「バス・グラフィック」Vol.23が先日発売になりました。
表紙が都営「美濃部カラー」のBU06D、真上に「モノコックバス179台掲載!」と高らかに謳っていて、また元の傾向に戻ってきたようです。
全国モノコックバス名鑑
一挙41ページの大特集。
いすゞ・日野・三菱ふそう・日産ディーゼルとメーカーごとに分けて、「1980年代撮影」とあるが、末期の1960年代(一番古いのが1969(S44)年)~1980年代前半のモノコック終了までを、ほぼ時系列的に網羅。
純正ボディをメインに、異色の車体(いすゞだったら+富士・北村という感じ)を並べるスタイル。
今回は別連載で取り上げている北海道・九州は原則的に外してあるが(北海道は夕張鉄道がある)、ともかくこれだけのモノコック車を、しかも全てカラーで取り上げられている事に、まずは素直に感動。
実際に見た事、乗った事がある車両も少なくないが、この時点でも既に経年化された車両も多く、こんな車が走っていたんだ、という新鮮な発見もありました。
並びが時系列なので、車体ももちろんだが、正面の行先方向幕の大型化や冷房化など、後のスケルトンボディで花開く新サービスが始まりつつあった事も理解できます。ここにはなかったが神奈中バスの冷房車で、夏のシーズンになるとペンギンマークがついていた時期があったのだが、京都市営(白クマ)や旧国鉄の京都(ペンギン)でも見られたりして、考える事は同じだなあとか思った。
また、車両の行先表示や背景の地名にも今はないものがあって、成田駅前で千葉交通の「甚兵衛渡し」行とか、国鉄バス乗場に「松尾」の2文字があったり、東急バスの「高速道経由」の系統番号板とか、この点に注目しても楽しめるのではないかと思います。
数点あげるとしたら、「ジェイアールバス四国」(BA05)は、撮影当時はまだ旅客鉄道の運営なので、社名は「四国旅客鉄道」が正しいのではないかと思われた事。それと三菱ふそうではB800系があったらと思った。車体はMRと同じだが、ズーンと響く加速音とか、アイドリング音に特徴がありました。関東でも神奈中や京急(横浜~羽田空港間)でも走っていたものです。
それにしても、しつこく書くけれど、あと10年早く生まれていたら、と改めて思います。バスそのもののバラエティもあるし、この頃だと、路線網も便数も今とは比べ物にならなかったはずで、後半の九州青春バス紀行(第8回)もそうだが、撮影者の鎌田実さんがうらやましい。
バス停で防災 今回は、他バス趣味誌にはない切り口の記事2本が目を惹きました。
「防災」を抜きにしてもバス停名には私もある程度は関心があり、当ブログスタート直後の№25では、東急バスの「新羽営業所庚申堀」のバス停名の由来はどこから?と調べた事もありました。残念ながらいまだ解らずじまいのままなのだが。
これを「防災」の目線で見ると、「堀」の文字はリストにはなかったが、新羽営業所近辺には「貝塚」「中之窪町」「吉田新田」「狭間谷戸」があり、営業所近辺は軟弱という事?
一方で現在私の現住所近くを走るバス路線は、「戸塚」駅を発着し、バス停名が「根」「岡」と並ぶので、ここは良好な地盤なのかとか思ったりもしました。
古いバス停名を残す視点で見ると、ネコ・パブリッシングがある目黒の近くの、「清水」というバス停名の由来はどうなのだろう。目黒営業所に隣接しているが、現在清水という地名は存在しない。清水池公園という公園はあるが。
(目黒営業所の現住所は、目黒本町1丁目)。
にもかかわらず、東急バスはバス停名を変えていません。入庫便も行先は「清水」です。多分地名は住居表示導入時に消えたのだろうと思うが、先の「新羽営業所庚申堀」同様、東急バス側に名前を残したいという意思があったのではないだろうか。
(青葉台営業所を新設した時は、隣接するバス停の名前を変えた。横浜市営・神奈中と共同だったのに)
バス停というか地名そのものにかかわるものとして、関東南部から中部地方にかけては「一色」の地名が多いが、これも興味深い地名だと、前から思っています。リストにはないが、年貢を納めるための田地を「一色田」と呼んだのを由来とする説があり、とすれば軟弱地盤、なのだろうか?山梨県の旧上九一色村は富士山麓だから違うだろうとは思うが。
「バス停は昔の通称地名が多く残る」という説で、清水もその例だろうが、新しく公共施設とか、ショッピングセンター的なものができると逆にあっさり変わってしまう事も少なくなく、鉄道の駅と違って一度改称されると過去のデータがほぼ残らなくなるので、興味がある人は、事業者から無償配布される路線図などを常日頃からコレクションとして残しておく事も大事でしょう。
多摩動物公園のライオンバス 確か子供の頃に乗ったような気がするのだが、具体的なディティールは、はっきり忘れてしまいました。
まず、運行が京王電鉄バスに委託されているとは意外だった。それもスタートから既にそうなっていた(当時は京王帝都電鉄)とは。てっきり動物園のスタッフが運転しているものだと思っていたのだが。ライオンの動向も注視しなけらばならないし。
ライオンがそのまま解き放たれているエリアに進入するだけあって、車両そのものも、オペレーションも、異常事対策も、一般のバスとはまるっきり違っている。幸い、走行中の故障とかの緊急事態は、少なくとも私は聞いた事は無いが、それも入念な対策のたまものでありましょう。
馬肉で釣るのか。
こういう、特殊な施設を走る特殊なバスの運行は、他のバス趣味誌ではほぼ取り上げられないので、今後も各地から発掘して頂けると嬉しいです。
渋谷駅 西口メモリー 巻末折込ポスターまであって、力が入っていました。前にも書いたが、「東急プラザ」自体は他にもあり、戸塚も再開発でオープンしてまだ間がないが、やはり東急の総本山の渋谷が閉まるというのが、東横線の駅が消えるのと同じ位の一大インパクトがあるというという事でしょう。思えば西口のバスターミナルは、東京でも有数のバス発着場でありながら、屋根がない乗場がほとんどでした。どの路線も便数がとても多いので、古いものが消えるのは寂しいけれど、再開発を機に利便性が向上した新ターミナルが造られる事が期待されます。これは東口も同じ。
この他、「南房総 バスで見つけた春」「昭和浪漫の終止符」「おもしろバス路線漫遊記(ちばフラワーバス)」「小田急思い出のボンネットバス」など。
今号は先のモノコックも含め、日東交通の露出度が比較的大きかったような。
(現在の館山は館山日東バスだが)
渋谷、そして大塚と、東京は変化がまだ足りないのだろうか。
裏表紙が「どらなびEXPO2015」の広告で、最近他誌でも見られる「バスドライバーNavi」主催の就職イベントだそう。こんなイベントがあるのは正直やや驚きでした。昨今のバスドライバー不足が生み出したのは間違いないです。いいドライバーが集まると良いが、これも前にも書いたが、業界外の協力も得て、バス業界の社会的地位の向上が図られる事も必要でしょう。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
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《今日見た・聞いた・思った事》
東武の新特急車500系の2017(H29)年デビューが昨日発表になりました。
車体デザインを見て、名鉄2000系「ミュースカイ」+近鉄50000系「しまかぜ」÷2、と感じたのは私だけでしょうか?
車内のインテリアは、「和」のイメージを感じます。
運用方に関しては「ミュースカイ」に近くなりそうで、3連を適宜増解結する事で、多様な運行形態に対応するものになるとの事。支線区への直通を考慮しているのでしょう。
となるとこれは現在の100系「スペーシア」や200系を直接置き換えるものではなく、300・350系を置き換えた上で、新形態の列車の設定がありうるのでしょう。宇都宮線や佐野線だけでなく、例えば野田線から日光・鬼怒川方面への列車もありうるかもしれません。まだ少し先の話だが、全体のダイヤ形態(特に快速)も合わせてどのような変化が起きるか、注目です。
スカイマーク(SKY)が、インテグラルとANAホールディングの支援で再建を図る事となりました。昨日、基本合意書が締結され、来月29日には再生計画案が東京地裁に提出されます。
経済はオンチなのでお金の話はおくとして、共同運航の話もあるようだが、実際できるのか?SKY便にANA便名を付けるコードシェア、となろうが、既にSFJとコードシェアを行う羽田~福岡線、同じくADOとコードシェアを行う羽田~札幌線が、SKYともコードシェアとなると、共に54便中37便、全体の約7割がANAがらみになり、これでは独占禁止法に抵触する可能性大です。少なくとも羽田の枠の一部返上は必至で、ANAとしてはそこまでのメリットはあるのか?いずれにしろ再生計画案を見て判断されるだろうと思われます。
今年は京王競馬場線開業60周年、横浜市のこどもの国開園50周年、これを記念したラッピング電車の運行が、京王・東急から発表になりました。
今日は運輸安全委員会から報告書が多数発表になりました。一昨年のJR北海道〔北斗〕の発火や、去年のJR東日本京浜東北線川崎駅での作業用車両への衝突などが発表になっています。東急東横線元住吉駅の追突については、今回は出ませんでした。「報告書案審議中」となっているので、来月には、と思われます。
《今日のニュースから》
22日 日中首脳会談 戦略的互恵関係推進で一致
23日 ネット上仮想空間で高校生活 千葉市通信制高校サイバーコースで入学式
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