昨年行っているので、この両バスターミナルが再開発で変わると聞くと、感慨深いものがあります。
どちらも首都圏や近畿圏では考えられない位の大型バスターミナルなのだが、沖縄は全県規模の鉄道ネットワークは最初からなかったし、熊本も旧国鉄→JRの路線は長距離輸送偏重で地域輸送には不十分、私鉄(熊電に旧熊延鉄道)も中心部には乗り入れられず、ローカル線の域を出ていなかったから、長距離路線バスへの依存度が高くなり、結果的にバスターミナルが町の中心になるから規模も大きくなっていった、という事でしょう。
新しい熊本のターミナル想像図は、バスはどこに発着するの?と一瞬思った。乗場を1面2線に集約すると、現状の便数をうまくさばけるのか?路線の再編成もあるのだろう。熊本駅も今は新幹線もあるし、在来線のローカル列車も充実してきているので、新「交通センター」(の名は引き継がれるのか?)と熊本駅前の乗場を両立させて行く事になるのでしょう。
那覇は「730」以前の写真は貴重だと思った。本土から見てしまうと、正直規模は大きくてもややチープな印象があったのだが、これも想像図からするとかなり近代的なものになりそう。沖縄の場合は今後も長距離鉄道網の整備は(少なくとも10~20年程度は)ないだろうから、今後も沖縄県を代表するバス、というより県の交通の要衝として機能し続ける事になるのでしょう。後はターミナルに乗り入れるバス路線のグレードアップが課題か。米軍基地問題の行方も左右するかも。
The バス会社 関東バス
BUS Lifeも、メインは特定の事業者の特集になるのか。
関東バスはこれまでも他誌で既に様々取り上げられているので、特に新たに記す事は無いかと思うが、ネットワークは全体的には郊外がやや縮小傾向で、重心が更に東に移りつつあるのかと感じる。「幻の経路」がメインの路線になったという話は興味深く、関東バスに限らないが「免許維持路線」は、こういうメリットがあるのか、とか思いました。
車両面では以前は日産ディーゼルがやや多く、日野の一般路線車は少ないイメージがあったが、今後は三菱ふそうとJ-BUS系をバランスよく導入、という方向になるのか。関東バスは道路のロケーションがあまり良くないのに利用者が非常に多いという路線が多いようなので、車種選定は大変なのでしょう。
「NEWS FLASH」のコーナーは、ニュースというよりはオピニオン的ではあるが、いわくにバスについては生々しい話も多かったと思う。
(労使問題で一時的に正常運行が確保できなかった事例としては、最近では旧那覇交通があった)
公営事業者の内部をそのまま民営化する事例は尾道市(おのみちバス)があるが、他の公営(熊本市や小松島市など)のような、在来の民営事業者に事業を譲渡する選択肢は、岩国市ではなかったのだろうか?
一部には新味を感じさせるコーナーもあったが、「観光バス 定点ウォッチング」なんて「バスマガジン」にもあったものだし、全体的な構成は「バスマガジン」誌とあまり変わらないと改めて感じました。
バス趣味誌もこの数年~十数年でいくつか生まれてきているけれど(すぐ消えてしまったものもあるらしいが)、大半はムック本形態で、純粋な雑誌は2誌(どちらも隔月刊)しかありません。バス趣味自体まだ裾野が広くなく、鉄道のような、特定の分野を切り取って専門的な内容に特化(「新幹線」「路面電車」「(特に旧国鉄を中心にした)昔話」とか)したものは、単発のムックではできても、雑誌という形態では現状ではかなり難しい。となると、総合的な分野を、どのような切り口で書くかにかかっています。「バスグラフィック」(ネコ・パブリッシング)のように、昔の車両を中心としたカラー写真をふんだんに並べて、ビジュアル的に見せるのか、「バスラマ・インターナショナル」(ぽると出版)のように、ジャーナリズム的な性格を前面に出して、業界関係者にもアピールするのか、あるいはかつての「バスジャパン」(星雲社)のように、思い切って特定の事業者のデータベース的なものに特化する方向に路線を転換するのか、という事です。
BUS Lifeも、いずれは何か他誌とは差別化した方向性を出すべきだろうと思います。そうでないと、他誌と同じ構成では、読者の獲得は難しくなるかも知れません。ともあれ、私自身はBUS Life誌についても、これからもこのブログで追いかけてみたいと思います。
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《今日のニュースから》
1日 太陽光飛行機「ソーラー・インパルス2」 名古屋空港に着陸
2日 オリックス・バファローズ森脇監督 休養を表明
「ソーラー・インパルス2」については、現地では「UFOではないか?」と騒ぎにもなったようです。太陽エネルギーで飛ぶコミューター旅客機とか作れたら、ものすごく革命的なのになあ、とか思ったりもするのだが、現状ではあれが精一杯でしょう。
オリックスは、開幕の西武3連戦全敗で、悪い流れが早々に出来上がってしまった感がありました。ケガ人もあるが、「打線は水物」とは、良く言ったもの…。
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