「私鉄名車列伝」とタイトルを変えて2回目。今回は阪急神戸線・宝塚線(まとめて神宝線)の通勤車9000系です。阪急は、前回の3300系から、3年以上経ってしまいました。
9000系は、2006(H18)年より製造された、神宝線では8000系以来、18年ぶりの新系列である。
これまで阪急の車両は系列のアルナ工機が製造してきたが、鉄道車両製造終了により、京都線向けの特急車として、2003(H15)年より製造されていた特急車9300系より、日立製作所が開発した「A-TRAIN」をベースとしている。特急用としてクロスシートで製作された9300系に対し、ロングシートで製造されたため、側窓は天地方向に若干縮小された連続窓となっている。屋根付近は先頭部の前照灯部分から連続して、集約分散式クーラーのキセや、シングルアームのパンタ台を隠す構造になっている。フルカラーLEDの種別・行先表示装置は、阪急では初採用になり、9300系増備車にも踏襲された。
性能面では9300系と同じく3M5T組成で、1C2M×2群のVVVF制御装置(IGBT素子)で、200kwの大出力モーターを制御する。電機品は東芝製を採用。台車はボルスタ付モノリンクに戻った。
車内は阪急伝統の木目化粧板+オリーブグリーンのシートの配色を踏襲している。天井が8000系より70㎜高くなった。ロングシートは片持ち式になり、中間に仕切りを設け、3-2-3に区別されている。荷物棚の形状は棒状となった。ドア上にはこれも阪急初のLCD式車内案内表示が、千鳥状に設けられた。車椅子スペースは各車両に1箇所ずつ設置されている。窓ガラスは紫外線カットのUVガラスとなったが、引き続き日除けスクリーンも併用している。2010(H22)年末新造の神戸線9002Fは車内照明にLEDを採用、2011(H23)年3月一杯まで「未来のあかり号」として運行されていた。以降の編成も正式にLED照明としている。
2013(H25)年までに8連×11編成、合計88両が製造されて3000系などを置き換えた。6編成が神戸線に、5編成が宝塚線に配置されている。各種列車に使用され、朝ラッシュ時には8000系2連を増結して、10両編成でも運用される。近年、一部車両の前照灯がLEDに変更されている。
【編成】
←梅田方 神戸三宮・宝塚方→
*Mc1 9000* - T1 9550 - T2 9570 - T2 9570 - T2 9570 - T1 9550 - *M1 9500* - Mc2 9100
* パンタグラフ ※代表的な編成例
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル2007年10月臨時増刊号 鉄道車両年鑑2007年版」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2010年8月臨時増刊号 【特集】阪急電鉄」(鉄道図書刊行会)
「HANKYU MAROON WORLD 阪急電車のすべて2010」(阪急コミュニケーションズ)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄12 阪神電気鉄道/阪急電鉄②」(朝日新聞出版)
「鉄道ダイヤ情報 2014年2月号」(交通新聞社)
阪急電鉄 公式WEBサイト 等
を参考にさせて頂きました。
次回の当シリーズは阪神5500系です。
「未来のあかり号」は調べてみたら、東日本大震災・原発事故を挟んだ時期の運行で、というから狙った訳ではないが、結果的になんというタイミングかとも思いました。どちらかと言えば阪神・淡路大震災の鎮魂の意味があったのだろうと思うが(「ルミナリエ」の時期だったし)、もう少し長く走っても良かったかもと、今になれば思います。
当ブログでは直接のコメントは受け付けないので、何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
「指宿のたまて箱」の事故は正直つい今しがた知りました。一昨年の京急の追浜の事故に似ている気がしました。九州は大雨が断続的に続いているようだけれど、またこんな事故が繰り返されたり、そうでなくても長期に渡る不通が発生するような事態は起こらないで欲しいと思います。北海道でもまた貨物列車の脱線事故が起きていて、日本全国、鉄道がちょっとゴタゴタしている印象があります。
《今日のニュースから》
プロ野球交流戦 巨人が2年ぶり2度目の優勝
雨天中止で未消化の4試合が残るが、今年はここまでセ・リーグ68勝、パ・リーグ69勝(引き分け3試合)。交流戦は例年パ・リーグ勢が圧倒的に強いが、今シーズンはほぼ互角でしょう。DH制採用をセとパのホームで入れ替えた事が影響しているかも知れません。
この記事へのトラックバック