№1251 思い出の海外旅行クロニクル 13.1999年オーストリア 3
トーマスクックのタイムテーブルは、当然すべての欧州の鉄道路線を網羅しているわけではなく、オーストリアにも、トーマスクックに記されていないローカル路線がいくつもあります。その路線を乗り継ぎ、グラーツから南部のフィラッハを目指しました。
翌日はザルツブルクへ。オーストリア自体は程度の差はあれ何度も訪れているのに、実は、ザルツブルクは降りた事がありませんでした。軽鉄道が走っています。
1999年10月27日(水)
グラーツで宿泊したYH。4年前の1995(H7)年にも宿泊しているが、中は大分変っていました。
ロビーはカフェ兼用。インターネットが4台もあった。有料だったけれど、当時の私はようやくインターネットのイの字程度を知る位でしかなかったから、正直相当驚きました。
グラーツを発つ前に、シュロスベルクを訪れてみました。ハウプト広場から、黄色に染まった木々の中の坂道を10分位かけて登って行きます。
丘の上に立つ、シュロスベルクの時計台。
丘からの展望。意外に近代的なビルが多いような気もしました。
シュロスベルクの丘の全景。
グラーツ市電の200形。
500形。
600形。これが当時の最新型。4年前と違うのは、中間に超低床車体を組み込んで3連接になっていた事。他の国の都市でも見られた手法(バーゼルとか)だが、窓の形が前後と合わず、アンバランスな感じがします。
斬新なカラーの広告電車。グラーツ中央駅前で。
10時22分発のIC514列車で出発し、ブルック・アンデア・ムーア経由で南部のフィラッハを目指します。4年前にも乗った、4010系電車。
ムール河沿いに、お城が見えました。
ブルック・アンデア・ムーア駅に停車中の4010系。原色。
ここで列車を乗り換えて、ツェルトベグへ。
ツェルトベグ駅。ここからはヴォルフスベルグ経由のローカル線で、クラーゲンフルトを目指します。5047形DCの単行。
オブダッハ付近。美しい農村地帯。この付近はどんどん高度を上げて行きます。
ボルフスブルクで1両増結。
ドリエル付近。すがすがしい。学校帰りの子供たちがどっと乗り込んできた。
ザンクトパウルの城。
ブライブルクで、左手から路線が合流。スロベニアのマリボルからの路線で、当時は平日2本、土曜日1本の旅客列車がありました。
クラーゲンフルトで、ローゼンバッハ行ローカルに乗り換え。またも5047形DCの単行。
駅は割とあるが、バス停同然の所がほとんど。ザンクト・ヨハン・イム・ローゼンタールもそんな感じ。
森の中をグングン上り、高い鉄橋を渡ったり、トンネルをくぐったりします。窓を開けると、風が冷たい。やがて行く手の丘の上に、架線柱が見えてきました。フィラッハからの路線と合流して、終点。
ローゼンバッハ駅。フィラッハからくると、オーストリア最後の駅。トンネルを抜ければスロベニア。
国境警察や税関のオフィスがあるのは確かに国境の駅らしいけれど、人影がまるでないし、切符売場さえない。郵便局を併設しているが、両替はできない。
駅付近も閑散としているのだけれど、教会がありました。言語の違う2枚の張り紙があって、片方はスロベニア語のはず。国境を越えて礼拝に来るスロベニア人って、いるのでしょうか?駅にはスロベニア語なんて全然なかったけれど。
そういえば、スロベニアの方に行く電車って、どの位あっただろう?調べるの忘れていた。
(長距離国際列車は何本かあるが、ここは通過)
16時30分を回ると陽は山の影に沈み、駅付近はだんだん暗くなってくる。そんな中、フィラッハからの電車が電車が着きました。それでも10人位降りてきました。折り返し電車に乗車。
国際列車が走る割には、フィラッハ側もローカル線だ。単線でカーブが多い。ヴィンキル・イム・ローゼンタール駅なんて森の中の小駅で、乗り降りする人なんていないように思えるのだが…。
フィラッハ中央駅。ここはちょうど3年前、1996(H8)年10月20日に降り立った事がありました。あの時はヴェネチア→ウィーン間の国際列車で通過しただけでした。
今回はYGHに泊まります。
ザンクト・ニコライ教会。
YGHは駅から歩いて行けるけれど、ちょっと遠い。この夜は客が少なく(日本人が1人いた)、部屋は一人で貸切になりそうだが、静かすぎて殺風景な感じもしました。
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1999年10月28日(木)
サマータイム終了直前では7時前でもまだ薄暗く、星と月の光がきれいでした。
今日は、ÖBBの列車はEC1本だけ。午後はザルツブルクの街で過ごします。
タウエルントンネルを抜けるのは初めて。延長8551m。トンネルの前後では、大規模な線形改良工事が行われていました。
バート・ガシュタインで出会ったピギーパック列車。トラックを何台も載せています。インスブルック近郊でも見たけれど、観光保護政策の一環として、多数運行されています。
ホーフェン・ヴェルフェン城。これを見ると、もうすぐザルツブルク。
ザルツブルクには、ドイツとの国境を流れるザルツァッハ川沿いを北上する、SVB(Salzburger Stadtwerke-Verkehrsbetriebe Lokalbahnen)の軽鉄道路線があります。市内の観光に使われる路線ではないので、日本人向けガイドブックには記されていません。
ザルツブルクは地下にホームがあります。かなり斬新。ランプレヒツハウゼン駅まで50ATS(≒400円)。
いきなりだけれど、終点のランプレヒツハウゼン駅。静かな住宅地の中、という感じ。駅舎は駅員はいないものの、カフェがあります。
ランプレヒツハウゼン到着目前。
ビュルムース駅。トリンメルカンへの支線があるので乗り換え。
のどかな支線と思っていたのだが、終点のトリンメルカンは駅周辺をほじくり返して、大規模な工事を行っている。工場もあるようで、何をするのだろう。次の電車を待つつもりだったが、ここにいても省がなさそうで、ビュルムース駅にさっさと引き返してしまいました。
ビュルムースからのザルツブルク行は2編成を併結した4連。
オベルンドルフで途中下車してみました。ここが、SVB沿線では最も主要な駅か。帰宅の学生が目立つが、未成年のくせに煙草をプカプカふかす者がいるのは、どの国も同じですか…。
オベルンドルフの教会。
通りには露店が並ぶ。大賑わいだ。
実は何の予備知識もなかったのだが、ザルツァッハ川に架かるクラシックな橋を渡ると、なんと対岸は、ドイツのラウフェン。とはいえ国境警察やパスポートコントロールがあるわけではなし、人も車も自由自在に行き交う。国境と言っても、様々だなあ。
ザルツブルクに戻り、プチ観光も楽しみました。ミラベル庭園。背後の丘の上には、ホーフェン・ザルツブルク城がそびえています。なんか出来過ぎ?
丘の上にそびえる、ホーフェン・ザルツブルク城。白い壁が印象的。
基本的にはケーブルカーを利用して登ります。往復69ATS(≒560円)とはやや高いか?
城から見下ろす、ザルツブルクの街並み。ザルツァッハ川を挟み、白っぽい街並みが広がっていました。
城の一角では、人形劇のパフォーマンス。
モーツァルト広場。
最後に、ザルツァッハ川に架かるモーツァルト橋。秋本番です!
ザルツブルクの市内交通はトロリーバスが中心。残念ながら路面電車・LRTは走っていない。歩いて、バスに乗ってみた感触では、電車が走るにはどこも道が少し狭いかも知れません。
今日も宿泊はYH。前日とは逆に運悪く?子供の団体と出くわしてしまった。非常に騒がしい。夕食はサラダバーに行列を作り、カウンターに群がる。ドアの前にバッグや上着が山積みになっていて、到着後部屋には向かわず食事に直行、という雰囲気。それにしても夕食会場、おばさんが一人で調理から清掃までこなしているのか?重労働だなあ。
夜の窓から外を眺めれば、ホーフェンザルツブルク城がライトアップされていました。
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