№1273 日本の旅客機LEGEND(イカロス出版)

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 1951(S26)年の民間航空再開から今日に至るまでの63年間、日本の空を彩った旅客機を、貴重なカラー画像と共に一挙公開。
 最近退役したジャンボジェットやエアバスなどはもちろん、黎明期のレシプロ機に至るまで、ほとんどすべての画像がカラーというのには驚かされる。良く残っていたなと。
 基本的に10年スパンで総括され、B747クラシックから始まり、最近の退役機→過去の退役機の流れで、フリートそのものの解説と、日本における運用の形で紹介されています。
 全体的な歴史的流れとしては、小型レシプロ旅客機→B727やDC-8に代表されるジェット機第1世代→B747等の大型機の登場→双発化・ハイテク化、という事になるでしょうか。もちろんそれが全てではないが。
 息が長くベストセラーとして記憶されるフリートもあるし、一方でコンベア880やMD-11、A321-100のように10年程度で日本から消えてしまったフリートも様々あります。昨今の航空業界内外の情勢の変化はあまりに激しいから、当初のもくろみ通りにいかなかったケースも少なくない訳だが、結果はともかく(ビジネスは結果が全てではあろうが)、就航当初に込められた様々な人々の期待と想いは、無視してはいけないのではないか、そんな事をも感じさせる写真集です。
 あと、解説・キャプションにも興味深い点が多々あり、YS-11のセールスが不調だったのは、設計が日本国内向けに過ぎたからとか、ANAが導入を予定していたA340-300がベルリン路線開設を目論んで発注された(→キャンセル)とは、初めて知る話でした。

 二、三難点を挙げると、年代(特に退役時期)でテキストと画像のキャプションに食い違いがいくつか見られる事、比較的最近なのにある程度メジャーなカラーがなかったりする…もちろん、全部あげたらキリがなくなるが、YS-11のSWALオレンジカラーやJTAカラー位は見たかったかな…所。
 また、特にANAやJASは数多くの会社の合併で成り立っているので(ANAの2レターNHは日本ヘリコプターから)、変遷図を別に掲げておけば、より理解しやすくなったかもしれません。
 私は航空趣味に入ったのがまだ20年そこいらなので、旅客機は既にハイテク化が進んでいて、それでもYS-11は3回乗っているが、DC-10とトライスターがそれぞれ1回ずつしか乗った事がなかったのが、個人的にやや悔やまれる点でしょうか。羽田ではメジャーだったのに。
 ともあれ、日本の過去の旅客機を目一杯見たい、特に若いファンにはおススメの写真集です。

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 仙山線の快速の停電は災難でした。場所が悪かったか。線路の入念な点検も求めらるが、万一停電で止まってしまった際の対策を考えておく事も必要か。

《今日のニュースから》
「はやぶさ2」搭載H2Aロケット 打ち上げ成功

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