№1260 バスラマインターナショナル146(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル146」が、先月25日発売になりました。少し遅くなったが、ここで取り上げます。

 まず、先月1日スタートしたとさでん交通については、ほとんど触れられていなかった。巻末の「ニュース」で新社名決定(8月13日)を報じただけ。
 県単位の公共交通に関わる一大事だし、10月4日の「バスフェスタ2014」は巻頭カラーページで報じているのだから、せめて速報くらいは欲しかったと思います。12月の「年鑑」でやってくれるでしょうか。

★ 各地の新車から
 新エアロスターは各地で導入が相次いでいるが、クーラーはやはり新型はデンソーが標準になり、在来では純正だった三菱重工製がオプション、という事になるのか。
 西東京バスの三菱ふそうは30数年ぶりなのか。モノコックのMRの写真をどこかで見た記憶があるが、京王バスの存在があるので、そんなに導入がなかったとは、正直気づきませんでした。

★ バス事業者訪問177 茨城交通


 今月の事業者は2者で、前号では確か予告がなかった茨城交通から。
 路線網は、水戸~常陸太田の路線がなくなったとの事で、常陸太田以北は、一般路線ではつながりがなくなってしまいました。JR水郡線との競合もあったのだろうと思う。
(鉄道路線を示す緑のラインが少し間違っている。友部から笠間へ向かうのはJR水戸線で、常磐線は友部から岩間の方へ向かう)
 高速バスは、仙台線については、JR常磐線の全線再開の見込みがまるで立たない事も影響しているはず。開設は震災の後だったはずで、鉄道代替の意味も込められていたのではないでしょうか。
 東京~北海道のバス~フェリーの企画乗車券は、乗り物ファンとしては魅力的でもあるが、やはり少し時間がかかり過ぎるかなあ。
 ICカードはPASMOにはならないよう。全国相互利用対応はコストがかかるそうだが(どの分野で余計にコストがかかるのかがやや解らない部分だが)、JR線からの乗り継ぎを考えると、せめて他ICの受け入れが可能になると良いと思います。
 車両面では、高速車はスーパークルーザーがまだ残っているので、出していただければ良かった。路線車は、やはり当分は中古車中心の導入になるのでしょうか。とはいえ、中古もノンステップ車が相当数出回るようになってきたので、低床化は進むでしょう。特定車で新車の導入が積極的だが、(他社でもそうだが)特に特別支援学校のスクールバスは仕様が特殊になり、中古でという訳にはいかないはずです。
 同じみちのりホールディングスの各社との提携が進む事はあるのか。福島県の2社が同系列になったが、前にもどこかで書いたけれど、茨城県は「浜通り」(新常磐交通のエリア)との関係は強いものの、「中通り」はJR水郡線以外はほとんど結びつきがないので。水戸~福島線、なんてありうるのでしょうか。

 前号の小田急箱根高速バスの所で、「タイアップのアニメの簡単な解説があれば」と書いたが、「ガールズ&パンツァー」の解説、ありました!「戦車道」のカリキュラム、なんて私の世代では理解に苦しむ?のが正直な印象。1101号車は水戸駅北口に停車中。

★ バス事業者訪問178 関西空港交通

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 関西空港開港と同時にスタートしたので(バスラマ創刊の後)、開港20年=創業20周年という事になりました。若い事業者です。
 資本は、株主が南海とANA、という事は、伊丹空港中心の大阪空港交通が阪急とJALなので、好対照です。 
 関空は国際線が中心になるので、どうしても国際情勢の影響を受けやすいようです。成田程はトータルの便数が多くはないし。ここでは出てこないがエボラ出血熱の流行も懸念材料で、万が一日本で感染確認、という事態になったらどうなるか。
(SARSのような空気感染ではないから、必要以上にビビる事はないとも思います)
 夜行路線の展開はほとんど可能性がないと考えているようだが、本当にそうだろうか。LCCとてまだ全国津々浦々ではないし、関空からの航空路線や直通の列車がない、例えば広島とか北陸方面は、可能性がないでしょうか。但し、今は羽田の国際線も増えているし、対関空だけでは集客が難しいかも知れない。大阪市内経由で、なら考えられそうだが、その場合は南海の協力が必要になるでしょう。
 同社の現状は、強味=24時間運行体制の確立、課題=外国人旅客へのインフォメーション、と整理できるでしょう。
 幼稚園バスがあるとは知らなかった。

 バスと直接関係がないが、「若者の海外旅行離れ」、本当なのでしょうか?バスラマ誌のブログ(実は、存在を知らなかった)でも記されていたが、LCCの国際線があり、それらは特に若年層を狙っているのではないかと思っていたので。経済面以外の要素、なのか?

★ 西武バスの超長期モニター車が交代
 唯一のCNG車だった西武バスのモニター車が引退しました。
 途中から西武総合企画の大学スクールバスに転用、図らずしも、唯一の特定用途のモニターともなりました。
 保守に相当手を焼き続けたようで、データを見ると、路線車時代は年間40,000㎞前後は走れるはずなのに、2004(H16)年は2ヶ月以上戦列から離れた影響で、かなり少なくなってしまいました。
 EVもだが、低公害車の安定した運行にはインフラの整備が欠かせず(所沢のエコステーションは「浦所バイパス」沿いにあって、西武バスがガスを補給する所も見た事があるのだけれど)、バスだけでCNG充填設備の設置が難しいとしたら、現状ではハイブリッド車が、低公害車では最も有効、となるのだろうか。東急バスのモニター車に注目。
 東武のモニター車が先月引退したそう。

 ジャカルタは、大渋滞を尻目にスイスイ走る連接車がうらやましい。ただ、地上側の設備をBRT専用と固定してしまうと、車両側に対応が求められるので、一般路線への展開はどうなるだろうか。LRTの可能性はないの?とも思ったが、軌道系は、まずは日本の中古電車を活用した長距離の通勤電車の整備が優先かもしれない。
(経済発展もあって、最近はインドネシアについて一般のニュースでも取り上げられる機会が極めて多いが、日本の中古通勤電車の活躍については全く触れられないのが哀しい)
 シンガポールのダブルデッカー車の情報もあるが、東南アジア諸国のバス事情について深く掘り下げて取り上げられる企画があってもいいかも知れません。政治情勢から難しい所もあるだろうが。

 №1227で取り上げた「クローズアップ現代」の放送は読者の投稿にもあったが、バスラマ誌でもこの分野はもっと積極的に取り上げて欲しい。元々バスドライバーのあり方についてテキストを割いてきた雑誌でもあり、私もこれが問題の解決策と書いたが、「バスの社会的地位向上」を一貫して訴え続けてきているのだから。
 その番組の中で取り組みを紹介された、しずてつジャストラインが次号のバス事業者らしい。この辺の話は出るでしょうか。

 当ブログでは、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 今日は入間の航空祭でした。他社様のWebサイトで画像が上がっていると思うが、通勤で乗った東横線の特急が入間市行として走っていました。それはいいが、西武線内のダイヤの乱れで、帰りの東横線も遅れが発生していました。最大で7分位か。相直先で発生する遅延の原因自体は手の施しようはないが、何度も書くけれど、東横線の線路容量が、特に菊名以南で決定的に足りません。何とかならないですかね…。

《今日のニュースから》
ゆるキャラグランプリ 「ぐんまちゃん」がグランプリ獲得

 最近は交通業界もゆるキャラブームで、関東地方でも「かなみん」(神奈中)、「ピンポン・パンポン」(京王バス)とかがデビューしています。その全てがエントリーしている訳ではないが、企業関係において、交通業界でトップだったのは、相鉄グループの「そうにゃん」(35位)でした。

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